JPS583462Y2 - 排稈処理切替装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンバイン等に搭載された脱穀部から排出さ
れる排稈を、排稈切断部に供給する細断状態と、排稈切
断部に供給しない非細断状態とに選択切替可能となした
排稈処理切替装置に関するものである。

従来、コンバインで刈取られて脱穀された後の排稈は、
長藁のままで束状にされたり、あるいは細断して圃場に
撒布して肥料の一部にしたりしている。

このように細断して撒布する場合には、排稈の全量であ
ると土壌の組戒上多すぎることが多く、これを考慮して
約半量にすることが多い。

このために、例えばコンバインの往行程においては排稈
を切断せずに長藁のままで集束し、復行程において排稈
を切断するようにすれば、細断排稈は圃場上に縞状に撒
布される。

その後長藁状態の排稈をひろい集めて、残った細断排稈
を必要に応じて撒布すればよい。

前記のような操作をする場合には、運転中に排稈切断部
に対して排稈が切断状態と、非切断状態となるように迅
速に切替えることが必要である。

この排稈の切替手段に関しては、例えば実公昭５０−２
７４７４号公報で提案されている。

この装置は脱穀装置のフィートチエンに連続して排稈移
送装置を設け、この排稈移送装置の下方に排稈切断部と
集束放出部とを、集束放出部が外側となるように並設す
ると共に、排稈移送装置と、これの下方の排稈切断部と
集束放出部との間に起伏自在な切替を設けたものである
。

したがって、前記構造の切替装置においては、切替板が
上下方向に起伏する空間を必要とするために、無駄と空
間が多くなって装置が全体的に大型化する一方、排稈切
断部に落下する排稈が広い空間を非支持状態で落下する
ことによる落下姿勢が一定せずに、機体の振動や気流の
影響、排稈の排出速度等の影響を受けて排稈に引掛りを
生じたり、排稈切断部上方において詰りを生ずる欠点が
ある。

この欠点を解決するために、排稈移送帯の下方に設けた
排稈切断部の上面を全面的に覆う力／＜−を、前後方向
に移動させて排稈切断部の供給口を開閉する切替手段が
実公昭４９−３４５５２号公報で提案されている。

このように排稈切断部の供給口を開閉するためのカバー
自体が排稈切断部の全面を覆う広幅に形成されかつ、前
後移動するものでは、開閉操作を迅速にするための構造
が複雑となる欠点がある。

本考案は、前記従来技術の欠点を解消するために得られ
たものであって、排稈搬送帯の下方に設けた排稈切断部
の供給口を遮閉する遮閉板を、縦軸を中心とする最少限
角度の範囲内で一挙に水平回動操作可能にして、切替操
作が迅速にできる排稈処理切替装置を提供するものであ
る。

以下に本考案の実施例を示す図面について説明する。

１は刈取搬送部、２は走行部、３は脱穀部、４は排稈移
送帯で、この排稈移送帯４と、排稈移送帯４の下方に対
設するレール６とで、脱穀機３の排稈口から排出される
排稈を受継いで機体後方に移送する排稈移送装置を構成
し、この排稈移送装置は、平面視で終端側はど排稈穂先
側に偏位する傾斜方向に配設する。

前記脱穀部３を脱穀部３の殻稈挾持移送装置が機体の進
行方向と略平行する方向となるように配置すると共に、
前記排稈移送装置の終端側下方には、前記殻稈挾持移送
装置と直交する方向に軸架の回転軸と、該回転軸に所定
間隔に配置した円盤刃とからなる排稈の長さ方向を同時
に複数個に細断する排稈切断部５を配置する。

コンバインは機体の前進に伴って刈取搬送部１で殻稈を
分草して刈取り、刈取った殻稈を脱穀部３に供給する。

脱穀部３の殻稈挾持移送装置の始端部に供給された殻稈
は、機体の進行方向と平行する方向の殻稈挾持移送装置
に株元側が挟持された状態で終端に向けて移送される間
に穂先側が脱穀され、脱穀部３で脱穀された排稈は、脱
穀部３の排稈口から機体の進行方向と直交する方向で排
出されて、排稈口から斜め後方に向って延出された排稈
移送帯４と下方に設けた部材とによって移送される間に
、機体の中央部に引き込まれて排稈切断部５の上方に至
る。

第３図に示すように、前記排稈移送装置の終端側下方に
は、レール６のない開放路４ａを形成して、開放路４ａ
下方には排稈切断部５の供給口を位置させると共に、レ
ール６の終端を下方に屈曲して排稈移送装置下方に位置
する移送方向上手側の縦軸に構成し、この縦軸には一ヒ
記排稈移送帯４の排稈移送面と平行な面内で水平回動す
る扇形状の遮閉板７を設ける。

前記遮閉板７を前記縦軸周りにその一側端縁７ａが排稈
移送装置４に平行になる位置に回動した際には、排稈切
断部５の供給口が遮閉されて、レール６の仮想延長線上
の排稈移送装置のレール６のない開放路４ａ下方に重合
する部位の遮閉板７に排稈受面を形成する。

このように遮閉板７が回動した供給口遮閉位置では、排
稈移送装置の搬送路４ａ下方に重合する遮閉板７の上面
が排稈移送帯４に協働する排稈受面となるのを利用して
、排稈を排稈切断部５の供給口を越えて移送し、長藁の
ままで放出処理されるように構威しである。

この遮閉板７を、移送方向上手側の縦軸を中心として排
稈移送装置の排稈穂先側に向けて、遮閉板７の前記排稈
受面の端縁７ａが排稈切断部５の供給口口に対して略平
行状となる位置に回動した際には、排稈移送装置の開放
路４ａ下方は開放される。

このように遮閉板７が排稈移送装置の排稈穂先側に回動
した供給口開放位置では、遮閉板７における排稈受面側
の端縁７ａと、傾斜する排稈移送装置との間の角度が鋭
角になって、排稈移送装置の開放路４ａ下方が開放され
ることになり、開放路４ａから落下する排稈は、排稈の
稈身方向に沿って設けた排稈全長を受入れることのでき
る排稈切断部５によって稈身方向が同時に複数に細断さ
れるようにしである。

従って本考案における排稈処理切替装置は、遮閉板７の
裏面に先端が連結された操作レバー８の基端側を運転席
より矢印方向に押引操作するだけで、排稈移送装置下方
の移送方向上手側の縦軸を回動中心とする遮閉板７は、
排稈移送装置の開放４ａ下方に重合する遮閉板７の上面
が排稈移送帯４に協働する排稈受面になって、排稈切断
部５の供給口を遮閉する供給口遮閉位置と、排稈移送装
置の排稈穂先側に回動した遮閉板７の前記排稈受面側の
端縁７ａが傾斜した排稈移送装置に対して鋭角に交差し
て排稈切断部５の供給口を開放する供給口開放位置とに
、最少限の角度範囲内で一挙に水平回動するから、排稈
処理装置における切替操作を迅速にすることができる。

尚、９は脱穀部３からの排稈を受取る移送装置、１０は
これの上方に設けた案内レールであり、下方の移送装置
９の終端よりも上方の案内レール１０の終端が長くなっ
ていて、延長部１０ ａを形成している。

排稈を非切断状態の長藁のままで放出処理する場合には
、操作レバー８を操作して縦軸を回動中心とする遮閉板
７を、端縁７ａが第３図の実線で示すように排稈移送帯
４と平行となり排稈切断部５の供給口が遮閉される供給
口遮閉位置に回動させるだけで、排稈は排稈移送帯４の
レール６のない開放路４ａと、この開放路４ａ下方に重
合する遮閉板７の排稈受面との間で挟持移送されて、排
稈切断部５の供給口上方を越えて集束装置等の上に放出
されることになる。

次に、排稈を細断処理する場合には、操作レバー８を操
作して縦軸を回動中心とする遮閉板７を、第３図の鎖線
で示すように遮閉板７の排稈受面の端縁７ａが排稈切断
部５の供給口口縁に略沿う平行状で傾斜する排稈移送装
置に対しては鋭角に交差する供給口開放位置に回動させ
るだけで、排稈移送装置下方の開放路４ａが開放され、
排稈は排稈切断部５内に落下して稈身方向が同時に所定
の寸法に細断処理されることになる。

そして、遮閉板７は、傾斜配設した排稈移送装置自体の
傾斜方向を有効利用する排稈移送装置の排稈穂先側にお
いて、排稈移送装置の開放路４ａ下方に重合する供給口
遮閉位置と、排稈移送装置の開放路４ａを開放する供給
口開放位置とに、排稈移送装置下方の移送方向上手側の
縦軸を中心にして切替可能に構成することにより、傾斜
した排稈移送装置に対する遮閉板４の回動角度は鋭角内
に保持して、遮閉板４の回動角度を最少限に止めること
ができることと、両切替時に遮閉板４の回動中心側が常
に排稈移送装置の移送方向上手側下方に重合して、連続
的に排出される排稈の排稈移送装置による移送を阻害し
ないこととが相俟って、遮閉板４を一挙に切替ることが
できる。

これを要するに本考案は、脱穀部から排出される排稈を
受継いで機体後方に移送する排稈移送装置を、平面視で
終端側はど排稈穂先側に偏位する傾斜方向に配設し、前
記排稈移送装置の開放路下方に配設した排稈切断部の供
給口を遮閉する遮閉板を、前記開放路下方に重合した遮
閉板の上面が排稈移送帯に協働する排稈受面となる供給
口遮閉位置と、排稈移送装置の排稈穂先側に回動した前
記排稈受面側の端縁が傾斜する排稈移送装置に対して鋭
角に交差する供給口開放位置とに、排稈移送装置下方近
傍の移送方向上手側の縦軸を中心にして水平方向に選択
切替可能に構成したから、排稈切断部の供給口を遮閉す
る遮閉板自体を、排稈移送装置下方近傍の移送方向上手
側の縦軸を中心にして供給口遮閉位置に切替えた際には
、排稈移送装置の開放路下方に重合する遮閉板の上面を
、排稈移送帯に協働する排稈受面に利用して、排稈移送
装置の開放路を遮閉することができるものでありながら
、この供給口遮閉位置から遮閉板が排稈移送装置の排稈
穂先側に回動する供給口開放位置では、排稈移送装置の
開放路を開放することができる。

しかも、遮閉板は、平面視で終端側はど排稈穂先側に偏
位する排稈移送装置の傾斜配置を利用して、排稈移送装
置下方近傍の移送方向上手側の縦軸を中心とする排稈移
送装置の排稈穂先側に回動させることにより、排稈移送
装置に対する遮閉板の供給口遮閉位置と供給開放位置と
の切替角度を鋭角内に保持することができることと、遮
閉板は排稈移送装置下方の移送方向上手側の縦軸を中心
とする供給口遮閉位置と供給口開放位置との両切替時に
は、遮閉板の回動中心側が常に排稈移送装置の移送方向
上手側に常に重合して回動し、排稈移送装置による排稈
移送を阻害することがないこととが相俟って、遮閉板を
一挙に切替ることかでき、排稈処理装置における切替操
作を迅速にすることが構造をことさらに複雑にすること
なく簡単な構造でなし得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の排稈処理切替装置を装備したコンバイ
ン全体の側面図、第２図は同平面図、第３図は要部の斜
視図である。 ４は排稈移送帯、４ａは開放路、５は排稈切断部、６は
レール、７は遮閉板、７ａは排稈受面の端縁、８は操作
レバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀部から排出される排稈を受継いで機体後方に移送す
   る排稈移送装置を、平面視で終端側はど排稈穂先側に偏
   位する傾斜方向に配設し、前記排稈移送装置の開放路下
   方に配設した排稈切断部の供給口を遮閉する遮閉板を、
   前記開放路下方に重合した遮閉板の上面が排稈移送帯に
   協働する排稈受面になる供給口開放位置と、排稈移送装
   置の排稈穂先側に回動した前記排稈受面側の端縁が傾斜
   する排稈移送装置に対して鋭角に交差する供給口開放位
   置とに、排稈移送装置下方近傍の移送方向上手側の縦軸
   を中心にして選択切替可能に構成したことを特徴とする
   排稈処理切替装置。