JPH0448671Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案はコンバインの後部に装着して、脱穀し
た後の排藁を切断する排藁カツター装置におい
て、切断後の排藁を拡散する機構に関するもので
ある。

(ロ) 従来技術 従来から、排藁カツター装置において、下方に
スクリユーコンベアを配置し、該スクリユーコン
ベアの先端に跳ね出し板を設けた技術は公知とさ
れているのである。

例えば、実開昭55−113037号公報や、実開昭58
−161451号公報や、実開昭59−16356号公報等の
如くである。

また、カツターの型式については、実開昭55−
151146号公報や、実開昭55−133752号公報の如き
技術も公知とされているのである。

(ハ) 考案が解決すべき課題 スクリユーコンベアで移送し、最後に設けた跳
ね出し板にて移送物を跳ね上げるものはスロワー
等に存在したが、スクリユーコンベアのスクリユ
ーから跳ね出し板への移送物の受継ぎ部におい
て、受継ぎがうまくいかずその手前で移送物の詰
まりが発生することが多かつたのである。

本考案はスクリユーコンベアのスクリユーと跳
ね出し板はそれぞれ独立して設け、連続面とせず
簡易に作成出来る構成とし、スクリユーから跳ね
出し板への受継ぎ部において切断藁が詰まらない
ようにする為に、スクリユーコンベアのスクリユ
ーの終端部の一部から跳ね出し板にわたつて底板
の後半分を開口となしたものである。

即ち、スクリユーで横送りしてきた切断藁を底
板の端部から跳ね出し板の風圧で吹き飛ばす構造
としたものである。

(ニ) 問題を解決する為の手段 本考案の解決すべき課題は以上の如くであり、
次に該課題を解決する手段を説明する。

排藁カツター装置において、排藁穂先部の下方
は開放状態として切り落としとし、排藁穂先部の
下方には、スクリユー１と底板４と跳ね出し板９
により切断藁移送用スクリユーコンベアを配置し
た構成において、スクリユー１から跳ね出し板９
への受継ぎ部において切断藁が滞留するのを回避
すべく、スクリユー１の終端部で、スクリユーの
最終の一巻き長又は半巻き長程度から跳ね出し板
９の下方にわたり、底板４に下方に向かう開口５
を設けたものである。

(ホ) 実施例 本考案の解決すべき課題及び解決する手段は以
上の如くであり、次に添付の図面に示した実施例
の構成を説明する。

コンバインは第１図に示す如く、後面に排藁カ
ツター装置を装着し、排藁を切断している。

該排藁カツター装置は、上位に低速軸２ａを下
位に高速軸３ａを有して構成されており、低速軸
２ａ上にはスターホイール２が装着され、高速軸
３ａ上にはデイスクカツター刃３が装着されてい
る。

そして低速軸２ａの後方の軸上には、スポンジ
等の弾性体にて構成された排藁案内回転体１３を
有している。よつて排藁は排藁チエーン６によつ
てコンバイン後部のカツター室内に送られ、排藁
案内回転体１３とスターホイール２とデイスクカ
ツター刃３との間に送り込まれ、細かく切断され
圃場面に放出される。

本考案では切断された切断藁がそのままの位置
で下方へ落下するのではなく、混ぜ合わされて、
かつ散乱されるように、株元部にスクリユー１と
跳ね出し板９と底板４により成るスクリユーコン
ベア装置を設けて、株元側の切断藁を中央まで移
動させてから跳ね出し板９で圃場面に跳ね出して
いる。

第４図、第８図より、本考案のカツター装置の
駆動系統を説明すると。

コンバインの脱穀部よりＶベルト１４にて入力
Ｖプーリー１６に回転が伝えられる。

この回転が高速軸３ａの回転となる。高速軸３
ａ上のギヤ１１より、カウンターギヤ１２を介し
てスクリユーコンベアの入力ギヤ１８を回転して
いる。又、高速軸３ａ上のもう一枚のギヤ１５よ
り低速軸２ａのギヤ１０を駆動している。

又、カツター装置の逆の側において低速軸２ａ
上のギヤ１７より、排藁案内回転体１３のギヤ１
８を駆動している。Ａは排藁、７Ｌ，７Ｒは左右
のクローラー装置である。

このような構成の排藁カツター装置において、
排藁の供給量が普通の場合は第２図の如く、スム
ーズに切断藁が圃場面に落下させられていくので
ある。ところが、一時的に大量に切断藁が送られ
てくると、スクリユーコンベアの径が小さい場合
に移送容量が足りず、第３図の如く底板４からス
クリユー１の周囲、デイスクカツター刃３の回り
まで切断藁が詰まつてしまうことがあるのであ
る。このような詰まりはデイスクカツター刃３の
回転抵抗となり、排藁カツター装置全体の詰まり
となることもあるのである。

特に詰まりの最初の原因となるのが移送用のス
クリユー１と、跳ね出し用の跳ね出し板９の受継
ぎ部なのである。スクリユー１をそのまま延長し
て大径の跳ね出し板に一体的に構成すればこの受
継部がなくなり、この部分の詰まりの原因はなく
なるのであるが製造時の材料取りの点や、跳ね出
し板の枚数が複数であることからどうしてもスク
リユーと跳ね出し板を一体的に構成することはで
きないのである。

本考案ではこの点を考慮して最も詰まりの発生
しやすいスクリユー１の終端部と、跳ね出し板と
の受継ぎ部より開口５を構成したものである。従
来はこの開口５は跳ね出し板９の部分のみであつ
たから、これをスクリユー側まで広げたこととな
るのである。

開口５の構成は第４図、第５図、第６図、第７
図にて多面的に図示されている如く、コンバイン
の進行方向に対して前方に当たる位置のスクリユ
ー軸１ａの軸心直下より前半分は底板４がスクリ
ユー１の回転外径に沿つて閉鎖状態で設けられて
おり、スクリユー軸１ａの軸心直下より後半分は
開口５としているのである。

そして該開口５はスクリユーの最終の一巻き長
又は半巻き長適度を開口５に覗ませて、ここから
切断藁が落下可能としたものである。

このスクリユー１の開口５部分から落下した切
断藁は跳ね出し板９による跳ね出し作用は受けな
いが、跳ね出し板９が起こした風により吹き飛ば
されるので混合作用は発生されるのである。

(ヘ) 考案の効果 本件考案は以上の如く構成したので、次のよう
な効果を奏するものである。

第１図は、スクリユーコンベアを大容量のもの
に構成しなくとも、スクリユーコンベア部で詰ま
りが発生することがなく、特にスクリユーの先端
と跳ね出し板９の受継ぎ部における詰まりを、こ
の開口により逃がすことができ解消できたのであ
る。

第２に、スクリユーコンベアと跳ね出し板の受
け継ぎ部において、スムーズな受け継ぎが可能な
ように、連続性を具備すべく、両者の間に高度な
製造方法により加工する必要がなく、従来の如く
簡単な製造方法で良いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンバインとその後部に装着した排藁
カツター装置の全体側面図、第２図は本考案の排
藁カツター装置の後面図、第３図はスクリユーコ
ンベア部分で切断藁が詰まつた状態の側面図、第
４図はカツター装置の拡大後面断面図、第５図は
同じく底面から見た状態の図面、第６図は第４図
のＣ−Ｃ断面矢視図、第７図は第４図のＢ−Ｂ断
面矢視図、第８図は駆動側側面図である。 Ａ……排藁、１……スクリユー、１ａ……スク
リユー軸、２……スターホイール、３……デイス
クカツター刃、５……開口、９……跳ね出し板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排藁カツター装置において、排藁穂先部の下方
   は開放状態として切り落としとし、排藁穂先部の
   下方には、スクリユー１と底板４と跳ね出し板９
   により切断藁移送用スクリユーコンベアを配置し
   た構成において、スクリユー１から跳ね出し板９
   への受継ぎ部において切断藁が滞留するのを回避
   すべく、スクリユー１の終端部で、スクリユーの
   最終の一巻き長又は半巻き長程度から跳ね出し板
   ９の下方にわたり、底板４に下方に向かう開口５
   を設けたことを特徴とするコンバインの排藁カツ
   ター装置。