JPS5811152Y2 - 脱穀機における排藁処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来コンバイン等に塔載した脱穀機のカッターは、脱穀
機の殻稈挾持搬送体の終端に排藁チェーン、排藁ベルト
等よりなる排藁搬送装置を連設し、その更に終端にカッ
ターを取付けていた。

従って機体の長さが大となると共にカッターは重量が大
であるから機体の重心が後方へ移動する欠点があり、特
にコンバイン等においては機体の回向性を考慮するとク
ローラ−等からなる走行装置を長くすることは望ましく
なく限度があるので機体が著しく不安定となる欠点があ
った。

本考案は機体長を長くすることなくきわめて安定性の高
いものでありながら、排藁を細断して放出することも、
細断しないでそのま・排出することも、排藁の姿勢を乱
すことなく整然と移行せしめて的確に行うことのできる
脱穀機における藁排処理装置を提供せんとするものであ
って、扱口の外側に沿ってフィードチェーンと挟把レー
ルとからなる殻稈挾持搬送体を配設し、排稈口の下手側
に排塵選別室を設けた脱穀機において、前記排塵選別室
上にカッターをその供給口が前位で排出口が後位になる
よう横倒し状になして横軸で上下傾動可能に支承し、前
記カッターのケーシングの上面に、排藁搬送装置を近接
させて、一体的に併設すると共にカッターの供給口と排
藁搬送装置の始端とを前方の排藁排出部に前記上下傾動
によりいずれも前向姿勢で対面するように構成したこと
を特徴とするものである。

以下図面に示す実施例について本考案を更に詳細に説明
すると、１は扱室２内に軸架された扱胴であって、供給
口３から排稈口４にわたる機体側部に設けた扱口の上部
にはフィードチェーン５ａと挟把レール５ｂとからなる
殻稈挾持搬送体５が配設してあり、該搬送体５の終端部
は四番ロ６上で斜め後上方に向けて折曲しである。

７は供給口３の下方に設けた唐箕であって、受網１０の
下方から排塵選別室１１を経て排塵口１２に至る部位は
選別風路１３に形成され、一番受樋１５上に臨む選別網
１４ ａ及び二番受樋１６上に臨むストロ−ラック１４
ｂ等からなる揺動選別体１４が前後揺動するように架設
しである。

また、前記排塵選別室１１のフィードチェーン５ａ側の
天板１１ ａは穂先側の天板１１ ｂより低くしてあり
、その前端は四番漏斗６ａの下端部に接続されている。

そして、前部に送込口１７及び掻込杆１８ ａ付の送込
ロール１８並びにゴムロール１９を有し、その後方に固
定刃２０と回転刃２１を備えたカッターＡは前記低い方
の天板１１ ａ上に、送込口１７を前位とした横倒姿勢
で塔載してあり、回転刃２１の軸２１ ａの軸受は、機
体後部の側壁２３及び天板５ａ上に立設した受金２２に
よって支承されており、カッターＡの株元側の側板に突
設した固定ボルト２４は前記側壁２３に穿設した弧状の
長孔２５に貫挿されているので、該カッターＡは第１図
に示すような略水平な姿勢と第３図に示すような前部を
上げた傾斜姿勢とに変更調節することができる。

また、カッターＡのケーシングの上面には排藁チェーン
２７ ａと案内レール２７ ｂとからなる排藁搬送装置
２７が近接させて一体的に取付けてあり、伝動ケース２
８内のチェーンと管体からなるフレーム２９内の伝動軸
とにより駆動され、上面はカバー３０により覆われてい
る。

なお図面中３１は殻稈挾持搬送体５の終端部近傍上部の
側壁から前記送込口１７の上方に臨む内枠、３２は集束
装置である。

前述の実施例において排藁を細断しないのでそのま・排
出する場合はカッターＡを第１図及び第２図に示すよう
に下降傾動して略水平状となすと、排藁は殻稈挾持搬送
体５の終端の排藁排出部から直接排藁搬送装置２７に受
は継がれて斜め中央寄りの後方へ搬送され、それが集束
装置３２により所定量ずつ集束され間欠的に放出される
。

また、排藁を所定寸法に細断して圃場に散布せんとする
場合は、第３図及び第４図に示す如くカッターＡを軸２
１ ａを中心として上昇回動せしめると、送込口１７が
殻稈挾持搬送体重の移送の終端の排藁排出部に臨むこと
となり、排出された排藁は掻込杆１８ ａにより二つ折
りにされながら送込ロール１８と１９とにより後方へ送
り込まれて固定刃２０と回転刃２１とにより切断され、
後部の排出口から後方へ排出される。

その際、排藁搬送装置２７は上方へ退避しているので排
藁を受継搬送することはない。

本考案は前述のように扱口の外側に沿ってフィードチェ
ーンと挟把レールとからなる殻稈挾持搬送体を配設し、
排稈口の下手側に排塵選別室を設けた脱穀機において、
前記排塵選別室上にカッターをその供給口が前位で排出
口が後位になるよう横倒し状になして横軸で上下傾動可
能に支承し、前記カッターのケーシングの上面に、排藁
搬送装置を近接させて、一体的に併設すると共にカッタ
ーの供給口と排藁搬送装置の始端とを前方の排藁排出部
に前記上下傾動によりいずれも前向姿勢で対面するよう
に構成したので、カッターを脱穀機の略機体長さ内に納
めることができ、従来の機体の後部にカッターを装着し
たもののように重心が機体後部に移動することがきわめ
て少なくコンバイン等の機台に塔載した場合ピッチング
が防止され安定した走行を行うことができる。

また、カッターの供給口も排藁搬送装置の始端も前向姿
勢で排藁排出部に対面して排藁を受は入れるので、排藁
の移動方向が殆んど変化せず、その姿勢を乱したり、詰
ったりすることなく整然と細断又は後送して放出するこ
とができる。

更にカッターと排藁搬送装置とを脱穀機の排塵選別室上
に設けてそれら同装置のいずれにも排藁を処理すること
ができるものでありながら、排藁搬送装置を横倒し状と
なしたカッターのケーシングの上面に近接させて併設し
たので、横軸を中心とした僅かな傾動操作により排藁処
理の切替をワンタッチでしかも迅速かつ正確に行うこと
ができると共に機体が高くなることがなく、一層良好な
安定走行を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
排藁を細断せずに排出する場合の脱穀機の側面図、第２
図は同上平面図、第３図は排藁を細断する状態を示す側
面図、第４図は同上平面図である。 互・・・・・・殻稈挾持搬送体、１１・・・・・・排塵
選別室、１１ａ、ｌｌｂ・・・・・・天板、Ａ・・・・
・・カッター、１７・・・・・・送込口、２７・・・・
・・排藁搬送装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱口の外側に沿ってフィードチェーンと挟把レールとか
   らなる殻稈挾持搬送体を配設し、排稈口の下手側に排塵
   選別室を設けた脱穀機において、前記排塵選別室上にカ
   ッターをその供給口が前位で排出口が後位になるよう横
   倒し状になして横軸で上下傾動可能に支承し、前記カッ
   ターのケーシングの上面に、排藁搬送装置を近接させて
   、一体的に併設すると共にカッターの供給口と排藁搬送
   装置の始端とを前方の排藁排出部に前記上下傾動により
   いずれも前向姿勢で対面するように構成したことを特徴
   とする脱穀機における排藁処理装置。