JPS6122954Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はモーターボート、ヨツト、小型漁船等
に設置し蓄電池を電源として投錨、揚錨作業を簡
便自在に行わしめるウインチ装置を提供するにあ
り、その特徴とするところは揚錨時に於ける巻取
ドラムのトルクを増大せしめ、常時整然とロープ
の巻取りが行われるようにするにあり、また投錨
時には巻取りドラムを増速させてロープの円滑な
巻戻しが行われるようになすことにあり、しかも
これらは手元のスイツチ操作で簡単且つ自由にな
し得られる。また駆動モーターが巻取ドラム内に
収納されていることから小型でコンパクト化され
且つ塩害から効果的に保護されるものである。

以下、本考案装置について図面により説明す
る。

第１図は本装置の横断平面図、第２図は第１図
に於けるＡ−A′線に沿う縦断側面図、第３図は
第１図に於けるＢ−B′線に沿う縦断側面図、第４
図は第１図に於けるＣ−C′線に沿う縦断側面
図、５図は切替爪車の側面図、第６図は第５図に
於けるＤ−D′線に沿う一部縦断正面図、第７図
は切替爪車の主軸回転方向に伴う自動切替状態
図、第８図は第７図に於けるＥ−E′線に沿う縦
断側面図である。

図面に於いて１ａ，１ｂは装置の側壁フレーム
で、中間内部には周面にロープ形状に添う螺旋溝
Ｓの穿設された巻取ドラム２が、次の構成で回動
自在に軸支されてなる。即ち３は片端の首部３ａ
を側壁フレーム１ａの側に止めネジ４を使用して
固定させてなるモートル受けであり、筒本体３ｂ
内部にはモートル５を他端側から挿入し、ビス６
を使用して固定させてなり、該モートル５の回転
軸７は他の側壁フレーム１ｂの側に突出させ後述
する側壁フランジを介し、回動自在に軸支せしめ
ると共に、その先端はギヤーボツクス８内の主軸
９と一体的に止着させてなる。１０ａ及び１０ｂ
は巻取ドラム２の側壁フランジであつて、このさ
いフランジ１０ａはモートル受け３の首部３ａに
ベアリング１１を介して回動自在に載置されてな
り、またフランジ１０ｂはフレーム１ｂの側に突
出させ、主軸９と側壁フレーム１ｂに対しベアリ
ング１２，１３を介し回動自在に載置されてな
り、且つその先端はギヤーボツクス８内で歯車１
４と一体的に止着されてなる。

次にギヤーボツクス８内の歯車列について説明
する。ギヤーボツクス８内には一定間距離隔てゝ
歯車列Ａ，Ｂが形成される。先づＡについて説明
する。１５は主軸９上に回動自在に配置された歯
車であつて、該歯車側面には爪１６が突出形成さ
れてなる。１７及び１８は中間歯車であつて共に
二段歯車に形成されてなり、夫々れピン１９及び
２０を使用して側壁フレーム１ｂに軸支せしめら
れ、前記歯車１５の回動を後述する送りカム軸の
軸上に固定した歯車２１に伝達するようになつて
いる。

他方歯車列Ｂは次の如き構成である。２２は主
軸９上に回動自在に配置された歯車であつて、該
歯車側面には爪２３が突出形成されてなる。２４
及び２５は一段の中間歯車であつて、夫々れピン
２６及び２７を使用してギヤーボツクス８の蓋面
に軸支され、前記歯車２２の回動を伝達するよう
になす。２８は送りカム軸に固定されたもう１つ
の歯車である。

本装置に於いて歯車列Ａ及びＢはモートル５の
正転及び逆転を切替爪車３０を介して伝達するよ
うになされる。

こゝに切替爪車３０は主軸９上の前記歯車列
Ａ，Ｂに於ける歯車１５及び２２間に挾まれる関
係位置に配置され、その左右両側面には第５図、
第６図で明らかな通り爪３１ａ，３１ｂが設けて
あり、該爪３１ａ，３１ｂは爪軸３２ａ，３２ｂ
を支点とし且つ押しばね３３ａ，３３ｂによつて
常時外方に開くようになつている。また該切替爪
車３０と接触する主軸９の周面には第７図に見ら
れる通り二重ねじ３４が設けてあつて、該ねじ３
４の中間部分には主軸の長さ方向に寸法ｌの切欠
３５が設けてある。なお、切替爪車３０の内円周
には前記二重ねじ３４と嵌合するための螺旋溝３
６が設けてあり、該溝の中心部に於いて、その溝
面に到達する孔３７が外周面から穿設され、スト
ツパーピン３８を嵌入し、その先端が前記主軸９
上面の切欠３５と接触する位置で止着されてな
る。（第８図参照）本例で切欠３５は第８図に於
いてθ＝120゜であり、今主軸ねじのリードを18
mmとすると、第７図に於けるｌは６mmとなり、こ
れは切替爪車３０がモートル５の正転及び逆転で
主軸９が回転させられるさいの移動量であつて、
これにより切替爪車３０は歯車列Ａの歯車１５と
噛合したり、また歯車列Ｂの歯車２２と噛合した
りする。該噛合は各歯車１５及び２２の夫々れ爪
１６及び２３に対し、切替爪車３０の爪３１ａ及
び３１ｂが夫々れ係合することによつて行われ
る。

４０は送りカム軸であつて一端は側壁フレーム
１ａに、他端はギヤーボツクス８内の蓋面に夫々
れベアリング４１ａ，４１ｂを介して軸支されて
なり、また該軸の側壁フレーム１ｂを貫通する部
分にもベアリング４１ｂを介して軸支されてな
る。該送りカム軸４０は巻取ドラム２に対するロ
ープ３９の巻取り及び繰出しは整然と行わしめる
ためのものであつて、その回動はギヤーボツクス
８内で該軸と一体的に取付けられてなる歯車２１
及び２８に対し、前記歯車列Ａ及びＢからの回動
が伝達されることによる。

４２ａ及び４２ｂは送りカム軸４０の表面に穿
設された夫々れ方向の異なる螺旋溝であつて、該
軸上にはスライドベース４３が案内されるように
取付けられる。即ち、スライドベース４３は本体
上部に１対のローラー４４ａ，４４ｂを夫々れピ
ン４５ａ，４５ｂを使用して回動自在に軸支さ
せ、ローラー４４ａ及び４４ｂ間でロープ３９を
挾持するようになさしめてあり、また本体中心部
には送りカム軸４０に嵌入される孔４６が穿設さ
れてなり、前記ローラー４４ａ，４４ｂの取付け
られた反対側から該孔４６の垂直方向に対し孔４
７を穿設し、上部にガイドキー４８を挿入支持し
てなるブツシユ４９を嵌入させ、ガイドキー４８
の突起端Ｈが前記螺旋溝４２ａ，４２ｂ内に挿入
される状態で本体側から止めねじ５０を使用して
固定するようになさしめる。他方、本体下方には
孔４６と平行をなしてスリツト５１が穿設してあ
り、該スリツトには側壁フレーム１ａ，１ｂ間に
固定した案内桿５２が差入れられてなる。（第３
図及び第４図参照）なお５３ａ，５３ｂは送りカ
ム軸４０の側壁フレーム１ａと１ｂの接触する内
面側に設けたパツキン押えである。

次に作用について説明する。先づ図示されない
操作スイツチによりモートル５が正回転（図示例
で矢印○イ方向）せしめられると、該回転は主軸９
上の切替爪車３０を図示例で左動させ、該歯車の
爪３１ａと歯車列Ａの歯車１５の爪１６とが係合
し、これにより主軸９の回転を中間歯車１７，１
８を介して送りカム軸４０の歯車２１に伝達さ
せ、該軸４０を矢印○ロ方向に回動せしめる。この
さい中間歯車１７は二段歯車に形成されていて、
該歯車の下歯が巻取ドラム２の側壁フランジ１０
ｂと一体的に止着された歯車１４と噛合せしめら
れてなるので、巻取ドラム２は減速されトルクは
増速されて同方向に回転し、ロープ３９の巻取り
がその表面上に行われる。これに対し送りカム軸
４０の前記○ロ方向の回動は、該送りカム軸上のス
ライドベース４３を螺旋溝４２ａ，４２ｂに案内
されて交互に左右動せしめるようになすので、ロ
ープの巻取りはドラム表面上で整然と進行する。

一方、スイツチ操作でモートル５を反転に転じ
るときは主軸９の回動は○ロ′方向となり、切替爪
歯車３０は右動する。これにより該歯車の爪３１
ｂと歯車列Ｂの歯車２２の爪２３とが係合して前
記回動を歯車２２に伝達するようになす。しかし
て、該回動は中間歯車２４及び２５を介して送り
カム軸４０の歯車２８に伝達される。このさい送
りカム軸４０の回動は○イ′方向であつて、巻取り
のさいの回動方向と異ならしめられるのでスライ
ドベース４３の移動はその巻取り位置から逆方向
に転ぜられ、即ち巻取りの反対方向に移行し、巻
取られているロープ３９の繰出しが整然と行われ
るようになされる。他方、この送りカム軸４０の
回動は固定された歯車２１を介し、中間歯車１７
及び１８を回動させ、歯車１７に於いてその下歯
が巻取ドラム２の側壁フランジ１ｂと一体的に止
着させた歯車１４と噛合されてなるので、前記回
動を巻取ドラム２の側壁フランジ１ｂに伝達させ
て、巻取ドラムを○ロ′方向に回動させるようにな
し、このことにより巻取ドラム２表面上に巻かれ
たロープ３９をその繰出方向に増速して繰出すよ
うなさしめるものであり、ロープの巻戻しが迅速
に実施される。このさい爪３１ａは歯車１５の爪
１６より完全に分離しているため、歯車１５は無
負荷にて自由回転する。

本考案は以上の如く構成されてなり、揚錨時及
び投錨時に於けるウインチ操作は操舵室に於ける
切替スイツチの操作で円滑簡便且つ整然と行うこ
とができるものである。しかも装置がコンパクト
で全体の構成の構造の小型化を可能となす優れた
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本装置の横断平面図、第２図は第１図
に於けるＡ−A′線に沿う縦断側面図、第３図は
第１図に於けるＢ−B′線に沿う縦断側面図、第４
図は第１図に於けるＣ−C′線に沿う縦断正面
図、第５図は切替爪車の側面図、第６図は第５図
に於けるＤ−D′線に沿う一部縦断正面図、第７
図は切替爪車の主軸回転方向に伴う自動切替状態
図、第８図は第７図に於けるＥ−E′線に沿う縦
断側面図である。 １ａ，１ｂ……側壁フレーム、２……巻取ドラ
ム、５……モートル、９……主軸、Ａ……歯車
列、Ｂ……歯車列、３０……切替爪車、４０……
送りカム軸、４３……スライドベース、５２……
案内桿。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 対向するフレーム間に巻取ドラムとロープを
   挾んで往復走行させるためのスライドベースを
   備えた送りカム軸とを回動自在に架設させ、巻
   取ドラム内には軸受手段を介してモートルを静
   止的に内蔵させると共に、該モートル軸の一端
   を片側フレームに於いて巻取ドラムの側壁フラ
   ンジと共に該フレーム側に突出させ、該フレー
   ムの外方にはギヤーボツクスを取付けせしめて
   ボツクス内の主軸と前記モートル軸とを一体的
   に連結するようなさしめるのほか、突出した側
   壁フランジにはギヤーボツクス内で歯車を取付
   けせしめ、一方ギヤーボツクス内に於ける主軸
   の一部には螺旋溝を刻設すると共に、該螺旋溝
   の中央一定範囲を切欠し、該部分には両側面に
   爪を有する切替爪車を挾む状態で切替爪車の各
   爪と係合する爪を有する１対の歯車を主軸上で
   回動自在の状態に設けしめ、且つ両歯車は前記
   送りカム軸を回動させるべく構成した速比の異
   なる歯車列Ａ，Ｂと相対的に噛合するようにな
   し、即ちモートル軸側の歯車が噛合うときはこ
   れと反対側の歯車は噛合しないで送りカム軸を
   回動するようになさしめるが、このさい歯車列
   Ａの歯車の１つが前記巻取ドラムの側壁フラン
   ジに設けた歯車と噛合つて巻取ドラムを減速回
   転させるのであり、これに対しモートル軸と反
   対側の歯車が歯車列Ｂと噛合うときは前記モー
   トル軸側の歯車は噛合しないで送りカム軸を回
   動するようになさしめるが、このさい歯車列Ａ
   を介して巻取ドラムを増速回転するようになさ
   しめて、前者ではロープの巻取りを、後者では
   ロープの繰出しが行われるように構成したこと
   を特徴とするウインチ装置。 (2) 巻取ドラム周面にはロープ形状に添う螺旋溝
   が穿設されてなり、また送りカム軸にはスライ
   ドベースを往復走行させるための螺旋溝が穿設
   されていることを特徴とした実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のウインチ装置。