JPS6113766B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 近年グレンタンクを備えたコンバインは急速に
大型化する傾向にあり、またグレンタンク内の穀
粒を道路上のトラツクに排出して積み込む場合、
道路の圃場からの高さが比較的小さな場所は勿論
のこと大なる場所でも容易に積み込み得るように
するためには長い排出オーガーを要し、このよう
にオーガーを長くすると、これを折曲して脱穀装
置上に倒伏させた場合、その先端部が機体の側方
に突出して邪魔になる場合があり、この倒伏部を
更に折り畳むことにより機幅内に納めるべく操縦
者が運転席から降り折り曲げ操作を行わんとする
と、機高が非常に高いためその操作がきわめて困
難となる。

本発明は機高が大でかつ圃場より相当高い道路
上にあるトラツクにグレンタンク内の穀粒を排出
して積込むことが可能な長大なる排出オーガーを
機幅内にて納めることが可能で、しかも操縦者は
運転席に居ながらにしてきわめて容易に折り曲げ
操作を行い得ると共に機体の左右のバランスの良
いグレンタンク付コンバインにおける穀粒排出装
置を提供せんとするものであつて、走行機台上の
一側に脱穀装置を搭載し、他側に前方から順に操
縦席とグレンタンクとを配設し、該グレンタンク
の後部に筒状の排出オーガーの基部を傾動自在に
連設し、該排出オーガーを前記脱穀装置の頂部と
対応する部位で分割して立上部と脱穀装置上に斜
めに前方へ向けて倒伏する倒伏部とに構成し、こ
の倒伏部を前記操縦席の側方で分割すると共に枢
軸により屈伸可能に枢着し、該倒伏部の上記枢軸
より先端側に操作杆をその把持部が前記操縦席の
近傍に位置するように取付けたことを特徴とする
ものである。

以下図面に示す実施例について本発明を更に詳
細に説明すると、１は走行装置２を有する機台３
上の１側寄りに搭載した脱穀装置であつて、機台
３の他側寄りには前方から操作盤４、運転席５及
びグレンタンク６の順に配設されており、機台３
の前方には刈取装置７と穀稈搬送体８とが装着し
てある。

そして、前記グレンタンク６の底部には図示し
てないが前後方向の移送螺旋が設けてあり、その
移送終端となるグレンタンク６の後部には下端が
前後方向の軸を中心として油圧シリンダー９によ
り直立姿勢と第４図に示す傾倒姿勢とになり得る
ように排出オーガー１０が枢着されており、この
排出オーガー１０は脱穀装置１の頂部と略対応す
る部位で分割すると共に起立状態で斜め前方へ向
う水平な軸を有する蝶番１１により連結して基部
側を立上り部１０ａに、先端側は倒伏部１０ｂに
形成し、倒伏部１０ｂの起伏は油圧シリンダー１
２によつて行う。

また、上記倒伏部１０ｂは操縦席と対応する部
位で更に分割し、この分割部は運転席５と反対側
において倒伏状態で上下方向となる枢着１３によ
り折曲げ自在に連結してある。

更に上記倒伏部１０ｂの折曲部より先端部側に
操作杆１４の基部が回動自在に取付けてあり、排
出オーガー１０を直線状となして穀粒を排出せん
とする場合は第２図に示す如く係合突子１５を弾
性材よりなるクランプ１６に嵌合して接合状態を
保持するようになつており、その時上記操作杆１
４は別のクランプ１７に嵌合して止着しておく。

なお、図面中１８，１９は排出オーガー１０の
倒伏部１０ｂを支承するサドル２０は操作杆１４
の中間部に突設した係止孔２０ａ付の係止金であ
つて、倒伏部１０ｂに固定した受金２１に設けら
れたピン２２に挿入して止めておくものである。

前述の装置において、路上走行又は格納する場
合は排出オーガー１０を第１図に実線で示す状態
とし、刈取脱穀作業を行う場合、操縦者は運転席
において、操作杆１４をピン２２から外して外側
方へ向けて押し出すと排出オーガー１０の先端は
操縦席５の側方に位置する枢軸１３を中心として
きわめて軽快に回動して鎖線で示す如く、倒伏部
１０ｂは一直線状となり、係合突子１５はクラン
プ１６に嵌合して直線状態を保持する。しかる後
操作杆１４をクランプ１７に嵌合すると排出オー
ガー１０が機体上を対角線状に横断した状態とな
り、その吐出口は刈取装置７を上昇させても邪魔
にならない程度に外側方へ突出することとなり、
この状態で機体を走行させ、刈取装置７で刈取つ
た穀稈を穀稈搬送体によつて脱穀装置１に供給し
て脱穀し、選別した穀粒は揚穀筒２３によりグレ
ンタンク６に充填される。その際穀粒が充填され
るとグレンタンク６の重量が大となつて重心が運
転席５側の後方へ移動せんとするが排出オーガー
１０の先端部がそれと対抗し前後左右のバランス
を保つことができる。

このような刈取脱穀作業を続けてグレンタンク
６が満杯となつたならば、機体を道路上に駐車し
てあるトラツク２４に近かづけ、油圧シリンダー
１２を作動させることにより倒伏部１０ｂを起立
せしめて立上り部１０ａと一直線となしてから更
に下方の油圧シリンダー９により第４図に示す如
く排出オーガー１０全体をトラツク２４に向けて
傾動して上端の吐出口をトラツク２４上に臨ませ
る。

この時排出オーガー内の移送螺旋は分割部でそ
れぞれいんろう継手により連結されるのでグレン
タンク６内の穀粒はトラツク２４に投入される。

その際排出オーガー１０の倒伏部１０ｂの分割
部を結合した枢軸１３は上面側に位置して支える
ので下面側にあるクランプ１６の係止力が弱くと
も安定した結合状態を維持することができる。

前記穀粒の充填が終つたならば前述とは逆の行
程で排出オーガー１０全体を起立させ、次いで倒
伏部１０ａを前側部に向けて倒伏させて第１図に
示す状態に戻す。

次に他の実施例を第５図について説明すると排
出オーガー１０の上半部を運転席側に設けた枢軸
１３′を中心として実線で示すように刈取装置７
上に向けて折り曲げる。

その際上記屈伸操作は前例と同様操作杆によつ
て行い操作の前後に該操作杆を適宜係止しておく
ものであり、上端部を刈取装置７上に折曲した場
合はサドル１９′で支承しておくものである。

本発明は前述のように走行機台上の一側に脱穀
装置を搭載し、他側に前方から順に操縦席とグレ
ンタンクとを配設し、該グレンタンクの後部に筒
状の排出オーガーの基部を傾動自在に連設し、該
排出オーガーを前記脱穀装置の頂部と対応する部
位で分割して立上部と脱穀装置上に斜めに前方へ
向けて倒伏する倒伏部とに構成し、この倒伏部を
前記操縦席の側方で分割すると共に枢軸により屈
伸可能に枢着し、該倒伏部の上記枢軸より先端側
に操作杆をその把持部が前記操縦席の近傍に位置
するように取付けたので、グレンタンク内の穀粒
を高い道路上に駐車させたトラツク等の荷台に投
入することが可能な長い排出オーガーでありなが
ら操縦席から降りなくとも操作杆により倒伏部の
先端側を上下方向の枢軸を中心として容易に屈伸
操作して機幅内に折畳むことができる。

しかも、前記倒伏部の中途部にある枢着部は運
転席の側方にあるので、上記枢着部より先端側に
装着した操作杆を持つて操縦者の側方部位を中心
として小さい作動量で容易に屈伸操作することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンバインの平面図、第２図は要部の
平面図、第３図は同上斜視図、第４図は背面図、
第５図は他の例の平面図である。 １……脱穀装置、５……運転席、６……グレン
タンク、１０……排出オーガー、１０ｂ……倒伏
部、１３……枢軸、１４……操作杆、１６……ク
ランプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 走行機台上の一側に脱穀装置を搭載し、他側
   に前方から順に操縦席とグレンタンクとを配設
   し、該グレンタンクの後部に筒状の排出オーガー
   の基部を傾動自在に連設し、該排出オーガーを前
   記脱穀装置の頂部と対応する部位で分割して立上
   部と脱穀装置上に斜めに前方へ向けて倒伏する倒
   伏部とに構成し、この倒伏部を前記操縦席の側方
   で分割すると共に枢軸により屈伸可能に枢着し、
   該倒伏部の上記枢軸より先端側に操作杆をその把
   持部が前記操縦席の近傍に位置するように取付け
   たことを特徴とするグレンタンク付コンバインに
   おける穀粒排出装置。