JPH0733625Y2 - ハーベスタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は、ハーベスタに係り、詳しくは結束機を回動さ
せることにより脱穀機の重心を移動するように構成した
ハーベスタに関する。

（ロ）従来の技術 従来、ハーベスタは、クローラ等の走行装置を備えた走
行機体に脱穀機を積載してなり、走行機体にて圃場に運
んで、バインダ等により刈取られた穀稈を脱穀機にて脱
穀作業を行う。

また一般に、脱穀機には結束機が付設されており、脱穀
作業と共に排わらの結束作業が行われる。

（ハ）考案が解決しようとする課題 ところで、上述した従来のハーベスタは、脱穀機を走行
機体から降ろして、走行機体自体を運搬車として用いる
場合がある。この場合、脱穀機を走行機体から降ろす作
業が必要であるが、従来は、脱穀機に結束機を使用状態
にて固定した状態のまま、結束機を支持している脱穀機
を回動させて走行機体より降ろしていた。しかし、結束
機は、重量の大きい大きな部材からなり、かつ走行機体
前方の使用位置に固定されている関係上、脱穀機自体の
重心がかなり前方に位置しており、該脱穀機を走行機体
の後方に回動して降ろすには、極めて大きな力を必要と
し、脱穀機の積降ろしは困難な作業となっている。ま
た、走行機体から降ろした脱穀機は、スタンド等により
傾斜状態に置かれるが、この際、結束機重量に起因して
脱穀機重心が接地位置に対して前方向に位置して、不安
定な支持状態となっている。

そこで、本考案は、結束機を回動して脱穀機の重心を走
行機体から降ろす方向に移動し、もって上述課題を解消
したハーベスタを提供することを目的とするものであ
る。

（ニ）課題を解決するための手段 本考案は、上述事情に鑑みなされたものであって、例え
ば第１図及び第２図を参照して示すと、走行機体（２）
に、脱穀機（３）を取り外し可能に設置し、かつ該脱穀
機（３）の一側方に結束機（５）を備えてなるハーベス
タ（１）において、前記結束機（５）を前記脱穀機
（３）本体に回動自在に支持するシャフト（６）を備え
ると共に、その使用位置にて固定及び解除自在に構成
し、該脱穀機（３）を走行機体（２）より降ろす際、前
記結束機（５）を回動して、前記脱穀機（３）の重心を
前記走行機体（２）から降ろす方向に移動するように構
成したことを特徴とする。

（ホ）作用 以上構成に基づき、ハーベスタ（１）は、脱穀機（３）
にて脱穀を行うと共に結束機（５）にて排稈を結束す
る。

そして、ハーベスタ（１）の走行機体（２）を運搬車と
して使用する際、結束機（５）の固定を解除してシャフ
ト（６）を回動軸として該結束機（５）を回動し、前記
脱穀機（３）の重心を走行機体（２）から降ろす方向に
移動する。この状態で、前記脱穀機（３）を回動して該
脱穀機（３）を前記走行機体（２）より降ろす。

なお、カッコ内の符号は、図面を参照のためのものであ
るが、何等構成を限定するものではない。

（ヘ）実施例 以下、図面に沿って、本考案の実施例について説明す
る。

ハーベスタ１は、第１図ないし第３図に示すように、ク
ローラ11にて支持されている走行機体２を有しており、
該走行機体２のキャリヤフレーム７にはフレーム20を有
する自動脱穀機３が取り外し可能に設置されている。そ
して、該自動脱穀機３の一側方には伝動ケース９及び結
束機５が取り付けられており、また該結束機５はノッタ
フレーム5bを有している。該ノッタフレーム5bは前記伝
動ケース９に軸支されたシャフト６にて機体前後方向回
動自在に支持されており、従って前記結束機５は、第１
図において実線にて示す使用位置から２点鎖線にて示す
積降ろし位置まで、回動し得るように構成されている。
また、前記ノッタフレーム5bに穿設された孔5cにはボル
ト等の固定部材25が嵌挿されており、そして該固定部材
25は操作部フレーム26に固設された株元側フレーム32に
設けられたナット25aに螺合して、結束機５を使用位置
に固定・保持している。また、ノッタ部16は可動フレー
ム27,29に支持されており、該可動フレーム27,29はハン
ドル31にて操作可能なスライドネジ30により移動し得る
ように構成されている。更に、前記自動脱穀機３後部に
はスタンド13が設けられており、該脱穀機３を走行機体
２より降ろした際、前記スタンド13及びフレーム20がそ
れぞれ接地部19a,19bにおいて接地することにより、前
記自動脱穀機３を支持し得るように構成されている。

更に、第４図及び第５図に示すように、走行機体２後部
には、角パイプからなる連結部材15が配設されており、
その一端はフレーム20に穿設されたフレーム孔2aに嵌挿
されると共に、機体後方から該フレーム孔20aに向けて
嵌挿したボルト等の止め具23にて押圧され、所定の位置
に固定し得るように構成されている。また、前記連結部
材15の他端にはプレート15aが溶着されており、結束機
５と当接して該結束機５をその積降ろし位置に保持する
と共に、前記固定部材25にて該結束機５を連結・固定し
得るように構成されている。更に、前記連結部材15及び
プレート15aは、結束機５が使用位置にある場合にはフ
レーム20近傍に止め具23にて固定されており、そして結
束機５を積降ろし位置まで回動した際には所定位置まで
移動させて固定し得るように構成されている。

なお、上述した連結部材15は角パイプを用いていたがこ
れに限らず丸パイプを用いてもよく、その場合には、前
記止め具23を丸パイプからなる連結部材15′に穿設した
孔に嵌挿することにより、該連結部材15′を所定位置に
固定する。

本実施例は、以上のような構成よりなるので、ハーベス
タ１は、走行機体２により圃場まで自走し、バインダ等
により刈取られた穀稈を自動脱穀機３にて脱穀する。そ
して、籾は揚穀筒10を通して袋詰めすると共に排わらを
結束機５により結束する。

一方、ハーベスタ１の走行機体２を穀物・排ワラ等の運
搬車として使用する際、結束機５のノッタフレーム5bと
走行機体２の操作部パネル26とを連結・固定している固
定部材25を取り外して固定を解除する。そして、結束機
５をシャフト６を中心に機体後方へ回動して該結束機５
を積降ろし位置に移動させる。その際、脱穀機の重心は
前記結束機５の回動により、機体後方に移動し、かつ該
結束機５をプレート15aに当接させることにより該結束
機を積降ろし位置に保持し、更に固定部材25にて結束機
５とプレート15aとを連結・固定し、また、脱穀機３を
降ろした状態にあっては、重心が接地部19a,19bの間に
位置し、安定した状態に支持することができる。

（ト）考案の効果 以上説明したように、本考案によれば、脱穀機（３）を
走行機体（２）より降ろす際、結束機（５）を回動して
脱穀機（３）の重心を移動するように構成したので、簡
単な構成からなるものでありながら、脱穀機（３）を回
動する際の重心移動を小さくすることができ、これによ
り小さな力でも容易に脱穀機（３）を回動することがで
き、従って脱穀機（３）を走行機体（２）より降ろす作
業を容易に、かつ安全に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るハーベスタの側面図、第２図はそ
の脱穀機を回動して接地した状態を示す側面図、第３図
は結束機を示す分解斜視図、第４図はその使用位置にお
ける正面図、第５図はその積降ろし位置における斜視図
である。 １……ハーベスタ、２……走行機体、３……脱穀機（自
動脱穀機）、５……結束機、６……シャフト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】走行機体に、脱穀機を取り外し可能に設置
   し、かつ該脱穀機の一側方に結束機を備えてなるハーベ
   スタにおいて、 前記結束機を前記脱穀機本体に回動自在に支持するシャ
   フトを備えると共に、その使用位置にて固定及び解除自
   在に構成し、 該脱穀機を走行機体より降ろす際、前記結束機を回動し
   て、前記脱穀機の重心を前記走行機体から降ろす方向に
   移動するように構成したことを特徴とする、 ハーベスタ。