JP2501231Y2 - 収穫物運搬車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、タバコ畑の畦間における収穫・摘芽などの
作業において、畦間に沿って歩行しながら作業する作業
者に一定距離以上離れることなく追従する収穫物運搬車
に関する。

〔従来の技術〕

タバコ畑の畦間における収穫・摘芽などの作業に使用
する収穫物運搬車に関する従来技術としては、実公昭48
−37721号或いは実公昭56−33816号公報に記載された技
術がある。

前者の実公昭48−37721号公報記載の技術は、収穫機
の座席に搭乗した作業者が収穫機を運転して畦間を低速
走行しながらタバコ葉の収穫或いはわき芽の摘みとり等
の作業を行い、タバコ葉などを収穫機に積み込む。

後者の実公昭56−33816号公報記載の技術は、畝を跨
いで走行する作業機に作業者が搭乗し、作業に応じたア
タッチメントを取り付けて、タバコ苗の移植、うねた
て、マルチ、土寄せ、病害防除、心止、収穫、残幹処理
などの作業を行うものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記の従来技術は、いずれも作業者が作業用車両の座
席に乗って運転するものであり、収穫や摘芽など作業を
行うときには、座席に座った作業者が体をひねりながら
左右或いはどちらかの畦のタバコの収穫や摘芽を行い、
その収穫葉やわき芽をその作業用車両に乗せて運搬しな
がら作業を進めていく方法である。

体をひねりながら行う作業は作業姿勢に無理があるの
で作業者に苦痛や疲労を与える問題があり、又、作業者
が搭乗する作業用車両は大型になるため大きな動力が必
要であり、作業用車両を駆動するエンジンの騒音や排気
ガスの問題が生じ、作業用車両の走行速度に比較して作
業速度が遅いために作業が車両に追従しない問題などが
ある。

歩行作業の場合には、収穫葉やきわ芽を片手に抱え他
方の手で作業を行い、長い畦では畦間に収穫葉の束を集
めておき、後で畦間外に持ち運ぶか、或いは、収穫袋や
車輪付台車を作業者の腰に付けて人力で車輪付台車を引
きながら運搬と作業を進めていく方法である。

このような歩行作業には、収穫葉の束を仮り置きした
後に畦外に搬出するので二度手間であり、又、運搬の負
担が大きいなどの問題がある。

本考案はかかる課題を解決することを目的とするもの
であり、従来の作業用車両の作業環境の問題を改善し、
作業者の作業速度で作業でき、しかも、作業中の操作が
簡単で且つ作業姿勢に無理の無い収穫物運搬車を提供す
るものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案の収穫物運搬車
は、バッテリなどの動力源と、該動力源の動力により畝
間を走行する車輪を駆動する駆動装置とを搭載し、上面
に収穫物などを載置する載置面を有する自走台車に、上
記動力源の動力を入り切りするスイッチを設け、畑を歩
行しながら作物の収穫・摘芽などを行う作業者に一端を
取り付けたゴムひも等の牽引ひもの他端を上記スイッチ
の作動部に止着したことを特徴とするものである。

又、収穫物運搬車の上記載置面に枠差込み用の孔を設
け、該孔に枠を着脱自在に嵌着する。

〔作用〕

上記のように構成された収穫物運搬車は、収穫物のみ
を運搬するので軽量小型であり、バッテリなどの動力源
で駆動することができる。

収穫物運搬車の前を歩行する作業者が作業の進行と共
に前進すると、作業者に取り付けられたゴムひも等の牽
引ひもがスイッチの作動部を作動するので、バッテリな
どの動力が駆動装置に伝達され、収穫物運搬車が作業者
に向けて走行し、牽引ひもが弛緩してスイッチの作動部
を作動しなくなると停止する。

このようにして、収穫物運搬車は作業者の作業の進行
に追従するので、作業者はいつでも収穫の束を収穫物運
搬車に載置することができる。

収穫物運搬車の載置面に枠を取り付けると、載置面上
の収穫物などが載置面から脱落する虞がなく、枠の取り
付けが不要の場合には、枠を容易に取外しておくことが
できる。

〔実施例〕

本考案の実施例について図面を参照しながら説明す
る。

第１図は収穫物運搬車の斜視図、第２図は進行方向か
ら見た正面図、第３図は側面図を示し、自走台車１には
駆動源であるバッテリ２と、駆動装置である減速機付モ
ータ３が搭載され、自走台車１の側面にメインスイッチ
４が設けられ、自走台車１の前端に設けられたスイッチ
台５に、バッテリ２と減速機付モータ３の回路を入り切
りするリミットスイッチ６が取り付けられる。

リミットスイッチ６は上方に突出する作動部6aを有
し、メインスイッチ４を入り側に操作した運転状態にお
いて、作動部6aを自走台車１の走行方向に傾動すると減
速機付モータ３が回転し、その回転が前側の車輪７に伝
達される。

自走台車１の上面にはタバコ葉などの収穫物を載置す
る載置面1aが形成され、載置面1aの両側面の２箇所に筒
状の支持部材８が固着され、支持部材８の内側に枠差込
み用の孔９が形成される。

符号10は下端の２箇所に脚部11が突設された枠で、脚
部11を枠差込み用の孔９に挿入すると載置面1aの側端縁
に枠10が取り付けられ、載置面1a上の収穫物の脱落を防
止する。

ゴムひも等から成る牽引ひも12は、一端に作業者に取
り付けられる輪12aを形成し、他端12bがリミットスイッ
チ６の作動部6aの先端部に取り付けられる。

自走台車１の側面には、バッテリ２を充電するとき
に、充電用の電線を差し込むアダプタ13が設けられる。

次に、以上のように構成された収穫物運搬車の作用を
説明する。

収穫物運搬車は、収穫物のみを運搬するので軽量小型
であり、バッテリ２などの動力源で駆動することができ
る。

第４図に示すように、作業者は輪12aを腰に巻付けて
タバコ畑の畦間を歩行並びに停止しながらタバコ葉の収
穫を行う。

作業者が歩行して牽引ひも12が引っ張られると、収穫
物運搬車の前端に設けられたリミットスイッチ６の作動
部6aが作業者に向けて傾くので、バッテリ２と減速機付
モータ３の回路が閉じて収穫物運搬車が作業者に向かっ
て走行し、牽引ひも12が弛緩すると、リミットスイッチ
６の作動部6aが復帰するので減速機付モータ３の回転が
停止し、収穫物運搬車が作業者に対して一定の間隔をお
いた位置に停止する。

作業者がタバコ葉を収穫すると収穫物運搬車の載置面
1aに載せる（第５図参照）。

タバコ葉の収穫が多い場合には枠10を取り付けて載置
面1a上のタバコ葉が落ちないようにすることができる。

作業者が周辺のタバコ葉の収穫を終わって前進する
と、再び収穫物運搬車が作業者に追従して前進する。

このようにして、収穫物運搬車は作業者の作業の進行
に追従するので、収穫物運搬車は作業者の速度に合わせ
て走行し、作業者はいつでも収穫の束を収穫物運搬車に
載置することができる。

従って、作業者は無理な作業姿勢をとる作業や収穫物
を運搬する労働から解放される。

収穫物運搬車は収穫物のみを運搬するので小型であ
り、バッテリなどで走行駆動されるので騒音や排気ガス
の問題がないなどの利点がある。

〔考案の効果〕

本考案は、以上説明したように構成されているので、
以下に示すような効果を奏する。

（１）収穫物運搬車は収穫物のみを運搬するので小型で
あり、畑の中を走行し易く、成育したタバコ葉の間を通
過するのに便利であり、バッテリなどで走行駆動される
ので騒音や排気ガスの問題がない。

又、収穫物運搬車が軽量小型であるので、値段が安
く、維持費も安くつき、畑に持込み易いなどの数多くの
利点がある。

（２）作業者は無理な作業姿勢をとる作業や収穫物を運
搬する労働から解放され、収穫物運搬車は作業者が作業
の進行に追従するので、作業がし易い。

又、収穫量が多い場合には枠を簡単に取り付けること
が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の実施例を示し、 第１図は収穫物運搬車の斜視図、 第２図は収穫物運搬車の正面図、 第３図は収穫物運搬車の側面図、 第４図は作業者の歩行に追従して走行する収穫物運搬車
の説明用略図、 第５図は停止した収穫物運搬車に収穫物を載置する状態
を説明する略図である。 １……自走台車、1a……載置面、２……バッテリ、３…
…減速機付モータ、６……リミットスイッチ、6a……作
動部、７……車輪、８……支持部材、９……枠差込み用
の孔、10……枠、12……牽引ひも。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】バッテリなどの動力源と、該動力源の動力
   により畝間を走行する車輪を駆動する駆動装置とを搭載
   し、上面に収穫物などを載置する載置面を有する自走台
   車に、上記動力源の動力を入り切りするスイッチを設
   け、畑を歩行しながら作物の収穫・摘芽などを行う作業
   者に一端を取り付けたゴムひも等の牽引ひもの他端を上
   記スイッチの作動部に止着したことを特徴とする収穫物
   運搬車。
2. 【請求項２】上記載置面に枠差込み用の孔を設け、該孔
   に枠を着脱自在に嵌着することを特徴とする請求項１に
   記載の収穫物運搬車。