JPS6122923B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、従来普及している大型の可搬式摘採
機をそのまま塔載し、その機体重量と摘採葉重量
とを機体前後方向の取付杆でバランス保持するよ
うにした自走式茶葉摘採機用の機体に関するもの
で、簡易な走行体と合理的な重量保持構造によつ
て軽量・安価とし、又作業性・操作性も極めて良
好なる機体を提供するものである。

従来普及してきた二人用大型の可搬式茶葉摘採
機は、その機体重量と収容袋に増大する摘採茶葉
の重量（双方で約40Kg程度に達する）を作業者の
腕で保持しながら走行する点が最大の欠点であつ
たし、又これを解消するために、堅牢な走行体に
大馬力の原動機や送風機、ミツシヨンその他の複
雑な機構を塔載し、かつ特殊な仕様とした摘採体
を装着した専用の自走式茶葉摘採機が開発されて
いたが、これの欠点は機体の過重量（全重量約
150Kgにも達する）から生ずる操作困難性や茶園
土壌の踏固化であり、又極めて高価であること等
であつて、中小規模の茶園に導入するには末だ多
くの解決課題が残つていた。そこでこれらを解決
するために所謂簡易自走式と称されるものも試み
られて来たが、摘採体操作の柔軟性や重量保持の
点でいづれにしても実用化の難かしい点であつ
た。

本発明はかかる事情に鑑みなされたもので、摘
採体は従来のハンドル付き可搬式摘採機をそのま
ま用い、これの重量と茶葉重量を極めて簡易な走
行体で合理的にバランス保持するようにしたこと
を特徴とするもので、以下図示のものについて説
明する。

１，１は側方枠で、ラツク機構２等によつて上
下高さ調節自在とし夫々の下端には車輪３，３′
を装着し、両上端間には該車輪すなわち車幅調節
自在とした上辺枠４を架し、もつて茶畝を股ぐ門
型フレームａを構成する。なお５は上下調節用の
ハンドル又６は上辺枠をその略中間で屈折自在と
した枢着点であるが、この上辺枠４はこの他にス
ライド式の伸縮調節構造のものとしても宜い。７
は一側方枠１下方にて機体後方に突設した基台
で、小型の原動機８、ミツシヨン９を塔載し、先
方下方には補助輪１０を設ける。そして該ミツシ
ヨンの外付鎖車１１と前記一側車輪３の車軸鎖車
１２にはチエン１３を架して該車輪３を駆動輪と
する。または補助輪１０を直接駆動してもよい。

一方、上辺枠４の片側略半分は切除してそこを
略状の回動枠１４で中継し、該枠１４両側辺１
５，１５の上側は上方枠の端面にピン１６等で枢
着して該回動枠１４の機体前後方向に回動自在と
する。そしてその回動枠１４の底辺１５′の中央
部には機体前後方向の衡杆１７を固着し、該杆後
方には収容袋乗載台１８を形成し、又該杆前方に
は水平方向の平リンク１９および該リンクの先端
の球関節継手２０等から成る可搬式摘採機取付部
ｂを形成する。ｃは従来公知の二人用大型の可搬
式茶葉摘採機で、前記取付部ｂに取付けた状態を
第３図に拡大して示した。すなわち、例えば摘採
機ｃの筐体底板２１の裏面後部に上記取付部ｂの
球関節継手２０を適宜固定して取付けるわけであ
る。そしてこの摘採機筐体後方開口に着脱自在に
取付ける収容袋２２は衡杆１７後方に形成した乗
載台１８に乗載する。なお摘採機ｃは従来機同
様、小型原動機２３、フアン２４、伝動機構２
５、ハンドル２６，２６′の他に、刈刃や送り込
み装置等を有しているものである。

又２７は衡杆１７の前後方向のバランス保持を
補助するために必要に応じて装着するコイルバネ
等の弾力条片であり、機体の仕様によつて衡杆と
摘採機重量のみではバランスが保てない場合に装
着する。なお、衡杆１７の前後方向回動性を与え
る手段としては、第４図の如く、状枠１４′を
上辺枠４に固定し、その底辺に衡杆１７を枢着２
８するようにしてもよいし、又、摘採機ｃの取付
手段も、同図のように平リンク１９をそのまま筐
体底板裏面の受金２９に回動自在に遊挿させるだ
けでも宜い。更に３０は鎖の如きけん引部材で、
機体走行時にフレームの他側方枠１′が遅れるの
を防止するために摘採機ｃのハンドル２６′に懸
架してけん引してもよいし、あるいは別途把手３
０′を設けて作業者が右手でこれをけん引し、左
手で摘採機のハンドル２６′を操作しながら走行
するようにしてもよい。

次に動作を説明する。フレームａを茶畝に股が
せてその畝高に適合した摘採機位置を設定するた
めに、両側方枠１，１′を適宜上下調節する。摘
採機ｃは勿論、衡杆１７によつてバランス保持さ
れている。こうして摘採機の原動機２３と機体の
原動機８とを始動し、摘採機ハンドル２６，２
６′を両側作業者が軽く把持しスロツトルレバー
を操作しながら機体走行および作業者の走行を開
始する。そうして刈刃（図示せず）で刈り取られ
た茶葉は次々と収容袋２２に収容されてゆき、衡
杆１７はその後方側のウエイトが優つてくるの
で、これに従つて作業者はハンドル２６，２６′
を多少下方へ押えるようにしながら歩行する。勿
論この押圧力はほんの軽微なもので宜いし、又こ
の下方への押圧動作は人間の動作上最も軽易な労
働の１つであるから疲労は殆んど感じられない。

一方、作業中に茶畝の微妙な起伏に至れば、作
業者はハンドル２６，２６′を押し下げたり、あ
るいは上げたりし、又、摘採機ｃの刈刃弧面と畝
上面との弧を一層適合させるためには、摘採機を
水平方向に若干回動すれば宜く、しかもこれら操
作は、その上下にあつては衡杆１７の前後方向回
動で案内され、又水平方向の操作にあつては平リ
ンク１９又は球関節継手２０で案内され、従来の
可搬式状態の際と全く同様に操作できるわけであ
る。

本発明は以上述べた構成としたから、機体はフ
レームと原動機および衡杆の基本３要素のみから
成り、極めて軽量にして扱い易く、又著るしく安
価に製作できる。そして摘採体の塔載は衡杆前方
の取付装置を固着するだけであるから従来普及し
ている可搬型摘採機をそのまま使用でき、しかも
その摘採機重量と刈取茶葉重量は、それ自体の重
量で互いにバランスを保つ様に衡杆の前後に荷か
かるようにしたから、その重量保持は極めて合理
的であり、重量保持のための複雑な機構を何ら要
しない。

しかして本発明機は、合理的は重量保持手段を
構じたことによつて著るしく簡素・軽量に構成さ
れ、婦女子でも扱うことができ、園内での方向転
換や移動が容易であり、故障も少なく、中小規模
茶園にも導入され得る様々な利点、機能を奏す
る。

なお一側辺枠前方に、機体を操縦するハンドル
を突設して、一側辺枠側の作業者が、片手でこれ
を操作するようにしても宜い。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例を示すもので、第１図は機
体の正面図、第２図は同平面図、第３図は要部拡
大断面図、第４図は第３図同様の要部の他の実施
例を示す拡大断面図である。 ａ……フレーム、ｂ……取付部、ｃ……可搬式
摘採機、１，１′……側方枠、３，３′……車輪、
４……上辺枠、８……原動機、１４，１４′……
状枠、１５……側辺、１５′……底辺、１６…
…ピン、１７……衡杆、１８……収容袋乗載台、
１９……平リンク、２０……球関節継手、２１…
…摘採機筐体の底板、２２……収容袋、２６，２
６′……ハンドル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 夫々上下調節自在として下端に車輪を装着し
   た両側辺枠と、該両側輪距調節自在とした上辺枠
   とで略門型フレームを形成し、一側辺枠には原動
   機を塔載して少なくとも一側車輪を駆動輪とする
   一方、前記上辺枠には機体前後方向に且つ同方向
   に回動自在とした衡杆を枢着し、該杆後方には収
   容袋乗載台を形成し、又該杆前方端には可搬式摘
   採機取付部を形成し、もつて可搬式摘採機重量と
   同収容袋内茶葉重量を前記衡杆でバランス保持す
   るようにした自走式茶葉摘採機用の機体。 ２ 衡杆前方端の取付部を球関節継手としてな
   る、特許請求の範囲第１項記載の自走式茶葉摘採
   機用の機体。 ３ 上辺枠の一部を略状の回動枠で中継して該
   回動枠の両側辺上端を上衡辺枠に夫々枢着して機
   体前後方向に回動自在とし、該回動枠底辺に衡杆
   を固着してなる特許請求の範囲第１項記載の自走
   式茶葉摘採機用の機体。