JPS6124057B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は蓄圧式の噴霧器に関する。

この種噴霧器として従来種々のものが知られて
いるが、通常の手動式噴霧器に比べると構造が複
雑化するために構成部品の数が極めて多く、従つ
て部品製作上および組立てが面倒となり、又故障
も生じ易い欠点があつた。

本発明はそのような欠点を除去したもので、以
下図面について説明する。

本発明噴霧器は、噴霧器本体１と、噴霧ヘツド
２０と、嵌着部材３０と、ピストン部材４０と、
吸上げパイプ５０と、スプリング６０との６部材
で形成させてある。

噴霧器本体１は、容器体口頚部への螺合用周壁
２を有する。３は螺合のためのねじ部である。螺
合用周壁の上端からは内向きフランジ状に頂壁４
が突出させてあり、その頂壁の内周面に主筒部５
の上部側面が接続させてある。主筒部は、下部を
小径シリンダ６とし、上部を小径シリンダよりも
大径のガイド筒７としたものであり、小径シリン
ダ下端からは更に吸上げパイプ嵌合筒８が垂設さ
せてある。ガイド筒７の上半部を頂壁上方に突出
させ、他部は頂壁下方に垂設させる。周壁２と主
筒部５とは軸線を同一に形成させる。小径シリン
ダ６の底部内面には吸込み弁孔９を設ける。該弁
孔は図示例では小径シリンダ下端の内向きフラン
ジから上端に小径の吸込み弁孔９を有する弁筒１
０を起立させて形成させてある。尚小径シリンダ
６の下部内面とガイド筒７の中間部内面とには縦
溝１１ａ，１１ｂが形成させてあり、又小径シリ
ンダとガイド筒との連続部には透孔１２が穿設さ
せてあるが、これ等については後述する。頂壁４
の上面からは噴霧ヘツドの抜出しを防止するため
の上端内縁に係合突条１３を周設させた係合用筒
１４が突出させてある。

噴霧ヘツド２０は、頂壁２１周縁から周壁２２
を垂設させて形成させたものであり、その頂壁上
面には指当て用の凹部２３があり、周壁の上部に
はノズル孔２４が穿設させてある。周壁は、上記
係合用筒１４内へ上下動可能に嵌合させ、その周
壁下端外縁に周設させた突条２５が係合用筒の係
合突条１３と係合することで抜出しが防止でき
る。

嵌着部材３０は、上部噴霧ヘツドの周壁内面へ
嵌着させた大径シリンダ孔３１を有し、その上部
内面から接続部３２を介して下部を棒状弁体３３
とした棒部３４を垂設させたものである。その棒
状弁体３３は、既述の吸込み弁孔９に嵌合するこ
とによつてその弁孔を水密に閉塞するものであ
り、これ等弁体と弁孔とで吸込み弁が形成され
る。棒状弁体下端からは、該弁体よりも、従つて
弁孔９よりも小径のガイド杆３５を垂設させるこ
とが望ましい。大径シリンダ３１にはノズル孔２
４に連通する吐出弁孔３６を穿設させておく。該
吐出弁孔は、後述の大径ピストン４３によつて通
常閉塞されるもので、吐出弁孔３６からノズル孔
２４にいたる吐出路３７は大径シリンダ外面に形
成させてあり、かつ該吐出路は通常行われている
ように通過液体にスピンがかかる構造としてあ
る。

ピストン部材４０は、上述嵌着部材の棒部３４
へ遊嵌させた管部４１を有し、その管部下端には
スカート状の小径ピストン４２を、上端にはスカ
ート状の大径ピストン４３をそれぞれ付設させた
ものである。それ等両ピストンはそれぞれ既述の
小径シリンダおよび大径シリンダ内へ摺動可能に
嵌合させる。図示例では管部４１の下半は小径
に、上半は大径に形成させてあり、その上半部の
下端にもスカート状の中径ピストン４４が付設さ
せてあつて、中径ピストンは、既述のガイド筒７
内へ摺動自在に嵌合させてある。尚管部４１内面
と棒部３４外面との間には小径シリンダ内と大径
シリンダ内とを連通する隙間が形成されている。

吸上げパイプ５０は吸上げパイプ嵌合筒８へ上
端を嵌合させたもので、下端が容器体底壁に達す
る長さとしておく。

スプリング６０は、噴霧器本体の主筒部５とピ
ストン部材４０との間に装着させてピストン部材
４０と、嵌着部材３０と、噴霧ヘツド２０とを上
方へ付勢させるためのものである。図示例では小
径シリンダ下端内面と管部４１の下端との間に設
けてあるが、他の位置に代えてもよい。

スプリングの付勢によつて、小径ピストン４２
は小径シリンダ６の上端内に、大径ピストン４３
は大径シリンダ３１の上端内に、又中径ピストン
４４はガイド筒７の上端にそれぞれ位置し、該位
置は噴霧ヘツドの周壁下端の突条２５が係合用筒
１４の係合突条１３に係合することで維持され
る。このとき吸込み弁孔９と棒状弁体３３とが形
成する吸込み弁は開口されており、又吐出弁孔３
６と大径ピストン４３とからなる吐出弁は閉塞状
態にある。

上記構成の噴霧器を、液体を収納させた容器体
７０の口頚部７１へ螺合させ、噴霧ヘツド２０を
スプリングの付勢に抗して押下げする。大小両径
シリンダ３１，６内、およびピストン部材４０内
とからなる蓄圧室内には空気が入つているから、
棒状弁体３３が吸込み弁孔９内に入つて吸込み弁
を閉塞すると、蓄圧室内は噴霧ヘツドの下降につ
れて除々に高圧化することとなる。すると、大小
両径シリンダ３１，６の径差によつてピストン部
材４０は下降している嵌着部材に対して更に下降
することとなり、従つて大径シリンダ３１に対し
て大径ピストン４３が下降するため吐出弁孔３６
が蓄圧室内に開口して吐出弁が開き、圧縮された
空気をノズル孔から排出する。小径ピストン４２
が小径シリンダの縦溝１１ａに達したとき、該縦
溝を介して主筒部５の透孔１２にいたる通路が小
径シリンダ内壁とピストン部材の管部小径部分外
面との間に形成されて残圧排出により蓄圧室内の
高圧状態が解消され、該解消によりピストン部材
は嵌着部材に対してスプリングの付勢により上昇
して吐出弁を閉塞する。該状態で噴霧ヘツドを離
すと、ピストン部材４０、嵌着部材３０、噴霧ヘ
ツド２０がそのまゝ上昇する。該上昇により蓄圧
室内は負圧化するから、吸込み弁の開口によつて
吸上げパイプ８を介して容器体内液体が吸込まれ
る。

次回からの噴霧ヘツド押下げによつて加圧液体
がノズル孔から噴出されて噴霧することとなる。
尚容器体内は液体減少によつて負圧化する筈であ
るが、中径ピストン４４がガイド筒７中間内面の
縦溝１１ｂに達したとき、該縦溝を介してピスト
ン部材の管部４１外面とガイド筒７内面との間に
通路が形成されて外気が透孔１２から流入してそ
の負圧化を防止する。尚小径ピストンが小径シリ
ンダの縦溝１１ａに達して蓄圧室内の残圧を透孔
１２から容器体内に排出するときには、中径ピス
トン４４はガイド筒の縦溝１１ｂよりも下方に位
置してその残圧がガイド筒とピストン部材との間
を通つて上方へ洩れることを防止している。

本発明は上記構成とするものであり、従つて部
品数はスプリング６０および吸上げパイプ５０を
含めても６部品だけで構成することができて部品
の製作および組立てが容易となつて廉価とするこ
とが出来、又吸込み弁および吐出弁の弁体は部品
の一部で形成させたから、玉弁を使用した場合の
ように噴霧器を傾けた際などに所定の位置からず
れるようなこともなく、又組立て時に玉弁を粉失
するようなこともない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明噴霧器の縦断面図である。 １……噴霧器本体、２０……噴霧ヘツド、３０
……嵌着部材、４０……ピストン部材、５０……
吸上げパイプ、６０……スプリング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 容器体口頚部への螺合用周壁２を有すると共
   に、該周壁の上端部から内向きフランジ状に突出
   させた頂壁部４の内周縁から下部を小径シリンダ
   ６とする主筒部５を垂設させた噴霧器本体１と、
   頂壁周縁から垂設させた周壁２２の上部側面にノ
   ズル孔２４を穿設させた噴霧ヘツド２０と、該噴
   霧ヘツドの周壁内へ嵌着させた大径シリンダ３１
   を有し、該大径シリンダの上部内面から下部を棒
   状弁体３３とした棒部３４を垂設させてその棒状
   弁体を小径シリンダ６内へ遊挿させた嵌着部材３
   ０と、該嵌着部材の棒部へ遊嵌させた管部４１を
   有し、該管部の下端にはスカート状の小径ピスト
   ン４２を、又上端にはスカート状の大径ピストン
   ４３を形成させてそれぞれ小径および大径シリン
   ダ内へ摺動自在に嵌合させたピストン部材４０
   と、液体吸上げ可能に小径シリンダ下端へ連通嵌
   合させた吸上げパイプ５０と、噴霧器本体の筒部
   とピストン部材との間に装着させてピストン部材
   と嵌着部材と噴霧ヘツドとを上方へ付勢させたス
   プリング６０とからなり、小径シリンダの底部内
   面には吸込み弁孔９を設けると共に又大径シリン
   ダにはノズル孔に連通しかつ通常は大径ピストン
   により閉塞されている吐出弁孔３６を穿設させて
   おき、噴霧ヘツドを押下げると棒状弁体３３が吸
   込み弁孔内に入つてその弁孔を閉塞すると共に、
   大小径両シリンダ内とピストン部材内からなる蓄
   圧室内が高圧化して大小径両シリンダの径差によ
   りピストン部材が下降して吐出弁孔が開孔可能と
   したことを特徴とする蓄圧式噴霧器。