JPS643342Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、脱穀装置を機体前部に搭載したハー
ベスターにおける穀粒袋支持装置に関する。

（従来技術） 機体前部に脱穀装置を搭載し、機体後部の原動
機枠上に設けた操縦装置を操作して走行するよう
にしたハーベスターが知られている。

（考案が解決しようとする課題） 前記ハーベスターでは、機体全体をコンパクト
に構成するために、脱穀装置から取り出される穀
粒を機体後部の原動機枠側へ送つて、原動機枠か
らさらに後方へ突出して設けた袋支持杆に吊つた
穀粒袋へ穀粒を収納するようにすることが考えら
れるが、原動機枠の上部には操縦装置を設けて作
業者が機体の後部を歩行しながら操縦操作を行う
ようにしているため、袋支持杆と籾受皿からなる
穀粒袋支持装置が操縦操作の邪魔になる。

そこで、本考案では、簡単な操作で穀粒袋支持
装置を操縦操作に支障がない状態に収納しようと
するものである。

（課題を解決するための手段） 本考案では、機体前部に脱穀装置１を搭載し、
機体後部に原動機を内蔵した原動機枠３を設けた
ハーベスターにおいて、前記原動機枠３の後側上
部に、少なくとも作業者の手が介入できる間隔を
該原動機枠３から離してハンドル軸４を回動固定
自在に設けると共に、このハンドル軸４に穀粒袋
を吊す袋支持杆５を固着し、袋支持杆５の下方に
は籾受皿１３を水平位置から上方へ回動可能に設
け、袋支持杆５を原動機枠３の後側に沿わせるよ
うハンドル軸４を回動固定すると共に、上方へ回
動させる籾受皿１３を該袋支持杆５に押圧させて
固定し、袋支持杆５と籾受皿１３とを原動機枠３
の後側に沿つて収納可能に構成した。

（考案の作用及び効果） 前記構成によれば、脱穀装置１を使用せず移動
走行する場合には、袋支持杆５を固着したハンド
ル軸４を回動して袋支持杆５が原動機枠３の後側
に沿つた状態にした後籾受皿１３を上方へ回動し
て固定すれば、袋支持杆５と籾受皿１３が作業者
の操縦操作の邪魔にならず、ハンドル軸４を持つ
て安全・確実に操縦できる。又、この状態で納屋
等に置けば、全体がコンパクトで納まりが良い。

さらに、脱穀装置１を使用する場合には、袋支
持杆５が後方へ向かつて突出する状態にハンドル
軸４を回動固定し籾受皿１３を水平位置に回動し
て、この袋支持杆５へ穀粒袋を吊り下げればよ
い。

このように、袋支持杆５を固着したハンドル軸
４を原動機枠３から少なくとも作業者の手が介入
できる間隔だけ離して設けて操縦操作用の取手と
して使用可能にしたので、構成が簡単で、簡単な
操作で脱穀機１の不使用時に全体がコンパクトに
できるのである。

又、袋支持杆５に籾受皿１３を押し付けること
で袋支持杆５の弾力を利用して緩みのない状態で
袋支持杆５と籾受皿１３を固定収納するので、移
動時の振動によつて騒音を発生することもない。

（実施例） 次に、この考案の一実施例を図面で説明する。

運搬車２は、クローラー６からなる走行装置を
有し、荷台７上への脱穀装置１を搭載する。８は
脱穀中に発生する藁屑や塵埃等を排出する排塵筒
で、９は脱穀済の穀粒を排出する排穀筒である。

３は、走行装置と脱穀装置１とを駆動する原動
機を内蔵する原動機枠であつて、上部には操向レ
バー１０等の操縦装置を設け、排穀筒９の排出部
１１を支持具１２で原動機枠３へ固定する。さら
に、この原動機枠３の脱穀装置１と反対側の側面
下部には、排穀筒９から穀粒袋へ袋詰中に脱落す
る穀粒を受ける籾受皿１３を、水平位置へ突出し
た状態と先端が上方へ回動して収納した状態とへ
固定すべく基部を枢着する。また原動機枠３の後
側面上部には、ハンドル軸４を作業者の手が介入
できる程度の間隔１４を原動機枠３から離して設
けるのであるが、その構成は、原動機枠３から突
出するハンドル軸支持具１５，１５に左右両端を
枢着し、一端に挿入した圧縮バネ１６でこのハン
ドル軸４を排穀筒９の支持具１２側へ弾発させ、
ハンドル軸４に固着した突出片１７に突出させた
ピン１８を支持具１２に設けた孔１９へ嵌合させ
て回動を止めている。孔１９は上下２カ所設け、
下側の孔１９へピン１８を嵌合させれば、ハンド
ル軸４に固着した袋支持杆５を水平にし、上側の
孔１９へピン１８を嵌合させれば、袋支持杆５が
原動機枠３の側面に沿う状態で固定される。

２０は、籾受皿１３を係合するフツクで、袋支
持杆５や籾受皿１３を使用しない場合は、ハンド
ル軸４のピン１８を支持具１２の上部の孔１９に
嵌合させて袋支持杆５の先端を下方へ回動して原
動機枠３の後側面に沿わせた後に、籾受皿１３を
袋支持杆５に重ね合せてフツク２０で固定する。
従つて、袋支持杆５の弾力で籾受皿１３が外方へ
押されているので、緩みが無く運搬車２の移動中
にもフツク２０が籾受皿１３から外れたりする恐
れがなく、振動による騒音の発生もない。

脱穀作業を終了して移動走行をする場合には、
袋支持杆５と籾受皿１３を原動機枠３に沿つて収
納し、この袋支持杆５の取付部であるハンドル軸
４を握つて操縦操作を行うのであるが、袋支持杆
５と籾受皿１３が機体後方へ突出しないために、
操縦操作を良好に行えるようになつた。

【図面の簡単な説明】

図は、この考案の一実施例を示すもので、第１
図は正面図、第２図は一部の拡大斜視図、第３図
は一部の拡大正面図である。 １……脱穀装置、２……運搬車、３……原動機
枠、４……ハンドル軸、５……袋支持杆、１３…
…籾受皿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体前部に脱穀装置１を搭載し、機体後部に原
   動機を内蔵した原動機枠３を設けたハーベスター
   において、前記原動機枠３の後側上部に、少なく
   とも作業者の手が介入できる間隔を該原動機枠３
   から離してハンドル軸４を回動固定自在に設ける
   と共に、このハンドル軸４に穀粒袋を吊す袋支持
   杆５を固着し、袋支持杆５の下方には籾受皿１３
   を水平位置から上方へ回動可能に設け、袋支持杆
   ５を原動機枠３の後側に沿わせるようハンドル軸
   ４を回動固定すると共に、上方へ回動させる籾受
   皿１３を該袋支持杆５に押圧させて固定し、袋支
   持杆５と籾受皿１３とを原動機枠３の後側に沿つ
   て収納可能にしてなるハーベスターの穀粒袋支持
   装置。