JPS6121964Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、脱穀穀稈の脱穀処理に伴い、脱穀排
ワラを細断状態と長ワラ状態とに択一的に放出で
きるように、横架姿勢で搬送されてくる脱穀排ワ
ラを細断放出経路及び長ワラ放出経路に択一的に
供給させる排ワラ経路切換具を設けた脱穀装置に
関する。

従来、この種の装置として、実開昭53−23774
号公報に、開いた状態では排ワラを下側のカツタ
ーへ供給し閉じた状態では排ワラを上側傾斜面上
を後側下方へ滑動させるカバーを設けてある脱穀
排ワラ処理装置が開示されている。この装置で
は、カバーを閉じた状態では、排ワラ搬送装置よ
り移送されて来る長ワラ状態の排ワラが閉じたカ
バーの上面の傾斜面を滑動する自由落下で長ワラ
放出経路へ移動するが、この時長ワラの穂先株元
の関係位置がほぼ排ワラ搬送装置の移送状態に倣
うそれなりの状態となり、長ワラを充分既刈地側
へ寄せ放出することができない欠点がある。この
ような不都合を解消するには、脱穀部から排出さ
れてきた排ワラを穂先側へ向けて斜め後方へ強制
的に搬送する装置を設けることが考えられるが、
そのような搬送装置を設けると機体全長が長くな
い過ぎる点、および、搬送装置の駆動のための構
成が必要となる構造上の複雑化を招く点等の欠点
を免がれない。

本考案が解決しようとする技術的課題は、排ワ
ラ経路切換具に簡単な改造を加えるだけで、簡単
な構造により長ワラ状態の脱穀排ワラを極力穂先
側に寄せた状態で放出できるようにする点にあ
る。

上記技術的課題を解決するために講じた技術的
手段は、横架姿勢で搬送されてくる脱穀排ワラ
を、細断放出経路側または長ワラ放出経路側に向
けて択一的に案内供給するための案内作用面を備
えた排ワラ経路切換具を設けてある脱穀装置にお
いて、前記排ワラ経路切換具の長ワラ放出経路へ
の案内作用面側に、複数の遊転ローラからなるロ
ーラ搬送装置を設けるとともに、前記遊転ローラ
の遊転軸芯を排ワラ搬送方向での始端側ほど上位
で、かつ、排ワラ穂先側に寄る傾斜姿勢で配設し
たことである。

上記技術的手段は、次のように作用する。長ワ
ラ放出経路に供給する排ワラ経路切換具の作用面
側に、ローラの軸芯を始端側ほど上位で、かつ、
排ワラ穂先側に寄る状態に傾斜させてある複数の
遊転ローラからなるローラ搬送装置を設けてある
から、長ワラ放出経路に供給する脱穀排ワラが切
換具のローラ搬送装置上に受け止められた際、
次々と後から押されて来る排ワラがその自重によ
りローラ上を上から下へ滑り落ち、この時ローラ
軸芯を穂先に寄る状態で斜めに傾斜させてあるこ
とにより、各ローラ外周にローラを回転させる方
向の排ワラ重力の成分が発生し各ローラは排ワラ
を穂先側に移動させるように回転する。

従つて、本考案は次の効果を奏する。

長ワラ放出経路に供給する排ワラの自重による
落下によつて、各ローラは排ワラを穂先側に移動
させるように回転するから、ローラの終端におい
て長ワラ放出経路内に落下する排ワラは極力穂先
側に寄せた状態で放出できるようになつた。この
結果、排ワラ長手方向に出入りのない排ワラ穂先
がほぼ揃う状態となり、例えばコンバインにおい
て未刈穀稈上に重つて落下させることなく、長ワ
ラを極力既刈地側に寄せて整然と放出でき、未刈
穀稈の引起しの邪魔をすることなく作業できるよ
うになつた。しかも、長ワラを既刈地側に強制駆
動搬送する特別な搬送装置を用いるものではなく
排ワラ経路切換具にローラ搬送装置を設けるだけ
の簡単な改造ですみ、コスト面、製作面で極めて
有利にできるに至つた。

次に、本考案の実施例を、コンバインに装備さ
れる脱穀装置の例示図に基いて説明する。

脱穀フイードチエーン１によつて扱室２に供給
される脱穀穀稈を回動する扱胴３により扱脱穀す
るようにした脱穀部４を構成し、この脱穀部４の
後方に、横架姿勢で供給される脱穀排ワラが円盤
カツタ型細断装置５により細断処理されて機外に
放出されるように構成した細断放出経路６、及
び、機壁７とガイド杆８の間を通して自重落下に
より供給される長ワラ状態の脱穀排ワラをドロツ
パー９により受止め収集され、収集ワラの重量が
一定値に達すると前記ドロツパー９が下降揺動し
て収集ワラが落下放出されるように構成した長ワ
ラ放出経路１０を設けてある。そして、前記フイ
ードチエーン１により扱室２から搬出される脱穀
排ワラを、排ワラ挾持搬送装置１１によつて横架
姿勢で前記放出経路６，１０夫々の入口上方に搬
送されるように構成すると共に、機壁７に、排ワ
ラ経路切換具１２を前記排ワラ搬送装置１１から
の排ワラを前記細断放出経路６に供給する第１傾
斜作用姿勢と前記長ワラ放出経路１０に流下案内
供給する第２傾斜作用姿勢とに切換揺動自在に取
付けてある。もつて、前記経路切換具１２の作用
姿勢を切換える事により、脱穀穀稈の扱脱穀処理
に伴つて、脱穀排ワラを細断状態で放出す作業形
態と、長ワラ状態で一定量ずつ放出する作業形態
とを択一的に採れるようにしてある。

前記排ワラ経路切換具１２の脱穀排ワラを長ワ
ラ放出経路１０に案内供給する作用面側に、複数
個のローラ１３…を排ワラ稈身方向に並列させて
遊転自在に架設してなるローラ搬送装置１３Ａを
設け、前記ローラ１３夫々の遊転軸芯Ｐを、経路
切換具１２の排ワラ案内作用始端側ほど排ワラ穂
先側に寄る状態で斜め下方に傾斜させてある。前
記ローラ１３夫々を、その回転抵抗を抑制するた
めの軸受１４を介して架設すると共に、ローラ１
３夫々の外周面に、排ワラとの摩擦を大にするた
めの部材の一例としてのゴム１５を付設してあ
る。つまり、長ワラ放出経路１０に供給する脱穀
排ワラが、切換具１２上にてローラ１３に受止め
られた際に摩擦によつてローラ１３を回転させ、
その回転するローラ１３による搬送作用によつて
穂先側に移動された後に長ワラ放出経路１０内に
落下供給されるようにしてある。

尚、前記長ワラ放出経路１３を、ドロツパー９
を具備せず、脱穀排ワラが長ワラ状態で直接放出
されるものに構成しても良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る脱穀装置の実施例を示し、
第１図は縦断側面図、第２図は要部を示す背面
図、第３図は第２図の−断面矢視図である。 ６……細断放出経路、１０……長ワラ放出経
路、１２……経路切換具、１３……ローラ、１３
Ａ……ローラ搬送装置、Ｐ……遊転軸芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横架姿勢で搬送されてくる脱穀排ワラを、細断
   放出経路６側または長ワラ放出経路１０側に向け
   て択一的に案内供給するための案内作用面を備え
   た排ワラ経路切換具１２を設けてある脱穀装置に
   おいて、前記排ワラ経路切換具１２の長ワラ放出
   経路１０への案内作用面側に、複数の遊転ローラ
   １３…からなるローラ搬送装置１３Ａを設けると
   ともに、前記遊転ローラ１３の遊転軸芯Ｐを排ワ
   ラ搬送方向での始端側ほど上位で、かつ、排ワラ
   穂先側に寄る傾斜姿勢で配設してある脱穀装置。