JPH0536361Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、コンバインの脱穀装置で脱穀された
穀物を収納袋に袋詰めにして搬出する装置に関す
る。

〔従来の技術〕

かかる装置として本考案者等は、車体の一側部
に吐出口を有するホツパーを設けると共に、該吐
出口の下方の移載位置へ供給された収納袋内に穀
物が詰め込まれた後に該収納袋を担持しつつその
自重によつて傾斜軸心まわりに回動することによ
つて該収納袋を移載位置から搬出位置へ移動させ
る袋支持板を設けてあるものをかつて創案した。

かかる装置を用いる場合は、穀物が詰め込まれ
た収納袋を担持した袋支持板をその自重によつて
吐出口下方の移載位置から搬出位置へ傾斜軸心ま
わりに自動回動させることにより、前記収納袋を
搬出位置へ移動させることができる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

然るに、前記袋支持板により、穀物の詰め込ま
れた収納袋を担持しつつ、これを移載位置から搬
出位置へ移動させる場合は、該収納袋が搬出され
た後も、傾斜軸心まわりに回動した該袋支持板
は、前記搬出位置に留まつたままとなつているの
で、脱穀袋詰めを更に継続するためには前記袋支
持板を元の移載位置へ復帰させる作業を、袋支持
板の移載位置から搬出位置へと自動回動しようと
する力に逆らつて行う必要があつた。

本考案は、かかる実情を着目してなされたもの
であり、袋支持板を元の移載位置へ復帰させる場
合の作業性を改善することを目的として創案され
たものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係るコンバインの袋詰め装置は、冒記
構成の袋詰め装置であつて、前記袋支持板はトツ
グルバネによつて移載位置方向及び搬出位置方向
へ切換え反転付勢されている点に特徴を有してい
る。

〔作用〕

かかる装置にあつては、前記袋支持板がトツグ
ルバネによつて前記両方向へ切換え反転付勢され
ているので、前記袋支持板が搬出位置に留まつた
状態にあつても、その袋支持板に対して移載位置
復帰方向へわずかな押圧力（厳密には、袋支持板
が中間デツトポイントを乗越えるだけの押圧力）
を作用させるだけで該袋支持板は移載位置へ容易
に復帰することとなる。

〔考案の効果〕

従つて、本案装置を用いる場合は、作業者が穀
物の詰め込まれた収納袋を袋支持板に担持させた
まま前記移載位置から搬出位置へ移動させた後に
これを搬出し、更に収納袋を担持していない袋支
持板を移載位置復帰方向へわずかに押圧して該袋
支持板を移載位置へ復帰させることができ、その
作業性が大幅に改善される。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第４図に示すように、脱穀装置１を搭載した走
行車体２の前部に刈取前処理部３を連結してコン
バインを構成する。

第１図及び第２図に示すように、当該コンバイ
ンでは、走行車体２の右側前部に運転部Ａが形成
されると共に、この運転部Ａの後部に隣接して、
下方に吐出口４ａを配設したホツパー４が設けら
れ、また該吐出口４ａの下側に収納袋１０を載置
支持するデツキ５が設けられている。

前記運転部Ａには運転者が着座する座席６、操
縦杆７等が備えられ、また前記ホツパー４には揚
穀筒９を介して脱穀装置１からの穀物が供給され
るようになつている。

また、前記運転部Ａの後部には、前記吐出口４
ａの下方へ収納袋１０を前記デツキ５上に載置支
持した状態で繰出供給すると共に、吐出口４ａか
らの穀物が詰め込まれた後の該収納袋１０を袋支
持板１１が待機する移載位置へ繰出放出する、一
対の袋支持杆１２，１２が設けられている。

更に、前記袋支持板１１は、走行車体２に対し
てその外側方へ若干傾斜するように設置された傾
斜軸心Ｐまわりに回動可能に支持され、前記待機
位置（第２図中の実線で示す位置）から搬出位置
（第２図中の仮想線で示す位置）までの範囲で回
動するようになつており、上述の如く穀物が詰め
込まれた後に繰出放出された収納袋１０を担持し
た状態ではその自重によつて前記移載位置から前
記搬出位置へ回動することとなる結果、該収納袋
１０を搬出位置へ自動的に移動させることができ
るようになつている。

また、前記袋支持板１１のバネ連結点１３ａと
前記運転部Ａ下部のバネ支点１３ｂとの間には、
袋支持板１１が移載位置にあるときに前記傾斜軸
心Ｐよりも内側に位置し、且つ袋支持板１１が搬
出位置にあるときに前記傾斜軸心Ｐよりも外側に
位置するトツグルバネ１３が架設装着されてお
り、該トツグルバネ１３によつて前記袋支持板１
１は移載位置方向及び搬出位置方向の両方向へ切
換え反転付付勢されるようになつている。

更に、前記袋支持板１１は、第３図に示すよう
に、前記運転部Ａ側方に配されたレバー１４と連
動連結されており、該レバー１４を操作すること
によつて前記袋支持板１１を搬出位置から移載位
置へ又はその逆方向へ手動的に回動させることが
できるようになつている。

かかる装置にあつては、前記袋支持板１１がト
ツグルバネ１３によつて前記両方向へ切換え反転
付勢されているので、前記袋支持板１１によつて
穀物が詰め込まれた収納袋１０を搬出位置へ移動
させた上で該収納袋１０を前記袋支持板１１から
搬出した後、収納袋１０を担持していない袋支持
板１１が搬出位置に留まつた状態にあつても、そ
の袋支持板１１に対して運転者が移載位置復帰方
向へわずかな押圧力（厳密には、袋支持板が中間
デツトポイントを乗越えるだけの押圧力）を作用
させるだけで該袋支持板１１は移載位置へ復帰す
ることとなる。

しかも、本実施例においては、運転部Ａ側方に
袋支持板１１と連動連結されたレバー１４が配さ
れているので、運転者は例えば片手で操縦杆７を
握つたまま他方の手で該レバー１４を操作するこ
とにより、袋支持板１１に対して前記押圧力を容
易に作用させることができる。

なお、第１図及び第２図に示す如く、前記ホツ
パー４の後部側にも前記吐出口４ａと同様の吐出
口４a′を配設し、前記袋支持杆１２，１２の後方
にもそれと同様の袋支持杆１２′，１２′を並設
し、且つ、前記袋支持板１１の後方にもそれとは
対称的な位置にトツグルバネ１３′を装着させた
袋支持板１１′を配置することとすれば、走行車
体２後部側においても収納袋１０′内へ穀物を詰
め込んだ上で側収納袋１０′を移載位置へ放出し
た後、該収納袋１０′を搬出位置へ移動させるこ
とができるので、コンバインによる穀物袋詰めの
自動作業の一層の効率化を図ることができる。

また、上述の実施例においては、収納袋１０を
吐出口４ａの下方の移載位置へ供給するのに袋支
持杆１２，１２を用いることとしたが、該袋支持
杆１２，１２以外の手段、例えば作業者の手動操
作によつて収納袋１０を吐出口４ａの下方の移載
位置へ供給する場合であつても、本考案が適用で
きるのはいうまでもない。

更に、前記袋支持板１１を移載位置にて固定維
持するための維持手段、例えばデツキ５に突出退
入自在にピン（図示せず）を設け、そのピンを突
出させて移載位置にある袋支持板１１を係止する
一方、該袋支持板１１を移載位置から搬出位置へ
移動させるときには前記ピンを退入させて上述の
係止の状態を解除するようにすれば、上述した操
作が一層確実なものとなる。

なお、実用新案登録請求の範囲の項に図面との
対照を便利にするために番号を記入したが、その
記入によつて本考案は添付図面の構造に限定され
るものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインの袋詰め装置の
実施例を示し、第１図は要部側面図、第２図は要
部平面図、第３図は袋支持板の回動機構を示す説
明図、第４図はコンバインの全体側面図である。 ４……ホツパー、４ａ……吐出口、１０……収
納袋、１１……袋支持板、１２……袋支持杆、１
３……トツグルバネ、Ａ……運転部、Ｐ……傾斜
軸心。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の一側部に吐出口４ａを有するホツパー４
   を設けると共に、該吐出口４ａの下方の移載位置
   へ供給された収納袋１０内に穀物が詰め込まれた
   後に該収納袋１０を担持しつつその自重によつて
   傾斜軸心Ｐまわりに回動することによつて該収納
   袋１０を移載位置から搬出位置へ移動させる袋支
   持板１１を設けてあるコンバインの袋詰め装置で
   あつて、前記袋支持板１１はトツグルバネ１３に
   よつて移載位置方向及び搬出位置方向へ切換え反
   転付勢されているコンバインの袋詰め装置。