JPS6120703Y2 - - Google Patents

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JPS6120703Y2
JPS6120703Y2 JP1980187813U JP18781380U JPS6120703Y2 JP S6120703 Y2 JPS6120703 Y2 JP S6120703Y2 JP 1980187813 U JP1980187813 U JP 1980187813U JP 18781380 U JP18781380 U JP 18781380U JP S6120703 Y2 JPS6120703 Y2 JP S6120703Y2
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cassette
button
lever
tape
head
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JP1980187813U
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Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカセツトをカセツトホルダ内に挿入
し、そのカセツトホルダの回動によりカセツトを
カセツト装着位置へ装着させるように構成したカ
セツトテープレコーダに関するものである。
周知の如く従来のこの種カセツトテープレコー
ダでは、メカ基板上に移動自在に取付けられたヘ
ツド基板上にヘツドやそのヘツドに対するテープ
走行方向の上流側に位置するテープガイド等を取
付けておき、カセツトホルダによるカセツト装着
後にヘツド基板を前進させて上記ヘツドや上記テ
ープガイド等をカセツト外からカセツトの前面開
口内に挿入してテープと接触させるように構成さ
れていた。
従つて従来のカセツトテープレコーダはヘツド
基板の往復動ストロークを或る程度大きく取る必
要があり、カセツトテープレコーダの小型化に大
きな制約を及ぼしていた。
本考案は上述の如き実状に鑑み考案されたもの
であつて、ヘツド〔例えば後述する実施例におけ
る再生ヘツド100〕をカセツトホツダ〔例えば
後述する実施例におけるカセツトホルダ75〕に
回動自在に取付けられたヘツド基板〔例えば後述
する実施例におけるヘツド基板158〕に取付け
る一方、上記ヘツドに対するテープ走行方向上流
側に位置するテープガイド〔例えば後述する実施
例におけるテープガイド102〕を上記カセツト
ホルダに直接取付けたことを特徴とするカセツト
テープレコーダである。
このように構成することによつて、カセツトテ
ープレコーダの小型化及び薄型化に大いに役立つ
ものが得られる。
以下本考案の一実施例を図面に基き説明する。
なおこのカセツトテープレコーダは普通のコンパ
クトカセツト(以下単にカセツトと記載する)7
1を使用する再生専用のステレオ装置である。
先ず第1図〜第4図によつてカセツトテープレ
コーダの全体の構成を説明する。
先ず第1図及び第2図に示されるように、テー
プレコーダ本体72のキヤビネツト73及びカセ
ツト蓋74の外径寸法は、カセツト71の外径寸
法より極く僅か(数mm)だけ大きくされた非常に
コンパクトな寸法に構成されている。そしてキヤ
ビネツト73の一方の側面73aがほゞ全面に亘
つて開放されていて、その側面73a部分にカセ
ツト71が水平状に装着されるように構成されて
いる。またカセツト蓋74はカセツト71の上部
から側面73aの全面を閉蓋するように構成され
ている。またカセツトホルダ75はカセツト蓋7
4の内側に配置されていて、カセツト71はこの
カセツトホルダ75内に挿入され、カセツト蓋7
4の閉蓋により側面73a部分に装着されるよう
に構成されている。なおキヤビネツト73内に組
込まれたプラスチツクモールドシヤーシ(以下単
にシヤーシと記載する)76の上面板76aが側
面73a部分に水平状に配置されていて、その上
面板76aの上部に供給リール軸77、巻取リー
ル軸78、キヤプスタン79、カセツト位置決め
ガイド80等が配置されている。
次に第3図に示されるように、キヤビネツト7
3の他方の側面73b部分には、停止釦82、再
生釦83、早送り釦84、巻戻し釦85の4つの
押釦や音量調整つまみ86等が配置されている。
なお上記押釦82〜85及びつまみ86は夫々凹
部87,88内に配置されている。
次に第4図に示されるように、シヤーシ76の
上面板76aの下面には金属板からなるメカ基板
90が固着され、そのメカ基板90の下部にテー
プ駆動装置91が設けられている。
次にシヤーシ76の上面板76aでキヤビネツ
ト73の前面73c側に偏倚された位置に電池挿
入口93が設けられ、その電池挿入口93の下部
でシヤーシ76に電池収納部94が一体に設けら
れている。なお電池挿入口93には電池蓋95が
着脱自在に取付けられている。
次に第5図〜第9B図によつてカセツト装着装
置97を説明する。
先ず第5図に示されるように、前記キヤビネツ
ト73及び前記カセツト蓋74は例えばプラスチ
ツクにて成形されたものであり、前記カセツトホ
ルダ75は例えば板金加工されたものである。そ
してカセツトホルダ75はほゞコ字状をなすホル
ダ本体98の左右両端部の下側にほゞコ字状をな
して互に対向する一対のカセツト保持部99a,
99bが一体に設けられている。そしてホルダ本
体98の下部にステレオ用の再生ヘツド100、
ピンチローラ101、テープガイド102等が取
付けられている。
次にシヤーシ76の上面板76aの上部で、後
端側の左右両端部に一対の支持ブロツク103
a,103bが一体に設けられている。そしてこ
れら両支持ブロツク103a,103bの両側面
に左右一対の支点軸104a,104bが同一軸
心状態で圧入により取付けられている。なおこれ
ら両支点軸104a,104bは中空部内周に雌
ネジ孔105a,105bが設けられた筒軸にて
構成されている。そしてカセツトホルダ75がそ
の両カセツト保持部99a,99bの両側板部1
06a,106bに設けられた貫通孔107a,
107bによつて両支点軸104a,104bに
挿入されて回動自在に枢支されている。またカセ
ツト蓋74に一体に設けられた左右両側壁109
a,109bに貫通孔110a,110bが設け
られていて、これらの貫通孔110a,110b
を挿通して両支点軸104a,104bの雌ネジ
孔105a,105bにネジ止めされた支点軸兼
用の一対の止ネジ111a,111bにカセツト
蓋74が回動自在に枢支されている。従つてカセ
ツト蓋74とカセツトホルダ75とは同一軸心の
周りに夫々回動自在に枢支されている。なおカセ
ツトホルダ75の左右両端部に一体に設けられた
一対の突起112a,112bがカセツト蓋74
の両側壁109a,109bの内側に一体に設け
られた一対の突起113a,113bとカセツト
蓋74の内面74aとの間に設けられた一対の隙
間114a,114b内に、これらの隙間114
a,114b内で相対的に移動出来るように余裕
をもつて挿入されている。従つてカセツトホルダ
75に対してカセツト蓋74は所定の角度範囲θ
(第9A図参照)内で相対回動自在に係合され
ている。なお一方の支持ブロツク103aと一方
のカセツト保持部99aの側板部106aとの間
に例えばスチロールボールとコイルスプリングと
を用いたクリツク機構(図示せず)によつて、カ
セツトホルダ75が第9A図に示されるカセツト
挿入位置と第9C図に示されるカセツト装着位置
とで夫々クリツク的に位置決めされるように構成
されている。またキヤビネツト73の前側壁11
5の上端部の内側には板バネからなる左右一対の
カセツト押えバネ116a,116bが取付けら
れている。
次に第5図に示されるように、カセツト蓋74
の前端縁118の内側にはほゞL字状をなす被ロ
ツク爪119が一体に設けられている。一方第6
図に示されるように、キヤビネツト73の前側壁
115の上端部分には上記被ロツク爪119に係
合してカセツト蓋74をロツクするロツク機構1
20が設けられている。このロツク機構120に
はロツク板121が用いられ、このロツク板12
1はその左右両側及び下側の3辺でキヤビネツト
73の前側壁115とシヤーシ76との間に挾み
込まれて左右方向に摺動自在に取付けられてい
る。そしてこのロツク板121の上端には先端の
上面に斜面122が設けられたロツク爪123が
一体に設けられており、かつそのロツク爪123
の下部にはつまみ部124が一体に設けられてい
る。またこのロツク板121の背面に設けられた
凹部125内に圧縮バネ126が収納され、その
圧縮バネ126の第6図で左側端部がシヤーシ7
6に一体に設けられた突起127に押圧され、か
つ第6図で右側端部がロツク板121の一部12
8に押圧されている。従つてこの圧縮バネ126
によつてロツク板121は第6図で右方向に摺動
附勢されている。
次に第5図、第7図〜第9B図に示されるよう
に、カセツト蓋74とカセツトホルダ75との間
に左右一対の板バネ130a,130bが配置さ
れている。そして第8図に示されるように、これ
ら両板バネ130a,130bの先端には3本の
バネ作用部がほゞフオーク状をなして一体に設け
られていて、そのうち左右一対のバネ作用部13
1aが上向きに傾斜され、かつ中央部のバネ作用
部131bが下向きに傾斜されている。また基部
132のほゞ中央部には貫通孔133が設けら
れ、基部132と先端との間には下向きにほゞ垂
直に屈曲された屈曲部134が一体に設けられて
いる。一方カセツトホルダ75のホルダ本体98
の左右両端部には一対の長孔135a,135b
が設けられている。そして両板バネ130a,1
30bはこれらの各屈曲部134により両長孔1
35a,135bの端部内に係合されて位置決め
された状態で、ホルダ本体98の左右両端部の上
面に打出し加工された一対のダボ136a,13
6bに挿入され、かつこれら両ダボ136a,1
36bの頭部が加締められてカセツトホルダ75
に固着されている。そしてこのようにカセツトホ
ルダ75に固着された両板バネ130a,130
bの中央部のバネ作用部131bは両長孔135
a,135b内に挿入されている。なおこの際両
板バネ130a,130bは必ずしもカセツトホ
ルダ75側に固着しなくても、カセツト蓋74側
に固着しても良い。
次に第9A図及び第9B図によつてカセツト7
1の装着要領を説明する。
先ず第9A図はカセツト蓋74を開蓋した状態
を示しており、この時カセツトホルダ75は図示
されたほゞ45゜の傾斜角度でクリツク的に位置決
めされている。一方この時には両板バネ130
a,130bの各一対のバネ作用部131aによ
りカセツト蓋74が押上げられ、カセツト蓋74
はカセツトホルダ75に対して矢印a方向に回動
されてカセツトホルダ75に対して角度θに開
いている。なお両突起112a,112bに両突
起113a,113bが当接されてカセツト蓋7
4の上記開き角度θが規制されている。またこ
の時両板バネ130a,130bの各中央部のバ
ネ作用部131bは両長孔135a,135b
内、即ちホルダ本体98の板厚内に位置されてい
て、ホルダ本体98の下方へは突出していない。
次に上記開蓋状態で、カセツト71をその前面
開口137側から斜め下方に向けてカセツトホル
ダ75内に挿入し、そのカセツト71の左右両端
部を両カセツト保持部99a,99b内に挿入し
て保持させる(第7図参照)。しかしてこのカセ
ツト挿入時、カセツト蓋74がカセツトホルダ7
5に対して角度θに開いているので、カセツト
蓋74がカセツト挿入の障害に全くならず、上記
のカセツト挿入を極めて容易に行うことが出来
る。また両板バネ130a,130bの各中央部
のバネ作用部131bもホルダ本体98の下方に
突出していないので、上記のカセツト挿入時に、
これらのバネ作用部131bにカセツト71が不
測に引つ掛かるようなことが全くなく、上記のカ
セツト挿入を極めてスムーズに行うことが出来
る。
次に上記のカセツト挿入後に、カセツト蓋74
を矢印a′方向に回動させてカセツト71の装着を
行うのであるが、この時カセツト蓋74の内面7
4aにより両板バネ130a,130bの各一対
のバネ作用部131aが押圧され、これらのバネ
作用部131aの反撥力によりカセツトホルダ7
5が矢印a′方向に回動される。またこの時両板バ
ネ130a,130bの各中央部のバネ作用部1
31bがホルダ本体98の両長孔135a,13
5bから下方に突出されてカセツト71の上面に
押圧される。
次に第9B図に実線で示す如く、カセツト蓋7
4が完全に閉蓋された時、カセツト71は両リー
ル軸77,78、キヤプスタン79、カセツト位
置決めガイド80等に挿入され、シヤーシ76の
上面板76a上に水平に装着される。またこの時
両カセツト押えバネ116a,116bがカセツ
ト71の後端部を押圧し、カセツト71はカセツ
トホルダ75側に押圧されて前後方向の位置決め
がなされる。またこの閉蓋完了によりカセツト蓋
74の被ロツク爪119がロツク機構120にて
ロツクされる。即ちカセツト蓋74の閉蓋直前
に、被ロツク爪119がロツク爪123の斜面1
22に押圧され、この斜面122による案内作用
で、ロツク板121が圧縮バネ126に抗して一
度第6図で左方向に摺動された時、第6図で右方
向に復動して、ロツク爪123が被ロツク爪11
9に第6図の如く係合して、カセツト蓋74を閉
蓋完了位置にてロツクする。そしてカセツト蓋7
4がロツクされたことによつて、両板バネ130
a,130bの各一対のバネ作用部131aの反
撥力によりカセツトホルダ75がシヤーシ76の
上面板76aに押圧されて固定される。また両板
バネ130a,130bの各中央部のバネ作用部
131bによりカセツト71がシヤーシ76の上
面板76a上に押圧されて固定される。
以上によりカセツト装着動作が完了され、後に
前記再生釦83が押されることによつて、再生ヘ
ツド100がカセツト71内に深く挿入されてテ
ープに接触されると共に、ピンチローラ101が
テープを介してキヤプスタン79に圧着され、所
望のステレオ再生が行われる。
次に上記の如く装着されているカセツト71を
取り外す時には、先ずロツク板121のつまみ部
124に指先を掛けて、このロツク板121を圧
縮バネ126に抗して第6図で左方向に軽く押し
動かす。するとロツク爪123が被ロツク爪11
9から外されて、カセツト蓋74のロツクが解除
される。そしてその瞬間に、両板バネ130a,
130bの各一対のバネ作用部131aの反撥力
により、カセツト蓋74が第9B図に仮想線で示
す位置までホツプアツプされ、カセツト蓋74の
開きが使用者に意思表示される。そしてこのカセ
ツト蓋74のホツプアツプにより、そのカセツト
蓋74の前端縁118に指先を楽に掛けることが
出来、カセツト蓋74を第9A図の開蓋位置まで
極めて容易に回動させることが出来る。なおこの
カセツト蓋74の開蓋時に、両突起113a,1
13bにより両突起112a,112bが引つ掛
けられて、カセツトホルダ75が第9A図のカセ
ツト挿入位置まで引き上げられて再びクリツク的
に位置決めされる。そしてこの後カセツト71を
カセツトホルダ75内から斜め上方に抜き取るの
であるが、この時も前述したカセツト挿入時と同
様に、カセツト71の抜き取りを極めて容易に、
かつスムーズに行える。
次に第10図〜第12図によつて電池収納装置
141を説明する。
この電池収納装置141は前述した電池挿入口
93、電池収納部94、電池蓋95にて構成され
るものであり、前記シヤーシ76の上面板76a
上に装着されるカセツト71のカセツト収納部1
42に連続して、そのカセツト収納部142の下
部に設けられている。そして電池収納部94内に
は例えば単3の電池143が2本水平状で、かつ
平行に収納されるように構成されている。なお電
池収納部94内に挿入された両電池143は、そ
の電池収納部94の底部の中央部に沿つて配置さ
れ、シヤーシ76に一体に設けられた電池受け1
44によつて夫々位置決めされる。また電池収納
部94内に挿入された両電池143は、その電池
収納部94内の左右方向の両端部に設けられた各
一対の端子金具145a,145bにその両極を
夫々圧着されて電源回路に接続される。また電池
蓋95は例えばプラスチツクにて成形されたもの
であり、その一端には例えば一対の係止爪146
が一体に設けられ、他端には例えばほゞU字状を
なして弾性を有する弾性係止爪147が一体に設
けられている。
そして電池収納部94内に両電池143を挿入
した後、電池蓋95を電池挿入口93に着脱自在
に取付けて、その電池挿入口93を閉塞するので
あるが、この際電池蓋95の一端を両係止爪14
6によつてシヤーシ76に設けられた一対の係止
孔148に係止する。また他端を弾性係止爪14
7によつてシヤーシ76の上面板76aに設けら
れた係止孔149内に弾性を利用して挿入してそ
の一端149aに係止する。この結果電池蓋95
は上面板76aと面一状に取付けられる。
そしてこの電池収納装置141では、電池収納
部94の高さh1を出来るだけ薄くして、カセツト
テープレコーダ全体の厚さを薄くする為に、電池
蓋95の内面には収納される電池143の外径に
見合つた波状凹曲面150が形成されて、上記高
さh1に関係する電池蓋95の実質的な厚さh2が非
常に薄く構成されている。
しかしてこの電池収納装置141によれば、電
池収納部94をカセツト収納部142に連続し
て、そのカセツト収納部142の下部に設けてい
るので、電池蓋95が前記キヤビネツト73の外
面に全く露呈されない。従つてその電池蓋95を
充分に薄くしても強度的な問題は全く発生しな
い。また電池蓋95がキヤビネツト73の外面に
全く露呈されないので、デザイン的に非常に好ま
しく、かつまたデザイン設計の自由度が大であ
る。
次に第13図〜第21図によつてヘツド取付装
置153、ヘツドのアジマス調整装置154、テ
ープガイド装置155を説明する。
先ず第13図及び第14図に示されるように、
前記カセツトホルダ75のホルダ本体98の一端
側の下部に支点軸157が固着され、その支点軸
157の下端にヘツド基板158の一端が回動自
在に枢支されている。そしてそのヘツド基板15
8先端158a側に偏倚された位置の上部に前記
再生ヘツド100がアジマス調整装置154を介
して取付けられている。またホルダ本体98とヘ
ツド基板158との間で、かつ支点軸157と再
生ヘツド100との間に断面ほゞコ字状をなすピ
ンチローラレバー159が配置されていて、その
ピンチローラレバー159の一端が支点軸157
に回動自在に枢支されている。そしてこのピンチ
ローラレバー159の先端159aの近傍位置に
前記ピンチローラ101が支軸160を介して回
動自在に枢支されている。またホルダ本体98の
他端側の下部に前記テープガイド102が高さ調
整装置161を介して取付けられている。即ち再
生ヘツド100を挾んで、テープ走行方向の下流
側にピンチローラ101が配置され、上流側にテ
ープガイド102が配置されている。またホルダ
本体98の下部で再生ヘツド100とテープガイ
ド102との間には目隠し板162が取付けられ
ている。なおヘツド基板158は、支点軸157
の外周に挿入され、かつ両端がホルダ本体98と
このヘツド基板158とに係止された捩りバネ1
63によつて第13図で矢印b方向に回動附勢さ
れている。そしてヘツド基板158はその先端1
58aを目隠し板162の下端の下部に一体に設
けられたストツパー部164に当接して上記矢印
b方向の回動が規制されている。またピンチロー
ラ101の支軸160の下端がヘツド基板158
に設けられたバカ孔165内に挿入されている。
従つてバカ孔165内での支軸160の遊動範囲
内で、ピンチローラレバー159がヘツド基板1
58に対して相対的に回動自在に構成されてい
る。なおピンチローラレバー159は、その先端
159aとアジマス調整装置154に設けられた
バネ受け166との間に架張された引張りバネ1
67によつてヘツド基板158に対して第13図
で矢印c方向に回動附勢されている。
次に第15図及び第16図によつて前記ヘツド
取付装置153を説明する。
このヘツド取付装置153は前述した支点軸1
57、ヘツド基板158、捩りバネ163等にて
構成されるものであり、支点軸157はその上端
157aをホルダ本体98に例えば加締られて固
着されている。またヘツド基板158の一端の上
部にスリーブ169がその下端169aによつて
例えば加締られて固着されている。そしてスリー
ブ169が支点軸157の外周に下方から挿入さ
れて回動自在に枢支され、その支点軸157の下
端157bに嵌着されたEリング170によつて
下方への抜け止めがなされている。なお支点軸1
57とスリーブ169とに円柱状をなす上下一対
のピンチローラレバー枢支部171a,171b
が夫々一体に設けられていて、ピンチローラレバ
ー159の上下辺172a,172bの一端に設
けられた上下一対の貫通孔173a,173bが
これら両ピンチローラレバー枢支部171a,1
71bに回動自在に枢支されている。そしてスリ
ーブ169の上端169bと上部のピンチローラ
枢支部171aとの間には隙間174が設けられ
ていて、スリーブ169は支点軸157の外周で
上記隙間174の範囲内で上下方向に移動自在に
構成されている。この結果スリーブ169と一体
のヘツド基板158が第15図に示される如く高
さh3の範囲内で上下方向に移動自在に構成されて
いる。
一方前記捩りバネ163は上下両端163a,
163bの間の中間部をラセン状に巻回してコイ
ル部163cに構成している。そしてこの捩りバ
ネ163はそのコイル部163cによつてスリー
ブ169の外周で、かつ上下両ピンチローラレバ
ー枢支部171a,171b間に挿入され、また
上下両端163a,163bはホルダ本体98と
ヘツド基板158とに夫々設けられた係止孔17
5a,175bに係止されている。なおピンチロ
ーラレバー159の一部には捩りバネ163の下
端163bに対する逃げ用の切欠き176が設け
られている。そして捩りバネ163のコイル部1
63cが予めラセン方向に所定状態に捩られると
共に、上下方向に所定状態に圧縮された状態で上
記の如く取付けられている。そしてコイル部16
3cの上記捩り反撥力によつてヘツド基板158
が第13図で矢印b方向に回動附勢されている。
また上記圧縮反撥力によつてヘツド基板158が
第15図で矢印c方向に移動附勢されている。な
お第14図に示されるように、前記メカ基板90
の上面で前記ヘツド基板158の下側位置には、
そのヘツド基板158の高さを規制する複数個の
高さ規制用突起177が一体に設けられている。
以上の如く構成されたヘツド取付装置153に
よれば、前述した如くカセツトホルダ75内にカ
セツト71が挿入された後、このカセツトホルダ
75の回動によりカセツト71がシヤーシ76の
上面板76a上に水平状に装着された際、第14
図に示されるように、ヘツド基板158が、捩り
バネ163のコイル部163cの圧縮反撥力に抗
してメカ基板90上の高さ規制用突起177上に
弾性的に圧着されて、そのヘツド基板158の高
さが正確に規制される。そしてこの結果カセツト
71のテープに対する再生ヘツド100の高さが
正確に規制されるように構成されている。
即ちヘツド基板158を支点軸157に回動自
在に枢支する構造では、そのヘツド基板158の
枢支部に必ず僅かなりともガタツキが発生し、こ
のガタツキが再生ヘツド100の高さに狂いを生
じせしめることになる。しかも再生ヘツド100
がステレオ用であるから、この再生ヘツド100
の高さに極く僅かでも狂いが生じると、そのこと
によりトラツキングエラーを生じてしまうことに
なる。
しかるにこのヘツド取付装置153によれば、
ヘツド基板158の枢支部におけるガタツキとは
全く無関係に、そのヘツド基板158の高さを正
確に規制出来るので、上記のトラツキングエラー
等は全く発生しない。なお前述したカセツト装着
状態で、前記再生釦83が押されると、ヘツド基
板158が捩りバネ163の捩り反撥力に抗して
第13図で矢印b′方向に回動されるが、この時ヘ
ツド基板158は高さ規制用突起177上を水平
に摺動されることになる。
次に第17図及び第18図によつて前記アジマ
ス調整装置154を説明する。
先ず前記再生ヘツド100はヘツド取付板17
9の長手方向のほゞ中央部の上部に例えばスポツ
ト溶接にて固着されている。そしてヘツド取付板
179の一端179aがヘツド基板158の上部
に止ネジ180によつてネジ止めされている。ま
たヘツド取付板179の他端179aには割溝部
181が設けられ、その割溝部181にアジマス
調整ネジ182が上方から挿通されてヘツド基板
158に設けられた雌ネジ孔183にネジ込まれ
ている。一方ヘツド取付板179の一端179a
とヘツド基板158との間には板バネ184とス
ペーサー185とがサンドイツチ状に介在されて
上記止ネジ180により共締めされて固定されて
いる。そしてこの板バネ184のバネ作用部18
4aはほゞV字状に屈曲されて、その先端184
bがヘツド取付板179の下面に弾性的に押圧さ
れている。またそのバネ作用部184aのV字状
をなす屈曲部184cはヘツド基板158に設け
られた長孔186内に挿入されている。なお板バ
ネ184の遊端部が上方に屈曲されてその端部が
前記バネ受け166に形成されている。
このアジマス調整装置154によれば、アジマ
ス調整ネジ182の第17図で上下方向の移動調
整により、板バネ184のバネ作用部184aの
バネ作用との共働作用により、ヘツド取付板17
9がその一端179a側を支点として第17図に
示されるように上下方向に彎曲調整され、これに
よつて再生ヘツド100のテープに対するアジマ
スが調整されるように構成されている。
ところでこのアジマス調整装置154におい
て、ヘツド基板158に長孔186を設けず、そ
のヘツド基板158とヘツド取付板179との間
の隙間187内のみで、板バネ184を上下動さ
せようとした場合には、その隙間187の高さh4
を充分に大きくとらなければならない。即ちこの
隙間187の高さh4が小さいと、ヘツド取付板1
79が下方に彎曲された際に、板バネ184がそ
の撓みに対する弾性限界以上の応力を受けて、そ
の板バネ184の弾性力(バネ作用力)が失われ
てしまう恐れがある。一方隙間187の高さh4
大きくとると、カセツトテープレコーダ全体の厚
さに影響を及ぼし、そのカセツトテープレコーダ
全体が厚くなつてしまう。
しかるにこのアジマス調整装置154によれ
ば、上記のアジマス調整時に板バネ184のバネ
作用部184aをヘツド基板158に設けられた
長孔186内で上下動させるように構成したの
で、そのバネ作用部184aの上下動がヘツド基
板158によつて規制されることが全くない。従
つてこのバネ作用部184aが撓みに対する弾性
限界以上の応力を受けて、そのバネ作用部184
aの弾性力(バネ作用力)が失われてしまうよう
なことが全くなく、長寿命で、かつ信頼性の非常
に高いものである。しかもヘツド基板158とヘ
ツド取付板179との間の隙間187の高さh4
を、バネ作用部184aの上下動スペースとは無
関係に非常に小さくすることが出来るので、この
カセツトテープレコーダ全体の厚さを薄くするこ
とが出来る。
なお板バネ184のバネ作用部184aが長孔
186内に挿入されていることで、この板バネ1
84の回り止めがなされており、従つてこの板バ
ネ184の止ネジ180は1本で済む。また再生
ヘツド100の高さ調整は、スペーサ185の交
換等による厚さ調整により行う。なお再生ヘツド
100のテープ走行方向の下流側の側面にはテー
プガイド188が固着されている。
次に第19図〜第21図によつて前記テープガ
イド装置155を説明する。
先ず前記テープガイド102はほゞコ字状をな
していて、前記カセツト71の前面開口137内
に挿入されてテープと接触され、前記再生ヘツド
100に対するテープ走行方向の上流側位置で、
その再生ヘツドに対するテープの高さを規制する
ものである。
次のこのテープガイド102はガイド支持体1
90の前面に一体に設けられている。そしてこの
ガイド支持体190と前記目隠し板162とが例
えばプラスチツクにて互に一体的に成形されてい
て、これら両者162と190とは例えばほゞU
字状をなす弾性連結片191によつて互に一体に
結合されている。なおこの弾性連結片191は上
下、左右、前後に自由に撓み、捩れることが出来
る。そして目隠し板162はその背面側に設けら
れたネジ挿通孔192に下方から挿通された止ネ
ジ193によつて前記ホルダ本体98の下面にネ
ジ止めされている。なおこの目隠し板162の上
端面162aに一体に設けられたダボ194がホ
ルダ本体98に設けられた位置決め用孔195に
係合されて所定状態の位置決めがなされている。
そしてこの目隠し板162は上記取付けにより、
再生ヘツド100とテープガイド102との間の
隙間を閉塞して、いわゆる目隠しを行う。
一方ガイド支持体190の背面には軸支持部1
96が一体に設けられていて、その軸支持部19
6の上部には中空部内周に雌ネジ孔197が形成
された筒軸198が垂直状に固着されている。そ
してホルダ本体98の下面にはガイド筒200が
固着されていて、筒軸198がそのガイド筒20
0内に下方から上下移動自在に挿入され、ガイド
筒200内に上方から挿通された高さ調整ネジ2
01が上記雌ネジ孔197内にネジ込まれてい
る。なおガイド筒200及び筒軸198の外周で
ホルダ本体98と軸支持部196との間に圧縮バ
ネ202が挿入されている。またガイド支持体1
90の上端面190aに一体に設けられたガイド
突起203がホルダ本体98に設けられたガイド
用孔204内に上下方向に移動自在に挿入され
て、ガイド支持体190の上下移動のガイドを行
う。
そして前記高さ調整装置161は、ガイド支持
体190、筒軸198、ガイド筒200、高さ調
整ネジ201、圧縮バネ202、ガイド突起20
3、ガイド用孔204等にて構成されていて、高
さ調整ネジ201による筒軸198の上下移動調
整と、圧縮バネ202との共働作用によりガイド
支持体190を介してテープガイド102の高さ
が調整されるように構成されている。なおこの高
さ調整時に弾性連結片191がその弾性に抗して
撓み、目隠し板162には何等の影響も及ぼさな
い。なお目隠し板162に一体に設けられたスト
ツパー部164はほゞL字状をなしていて、その
垂直面164aが前記ヘツド基板158の先端1
58aの第13図で矢印b方向の回動、即ち復動
位置を規制し、その水平面164bがヘツド基板
158の先端158aの高さ、即ち浮き上りを規
制する。
ところでこのカセツトテープレコーダは、前述
した如く、カセツトホルダ75に回動自在に枢支
されたヘツド基板158に再生ヘツド100を取
付けていて、カセツト71の装着後に、再生釦8
3が押されることによつてヘツド基板158が第
13図で矢印b′方向に回動されて、再生ヘツド1
00がカセツト71内に深く挿入され、カセツト
71内に設けられているテープパツドにテープを
介して所定の押圧力をもつて押圧されるように構
成されている。
しかしてこの際、再生ヘツド100に対するテ
ープ走行方向の上流側に配置するテープガイド1
02をヘツド基板158の先端に取付けたので
は、ヘツド基板158の回動に伴うテープガイド
102の回動ストロークが大きくなり過ぎて、カ
セツトテープレコーダの小型化に不適当なものと
なつてしまう。一方ヘツド基板158をカセツト
ホルダ75に直線的に往復動出来るように取付
け、その取付けられたヘツド基板158の先端に
テープガイド102を取付けた場合には、上記の
不都合は発生しない代りに、ヘツド基板158の
支持機構が著しく複雑になるばかりか、その支持
機構の厚みも増し、今度はカセツトテープレコー
ダ全体が厚くなつてしまう。
しかるにこのテープガイド装置155では、ヘ
ツド基板158をカセツトホルダ75に回動自在
に取付ける一方、テープガイド102をそのヘツ
ド基板158から切り離してカセツトホルダ75
自体に取付けて、前述したカセツトホルダ75内
のカセツト71の挿入により、そのテープガイド
102をカセツト71内に挿入してテープと接触
させるように構成したので、上記の如き不都合を
全く発生しない。
なおストツパー部164によりヘツド基板15
8の復動位置及び浮き上りを規制する為の規制部
材を兼用する目隠し板162と、テープガイド1
02のガイド支持体190とを弾性連結片191
によつて互に一体に結合させているので、組立て
並びに分解時に、これら両小部品162,190
がバラバラになつてしまうようなことがなくて、
その組立て並びに分解時の取扱い上非常に好都合
である。また特に組立て時には、例えばガイド支
持体190をホルダ本体98に取付けると、目隠
し板162が弾性連結片191にて支持されて、
ホルダ本体98への大体の取付位置へ保持される
ので、止ネジ193によるネジ止めを楽に行える
等、組立てが非常に便利である。
次に第22図〜第26B図によつて前記テープ
駆動装置91を説明する。
先ずこのテープ駆動装置91は、前記メカ基板
90のカセツト装着位置側とは反対側である下部
に設けられている。そして前記供給リール軸7
7、巻取リール軸78、キヤプスタン79の下端
は夫々このメカ基板90の下方に突出されてい
る。
次に第23A図及び第23B図に示されるよう
に、メカ基板90の下部にはモータ211が取付
けられている。そしてこのモータ211のモータ
軸212に固着されたモータプーリ213と、キ
ヤプスタン79の下端に固着されたフライホイー
ル兼用のキヤプスタンプーリ214と、メカ基板
90の下部に回転自在に軸支された上記キヤプス
タンフライホイールに対するアンチローリング用
のフライホイールを兼用する案内プーリ215と
の間にベルト216が巻き掛けられている。また
メカ基板90の下部には、供給リール軸77と巻
取リール軸78とキヤプスタン79との3者の
ほゞ中間位置に駆動ギヤ支軸217が、またその
駆動ギヤ支軸217と供給リール軸77との中間
位置に転換ギヤ支軸218が夫々垂直状に取付け
られている。
次に第22図〜第24図に示されるように、キ
ヤプスタン79の下端でキヤプスタンプーリ21
4の上部には広巾ギヤにて構成されたキヤプスタ
ンギヤ220が固着されている。また駆動ギヤ支
軸217には第1及び第2の駆動ギヤ221,2
22がこれらの間にクラツチ機構223を介在さ
せた状態で夫々回転軸心方向に移動自在な状態で
夫々回転自在に取付けられている。
なおクラツチ機構223はマグネツトクラツチ
にて構成されていて、第24図に示されるよう
に、先ず第2の駆動ギヤ222自体が磁性体にて
構成され、かつその磁性体を着磁したマグネツト
に構成されている。そして第1の駆動ギヤ221
の下面には半硬質材の円板(ヒステリシス円板)
224が固着され、その円板224と第2の駆動
ギヤ222との間にはプラスチツクからなる薄い
ワツシヤー225が介在されて、これら両者22
2,224間の隙間が極小状態に保持されてい
る。なお第2の駆動ギヤ222の下面には磁束の
漏洩を防ぐ為の円板226が密着されている。従
つて第2の駆動ギヤ222はそれ自体の磁力によ
つて第1の駆動ギヤ221に結合されていて、そ
の第1の駆動ギヤ221により第2の駆動ギヤ2
22が同一軸心上で回転駆動されるように構成さ
れ、かつその回転駆動中において第2の駆動ギヤ
222は、これに作用される負荷に応じて回転停
止出来るように構成されている。なお駆動ギヤ支
軸217の下端には抜け止め用のワツシヤー22
7が嵌着されている。また第1の駆動ギヤ221
の上部にはオートシヤツトオフ機構の駆動用の第
3の駆動ギヤ228が一体に設けられている。
次に転換ギヤ支軸218には広巾ギヤにて構成
された転換ギヤ229が回転軸心方向に移動自在
な状態で回転自在に取付けられている。なおこの
広巾ギヤ229は圧縮バネ230によつて下方側
に移動附勢され、また転換ギヤ支軸218の下端
には抜け止め用のワツシヤー231が嵌着されて
いる。また供給リール軸77の下端には広巾ギヤ
にて構成された供給リール軸ギヤ232が取付け
られている。また巻取リール軸78の下端には第
1及び第2の巻取リール軸ギヤ233,234が
取付けられている。なおこの際巻取リール軸78
の下端は断面が六角形状をなす六角軸235に構
成されていて、第2の巻取リール軸ギヤ234は
その六角軸235の下端の外周に係合されて止ネ
ジ236にて固着されている。また第1の巻取リ
ール軸ギヤ233はその中心部に貫通された断面
が六角形状をなす六角孔237によつて六角軸2
35の外周に挿入されて回転軸心方向に移動自在
に取付けられている。そしてこの第2の巻取リー
ル軸ギヤ234は圧縮バネ238によつて下方側
に移動附勢されている。
そして第1の駆動ギヤ221はキヤプスタンギ
ヤ220に常時噛合されて回転軸心方向に移動さ
れるように構成されていて、その移動によりこの
第1の駆動ギヤ221は転換ギヤ229と第1の
巻取リール軸ギヤ233とに選択的に噛合される
ように構成されている。また転換ギヤ229は供
給リール軸ギヤ232に常時噛合されて回転軸心
方向に移動されるように構成されている。また第
2の駆動ギヤ222は第2の巻取リール軸ギヤ2
34に対して噛合及び離脱されるように構成され
ている。
次に第22図、第23A図及び第23B図、第
26A図及び第26B図に示されるように、前記
メカ基板90の下部には操作板支軸241が垂直
状に固着されている。そしてその操作板支軸24
1にスリーブ242が軸心方向に移動自在に取付
けられている。なおこのスリーブ242は圧縮バ
ネ243によつて下方側に移動附勢されており、
また操作板支軸241の下端には抜け止め用のワ
ツシヤー244が嵌着されている。そしてそのス
リーブ242の上端に第1の操作板245がほゞ
水平状に固着され、その第1の操作板245の先
端245aが前記第1の駆動ギヤ221の上部を
通つて前記駆動ギヤ支軸217部分まで延出され
ている。そしてその第1の操作板245の先端2
45aがこれに設けられた貫通孔246によつ
て、第1の駆動ギヤ221と第3の駆動ギヤ22
8との間に設けられた環状溝247に係合されて
いる。そして第1の操作板245の下面の一部に
第2の操作板248が重ねられ、その第2の操作
板248がスリーブ242部分に上下方向に多少
ガタツキを有する状態で取付けられている。この
第2の操作板248は板バネにて構成されてい
て、その先端248aは前記転換ギヤ支軸218
部分まで延出されている。そしてその第2の操作
板248の先端248aがこれに設けられた貫通
孔249によつて、前記転換ギヤ229に一体に
設けられたボス部250の下端部外周に係合され
ている。
次に前記4つの押釦82〜85のうち早送り釦
84と巻戻し釦85とが、前記第1及び第2の操
作板245,248の一側部で前記メカ基板90
の下部に一体に設けられた一対の筒状部材25
1,252に夫々上下方向に一定範囲内で移動自
在に取付けられている。そしてこれら両押釦8
4,85には夫々操作腕253,254が水平状
をなして一体に設けられ、かつその各操作腕25
3,254の先端の上面には夫々突起255,2
56が一体に設けられている。そして早送り釦8
4の操作腕253は前記第1及び第2の操作板2
45,248が上下に互に重ねられた重合部25
7部分の下に延出されている。一方巻戻し釦85
の操作腕254は第2の操作板248が切欠かれ
た位置で第1の操作板245の一部の下に延出さ
れている。なお第2の操作板245にはその巻戻
し釦85の操作腕254の突起256に対する逃
げ用の半円弧状の小さな切欠き258が設けられ
ている。
次にこのテープ駆動装置91によるテープ駆動
操作を説明する。
先ず第25A図で実線の状態は停止状態を示し
ており、この時第1の駆動ギヤ221は上下移動
範囲の最下位置に位置し、また転換ギヤ250も
上下移動範囲の最下位置に位置している。なお第
1の駆動ギヤ221と転換ギヤ229との間には
上下方向の隙間g1が保持されている。そしてこの
停止状態で第2の駆動ギヤ222が第2の巻取リ
ール軸234に噛合されている。またこの停止状
態では第26A図及び第26B図に夫々仮想線で
示されるように早送り釦84及び巻戻し釦85は
下方に復動されている。
次に上記停止状態で再生釦83が押されると、
第23A図に示す如く、モータ211が回転駆動
されて、ベルト216を介してキヤプスタン79
が矢印d方向に回転駆動される。そしてキヤプス
タンギヤ220により第1の駆動ギヤ221が矢
印e方向に回転駆動され、その第1の駆動ギヤ2
21により第2の駆動ギヤ222がクラツチ機構
223を介して同方向に回転駆動される。そして
第2の駆動ギヤ222により第2の巻取リール軸
ギヤ234を介して巻取リール軸78が矢印f方
向に回転駆動されて再生状態(テープのFWD走
行駆動状態)が得られる。
次に前記停止状態で早送り釦84が第26A図
で仮想線で示した復動位置から実線で示した往動
位置まで押上げられると、その操作腕253の突
起255が重合部257部分において両操作板2
45,248を共通に押上げる。なお早送り釦8
4はその押上げられた往動位置にてロツクされ
る。そして両操作板245,248が圧縮バネ2
43に抗して第26A図の実線位置へ共に押上げ
られる。すると第25B図に仮想線で示される如
く、第1の操作板245の先端245aにより第
1の駆動ギヤ221がキヤプスタンギヤ220と
の噛合状態を保持した状態で、その上下移動範囲
の最上位置へ移動され、また第2の操作部248
の先端248aにより転換ギヤ229も上下移動
範囲の最上位置へ圧縮バネ230に抗して移動さ
れる。即ち第1の駆動ギヤ221と転換ギヤ22
9とがこれらの間の隙間g1を保持したまゝで共に
最上位置へ移動される。そして早送り釦84が往
動位置にてロツクされることにより、これら第1
の駆動ギヤ221と転換ギヤ229とはその移動
された最上位置にてそのまゝ保持される。
以上の結果転換ギヤ229が第1の駆動ギヤ2
21に噛合せざる位置へ待避保持されると共に、
第1の駆動ギヤ221が第1の巻取リール軸ギヤ
233に噛合される。なお第2の駆動ギヤ222
はクラツチ機構223の磁力により第1の駆動ギ
ヤ221と共に移動されて第2の巻取リール軸ギ
ヤ234から離脱される。
しかして早送り釦84が押されたことによつて
モータ211が回転駆動され、第23A図に示す
如く、キヤプスタンギヤ220により矢印e方向
に回転駆動される第1の駆動ギヤ221が第1の
巻取リール軸ギヤ233を介して巻取リール軸7
8を矢印f方向に高速で回転駆動し、早送り状態
(テープのFF/CUE走行駆動状態)が得られ
る。なおこの際第1の駆動ギヤ221が最上位置
へ移動された際に第1の巻取リール軸ギヤ233
との正規の噛合状態が得られず、第1の巻取リー
ル軸ギヤ233が圧縮バネ238に抗して押上げ
られたとしても、第1の駆動ギヤ221が回転開
始された瞬間に、第1の巻取リール軸ギヤ233
が圧縮バネ238によつて下方に押し戻されて、
その第1の駆動ギヤ221に正しく噛合される。
次に前記停止状態で巻戻し釦85が第26B図
で仮想線で示した復動位置から実線で示した往動
位置まで押上げられると、その操作腕254が第
1の操作板245を押上げる。なお巻戻し釦85
はその押上げられた往動位置にてロツクされる。
そして第1の操作板245が圧縮バネ243に抗
して第26B図の実線位置へ押上げられる。なお
この時には第2の操作板248は何等押上げられ
ない。しかしてこの際、巻戻し釦85と早送り釦
84との往動ストロークS1は同じであるが、早送
り釦84は操作腕253の突起255の上端面で
両操作板245,248を押上げるのに対して、
巻戻し釦85の操作腕254の突起256は第1
の操作板245の切欠き258内に挿入されて、
その操作腕254の上端面によつて第1の操作板
245を押上げる。従つて巻戻し釦85によつて
押上げられる第1の操作板245の押上げ高さ
は、早送り釦84によつて押上げられる時の押上
げ高さより突起256の高さS2分だけ低い高さと
なる。
そして第1の操作板245が上記の如く押上げ
られると、第25A図に仮想線で示される如く、
その第1の操作板245の先端245aにより第
1の駆動ギヤ221がキヤプスタンギヤ220と
の噛合状態を保持した状態で、その上下移動範囲
の中間位置へ移動される。そして巻戻し釦85が
往動位置にてロツクされることにより、その第1
の駆動ギヤ221がその移動された中間位置にて
そのまゝ保持される。
以上の結果第1の駆動ギヤ221が転換ギヤ2
29に噛合され、また第2の駆動ギヤ222が第
2の巻取リール軸ギヤ234から離脱される。
しかして巻戻し釦85が押されたことによつて
モータ211が回転駆動され、第23B図に示す
如く、キヤプスタンギヤ220により矢印e方向
に回転駆動される第1の駆動ギヤ221が転換ギ
ヤ229を矢印g方向に回転駆動し、その転換ギ
ヤ229が供給リール軸ギヤ232を介して供給
リール軸77を矢印h方向に高速で回転駆動し
て、巻戻し状態(テープのREW/REV走行駆動
状態)が得られる。なおこの際第1の駆動ギヤ2
21が中間位置に移動された際に転換ギヤ229
との正規の噛合状態が得られず、転換ギヤ229
が圧縮バネ230に抗して押上げられたとして
も、第1の駆動ギヤ221が回転駆動された瞬間
に転換ギヤ229が圧縮バネ230によつて下方
に押し戻されて、その第1の駆動ギヤ221に正
しく噛合される。
以上テープ駆動装置91を説明したが、前述し
た再生状態、早送り状態、巻戻し状態で停止釦8
2が押されると、モータ211が回転停止されて
頭初の停止状態に復帰される。なお早送り状態、
巻戻し状態で停止釦82が押された時には、早送
り釦84、巻戻し釦85のロツクが解除されて、
これらが夫々戻しバネによつて復動位置へ復動さ
れる。そしてこれに伴い両操作板245,248
が圧縮バネ243によつて復動位置へ復動され、
両駆動ギヤ221,222、転換ギヤ250が第
25A図に実線で示された最下位置へ復動され
る。
ところでこのテープ駆動装置によれば、両駆動
ギヤ221,222、クラツチ機構223、転換
ギヤ229、供給リール軸ギヤ232、両巻取リ
ール軸ギヤ233,234からなる最少の部品を
用い、両駆動ギヤ221,222及び転換ギヤ2
29の回転軸心方向の移動により、再生状態
(FWD)、早送り(FF/CUE)、巻戻し(REW/
REV)の総てのテープの走行駆動状態が得られ
るものである。従つて部品点数が非常に少なく、
構造が簡単で、非常に低コストなものである。し
かも両駆動ギヤ221,222及び転換ギヤ22
9をこれらの回転軸心方向に移動させる方式であ
るから、これらのギヤ221,222,229の
移動スペースを、これらの配置スペース内に収め
ることが出来る。従つてこのテープ駆動装置91
は非常にコンパクトであり、カセツトテープレコ
ーダの小型化を図り得る。
次に第27A図〜第28B図によつてギヤ駆動
装置261を説明する。なおこのギヤ駆動装置2
61の構造は、前記テープ駆動装置91の転換ギ
ヤ229と第1の巻取リール軸ギヤ233とに同
一構造が採用されているが、こゝでは転換ギヤ2
29について述べる。
先ず前述した停止状態から巻戻し状態への切換
え時に、第1の駆動ギヤ221は第27A図で実
線で示された最下位置から仮想線で示された中間
位置へ移動され、その第1の駆動ギヤ221が転
換ギヤ229に噛合されようとする。しかしてこ
の際第28A図に示す如く、これら両ギヤ22
1,229がこれらの歯先262,263の山2
62a,263aどうしで接触すると、これら両
ギヤ221,229は互に噛合することが出来な
い。この為転換ギヤ229は第1の駆動ギヤ22
1によつて押上げられて、圧縮バネ230に抗し
て第27A図に仮想線で示す如く逃げる。そして
第1の駆動ギヤ221が中間位置に保持され、こ
の後その第1の駆動ギヤ221が回転開始され
て、その歯先262の山262aが転換ギヤ22
9の歯先263の山263aに対して第28B図
に示す如くずれた瞬間に、転換ギヤ229が圧縮
バネ230によつて下方に押し戻されて、第27
B図に示す如く、これら両ギヤ221,229が
互に噛合されるのである。
ところが両ギヤ221,229のモジユールが
小さく、かつ第1の駆動ギヤ221の回転周速度
が速い場合には、両ギヤ221,229の両歯先
262,263の軸心方向の接触面が平坦である
と、第27A図に仮想線で示したようにこれら両
歯先262,263の山262a,263aどう
しが接触した状態で、第1の駆動ギヤ221が回
転された時に、両歯先262,263どうしが面
接触状態で接触している為に、互にすべり易く、
一方の歯先262の1つの山262aが他方の歯
先263の1つの山263aから次の山263a
まで一気にすべつてしまい、第28B図に示され
るような両歯先262と263とが、これらの山
262a,263aと谷262b,263bどう
しで噛合し得る状態が得られ難い。この結果第1
の駆動ギヤ221が回転しているにも拘わらず、
両ギヤ221,229の噛合状態が得られないば
かりか、ギヤ鳴りを発生してしまう。
しかるにこのギヤ駆動装置261では、転換ギ
ヤ229の歯先263に、回転軸心方向でかつ第
1の駆動ギヤ221に対して相対的に移動される
方向、即ち第27A図で下方側に突出した傾斜部
264を設けて、その歯先263の山263aの
先端263a′を第1の駆動ギヤ221の歯先26
2の回転軸心方向の平坦面265に点接触させる
ように構成した。この結果第27A図に仮想線で
示したように、これら両歯先262,263の山
262a,263aどうしが接触した状態で、第
1の駆動ギヤ221が回転された時に、両歯先2
62,263どうしのすべりを或る程度抑えるこ
と(すべり難くすること)が出来て、一方の歯先
262の1つの山262aが他方の歯先263の
1つの山263aから次の山263aまで一気に
すべつてしまうようなことを防止することが出来
る。
即ち転換ギヤ229の歯先263に上述した傾
斜部264を設けたことにより、両ギヤ221,
229がこれらの歯先262,263の山262
a,263aどうしで回転軸心方向から相対的に
接触された状態で第1の駆動ギヤ221が回転開
始された瞬間に、両歯先262,263どうしの
必要以上のすべりを抑え、この結果一方の歯先2
62の山262aを他方の歯先263の谷263
bに、その山263aを飛び越させることなく直
ちに落ち込ませて、両ギヤ221,229を即座
に噛合させることが出来る。
次に第29図〜第35B図によつて前述したテ
ープ駆動装置91による駆動力を利用してカセツ
トテープレコーダをFWD(再生)状態、CUE
(キユー)状態、REV(レビユー)状態に切換え
る為の切換装置268を説明する。
先ず第29図、第33A図及び第33B図に示
されるように、前記メカ基板90の下部で前記第
1の駆動ギヤ221の一側部に所定の間隔を隔
てゝ筒状部材269が一体に設けられていて、こ
の筒状部材269に前記再生釦83が上下方向に
一定範囲内で移動自在に取付けられている。次に
第29図、第32A図及び第32B図に示される
ように、この再生釦83と第1の駆動ギヤ221
との間でメカ基板90の下部にFWDレバー27
0が前後方向に移動自在に配置されている。
次に第29図〜第31図に示されるように、前
記FWDレバー270は例えばプラスチツクにて
成形されたものであつて、先端レバー部271と
後端レバー部272とが段差部273によつて互
に一体に成形されている。そして先端レバー部2
71の先端部の前記再生釦269側の側面には斜
面274がその長手方向に沿つて設けられ、その
斜面274の長手方向の後端には凹部275が設
けられている。なお先端レバー部271の後端部
には図示された形状の開口276が設けられ、そ
の後端部の前記第1の駆動ギヤ221側の側面に
はスリツト279が設けられている。またこの
FWDレバー270の後端レバー部272の後端
部にはこれから上方に屈曲された操作腕277が
設けられ、その操作腕277の中央部に沿つてス
リツト278が設けられている。そしてこの
FWDレバー270の先端レバー部271の先端
部の下面で、斜面274の一側部にはセツトアツ
プレバー281が配置されている。このセツトア
ツプレバー281は例えばプラスチツクにて成形
されたものであつて、先端レバー部271の先端
に支点軸282を介して回動自在に枢支されてい
る。そしてこのセツトアツプレバー281は
FWDレバー270の長手方向の後端側に向けて
延出されていて、そのセツトアツプレバー281
の先端には被駆動爪283とストツパー用突起2
84とが夫々一体に設けられている。なお被駆動
爪283はFWDレバー270の前記第1の駆動
ギヤ221側の側面部分に突出されている。そし
てこのセツトアツプレバー281は支点軸282
部分に挿入されて両端がFWDレバー270と、
そのセツトアツプレバー281とに係止された捩
りバネ285によつて第31図で矢印i方向に回
動附勢されている。なおこのセツトアツプレバー
281はFWDレバー270の先端レバー部27
1に一体に設けられたストツパー部286に突起
284を当接して上記の回動が規制されている。
そして第32A図〜第32D図、第34A図及
び第34B図に示されるように、FWDレバー2
70はその先端レバー部271によつて前記第1
の操作板245の下面に重ねられた状態で配置さ
れていて、メカ基板90の下部に垂直状に固着さ
れたガイドピン288に開口276によつて挿通
され、かつそのガイドピン288の先端に嵌着さ
れたワツシヤー289によつて下方への抜け止め
がなされている。またこのFWDレバー270の
操作腕277がメカ基板90の後端部に設けられ
たガイド孔290に下方から挿通され、その操作
腕277の上端の左右両側部に一体に設けられた
一対の係止爪291によつてそのガイド孔290
の左右両側縁に係止されている。そしてFWDレ
バー270は上記の如くメカ基板90の下部に取
付けられていて、ガイド孔290内での操作腕2
77の移動範囲内において前後方向(長手方向)
に移動自在に構成され、かつガイド孔290内で
の操作腕277の任意の移動位置において、その
操作腕277部分を回動中心として左右方向に回
動自在に構成されている。なおこのFWDレバー
270はメカ基板90の下部に固着されたバネ受
け292との間に架張された引張りバネ293に
よつて第32A図で矢印j方向に摺動附勢される
と共に、矢印k方向に回動附勢されている。
次に第29図に示されるように、前記第1の駆
動ギヤ221は例えばプラスチツクにて成形され
ていて、その下面の周辺部には前記セツトアツプ
レバー281の駆動用の例えば3つの駆動爪29
5が一体に設けられている。
次に第29図〜第31図、第33A図及び第3
3B図に示されるように、前記再生釦83には前
記FWDレバー270の斜面274の下部へ延出
された操作腕296が一体に設けられていて、そ
の操作腕296の上端にはその斜面274に対向
する斜面297が設けられている。
次にこの切換装置268によるFWD,CUE,
REVの切換操作を説明する。
先ず第32A図は停止状態を示しており、この
時FWDレバー270は図に示された復動位置に
復動されており、セツトアツプレバー281が第
1の駆動ギヤ221の駆動爪295の回動軌跡外
へ待避された位置に保持されている。なおこの停
止状態で再生釦83は第33A図に示される如く
下方に復動されている。
しかしてこの停止状態で前述したカセツト71
の装着がなされると、前述した如く前記ヘツド基
板158がメカ基板90の上面に押圧され、この
結果第29図、第34A図及び第34B図に示さ
れる如く、前記目隠し板162のストツパー部1
64がFWDレバー270の後端部のスリツト2
78内に挿入されて、ヘツド基板158の先端1
58aがFWDレバー270の操作腕277の前
部位置に挿入される。
次に上記停止状態で再生釦83が第33A図の
復動位置から第33B図の往動位置まで押上げら
れると、その操作腕296の斜面297がFWD
レバー270の斜面274に押圧される。なお再
生釦296はその押上げられた往動位置にてロツ
クされる。
しかしてこの際FWDレバー270の先端レバ
ー部271の上部は第1の操作板245によつて
押えられているので、上記再生釦83の操作腕2
96の斜面297によるFWDレバー270の斜
面274の押圧の結果、その時のクサビ作用によ
りFWDレバー270には第33B図で矢印l方
向の押圧力を受け、第32B図に示される如く、
このFWDレバー270が操作腕277部分を回
動支点にして矢印k′方向に引張りバネ293に抗
して回動される。そして再生釦83が往動位置に
てロツクされたことにより、そのFWDレバー2
70は上記回動された第32B図の位置に保持さ
れる。一方このFWDレバー270の上記回動に
よりセツトアツプレバー281の被駆動爪283
が、第1の駆動ギヤ221の駆動爪295の回動
軌跡内に入り込む。
しかして再生釦83が押されたことによつて、
前述した如くテープ駆動装置91が再生
(FWD)状態となり、第1の駆動ギヤ221が第
32B図で矢印e方向に回転駆動される。
そしてその第1の駆動ギヤ221の矢印e方向
への回転開始直後に、第32C図に示される如
く、その駆動爪295の1つが、セツトアツプレ
バー281の被駆動爪283に当接して、この駆
動爪283がセツトアツプレバー281を介して
FWDレバー270を矢印j′方向に引張りバネ2
93に抗して移動させる。
なおFWDレバー270の上記矢印j′方向への
移動時において、再生釦83の操作腕296の斜
面297がFWDレバー270の斜面274上を
相対的にすべつて、その斜面274に引き続いて
設けられた凹部275側へ相対的に移動される。
そしてFWDレバー270が第32D図に仮想
線で示された位置まで移動された時に、再生釦8
3の操作腕296の斜面297がFWDレバー2
70の斜面274から凹部275へ入り込み、そ
の瞬間にFWDレバー270がその操作腕277
部分を回動支点にして引張りバネ293により矢
印k方向に回動されて、第32D図に実線で示さ
れた往動位置へ移動される。そしてこの結果再生
釦83の操作腕296の上端が第32D図及び第
34B図に示す如くFWDレバー270の凹部2
75内に相対的に落ち込み、FWDレバー270
がその操作腕296の上端に係合されて、その往
動位置にてロツクされる。なおFWDレバー27
0が第32D図に仮想線で示された位置から実線
で示された往動位置へ向けて矢印k方向に回動さ
れた時に、セツトアツプレバー281の被駆動爪
283が第1の駆動ギヤ221の駆動爪295か
ら離脱される。
以上の結果FWDレバー270は第34A図及
び第35A図に夫々実線で示された復動位置から
第34B図及び第35B図に夫々実線で示された
往動位置へ矢印j′方向に移動されてその往動位置
にてロツクされることになる。そしてこの際に
FWDレバー270の操作腕296がメカ基板9
0のガイド孔290に沿つて同方向に移動され、
その操作腕296が前記ヘツド基板158の先端
158aを同方向に押上げる。これによりヘツド
基板158が前記第13図で矢印b′方向に前記支
点軸157を中心に前記捩りバネ163の捩り反
撥力に抗して回動され、第34B図に示されるよ
うに、前記再生ヘツド100が前記カセツト71
内に深く挿入されて、テープ300をテープパツ
ド301との間で所定の圧着力をもつて挾圧す
る。一方この時前記ピンチローラ101も引張り
バネ167に抗してテープ300を介して前記キ
ヤプスタン79に圧着される。
以上によりFWD状態への切換え操作が完了
し、テープ300が定速走行駆動されて、再生ヘ
ツド100によるテープ300のステレオ再生が
なされる。
なお上記のFWD状態においては、FWDレバー
270が前記往動位置へ移動されたことによつ
て、第35B図に実線で示される如く、その
FWDレバー270のスリツト279内に前記第
1の操作板245の端縁が相対的に入り込んでそ
のまゝ保持される。
次に上記FWD状態で前記早送り釦84が押さ
れると、再生釦83が往動位置にてロツクされた
まゝでテープ300の早送り動作がなされて
CUE状態となる。
即ち早送り釦83が前記第26A図で仮想線で
示した復動位置から実線で示した往動位置へ押上
げられると、その操作腕253によつて第1の操
作板245が第35B図に実線で示された復動位
置から仮想線で示された往動位置へ押上げられ
る。一方この第1の操作板245はFWDレバー
270のスリツト279内に係合されている為
に、その第1の操作板245の上記押上げによ
り、FWDレバー270がその操作腕277部分
を回動支点にして第34B図及び第35B図に仮
想線で示されるように、矢印m方向、即ち上方に
回動される。するとその瞬間にFWDレバー27
0の凹部275が再生釦83の操作腕269の上
端から上方に離脱して、FWDレバー270の前
記往動位置でのロツクが解除され、FWDレバー
270が引張りバネ293によつて第32A図に
示された復動位置へ復動される。またこれと共
に、前記第13図で矢印b方向への前記捩りバネ
163による前記ヘツド基板158の復動に伴
い、前記再生ヘツド100が第34A図に示され
た復動位置へ復動される。しかしながらこの時に
おいても再生ヘツド100はカセツト71内に浅
く挿入された状態を保持しており、テープパツド
301によりテープ300が再生ヘツド100に
軽く接触された状態を保持している。
しかしてこの際、再生釦83が予め押されてい
ることで、早送り釦84の往動位置でのロツクは
行われない。そして再生釦83が往動位置にてロ
ツクされていることで、第32A図の復動位置へ
復動されたFWDレバー270はその斜面274
によつて再生釦83の操作腕296の斜面297
上に軽く接触される。この結果FWDレバー27
0は第34A図及び第35A図に夫々実線で示さ
れたような水平状態には完全に復帰されず、夫々
仮想線で示されたように若干傾斜された状態に保
持される。
一方早送り釦84が押されたことによつて、前
述した如くテープ駆動装置91がCUE状態とな
り、再生ヘツド100によつてテープ300が再
生されながら早送りされる。
そして上記CUE状態で押上げていた早送り釦
84を離すと、その早送り釦84が前記第26A
図で仮想線で示された復動位置へ復動され、それ
と同時に第1の操作板245が第35A図で仮想
線の位置から実線で示された復動位置まで下方に
押戻される。そしてその時、その第1の操作板2
45がFWDレバー270の先端レバー部271
を上方から下方に押圧し、そのFWDレバー27
0が矢印m′方向に押し戻される。この結果前述
した停止状態で再生釦83が押された時と同様
に、FWDレバー270の斜面274に再生釦8
3の操作腕296の斜面297が押圧され、その
時のクサビ作用により、FWDレバー270が再
び第32B図に示される如く矢印k′方向に回動さ
れ、セツトアツプレバー281の被駆動爪283
が再び第1の駆動ギヤ221の駆動爪295の回
動軌跡内に入り込む。
以上の結果FWD状態への切換え時と同様に、
早送り釦84が離された後、FWDレバー270
が第32D図に実線で示された往動位置へ自動的
に移動されてロツクされ、先のCUE状態から
FWD状態に自動的に復帰される。
なお以上述べたCUE状態への切換え操作と同
様に、前記FWD状態で前記巻戻し釦85が押さ
れると、再生釦83が往動位置にてロツクされた
まゝでテープ300の巻戻し動作がなされて
REV状態となる。またそのREV状態で巻戻し釦
85が離されると、再びFWD状態に自動的に復
帰される。
また前記FWD状態で、停止釦82が押される
と、再生釦83の往動位置でのロツクが解除され
て、再生釦83が第33A図に示された復動位置
へ復動される。この結果その再生釦83の操作腕
296の上端が、第32D図の往動位置にてロツ
クされているFWDレバー270の凹部275か
ら下方に離脱されて、そのFWDレバー270の
ロツクが解除される。この結果FWDレバー27
0が引張りバネ293によつて第32A図の復動
位置へ復動され、これと共に再生ヘツド100が
ヘツド基板158によつて第34A図の復動位置
へ復動されて、頭初の停止状態に復帰される。
ところで以上述べた切換装置268によれば、
再生釦83によつてFWDレバー270をクサビ
作用にて直接操作し、このFWDレバー270を
モータ211にて回動駆動される第1の駆動ギヤ
221の駆動爪295にて引つ掛けて往動位置へ
移動し、かつその往動位置にて再生釦83の操作
腕296にFWDレバー270を係止してロツク
させる。この間FWDレバー270にその長手方
向への直線運動と、その長手方向に対して直角な
方向の回転運動とを有せしめ、かつその直線運動
と回動運動との夫々の復動力を1つの引張りバネ
293にて賄うように構成し、更にまたその
FWDレバー270によつて前記カセツトホルダ
75内に設けられたヘツド基板158を操作し
て、再生ヘツド100を移動させるように構成し
たものである。
従つてこの切換装置268は必要最少限の部品
にて構成されていて、部品点数並びに組立工数が
非常に少ない。そしてFWD状態への切換えを、
モータ211の回転駆動力を有効に利用して行え
るので、再生釦83はフエザータツチ方式の非常
に軽いタツチのものに構成出来る。またCUE状
態及びREV状態への切換え機構も非常に簡単で
ある。
次に第30図、第36図及び第37図によつて
前記切換装置268に設けられた安全機構304
を説明する。
先ず前記支点軸282の上端にはフランジ部3
05が一体に設けられていて、この支点軸282
は前記FWDレバー270の先端部の下面に一体
に設けられた筒状部306に下方から圧入されて
固定されている。また前記セツトアツプレバー2
81は例えばプラスチツクにて成形されたもので
あつて適当な弾性を有している。そしてこのセツ
トアツプレバー281はその端部に設けられた貫
通孔307によつて上記筒状部306の外周に挿
入されて、その筒状部306を中心に第36図で
矢印i及びi′方向に回動自在に枢支されている。
またこの貫通孔307の内径は筒状部306の外
径より若干大きく構成されていて、セツトアツプ
レバー281は筒状部306部分を回動支点にし
て第37図で矢印n及びn′方向に回動可能に構成
されている。
一方前記捩りバネ285は、両端部285a,
285bの間の中間部をラセン状に巻回してコイ
ル部285cに構成している。そしてこの捩りバ
ネ285はそのコイル部285cによつて支点軸
282の外周でそのフランジ部305とセツトア
ツプレバー281との間に挿入され、また両端部
285a,285bはFWDレバー270の先端
下面及びセツトアツプレバー281の下面に夫々
一体に設けられた係止ピン308,309に夫々
係止されている。そして捩りバネ285のコイル
部285cが予めラセン方向に捩られると共に、
上下方向に所定状態に圧縮された状態で上記の如
く取付けられている。従つてコイル部285cの
上記捩り反撥力によつてセツトアツプレバー28
1が第36図で矢印i方向に回動附勢されて、そ
の前記突起284をFWDレバー270の前記ス
トツパー部286に当接されている。またコイル
部285cの上記圧縮反撥力によつてセツトアツ
プレバー281が第37図で矢印n方向に回動附
勢されて、FWDレバー270の先端レバー部2
71の下面に密着されている。
しかして前述した切換装置268においては、
前記第1の駆動ギヤ221の駆動爪295の位置
が何等規定されていない状態(駆動爪がどこの位
置にあるのか全く不明な状態)で、前記再生釦8
3の操作腕296により前記FWDレバー270
が操作されることになる。従つて例えば前記被駆
動爪283をFWDレバー270自体に設け、そ
の被駆動爪283を駆動爪295により直接引つ
掛けるような構造を採用した場合には、その駆動
爪295の停止位置によつては、再生釦83が押
された時に、その操作腕296と駆動爪295と
の間でFWDレバー270が不測に挾圧されて破
損したり、駆動爪295上にFWDレバー270
が不測に乗り上げてこじれて破損されてしまう等
の不都合を生じる。
しかるにこの安全機構304によれば、FWD
レバー270にセツトアツプレバー281を取付
け、しかもこのセツトアツプレバー281を第3
6図で矢印i方向と、第37図で矢印n方向との
2方向に回動附勢させているので、上記のような
不都合は全く発生しない。
即ち今仮りに第36図に示される如く、駆動爪
295がFWDレバー270の先端レバー部27
1の横に位置されている状態で再生釦83が押さ
れ、その操作腕296によつてFWDレバー27
0が矢印k′方向に回動された際には、セツトアツ
プレバー281が駆動爪295に当接されて、矢
印i′方向に捩りバネ285に抗して実線で示され
た位置へ逃げる。そしてこの後第1の駆動ギヤ2
21が矢印e方向に回動して、駆動爪295が同
方向に移動された瞬間に、セツトアツプレバー2
81が捩りバネ285により仮想線で示されたセ
ツト位置、即ちその被駆動爪283が駆動爪29
5の回動軌跡内に入り込まされた位置へセツトさ
れる。従つてこの時にはFWDレバー270には
何等の悪影響を及ぼさず、そのFWDレバー27
0を破損することは全くない。
次に仮りに第37図に示される如く、前述した
CUE状態への切換え時において、押していた早
送り釦84を離して、第1の操作板245と共に
下方に復帰される第1の駆動ギヤ221の駆動爪
295がセツトアツプレバー281の被駆動爪2
83の上端面に押圧された時には、そのセツトア
ツプレバー281が矢印n′方向に捩りバネ285
に抗して実線で示された位置へ逃げる。そしてこ
の後第1の駆動ギヤ221が第36図で矢印e方
向に回動して、駆動爪295が同方向に移動され
た瞬間に、セツトアツプレバー281が捩りバネ
285により仮想線で示されたセツト位置へセツ
トされる。従つてこの時にもFWDレバー270
には何等の悪影響を及ぼさず、そのFWDレバー
270を破損することはない。しかもこの安全機
構304によれば、1本の捩りバネ285により
セツトアツプレバー281を矢印i方向とn方向
との2方向に回動附勢させているので、2本のバ
ネを用いる必要がなく、部品点数並びに組立て工
数が非常に少ないものである。
次に第38図〜第54B図によつて押釦装置3
12、押釦のロツク装置313、パワースイツチ
装置314を説明する。
先ず第38図に示されるように、前記停止釦8
2、再生釦83、早送り釦84、巻戻し釦85は
前記メカ基板90の下部で、前記第1及び第2の
操作板245,248の移動ガイドである前記操
作板支軸241の周囲に図に示された配置で取付
けられている。そして前述した如く再生釦83、
早送り釦84、巻戻し釦85はメカ基板90の下
部に夫々一体に設けられた筒状部材269,25
1,252に夫々取付けられており、同様に停止
釦82もメカ基板90の下部に一体に設けられた
筒状部材317に取付けられている。そしてこれ
らの押釦82〜85は夫々メカ基板90の下部に
おいてそのメカ基板90に対して直角な方向であ
る上下方向に移動自在に構成されている。またこ
れらの押釦82〜85の上部位置にはロツク板3
18とスイツチ操作板319とが配置され、スイ
ツチ操作板319がメカ基板90の下面に密着さ
れ、ロツク板318がそのスイツチ操作板319
の下面に密着されて取付けられている。またこの
カセツトテープレコーダには第1及び第2の2つ
のパワースイツチ323,324が用いられてい
る。そして第1のパワースイツチ323は前記第
2の操作板248に関連されたスイツチ取付板3
25を介してメカ基板90の下部に取付けられ、
第2のパワースイツチ324はメカ基板90の下
部に直接取付けられている。
次に第39図〜第47図によつて前記押釦装置
312を説明する。
先ず第39図〜第41図によつて停止釦82の
取付構造を説明すれば、この停止釦82は例えば
プラスチツクにて一体成形されたものであつて、
ほゞ舟形状をなす押圧操作部328と、その上部
で長手方向のほゞ中央部に設けられたガイド軸部
329と、その上部に同一軸心状態に設けられた
係止軸部330と、押圧操作部328の上部でそ
の長手方向の両端部に設けられた一対のガイド板
部331と、一方のガイド板部331に連続して
設けられたロツク板操作部332とが互に一体的
に成形されている。なお係止軸部330の先端
(上端)の中央部にはスリツト333が設けら
れ、かつその先端の両側部には全体として円錐形
状に形成された一対の係止爪334が設けられて
いる。またロツク板操作部332の上端の一側部
には斜面335が設けられている。また押圧操作
部328の上面でガイド軸部329の周囲には凹
部336が設けられている。
一方前記筒状部材317は例えばアウトサート
成形法によりメカ基板90にプラスチツクにて一
体的に成形されたものである。そしてこの筒状部
材317にはこれを上下に貫通するガイド孔33
7が設けられ、そのガイド孔337内の上端部に
はそのガイド孔337の内径より小さな径の係止
孔328を有するバネ受け部339が設けられて
いる。またこの筒状部材317の基部340は円
形(以下円形基部と記載する)に形成され、その
円形基部340より下部は角軸部341に形成さ
れている。そしてその角軸部341の下端の両側
には一対のスリツト342が設けられている。
そして停止釦82はそのガイド軸部329によ
つて筒状部材317のガイド孔337内に下方か
ら挿入され、係止軸部330の先端の両係止爪3
34をスリツト333の存在による弾性を利用し
て係止孔328に挿通して係止させて取付けられ
る。従つてこの取付け状態で停止釦82は上下方
向に一定範囲内で移動自在であるが、この際ガイ
ド孔337内に予め圧縮バネ343が収納されて
いて、その圧縮バネ343により停止釦82は下
方に復動附勢されている。なお上記取付け状態
で、両ガイド板部331の上端の内側が角軸部3
41の両スリツト342の上方部分に近接して配
置され、これら両ガイド板部331により停止釦
82の回り止めがなされている。
次に第42図〜第44図によつて再生釦83の
取付構造を説明すれば、この再生釦83は例えば
プラスチツクにて一体成形されたものであつて、
ほゞ舟形状をなす押圧操作部345と、その上部
で長手方向のほゞ中央部に設けられたガイド軸部
346と、そのガイド軸部346の一側部に設け
られた前記操作腕296と、押圧操作部345の
一端部の上部から一側方に延出されたスイツチ操
作部347とが互に一体的に形成されている。そ
してガイド軸部346の上端に金属軸からなる操
作軸348が同一軸心状態で、かつ例えばアウト
サート成形法にて一体に設けられている。なおこ
の操作軸348の先端(上端)には円錐状部34
9が設けられ、その円錐状部349の上部には環
状溝350が近接して設けられている。また操作
腕296の付根部の両側には一対の凹部351が
設けられている。
一方前記筒状部材269は例えばアウトサート
成形法によりメカ基板90にプラスチツクにて一
体的に成形されたものである。そしてこの筒状部
材269にはこれを上下に貫通するガイド孔35
3が設けられ、そのガイド孔353内の上下方向
の中間部にはそのガイド孔353の内径より小さ
な径の挿通孔354を有するバネ受け部355が
設けられている。またこの筒状部材269の一側
面にはガイド溝356が設けられており、そのガ
イド溝356の下端の両縁部は互に内側に張り出
した一対の係止爪357に形成されている。そし
て上記ガイド溝356の上端でこの筒状部材26
9の基部にはその半径方向に所定深さまで切り込
まれたスリツト358が設けられている。
そして再生釦83はガイド軸346によつて筒
状部材219のガイド孔353内に下方から挿入
され、操作腕296をガイド溝356内に挿入さ
せ、かつ操作軸348の先端を挿通孔354の上
方に挿通して取付けられる。なおこの時両係止爪
357をその弾性に抗して互に押し広げるように
して、操作腕296をガイド溝356内に挿入す
るが、その挿入完了後に両係止爪357が元の位
置に弾性復帰して両凹部351に係合されて抜け
止めがなされる。従つてこの取付け状態で再生釦
83は上下方向に一定範囲内で移動自在である
が、この際ガイド孔337内に予め圧縮バネ35
9が収納されていて、その圧縮バネ359により
再生釦83は下方に復動附勢されている。
次に早送り釦84と巻戻し釦85との取付構造
を説明するが、これら両者84,85の取付構造
は同一構造であるので、こゝでは早送り釦84の
取付構造を第45図〜第47図によつて説明す
る。
先ず早送り釦84は例えばプラスチツクにて一
体成形されたものであつて、丸軸状の押圧操作部
361と、その上部に設けられたガイド軸部36
2と、そのガイド軸部362の一側部に設けられ
た前記操作腕253とが互に一体的に成形されて
いる。そしてガイド軸部362の上端に金属軸か
らなる操作軸363が同一軸心状態で、かつ例え
ばアウトサート成形法にて一体に設けられてい
る。なおこの操作軸363の先端(上端)には円
錐状部364が設けられ、その円錐状部364の
上部には環状溝365が近接して設けられてい
る。
一方前記筒状部材251は例えばアウトサート
成形法によりメカ基板90にプラスチツクにて一
体的に成形されたものである。そしてこの筒状部
材251にはこれを上下に貫通するガイド孔36
7が設けられ、そのガイド孔367内の上下方向
の中間部にはそのガイド孔353の内径より小さ
な径の挿通孔368を有するバネ受け部369が
設けられている。またこの筒状部材251の一側
面にはガイド溝370が設けられており、そのガ
イド溝370の下端の両縁部は互に内側に張り出
した一対の係止爪371に形成されている。そし
てこのガイド溝370の上端でこの筒状部材25
1の基部にはその半径方向に所定深さまで切り込
まれたスリツト372が設けられている。
そして早送り釦84はそのガイド軸部362に
よつて筒状部材251のガイド孔367内に下方
から挿入され、操作腕253をガイド溝370内
に挿入させ、かつ操作軸363の先端を挿通孔3
68の上方に挿通して取付けられる。なおこの時
両係止爪371をその弾性に抗して互に押し広げ
るようにして、操作腕253をガイド溝370内
に挿入するが、その挿入完了後に両係止爪371
が元の位置に弾性復帰して抜け止めがなされる。
従つてこの取付け状態で早送り釦84は上下方向
に一定範囲内で移動自在であるが、その際ガイド
孔367内に予め圧縮バネ373が収納されてい
て、その圧縮バネ373により早送り釦83は下
方に復動附勢されている。
以上の如く構成された押釦装置312によれ
ば、押釦82〜85をプラスチツク成形出来、ま
た筒状部材251,252,269,317をア
ウトサート成形法にてメカ基板90に一体成形出
来るので、その製造は極めて簡単である。また組
立てに関しては、各押釦82〜85を各筒状部材
251,252,269,317にメカ基板90
の下方側から夫々垂直に、かつ同一方向に押し込
むだけで良いので、その組立ては極めて簡単であ
る。
そしてこのカセツトテープレコーダでは、前述
したテープ駆動装置91のギヤ群等も押釦82〜
85と同方向からメカ基板90に組込むことが出
来るので、自動組立機への導入が極めて容易であ
る。
更にまたこのカセツトテープレコーダでは、押
釦82〜85及びテープ駆動装置91のギヤ群等
が全てメカ基板90の前記カセツト71の装着面
とは反対側で、かつその装着されたカセツト71
の投影面積内に組込んでしまう構成であるので、
前記キヤビネツト73の外形寸法をカセツト71
の外形寸法に極力近ずけた非常に小さな寸法に構
成することが出来て、そのカセツトテープレコー
ダ全体の著しい小型化が図られている。
次に第48図〜第50C図によつて前記ロツク
装置313を説明する。
先ず前記ロツク板318は薄い金属板にて構成
されており、円形孔376を中心とする円弧状の
周辺部377から外方に向けて3つのロツク片3
78a,378b,378cが所定の間隔で放射
状に設けられている。またこのロツク板318の
下面で所定位置にはロツク解除ピン379が垂直
状に固着されている。なおこのロツク板318に
は円形孔376の周辺部の一部にバネ受け部38
0が設けられ、その他所定位置に前記操作板支軸
241やガイドピン288に対する挿通用の開口
381,382が設けられている。
次にこのロツク板318は後述するスイツチ操
作板319を介して前記メカ基板90の下面に重
ねられ、その円形孔376を前記筒状部材317
の円形基部340の外周に挿入されて、その円形
基部340の周囲でメカ基板90と平行に回動自
在に取付けられている。なおこの際3つのロツク
片378a〜378cが夫々前記3つの筒状部材
269,251,252の各スリツト358,3
72,372内に挿入されて、上下方向の位置規
制がなされている。なおロツク板381のロツク
片378a〜378cとは反対側の下面は、メカ
基板90に固着された押え板383によつて押え
られている。なおこの押え板383に前記FWD
レバー270の復動用の引張りバネ293のバネ
受け292が設けられている。そしてその押え板
383とロツク板318のバネ受け部380との
間に架張された引張りバネ384によつてロツク
板318が第49A図で矢印O方向に回動附勢さ
れている。なおこの際各スリツト358,37
2,372の一方の端部が各ロツク片378a〜
378cの上記矢印O方向の回動規制部385
a,385b,385cに構成されていて、その
規制によつて各スリツト358,372,372
内に対する各ロツク片378a〜378cの挿入
量が規制されるように構成されている。
またこのロツク装置313においては、ロツク
板318の回動中心である筒状部材317の中心
から再生釦83の操作軸348の中心である筒状
部材269の中心までの距離r1に対して、早送り
釦84及び停止釦85の各操作軸363の中心で
ある各筒状部材251,252までの距離r2を長
く構成してある。
次にこのロツク装置313による押釦83〜8
5のロツク並びにロツク解除操作を説明する。
先ず第49A図及び第50A図は停止状態を示
しており、全押釦83〜85が夫々圧縮バネ34
3,359,373,373によつて下方に復動
されている。
次に第49B図及び第50B図は再生釦83が
上方の往動位置に押されてロツクされた再生状態
を示している。即ち再生釦83が圧縮バネ359
に抗して上方の往動位置まで押上げられると、そ
の操作軸348の円錐状部349がロツク板31
8のロツク片378aを第49B図で矢印O′方
向に押し、ロツク板318が引張りバネ384に
抗して同方向に回動される。そして操作軸348
の環状溝350がロツク片378aと同一高さま
で押上げられた瞬間に、ロツク板318が引張バ
ネ384によつて第49B図で矢印O方向に復動
されて、ロツク片378aがその環状溝350内
に係合され、再生釦83が往動位置にてロツクさ
れる。
次に第49C図及び第50C図は早送り釦84
が上方の往動位置に押されてロツクされた早送り
状態を示している。即ち早送り釦84が圧縮バネ
373に抗して上方の往動位置まで押上げられる
と、その操作軸363の円錐状部364がロツク
板318のロツク片378bを第49C図で矢印
O′方向に押し、ロツク板318が引張りバネ3
84に抗して同方向に回動される。そして操作軸
348の環状溝365がロツク片378bと同一
高さまで押上げられた瞬間に、ロツク板318が
引張りバネ384によつて第49C図で矢印O方
向に復動されて、ロツク片378bがその環状溝
365内に係合されて、早送り釦84が往動位置
にてロツクされる。
ところで第49B図及び第50B図に示された
再生釦83のロツク状態では、ロツク片378a
が第49A図及び第50A図に示された停止状態
の時の位置よりも第49B図で矢印O′方向に少
し移動された位置に保持され、同様に両ロツク片
378b,378cもこれらの停止状態の時の位
置よりも第49B図で矢印O′方向に少し移動さ
れた位置に保持される。しかしてこの時前記距離
r1よりもr2を大きく構成しているので、ロツク片
378aの操作軸348に対する係合点P1での矢
印O′方向への移動距離に比べて両ロツク片37
8b,378cの各操作軸363に対する係合点
P2での矢印O方向への移動距離の方が若干大きく
なつている。
従つてこの再生釦83のロツク状態では、第5
0B図に仮想線で示す如く早送り釦84や巻戻し
釦85を上方に押しても、これらの操作軸363
が各ロツク片378b,378cに係合されるこ
とがない。
即ち再生釦83のロツク状態で、早送り釦84
や巻戻し釦85を押すことにより、これら84,
85はロツクされず、また再生釦83のロツク解
除も行われず、この結果前述したCUE状態や
REV状態が得られる。
なお上記の逆に、早送り釦84や巻戻し釦85
が押されている状態で、再生釦83が押された時
には、これら早送り釦84や巻戻し釦85のロツ
クが解除され、かつ再生釦83がロツクされるこ
とになる。
また再生釦83、早送り釦84、巻戻し釦85
の何れかが往動位置にてロツクされている状態
で、第50B図に仮想線で示されるように、停止
釦82が圧縮バネ343に抗して上方に押上げら
れると、そのロツク板操作部332の斜面335
がロツク解除ピン379の先端(下端)に押圧さ
れ、その時のクサビ作用でロツク板318が引張
りバネ384に抗して第49B図で矢印O′方向
に回動される。するとその瞬間に各ロツク片37
8a〜378cによる再生釦83、早送り釦8
4、巻戻し釦85のロツクが解除されて、これら
が夫々圧縮バネ359,373,373によつて
第50A図に示された復動位置へ復動される。
以上の如く構成されたロツク装置313によれ
ば、薄い金属板にて構成されたロツク板318を
用い、このロツク板318をメカ基板90と平行
に回動操作させて、押釦83〜85のロツクを行
うように構成したので、これらの押釦83〜85
の往復動ストロークを出来る限り小さくして、な
おかつこれらのロツク並びにロツク解除を極めて
確実に行える。従つてカセツトテープレコーダ全
体の厚さを非常に薄くすることが出来る。
次に第48図、第50A図〜第50C図、第5
1図〜第54B図によつて前記パワースイツチ装
置314を説明する。
先ず第48図に示されるように、前記スイツチ
操作板319は薄い金属板にて構成されており、
前記ロツク板318と類似した形状を呈してい
る。即ち円形孔387を中心とする円弧状の周辺
部388から外方に向けて3つの突片389a,
389b,389cが所定の間隔を隔てゝ放射状
に設けられている。なおこの際1つの突片389
aは他のこの突片389b,389cに比べて
ほゞ1/2の長さに構成されている。また円形孔3
87の周辺部から一側方にスイツチ操作腕390
が延出されており、その円形孔387の周辺部の
他の一部にはバネ受け部391が設けられてい
る。また所定位置には前記操作板支軸241に対
する挿通用の開口392が設けられている。
そしてこのスイツチ操作板319は第50A図
〜第50C図、第53A図及び第53B図に示さ
れる如く、前記メカ基板90と前記ロツク板31
8との間に介在され、その円形孔387を前記筒
状部材317の円形基部340の外周に挿入され
て、その円形基部340の周囲でメカ基板90と
平行に回動自在に取付けられている。なおこの際
3つの突片389a〜389cが夫々前記各スリ
ツト358,372,372内に挿入されてい
る。そしてバネ受け部391と前記押え板383
との間に架張された引張りバネ393によつて第
53A図で矢印O方向に回動附勢されている。そ
してロツク板318と同様に各突片389a〜3
89cが各スリツト358,372,372の回
動規制部385a〜385cに当接されて上記矢
印O方向の回動が規制されている。なおこの際2
つの突片389b,389cはロツク板318の
このロツク片378b,378cに重ねられて各
スリツト372,372内に挿入されているが、
1つの突片389aはスリツト358の入口部分
にまでしか挿入されていない。
次に第51図〜第54B図に示されるように、
前記第1及び第2のパワースイツチ323,32
4は共にリーフスイツチに構成されていて、これ
らは夫々一対の板バネ接点395a,395b及
び396a,396bを有し、これらが夫々絶縁
体からなる取付体397,398に取付けられて
いる。なお各リーフスイツチの可動側の板バネ接
点395a,396aの先端には絶縁体399,
400が取付けられている。そして第1のパワー
スイツチ323は前記スイツチ取付板325の下
面にその取付体397によつて固着され、第2の
パワースイツチ324はメカ基板90の下面にそ
の取付体398によつて直接固着されている。
そしてスイツチ取付板325はその一部に一体
に設けられた垂直片部401によつてメカ基板9
0の下面に垂直状に取付けられた支持板402に
水平な支点軸403を介して上下方向に回動自在
に枢支されている。なおスイツチ取付板325は
その一部に一体に設けられたバネ受け部404と
支持板402の一部に一体に設けられたバネ受け
部405との間に架張された引張りバネ406に
よつて第54A図で矢印P方向(下方)に回動附
勢され、支持板402の一部に一体に設けられた
ストツパー部407に当接されてほゞ水平な状態
に保持されている。
そして上記取付け状態で第1のパワースイツチ
323の絶縁体399が第54A図に示される如
く、前記再生釦83のスイツチ操作部347の上
部に配置されている。またスイツチ取付板325
の一部に一体に設けられた突起408が第53A
図に示される如く、前記第2の操作板248の一
部に一体に設けられた突起409の上部に近接し
て配置されている。またスイツチ取付板325の
一部に一体に設けられた突片410の先端が第5
3A図に示される如く、前記巻戻し釦85の操作
腕254の上部に近接して配置されている。なお
第53A図に示される如く、前記スイツチ操作板
319のスイツチ操作腕390の先端が前記第2
のパワースイツチ324の絶縁体400に近接し
て配置されている。
次にこのパワースイツチ装置314による2つ
のパワースイツチ323及び324のオン−オフ
操作を説明する。
先ず第53A図及び第54図は停止状態を示し
ており、この時両パワースイツチ323,324
は共にオフ状態となつている。
次にこの停止状態で第54A図に仮想線で示さ
れる如く、再生釦83が上方に押されてロツクさ
れると、そのスイツチ操作部347が第1のパワ
ースイツチ323の絶縁体399を上方に押圧す
る。この結果その両板バネ接点395a,395
bが互に圧着されて、この第1のパワースイツチ
323がオン状態に切換えられる。
次に前記停止状態で第50C図に示される如
く、早送り釦84が上方に押されてロツクされる
と、その操作軸363の円錐状部364がスイツ
チ操作板319の突片389bを第53B図で矢
印O′方向に押す。これにより第53B図に示さ
れる如く、スイツチ操作部319が引張りバネ3
93に抗して同方向に回動され、そのスイツチ操
作腕390の先端が第2のパワースイツチ324
の絶縁体400を押圧する。この結果、その両板
バネ接点396a,396bが互に圧着されて、
この第2のパワースイツチ324がオン状態に切
換えられる。
しかしてこの際、上記の如き早送り釦84の円
錐状部364によるスイツチ操作板319の第5
3B図で矢印O′方向への回動操作は、この早送
り釦84が上方に充分に押上げられて、往動位置
にてロツクされるのとほゞ同時に行われる。従つ
て第2のパワースイツチ324は、早送り釦84
が押上げ開始された瞬間にはオン状態にはなら
ず、早送り釦84が往動位置にてロツクされるの
とほゞ同時にオン状態に切換えられる。
一方前述した如く、早送り釦84が上方に押上
げられると、これとほゞ同時に前記第2の操作板
248が上方に押上げられて、その突起409が
突起408を介してスイツチ取付板325を上方
に押上げる。するとこのスイツチ取付板325が
引張りバネ406に抗して第54B図に示される
如く、矢印P′方向に大きく回動されて、第1のパ
ワースイツチ323が上方に大きく回動される。
即ち早送り釦84が上方に押上げ開始された瞬間
に、第1のパワースイツチ323が上方に大きく
回動される。なおこの際第54B図に仮想線で示
した再生釦83の往動位置でのスイツチ操作部3
47の位置よりも更に高い位置まで第1のパワー
スイツチ323が押上げられる。
また前記停止状態で巻戻し釦85が上方に押さ
れてロツクされる場合も、その操作軸363の円
錐状部364がスイツチ操作板319の突片38
9bを第53B図で矢印O′方向に押し、そのス
イツチ操作板319のスイツチ操作腕390の先
端で第2のパワースイツチ324がオン状態に切
換えられる。そしてこの際にも巻戻し釦85が上
方に押上げられると、これとほゞ同時にその操作
腕254によつて突片410を介してスイツチ取
付板325が上方に押上げられ、このスイツチ取
付板325が第54B図に示される如く矢印P′方
向に大きく回動される。
ところでこのパワースイツチ装置314におけ
る両パワースイツチ323,324は共に前記モ
ータ211への電源供給用のスイツチである。
従つて停止状態で再生釦83が上方に押された
時には、その瞬間に第1のパワースイツチ323
がオン状態に切換えられて、モータ211へ電源
が供給される。
一方停止状態で早送り釦84や巻戻し釦85が
上方に押された時には、これらの押釦84,85
が往動位置にてロツクされる直前まで第2のパワ
ースイツチ324はオン状態に切換えられず、こ
れらの押釦84,85が往動位置にてロツクされ
るのとほゞ同時にオン状態に切換えられて、モー
タ211へ電源が供給される。
なお再生状態で停止釦82が押された時には、
再生釦83のロツクが解除されて、これが第54
A図に実線で示された復動位置へ押し戻されて、
そのスイツチ操作部347が第1のパワースイツ
チ323の絶縁体399から引き離されるので、
この第1のパワースイツチ323がオフ状態とな
り、モータ211に供給されていた電源が切断さ
れる。
また同様に早送り状態や巻戻し状態で停止釦8
2が押された時には、早送り釦84や巻戻し釦8
5が夫々復動位置へ復動されることによつて、ス
イツチ操作板319が引張りバネ393によつて
第53A図に示された復動位置へ復動され、その
スイツチ操作腕390が第2のパワースイツチ3
24の絶縁体400から引き離されるので、この
第2のパワースイツチ324がオフ状態に切換え
られて、モータ211に供給されていた電源が切
断される。なおこの時スイツチ取付板325も引
張りバネ406によつて第54A図に示された復
動位置へ復動される。
ところで第54A図に仮想線で示した如く、再
生釦83によつて第1のパワースイツチ323を
オン状態に切換えている再生状態で、早送り釦8
4や巻戻し釦85が押されて、前述したCUEや
REVの操作がなされる時には、先ずこれらの押
釦84,85が上方に押上げ開始された瞬間に、
第1のパワースイツチ323が第54B図に示さ
れる如く上方に大きく回動されて再生釦83のス
イツチ操作部347から引き離されて、この第1
のパワースイツチ323がオフ状態に切換えられ
る。そしてこれから少し遅れて押釦84,85が
往動位置にてロツクされるのとほゞ同時に、第2
のパワースイツチ324がオン状態に切換えられ
る。
従つてこのCUEやREVの操作時には、押釦8
4,85が上方に押上げ開始された瞬間にモータ
211の電源が一度切断され、この後これらの押
釦84,85が往動位置にてロツクされるのと
ほゞ同時に、モータ211に再び電源が供給され
ることになる。
しかして以上述べたパワースイツチ装置314
によれば、前述したテープ駆動装置91におい
て、停止状態から早送り状態(FF)又は巻戻し
状態(REW)への切換え時に、前記第1の駆動
ギヤ221を前記第1の巻取リール軸ギヤ233
又は前記転換ギヤ229に噛合完了した後に、前
記モータ211に電源を供給して、これらギヤ群
の回転駆動を行うことが出来る。また再生状態か
らCUE状態又はREV状態への切換え時には、第
1の駆動ギヤ221が上方に押上げ開始された瞬
間にモータ211に供給されている電源を一度切
断して、その第1の駆動ギヤ221の回転を停止
させ、この後この第1の駆動ギヤ221が第1の
巻取リール軸ギヤ233又は転換ギヤ229に噛
合完了した後に、モータ211に再び電源を供給
して、その第1の駆動ギヤ221の回転駆動を再
開させることが出来る。
従つてこのカセツトテープレコーダによれば、
FWD,FF/CUE,REW/REVの総てのギヤ切
換え時において、ギヤ群が常に噛合完了した状態
で、モータ211によるギヤ群の回転駆動を行
え、その回転駆動の開始時に著しいギヤ鳴りを発
生させる等のようなことが全くない。
即ち例えば第1の駆動ギヤ221を回転駆動さ
せている状態で回転軸心方向に移動させて、これ
を第1の巻取リール軸ギヤ233や転換ギヤ22
9に噛合させようとした場合には、その噛合開始
時に、ギヤ221と233又は229とがこれら
の歯先の側面で著しくこすれ合つて、著しいギヤ
鳴り(ギヤどうしがこすれ合う音)を発生するば
かりか、これらの歯先が著しく摩滅されてしまう
ような不都合を発生する。しかるにこのカセツト
テープレコーダによれば前述したパワースイツチ
装置314によつて、上記の不都合を未然に防止
している。
次に第55図〜第58B図によつて前記蓋74
の開放操作による再生状態自動解除装置413を
説明する。
先ず第55図〜第57図に示されるように、前
記メカ基板90の後端側の下面にロツク解除レバ
ー414が支点軸415を介して回動自在に枢支
されている。そしてこのロツク解除レバー414
の一端にはこれから上方に立上げられたほゞV字
状をなす立上り部414aが一体に設けられてい
て、この立上り部414aがメカ基板90に設け
られた開口416からそのメカ基板90の上方に
突出されて、前記カセツトホルダ75の前記ガイ
ド支持体190の下部位置に挿入されている。ま
たこのロツク解除レバー414の他端にはこれか
ら下方に立下げられた立下り部414bが一体に
設けられていて、この立下り部414bが、前記
ロツク板318の前記引張りバネ384による回
動附勢側(第55図で矢印O方向側)の端部41
7に当接されている。一方前記ガイド支持体19
0には、その下部にロツク解除部418が一体に
設けられていて、このロツク解除部418が上記
立上り部414aの斜面419に対向して配置さ
れている。
ところでこのカセツトテープレコーダは前述し
た如く、先ず前記第9A図に示されたカセツト挿
入位置へ回動されている前記カセツトホルダ75
内に前記カセツト71を挿入し、この後前記カセ
ツト蓋74にて前記第9B図に示されたカセツト
装着位置へカセツトホルダ75を回動させて、カ
セツト71の装着を行う。そしてこの時に前記第
34A図に示される如く、カセツトホルダ75に
取付けられている前記ヘツド基板158の先端1
58aを前記FWDレバー270の操作腕277
の前側位置に係合させる。次に前記再生釦83を
押して往動位置にてロツクすることにより、前記
第34B図に示される如く、前記モータ211の
回転駆動力を用いて前記FWDレバー270を往
動位置へ前進させてロツクさせる。そしてこの時
にそのFWDレバー270の操作腕277により
ヘツド基板158の先端158aを押して、この
ヘツド基板158を前記第34B図に示された往
動位置へ前進させて保持させるようにして、所望
の再生状態が得られるように構成されている。
従つてこのカセツトテープレコーダにおいて
は、上記再生状態で、前記停止釦82を押さず
に、いきなりカセツト蓋74を開いて、カセツト
ホルダ75を前記第9A図に示されたカセツト挿
入位置で回動させてしまうようなことがあると、
この後再びカセツトホルダ75を前記第9B図に
示されたカセツト装着位置へ回動させた時に、前
記第34B図に示される如く往動位置にてロツク
されたまゝになつているFWDレバー270の操
作腕277の上端に、ヘツド基板158の先端1
58aが不測に衝突されて、これら両者270,
158が相互に破損される危険がある。
即ち第58A図に実線で示された再生状態で、
カセツトホルダ75を矢印a方向に回動して仮想
線で示されたカセツト挿入位置まで回動させる
と、ヘツド基板158の先端158aがEWDレ
バー270の操作腕277の上方に抜き取られ
る。そして次の瞬間にそのヘツド基板158は前
記捩りバネ163による復動力によつて第13図
で矢印b方向に復動されて、第58B図で点線で
示された往動位置から実線で示された復動位置へ
復動される。従つてこの第58B図の状態で、カ
セツトホルダ75を再び矢印a′方向に回動したと
すると、上記復動位置に復動されているヘツド基
板158の先端158aが、FWDレバー270
の操作腕277の上端にまともに衝突して、これ
ら両者が互に破損されることになる。
しかるにこの再生状態自動解除装置413によ
れば、上述した不都合を未然に防止している。
即ち前記再生状態で、カセツトホルダ75を第
56図に実線で示されたカセツト装着位置から仮
想線で示されたカセツト挿入位置まで矢印a方向
に回動させると、ロツク解除部418が第55図
及び第57図で矢印Q方向に移動されて、そのロ
ツク解除部418がロツク解除板414の立上り
部414aの斜面419を押し、その時のクサビ
作用にて、ロツク解除板414が第55図及び第
57図で矢印Q方向に回動される。そしてそのロ
ツク解除板414の立下り部414bがロツク板
318の端部417を押し、このロツク板318
を引張りバネ384に抗して第55図で矢印
O′方向に回動させる。この結果前述した如く再
生釦83のロツクが解除されて、このカセツトテ
ープレコーダが停止状態に自動的に復帰させられ
る。そして前述した如く再生釦83のロツクが解
除されゝば、FWDレバー270の往動位置での
ロツクが解除され、このFWDレバー270が第
58B図に実線で示された往動位置から仮想線で
示された復動位置に復動されるので、この後カセ
ツトホルダ75を再びカセツト装着位置へ回動さ
せても、ヘツド基板158の先端158aが
FWDレバー270の操作部277の上端に不測
に衝突されるようなことは全くない。
なおこの再生状態自動解除装置413によれ
ば、早送り状態や巻戻し状態で、カセツトホルダ
75をカセツト挿入位置へ回動させた場合にも、
前述同様にロツク板318を第55図で矢印
O′方向に回動させて、早送り釦84や巻戻し釦
85のロツクを自動的に解除する。そしてまた上
記とは逆に、カセツト蓋74が開かれている状態
では、各押釦83〜85を押してもこれらをロツ
クすることが出来ない。
以上本考案の実施例に付き述べたが、本考案は
実施例に示した再生専用機に限定されるものでは
なく、記録−再生の両用機にも適用可能であるこ
とは勿論である。
また本考案で言うカセツトホルダ、ヘツド基
板、テープガイド等の構造、形状等は実施例に示
されたものに限定されるものでは決してない。
本考案は上述の如く、カセツトをカセツトホル
ダ内に挿入し、そのカセツトホルダの回動により
カセツトをカセツト装着位置へ装着させるように
構成したカセツトテープレコーダにおいて、ヘツ
ドを上記カセツトホルダに回動自在に取付けられ
たヘツド基板に取付ける一方、上記ヘツドに対す
るテープ走行方向の上流側に位置するテープガイ
ドを上記カセツトホルダに直接取付けたことを特
徴とするカセツトテープレコーダであり、カセツ
トテープレコーダの小型化及び薄型化に大いに役
立つものが得られる。
即ちヘツド基板をカセツトホルダに回動自在に
取付けて、そのヘツド基板にヘツドを取付けるよ
うに構成したので、カセツトホルダへカセツトを
挿入した時点で既にヘツドをカセツト内に浅く挿
入させておき、再生時等においてはヘツド基板を
極く小さなストロークだけ回動させることによつ
てヘツドをテープに所定状態に接触させることが
出来るので、ヘツド基板の往復動ストロークを非
常に小さくすることが出来る。一方上記テープガ
イドを回動されるヘツド基板の先端に取付けたの
では、ヘツド基板の回動に伴うテープガイドの回
動ストロークが大きくなり過ぎてしまうし、だか
らと言つてヘツド基板をカセツトホルダに直線的
に往復動出来るように取付けて、そのヘツド基板
にテープガイドを取付けた場合には、ヘツド基板
の支持機構が著しく複雑となる上に、厚みが増
す。しかるに本考案によれば、テープガイドをヘ
ツド基板から切り離してカセツトホルダ自体に設
けたので上記のような不都合が全くない。従つて
ヘツド基板の往復動ストロークを非常に小さくす
ることが出来ることゝ相俟つて、カセツトテープ
レコーダの小型化及び薄型化を図り得る。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案をカセツトテープレコーダに適用
した実施例を示したものであつて、第1図はカセ
ツト蓋を開いた状態での全体の斜視図、第2図は
カセツト蓋を閉じた状態での全体の斜視図、第3
図は下面側から見た全体の斜視図、第4図はキヤ
ビネツト、メカ基板、プラスチツクモールドシヤ
ーシ、カセツトホルダ、カセツト蓋の一部切欠き
分解斜視図、第5図はテープレコーダ本体、カセ
ツトホルダ、カセツト蓋の分解斜視図、第6図は
カセツト蓋のロツク機構部分の拡大一部切欠き正
面図、第7図はカセツト蓋を一部切欠いた状態の
全体の平面図、第8図はカセツトホルダに対する
板バネの取付け構造を説明する分解斜視図、第9
A図及び第9B図はカセツトの装着操作を説明す
る第7図9−9線矢視状態での拡大断面図、第1
0図は電池収納装置を説明する一部切欠き斜視
図、第11図は第10図11−11線矢視状態で
の断面図、第12図は第10図12−12線矢視
状態での断面図、第13図はカセツトホルダのホ
ルダ本体部分の斜視図、第14図は第13図を正
面から見た一部切欠き正面図、第15図はヘツド
取付装置の支点軸部分の拡大断面図、第16図は
第15図16−16線矢視状態での断面図、第1
7図はアジマス調整装置部分の拡大断面図、第1
8図は第17図18−18線矢視状態での断面
図、第19図はテープガイド装置部分の拡大一部
切欠き正面図、第20図は第19図20−20線
矢視状態での断面図、第21図はテープガイド装
置部分の斜視図、第22図はテープ駆動装置を下
面側から見た状態の斜視図、第23図A図及び第
23B図はテープ駆動操作を説明するテープ駆動
装置の底面図、第24図は第23A図24−24
線矢視状態での拡大展開断面図、第25A図及び
第25B図はテープ駆動操作を説明する第24図
の正面図、第26A図は第23A図26A−26
A線矢視状態での拡大展開断面図、第26B図は
第23B図26B−26B線矢視状態の展開断面
図、第27A図及び第27B図はギヤ駆動装置の
ギヤ駆動操作を説明する拡大断面図、第28A図
及び第28B図はギヤ駆動操作を説明する底面
図、第29図は切換装置を下面側から見た斜視
図、第30図はFWDレバーを一側方から見た分
解斜視図、第31図はFWDレバーを他側方から
見た斜視図、第32A図〜第32D図は切換装置
の切換操作を説明する底面図、第33A図及び第
33B図は再生釦によるFWDレバーの操作を説
明する拡大断面図、第34A図及び第34B図は
FWDレバーによるヘツド基板の操作を説明する
拡大断面図、第35A図及び第35B図は第1の
操作板によるFWDレバーの操作を説明する断面
図、第36図は切換装置の安全機構の拡大底面
図、第37図は第36図37−37線矢視状態で
の側面図、第38図は押釦装置、ロツク装置、パ
ワースイツチ装置部分の拡大底面図、第39図は
停止釦部分の下面側から見た状態の分解斜視図、
第40図は停止釦の取付け状態の正面図、第41
図は第40図41−41線矢視状態での断面図、
第42図は再生釦部分の下面側から見た状態の分
解斜視図、第43図は再生釦の取付け状態の正面
図、第44図は第43図44−44線矢視状態で
の断面図、第45図は早送り釦部分の下面側から
見た状態の分解斜視図、第46図は早送り釦の取
付け状態の正面図、第47図は第46図47−4
7線矢視状態での断面図、第48図はロツク板及
びスイツチ操作板部分の下面側から見た状態の分
解斜視図、第49A図〜第49C図はロツク装置
のロツク並びにロツク解除操作を説明する一部切
欠き底面図、第50A図〜第50C図はロツク装
置のロツク並びにロツク解除操作を説明する展開
断面図、第51図はパワースイツチ装置部分のス
イツチ取付板部分の下面側から見た状態の拡大斜
視図、第52図はパワースイツチ装置のスイツチ
操作板部分の下面側から見た状態の斜視図、第5
3A図及び第53B図はパワースイツチ装置のス
イツチ操作を説明する一部切欠き底面図、第54
A図及び第54B図はパワースイツチ装置のスイ
ツチ取付板の操作を説明する側面図、第55図は
再生状態自動解除装置の一部切欠き底面図、第5
6図はカセツトホルダによるロツク解除レバーの
操作を説明する断面図、第57図はロツク解除レ
バー部分の斜視図、第58A図及び第58B図は
再生状態自動解除装置の操作を説明する断面図で
ある。 また図面に用いられた符号において、71……
コンパクトカセツト、72……テープレコーダ本
体、75……カセツトホルダ、97……カセツト
装着装置、98……ホルダ本体、100……再生
ヘツド(ヘツド)、102……テープガイド、1
55……テープガイド装置、157……支点軸、
158……ヘツド基板、163……捩りバネ、1
90……ガイド支持体、193……止ネジ、であ
る。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. カセツトをカセツトホルダ内に挿入し、そのカ
    セツトホルダの回動によりカセツトをカセツト装
    着位置へ装着させるように構成したカセツトテー
    プレコーダにおいて、ヘツドを上記カセツトホル
    ダに回動自在に取付けられたヘツド基板に取付け
    る一方、上記ヘツドに対するテープ走行方向の上
    流側に位置するテープガイドを上記カセツトホル
    ダに直接取付けたことを特徴とするカセツトテー
    プレコーダ。
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