JPS61240223A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPS61240223A
JPS61240223A JP6827885A JP6827885A JPS61240223A JP S61240223 A JPS61240223 A JP S61240223A JP 6827885 A JP6827885 A JP 6827885A JP 6827885 A JP6827885 A JP 6827885A JP S61240223 A JPS61240223 A JP S61240223A
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JP
Japan
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polyimide
liquid crystal
solvent
mol
formula
Prior art date
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Pending
Application number
JP6827885A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazumasa Igarashi
一雅 五十嵐
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP6827885A priority Critical patent/JPS61240223A/ja
Publication of JPS61240223A publication Critical patent/JPS61240223A/ja
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  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、フェノール系有機溶剤以外の有機溶剤に対
しても優れた溶解性を呈する溶剤可溶性ポリイミドを用
いた液晶表示素子に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、液晶表示素子、特に電界の作用により動作する電
気光学的効果を利用したネマチック液晶表示素子では、
配向膜として二酸化珪素の斜め蒸着膜等の無機質材料が
用いられていた。この斜め蒸着膜は、透明性には優れて
いるが、電極が見えるという欠点があり、また、特定の
液晶しか配向できないという難点も有していたため、最
近では、二酸化珪素の斜め蒸着法に代わり、配向規制力
が強いポリイミド系有機配向膜が使用されるようになっ
てきている。特にポリマー中にシロキサン結合を共重合
で導入したポリイミド系ポリマーは、透明電極を備えた
基板(ガラス)に対して優れた密着性を発揮し、また液
晶配向性、配向規制力の耐熱性および耐湿寿命等の各特
性にも優れているため、電卓1時計等の表示体として広
く使用されている。しかし、この種配向膜を備えた液晶
表づ      示素子においても、長期に亘る通電劣
化によって誘起ドメイン現象(電圧印加時に視界の異な
る現象、例えばにじみ2斑点が現われ表示が不鮮明にな
る)が発生する欠点があった。これは主にIn2O3か
ら成る透明電極の抵抗値が変動することに起因するもの
である。このような透明電極の抵抗値変動はポリイミド
系有機配向膜を焼成させて皮膜化する時の高温加熱処理
に原因のあることが確認されている。
すなわち、耐熱性に優れたポリイミド系樹脂は、有機溶
剤に不溶であるため、一般にその前駆体であるポリアミ
ド酸の状態で有機溶剤に溶解し、これを基板に塗布等し
て薄膜化したのち、高温下で長時間加熱処理して脱水閉
環させポリイミド膜とすることが行われるのであり、こ
の高温加熱処理(通常200〜350℃)によって、基
板に設けられた透明電極の抵抗値が変動することが確認
されている。このような透明電極の抵抗値の変動の問題
は、ポリイミド自体に溶剤可溶性を付与し、これを用い
てポリイミドの溶液をつくり、これを基板にそのまま塗
布等し溶剤を揮散させてポリイミド膜化すれば、ポリイ
ミド前駆体の、ポリイミドへの変換に必要な加熱処理が
不要となり、加熱処理は溶剤の揮発のみの低温処理です
むようになるため解決することができる。
従来、有機溶剤可溶性のポリイミドを得るために種々の
提案がなされている。例えば、特公昭47−26878
号公報には、3,3”、4.4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸ないしその二無水物と、少なくとも60モ
ル%のアミノ基に対してオルソ位にアルキル基、ハロゲ
ン基等を有する芳香族ジアミンとをフェノール系溶剤中
で加熱反応させて、上記溶剤に可溶なポリイミドを得る
方法が提案されており、特開昭55−65227号公報
には、80モル%以上の3.3’、4.41−ビフェニ
ルテトラカルボン酸類と、70モル%以上の4,4′ 
 −ジアミノジフェニルエーテルとを使用し、ハロゲン
化フェノール化合物中で加熱反応させて上記溶剤に可溶
なポリイミドを得る方法が提案されている。また、特開
昭58−187430号公報にもハロゲン化フェノール
を溶剤とする可溶性ポリイミドを製造する方法が提案さ
れている。しかしながら、これらの方法によって得られ
るポリイミドは、フェノール、ハロゲン化フェノール等
の溶剤にしか溶解しないため、溶剤としてこれら、フェ
ノール系の溶剤を用いざるを得ない。ところが、これら
の溶剤は臭気(例えばクレゾール臭)が強く、また皮膚
に付着すると火傷を生じたりするため、その使用につい
ては安全衛生上問題がある。
他方、特公昭52−30319号公報には、上記のよう
なフェノール系の溶剤ではなく、N−メチル−2−ピロ
リドンに溶解する溶剤可溶性ポリイミドの製法が提案さ
れている。すなわち、テトラカルボン酸ならびにその誘
導体と、特定の4核体ジアミンとをN−メチル−2−ピ
ロリドン中において80℃以上で反応させ上記溶剤に可
溶なポリイミドを得る方法が提案されている。また、特
公昭56−15648号公報には、同じく特定の4核体
ジイソシアネート化合物を用いて可溶性ポリイミドを得
る方法が提案されている。これらの提案法によって得ら
れるポリイミドは、N−メチル−2−ピロリドンに溶解
して用いることができるため、前記フェノール系溶剤を
用いるときのような安全衛生上の問題は生じない。しか
しながら、上記の提案法では、ポリマーの結晶性を崩す
、トルエンジアミン等のジアミンやジイソシアネートを
ポリイミドの出発物質として用いるため、得られる溶剤
可溶性ポリイミドが、ポリイミド本来の液晶配向性、配
向規制力の耐熱性、耐湿寿命。
電気特性、電気絶縁性を発揮しえないという難点を有す
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このように、これまで提案された可溶性ポリイミドの製
法は、いずれも一長一短があり、安全衛生上の問題およ
びポリイミド本来の優れた諸特性を損なうという問題の
双方を生じることのない溶剤可溶性ポリイミドを製造す
ることができないのである。したがって上記の提案法に
よって得られた、溶剤可溶性ポリイミドを用いて液晶配
向膜をゴ 形成するときには、高温加熱処理だけは不要となるため
、それに起因する透明電極の抵抗値変動の問題は解決で
きるが、配向膜形成作業に際してフェノール系溶剤にも
とづく臭気、火傷の問題が生じたり、形成された配向膜
が、ポリイミド本来の優れた特性を備えていす性能が不
充分であるという問題が新たに生じたりし、満足しうる
ような結果が得られないのである。
この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、ポ
リイミド本来の優れた特性をもつ液晶配向膜を備え、長
期に亘る通電劣化によって誘起ドメイン現象を生じるこ
とがなく、かつ製造に際して安全衛生上の問題を生じる
こともない液晶表示素子の提供をその目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、この発明の液晶表示素子は
、液晶配向膜を、下記の式(1)で表される反覆単位を
81〜51モル%、下記の式(2)で表される反覆単位
を1〜4モル%、下記の式(3)で表される反覆単位を
18〜45モル%含有する゛溶剤可溶性ポリイミドによ
って構成するものである。
(余 白 〕 すなわち、この発明者は、ポリイミドに関しての一連の
研究の過程で、上記の式(1)のジアミン残基に対応す
る芳香族4核体ジアミンがポリイミドに対して優れた溶
剤溶解性を付与しうろことを見いだした。そして、この
知見にもとづいてさらに研究を重ねた結果、ポリイミド
に対して優れた溶解性を付与する反面ポリイミド本来の
特性を損なうようにも作用するトルエンジアミン(上記
式((3))に係る)と、上記の芳香族4核体ジアミン
とを併用し、相互の使、用割合を特定範囲内に設定する
と、ポリイミド本来の優れた諸特性を損なうことなく、
ポリイミドに優れた溶解性を付与しうるようになること
を見いだした。そして、さらに一層研究を重ねた結果、
上記式(2)に係るジアミノシロキサンをさらに特定の
割合で使用すると、シリコンウェハ等のケイ素含存材に
対する密着性をも付与しうるようになることを見いだし
この発明に到達したのである。
この発明に用いる溶剤可溶性ポリイミドは、このように
、芳香族4核体ジアミン、トルエンジアミン、ジアミノ
シロキサン等が所定割合で配合されているジアミノ化合
物を、芳香族テトラカルボン酸二無水物等と反応させる
こと等により合成される。
上記芳香族テトラカルボン酸二無水物等としては、例え
ば3.3’ 、4.4’  −ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物および3.3’ 、4.4’−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物があげられ、また、これ
らのエステルや酸塩化物等の誘導体もあげられる。これ
らは単独で用いてもよいし併用してもよい。しかしなが
ら、特に好適なものは二無水物である。この二無水物を
用いると畦 、特に優れた溶剤可溶性ポリイミドが得られるようにな
る。
上記芳香族テトラカルボン酸二無水物と反応させるジア
ミンは、下記の一般式(A)、  (B)。
(C)で表されるものである。
上記式(A)で表される芳香族4核体ジアミンとしては
、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパンが好ましいが、その他の好ましい代表例と
しては、2.2−ビス〔3−メチル−4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−
クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン、1.1−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕エタン、1.1−ビス〔3−メチル−4−(4
−アミノフェノキシ)フェニルコメタン、1.1−ビス
〔3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル
〕エタン、1,1−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、ビス(4−(
4−アミノフェノキシ)フェニルコメタン、ビス〔3−
メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニルコメタ
ン、ビス〔3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕エタン、ビス〔3,5−ジメチル−4−(4
−アミノフェノキシ)フェニルコメタン等があげられる
上記式(B)で表されるジアミノシロキサンの代表的な
ものを例示すると、下記の通りである。
CH:l  CH3 HJ−+Cl−1−Si−0−St朕CHけ丁NH21
: CH:+  CH3 CH3GHz HzN−(−CH計5i−0−SinCHz廿NH。
!     l CH3CH3 CbHs  CbHs I Hz N A CHけ了5i−0−5i−+CHけ丁N
H2CbHs  CbHs CHx  CH3 r)1.    01’:)1.   CLCbHs 
  OCH3CbHs また、上記式(C)で表されるものは、2.4−トルエ
ンジアミン、2,6−トルエンジアミンである。
なお、必要に応じて上記3種類のジアミン以外に、分子
内にケイ素原子を有しない従来公知のジアミンが用いら
れる。しかしながら、この種のジアミンの多量の使用は
ポリイミドの溶剤溶解性を損なうこととなるため、その
使用量は後記の範囲内に制限される。このような従来公
知のジアミンはつぎのとおりである。すなわち、メタフ
ェニレンジアミン、バラフェニレンジアミン等の1核体
ジアミン、4,4“ −ジアミノジフェニルメタン、4
.4’−ジアミノジフェニルエーテル、2゜2′−ビス
(4−アミノフェニル)プロパン、3呵 、3″−ジアミノジフェニルスルホン、4.4′−ジア
ミノジフェニルスルホン、4.4’  −ジアミノジフ
ェニルスルフィド、ベンジジン、ベンジジン−3,3”
 −ジスルホン酸、ベンジジン−3−モノスルホン酸、
ベンジジン−3−モノカルボン酸、3,3′ −ジメト
キシベンジジン等の2核体ジアミン、4.4″−ジアミ
ノ−p−ターフェニル、1.4−ビス(m−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、1.4−ビス(p−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、l、4−ビス(m−アミノスルホニル)
ベンゼン、1.4−ビス(p−アミノフェニルスルホニ
ル)ベンゼン、1.4−ビス(m−アミノフェニルチオ
エーテル)ベンゼン、1.4−ビス(p−アミノフェニ
ルチオエーテル)ベンゼン等の3核体ジアミン、4,4
′ −ジアミノジフェニルエーテル−3−カルボンアミ
ド、3.4’  −ジアミノジフェニルエーテル−4−
カルボンアミド、3.4’ −ジアミノジフェニルエー
テル−31−カルボンアミド、3,3” −ジアミノジ
フェニルエーテル−4−カルボンアミド等のジアミノカ
ルボンアミド化合物、4.4’  −(4−アミノフェ
ノキシ)ジフェニルスルホン、4,4° −(3−アミ
ノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4.4’  −(
4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィド、4,4
” −(4−アミノフェノキシ)ビフェニルのような4
核体ジアミン等の芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、脂
環族ジアミン等があげられる。
この発明においては、上記の一般式(A)、(B)、(
C)で表される3種類のジアミンを適正な割合に配合し
、必要な場合には従来公知のジアミンをさらに適正な割
合で配合し、生成ポリイミド中に、式(A)のジアミン
から誘導される前記式(1)の反覆単位が81〜51モ
ル%、式(B)から誘導される前記式(2)の反覆単位
が1〜4モル%、式(C)から誘導される前記式(3)
の反覆単位が18〜45モル%含有されるようにするこ
とが必要である。すなわち、ポリイミド中には、前記式
(1)の反覆単位が81〜51モル%、前記式(2)の
反覆単位が1〜4モル%、前記式(3)の反覆単位が1
8〜45モル%含有されている必要がある。これらの量
的関係を満たさなければ、所期の効果が得られなくなる
ポリイミドに優れた溶剤溶解性を付与するためには、上
記式(A)で表される芳香族4核体ジアミンと式(C)
で表されるトルエンジアミンとを併用し、ポリイミド中
に、前記式(1)の反覆単位および前記式(3)の反覆
単位の双方を導入することが必要である。しかし、トル
エンジアミンはポリイミドに対して優れた溶解性を付与
する反面、ポリイミドの結晶性を崩しポリイミド本来の
特性を損なうため、ポリイミド本来の緒特性を損なうこ
となくポリイミドに優れた溶解性を付与するためには、
トルエンジアミンの量をジアミン全体中の18〜45モ
ル%に設定してトルエンジアミンから誘導される前記式
(3)の反覆単位をそれと同様の割合に設定する必要が
ある。最も好ましいのは20〜40モル%の範囲内であ
る。また、ポリイミドに、ガラス等、ケイ素含有基材に
対する密着性を付与するため、式(B)で表されるジア
ミノシロキサンをさらに用い、ジアミノシロキサンから
誘導されるシロキサン結合をポリイミド中に導入する必
要がある。しかし、これの過剰導入はポリイミドの耐熱
性、耐湿性を損なうこととなるため、式(B)で表され
るジアミノシロキサンの量をジアミン全体中の4モル%
までに抑制し、ポリイミド中に導入される式(2)の反
覆単位を4モル%以下に規制するのである。最も好ま°
しいのは2〜3.5モル%である。
なお、必要に応じて上記式(A)、  (B)、  (
C)で表されるジアミン以外に、分子内にケイ素原子を
有しない従来公知のジアミンが用いられるが、その多量
の使用はすでに述べたようにポリイミドの溶解性を損な
うこととなる。この観点から、この種のジアミンの使用
量は、上記式(A)で示される芳香族4核体ジアミンの
実際の使用量の10モル%までの置換使用に制限される
。このように、分子内にケイ素原子を有しない従来公知
のジアミンを用いる場合には、目的とする溶剤可溶性ポ
リイミド中に、そのジアミンと芳香族テトラカルボン酸
二無水物との反応生成物が、前記式(1)、 (2)、
 (3)で表される反覆単位以外の第4の反覆単位とし
て含まれるようになる。
重合反応は、例えば従来公知の方法に準じ、芳香族テト
ラカルボン酸二無水物と、上記式(A)、  (B)、
  (C)で表されるジアミンならびに従来公知のジア
ミンが所定割合で配合されたジアミノ化合物とを、有機
溶剤中で等モルもしくは略等モル仕込み、低温(60℃
以下)でまずポリアミド酸ポリマーを合成する。引き続
いて80〜200℃、好ま□しくは120〜180℃の
範囲内に昇温させる。これによりアミド酸構造部分にお
いて脱水閉環が起こってイミド化が進行し目的とする溶
剤可溶性ポリイミドが合成される。上記脱水閉環時に生
成する水は有機溶剤に溶は込み、後工程の乾燥・硬化過
程において溶剤と共に大気中に蒸発するため、予め副生
ずる水を反応系外に取り出すという操作は必要ない。反
応の進行度合は、イミド化率を検知することにより知り
得るが、これは公知方法(特公昭57−41330号)
である赤外吸収スペクトルのイミド基の特性吸収帯の変
化率から求めるという方法により行うことができる。
このようにして得られる溶剤可溶性ポリイミドは、イミ
ド化率が90%以上で、通常のものは95%以上、最も
優れたもので98%以上である。
前記の重合反応に用いる溶剤は特に制限するものではな
い。好適な溶剤として、N−メチル−2−ピロリドン、
N、N” −ジメチルアセトアミド、N、N’−ジメチ
ルホルムアミド、N、N’  −ジメチルスルホキシド
、ヘキサメチルホスホルアミド等の塩基性不活性溶剤な
らびにアセトフェノン、シクロヘキサノン等のケトン系
溶剤があげられる。安全衛生上の問題を度外視すればフ
ェノール系有機溶剤をも用いることができる。N−メチ
ル−2−ピロリドン以外の溶剤を使用するときには各溶
剤の沸点以下の温度でイミド化反応を行う必要がある。
この発明の溶剤可溶性ポリイミドは、広範な溶剤に溶解
するため、前記の重合反応に用いた有機溶剤をそのまま
希釈溶剤として使用することができる。
このように、この発明の溶剤可溶性ポリイミドは、前駆
体の状態ではなくポリイミドの状態で有機溶剤に溶解す
るため、その溶液を被着体に塗布し、120〜180℃
程度の温度において180〜5分間加熱処理するという
極めて簡易な操作で、通常400〜2000人の膜厚の
ポリイミド膜を形成することができ、しかも形成された
ポリイミド膜はポリイミド本来の優れた緒特性を備えて
いる。この場合、上記溶剤可溶性ポリイミドは、その溶
液粘度(ポリイミドをN−メチル−2−ピロリドンに溶
解しく濃度3〜25%)25℃で測定)が0.01〜1
00ポイズの範囲にあることが好適であり、好結果をも
たらす。
したがって、この発明に係る配向膜は、上記ポリイミド
の溶液を、毛塗り、浸漬、回転塗布、印刷その他の慣用
手段により基板に塗布し、120〜180℃程度の温度
で5〜180分間程度加熱処理し生成膜を布、ガーゼ、
ベルベット等で一方方向にこすり(ラビング処理)配向
性を高めることにより形成することができ、従来のポリ
アミド酸溶液(ポリイミド前駆体溶液)を用いる場合の
、例えば200℃で60分間、または200℃で30分
間さらに300℃で30分間といった高温加熱処理工程
は不必要となる。その結果、高温加熱処理に起因する基
板付設透明電極の抵抗値の変動が生じず、したがって、
それにもとづ(誘起ドメイン現象の発生が阻止され液晶
表示素子の信頼性の向上が実現されるようになる。しか
も、上記配向膜はポリイミド本来の優れた緒特性を備え
ており、優れた性能を発揮するのである。
なお、この発明の液晶表示素子の製造は、特殊な方法に
よるものでな〈従来公知の方法をそのまま採用できる。
すなわち、上記液晶配向膜が形成された基板を2枚所定
の間隔を保って対峙させ、その間に液晶を注入したのち
シールする等によって製造することができる。
また、この発明においては、ポリイミド配向膜の配向性
をさらに高めるため、γ−アミノプロビルトリエトキシ
シラシ、γ−グリシドキシブロピルトリメトキシシラシ
、N−フェニルアミノブロピルトリメトキシシラシなど
のシランカップリング剤をポリイミド樹脂の固形分に対
して0.1〜20重量%の割合で添加することができる
のである。
〔発明の効果〕
この発明の液晶表示素子は、その配向膜が、前記(1)
、 (2)、 (31で表される反覆単位を所定の割合
で含有する溶剤可溶性ポリイミドで構成されており、そ
の配向膜の形成に際しては、上記ポリイミドの溶液をそ
のまま塗布し低温加熱処理するだけで足り、従来のよう
にポリイミド酸溶液を塗布し高温長時間加熱処理してイ
ミド化するという工程が不要となるため、高温加熱処理
に起因する透明電極の抵抗値変動が生じず、したがって
、それにもとづく誘起ドメイン現象も生じず、高い信頼
性を有するようになる。また、上記配向膜を構成するポ
リイミドは、芳香族4核体ジアミンから誘導される前記
式(1)の反覆単位を所定量導入しているとともに、ポ
リイミドに優れた溶解性を付与する反面、ポリマーの結
晶性を崩してポリイミド本来の特性を損なう前記式(3
)の反覆単位を、その弊害が生じない範囲において最大
の溶解性付与効果の得られる18〜45モル%導入して
いるため、広範な溶剤に対して優れた溶解性を有してお
り、しかもポリイミド本来の優れた緒特性は何ら損なわ
れていない。したがって、配向膜の形成に際して臭気や
火傷等の問題の生じるフェノール系溶剤をあえて用いる
必要がなく、それ以外の安全な溶剤を用いることができ
るため、安全衛生上の問題を生じない。しかも、上記ポ
リイミドは、ポリイミド本来の優れた緒特性をそのまま
有しているため、それを用いて形成された上記配向膜は
優れた性能を発揮しうるものであり、上記誘起ドメイン
現象の発生阻止効果とあいまって素子の信頼性の向上に
大きく寄与するのである。このように、この発明の液晶
表示素子は、素子自体の信頼性が極めて高く、しかもそ
の製造に際して安全衛生上の問題を生じない画期的なも
のであり、電卓1時計等の表示体として極めて有用であ
る。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
なお、以下の実施例および比較例において用いた原料は
公知の方法によって充分精製したものを用いた。
〔実施例1〕 攪拌装置、冷却管、温度計および窒素置換装置を付した
s o QmAのフラスコ中に、減圧蒸留した精製N−
メチル−2−ピロリドン150.8gを添加し窒素ガス
を流し込んだ。ついで、2.2−ビス(4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕プロパン31.37g (0
,0765モル)、2.4−トルニンジアミン2.44
g(0,02モル)、ビス(3−アミノプロピル)テト
ラメチルジシロキサンを0.87g(0,0035モル
)を順次仕込み溶解するまで攪拌した。つぎに、3.3
’ 、4゜4′ −ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物29゜4g(0,1モル)を徐々に添加した。反応系
は徐、々に粘度が増加しながら45℃まで昇温し透明粘
稠溶液となった。引続き、160℃まで1.5時間かけ
て昇温させ、その後160℃を保って3時間反応させ、
目的とする、溶液粘度29ポイズ(pS)の透明粘稠な
ポリイミドの溶液を得た。上記溶液粘度は、25℃にお
いてBM型回転粘度計で測定した粘度(以下同様)であ
る。
このようにして、得られた溶液を水中に投じ、再沈した
ポリマーを減圧乾燥し赤外吸収スペクトルを測定したと
ころ、第1図に示すように、1780cm−’にイミド
基にもとづく特性吸収帯が認められた。
つぎに、上記振作で得られたポリイミドの溶液を、N−
メチル−2−ピロリドンを用い濃度5重量%に希釈し、
スピンナーを用いて、予め酸化インジウムの電極パター
ンが形成されたガラス基板上に塗布し、塗布後180℃
で20分間加熱し、厚み500人の皮膜を形成した。つ
いで、形成した皮膜を綿棒で一定方向にこすった(ラビ
ング処理)。このようにして皮膜が形成された基板を、
所定間隔で対峙させ、その空隙を、液晶注入口予定部を
残してエポキシ接着剤で接着封止(硬化150℃x30
分、セルギャップ5μm)L、た。つぎに、上記液晶注
入口より、液晶として、P−メトキシ−P゛ −ブチル
アゾキシベンゼンを注入したのち注入口を上記エポキシ
接着剤で密封し、液晶表示素子(液晶表示セル)を得た
得られた液晶表示素子の透明電極の抵抗値変動および誘
起ドメインの測定結果は後記の表のとおりであり、配向
不良がなく、誘起ドメイン幅も非常に小さく優れた性能
を有していることがわかる。
〔実施例2〕 2.2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル
〕プロパンの使用量を23.17g(0,0565モル
)にするとともに、2.4−1−ルエンジアミンの使用
量を4.88 g (0,04モル)にした。それ以外
は、実施例1と同様にして160℃で3時間反応させ、
溶液粘度3193のポリイミド溶液を得た。このポリイ
ミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780
cm−’にイミド基にもとづく特性吸収帯が認められた
これ以降は実施例1と同様にして上記ポリイミド溶液を
濃度5重量%に希釈したのち、実施例1と同様にして厚
み600人の配向膜をもつ液晶表示セルをつくった。こ
のものも後記の表に示すとおり良好な性能を存している
ことがわかる。
〔実施例3〕 3.3’ 、4.4’ −ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物29.4g(0,1モル)に代えて、3.3’
 、4.4’  −ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物を32.2g(0,1モル)用いた。それ以外は
、実施例1と同様にして160℃で3時間反応させ、溶
液粘度30psのポリイミド溶液を得た。このポリイミ
ドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780c
m−’にイミド基にもとづく特性吸収帯が認められた。
これ以降は実施例1と同様にして上記ポリイミド溶液を
濃度5重量%に希釈したのち、・実施例1と同様にして
厚み400人の配向膜をもつ液晶表示セルをつくった。
このものも後記の表に示すとおり良好な性能を有してい
ることがわかる。
〔比較例1〕 2.2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル
〕プロパンの使用量を、芳香族4核体ジアミンの使用量
の上限を上回る35.47g(0,0865モル)に設
定するとともに、2.4−トルエンジアミンの使用量を
、その下限を下回る1、22g(0,01モル)に設定
した。それ以外は実施例1と同様にして反応させた。し
かし、反応系の温度を120℃付近に昇温させたときに
不溶物が析出した。したがって、この溶液は液晶表示セ
ルの製造に使用できなかった。
〔比較例2〕                   
  :、、2.2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ
)、〜 フェニル〕プロパンの使用量を、芳香族4核体ジアミン
の使用量の下限を下回る1 9.07 g (0,04
65モル)に設定するとともに、2.4−)ルエンジア
ミンの使用量を、その上限を上回る6、10g(0,0
,5モル)に設定した。それ以外は実施例1と同様にし
て160℃で3時間反応させ、溶液粘度32 paのポ
リイミド溶液を得た。このポリイミドの赤外吸収スペク
トルを測定したところ、1780cm−’にイミド基に
もとづく特性吸収帯が認められた。
これ以降は実施例1と同様にして上記ポリイミド溶液を
濃度5重量%に希釈したのち、実施例1と同様にして厚
み400人の配向膜をもつ液晶表示セルをつくった。こ
のものは、配向膜の性能が悪く、また誘起ドメイン幅お
よび透明電極抵抗値変動とも第1表に示すように悪かっ
た。
〔比較例3〕 ポリイミド溶液を製造するのではなく1、その前駆体の
溶液であるポリアミド酸溶液をつぎのようにして製造し
た。すなわち、実施例1と同様の反応容器に、精製N−
メチル−2−ピロリドン211.2gを仕込み窒素ガス
を流し込んだ。ついで、2.2−ビス(4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕プロパンを39.57g (
0,0965モル)、ビス(3−アミノプロピル)テト
ラメチルジシロキサンを0.87g(0,0035モル
)仕込み、溶解するまで攪拌した。そして、3.3’ 
、4.4゛ −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物2
9.4g(0,1モル)を徐々に加えたところ、反応1
      系は次第に粘度が増加して温度が40℃ま
で上昇し、透明粘稠なポリアミド酸溶液となった。この
ポリアミド酸溶液の粘度は670□であった。ついで反
応系を60℃に加温して55時間攪拌を続けたところ、
このポリアミド酸の溶液の粘度は25psへ低下した。
このようにして得られたポリアミド酸の溶液を実施例1
と同様にして濃度5重量%に希釈し、実施例1と同様な
工程(但し、塗布後の硬化条件は150℃で60分さら
に250℃で60分とした)を経由して、厚み500人
の配向膜をもつ液晶表示セルをつくった。
このものは、後記の表に示すように、誘起ドメインが幅
広く発生し、また透明電極の抵抗値が変動することから
信頼性に問題があることがわかる。
(以下余白) ※ドメイン現象(にじみ2斑点の発生)の生じている幅
【図面の簡単な説明】
図面は実施例1で得られたポリイミドの赤外吸収スペク
トル図である。 特許出願人  日東電気工業株式会社 代理人  弁理士  西 藤 征 彦 手続補正書(自発 昭和61年 5月13日

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)液晶配向膜を備えた液晶表示素子であつて、上記
    液晶配向膜が、下記の式(1)で表される反覆単位を8
    1〜51モル%、下記の式(2)で表される反覆単位を
    1〜4モル%、下記の式(3)で表される反覆単位を1
    8〜45モル%含有する溶剤可溶性ポリイミドによつて
    構成されていることを特徴とする液晶表示素子。 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・・・・・・・
    (1) ▲数式、化学式、表等があります▼・・・・・・・・・
    (2) ▲数式、化学式、表等があります▼・・・・・・・・・
    (3) 〔上記式(1)、(2)、(3)中において、R_1、
    R_2は水素、炭素数1〜4のアルキル基またはCF_
    3であり互いに同じであつても異なつていてもよい。R
    _3、R_4、R_5、R_6は水素または炭素数1〜
    4のアルキル基であり、相互に同じであつても異なつて
    いてもよい。R_7は二価の有機基、R_8は一価の有
    機基であり、nは1〜1000の整数である。R_9は
    メチル基であり、Arはビフェニルテトラカルボン酸残
    基またはベンゾフェノンテトラカルボン酸残基である。 〕
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