JPS6124706Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は冷凍用密閉形圧縮機に係り、特に副軸
受面およびスラスト受面への円滑な給油を行うこ
とのできる冷凍用密閉形圧縮機に関する。

従来、上下に配された主軸受と副軸受とにそれ
ぞれ支持された主軸および副軸を軸として回動し
主軸および副軸の中間位置に設けられたクランク
部によつてピストンを作動させて圧縮する冷凍用
密閉形圧縮機は一般に知られている。そしてその
副軸と副軸直上のスラスト受部への給油手段とし
ては、副軸に油溝を設けるか、または副軸受の長
手方向中央部近傍に副軸に向かつて給油孔を設
け、これにより給油する方法が採られている。

しかしながら副軸に油溝を設ける方法は、加工
が容易でなく製作費が嵩む等の難点があり、また
副軸受に給油孔を設ける方法は、油の吸引が不充
分であり円滑な給油が期待できない等の難点があ
る。

本考案は前記従来の難点を解決し、油溝の形成
が容易で、かつ給油が確実な冷凍用密閉形圧縮機
を提供することを目的とする。

本考案は、副軸受に、副軸の長手方向にそつて
油溝を設けるとともに副軸受上面に副軸の外周に
接するように円環状の溝を設け、かつ副軸直上の
スラスト受部にそつて副軸受上面に、前記油溝に
連通するスラスト面用油溝を設け、このスラスト
面用油溝と連通するように副軸受上面に油溜を設
け、スラスト受部の回転に伴なう遠心力によつ
て、油溝下端部から潤滑油を上方に吸引し円滑な
給油を行ない得るように構成したものである。

以下本考案を図示する一実施例に基づいて説明
する。

第１図において１はクランク部であり、このク
ランク部１の上下には、主軸２および副軸３がそ
れぞれ一体に設けられている。そして、クランク
部１にはコンロツド４を介してピストン５が設け
られ、また主軸２および副軸３は、密閉形ケーシ
ング６の主軸受７および副軸受８に回転自在にそ
れぞれ軸支されている。クランク部１の下端部と
副軸３の上端部との連結部分には、前記副軸受８
の上面側に位置するように広鍔のスラスト受部９
が設けられており、また副軸３の副軸受８から下
方に突出する下端部には、副軸３、クランク部１
および主軸２の内部を貫通して設けられた油路１
０に潤滑油１１を送油するオイルポンプ１２が設
けられている。この油路１０は、図示するように
クランク部１とコンロツド４との連結部および主
軸２の周面に設けられた油溝１３にそれぞれ開口
され、この部分を潤滑するように構成されてい
る。

副軸受８には、第２図おび第３図に示すように
副軸３の長手方向にそつて油溝１４が設けられ、
また副軸受８上面には、油溝１４に連通しスラス
ト受部９側に開口するスラスト面用油溝１５およ
びこのスラスト面用油溝１５に副軸３を介して対
向するスラスト面用油溝１６がそれぞれ設けられ
ている。そしてこのスラスト面用油溝１６と油溝
１４とは、第３図に示すように副軸受８上面に副
軸３の外周に接して設けられた円環状の溝１７を
介して連通されている。

なお第１図および第２図において１８は、副軸
受８上面にスラスト面用油溝１５，１６と連通す
るように設けられた油溜、１９は油面である。そ
して油面１９は、圧縮機が静止状態でスラスト面
用油溝１５，１６より上方に位置するようになさ
れている。

以上の構成において圧縮機が回転するとスラス
ト受部９の外周に遠心力が働き、これにより潤滑
油１１は油溝１４の下端部から、油溝１４、スラ
スト面用油溝１５，１６および溝１７を介して循
環することになる。よつて、たえず副軸３と副軸
受８との摺動部に給油し、摺動部の焼付を防止で
きる。

なお、油面１９がスラスト面用油溝１５，１６
より下方に位置している場合には、オイルポンプ
１２から油路１０および油溝１３を介して主軸２
に給油された潤滑油が落下し、油溜１８に溜ま
る。そして、この潤滑油がスラスト受部９まで溜
まると、スラスト受部９の外縁部により油が飛ば
され、この部分が負圧になり、潤滑油は油溝１
４、スラスト面用油溝１５，１６および溝１７を
介して循環することになる。これにより副軸受８
摺動部の給油ができる。

以上説明したように本実施例によれば、従来の
ように副軸に給油孔および油溝等を設ける必要が
なく製作費が低廉である。そして、副軸受をアル
ミダイカスト製にした場合には、ダイカスト成形
で油溝を形成することができる。

また、給油はスラスト受部外縁部の遠心力によ
るため、吸引力および吸引距離が確実充分で給油
が完全に行なわれる。

さらに、潤滑油量が少ない場合でも副軸受上面
の油溜に留まつた潤滑油を利用して充分な給油が
可能である。

以上本考案を好適な実施例に基づいて説明した
が、本考案によれば油溝等の形成が容易で、かつ
給油が確実である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図、第
２図は第１図の要部拡大図、第３図は第２図の
−線断面図である。 ２……主軸、３……副軸、５……ピストン、７
……主軸受、８……副軸受、９……スラスト部、
１４……油溝、１５，１６……スラスト面用油
溝、１７……溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下に配された主軸受と副軸受とにそれぞれ支
   持された主軸および副軸を軸として回転し、主軸
   および副軸の中間位置に設けられたクランク部に
   よつてピストンを作動させて圧縮する冷凍用密閉
   形圧縮機において、副軸受に副軸の長手方向にそ
   つて油溝を設けるとともに副軸受上面に副軸の外
   周に接するように円環状の溝を設け、かつ副軸直
   上のスラスト受部にそつて副軸受上面に前記油溝
   に連通するスラスト面用油溝を設け、このスラス
   ト面用油溝と連通するように副軸受上面に油溜を
   設けてなることを特徴とする冷凍用密閉形圧縮
   機。