JPS6119090Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、内袋とカートンとからなるバツグイ
ンボツクスの注出口に開口栓を具えるものの改良
に関するものである。

（従来の技術） バツグインボツクスの注出口に開口栓を具える
ものとしては、本考案者が先に提案した第１図及
び第２図に示すようなものがある。

すなわち、通常の状態のときには第１図に示す
ように開口栓１は正立状態であつて、その尖頭１
ａが上方となるように外部固定具２の筒状壁３に
差込まれているもので、キヤツプ４で保護されて
いる。

この場合、開口栓１の底部は段部５で支えられ
ていて、合成樹脂フイルムからなる内袋６に直接
接触していない。

次に内容液を注出する時には、先ずキヤツプ４
を外し、第２図に示すように開口栓１がその尖頭
１ａから注出口に臨む内袋６に向けて差込まれ
る。その結果、内袋６が破断し、袋６内の液体が
開口栓１の通孔７を通してカートン８外に注出さ
れることとなる。

そして、合成樹脂フイルムの内袋６は、前記し
た外部固定具２と内部固定具９とで挾持された形
のものとなつている。

（考案が解決しようとする問題点） 以上のようなものでは、内袋６を内部固定具９
に固定するためには、内外固定具９，２で１工程
で注出口が内袋６にセツトされるものであるか
ら、内部固定具９より突出した外部固定具２の分
だけがブランクの厚みが増加したことになり、し
たがつて注出口をセツテイングした後にあつて
は、充填までの間の資材の保管スペースを多くと
るという不便があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、この点を解決すべく案出されたもの
で、内部固定具に相当するバルブは内袋に予めセ
ツテイングしておくが、外部固定具に相当するノ
ズルはバルブに対して後から自由にセツテイング
できるようにし、バルブとノズルとの間に内袋に
代わる密封膜を挾持することができるようにする
と共に、開口栓もセツトすることができるように
したものであつて、注出口をセツテイングした後
にあつては、充填までの間の資材の保管スペース
に多くとらないようにしたものであり、充填後の
密封状態が維持できるようにしたものである。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面について説明す
る。

第３図乃至第５図について、注出口のバルブ１
０はポリエチレン樹脂からなり、内袋１１の外面
に溶着できるフランジ１０ａが円筒本体から外方
に向かつて突出形成されていて、更に下端面には
内方に向かつて突出形成されたノズル受け用のエ
ツジ１０ｂが、円筒本体の内面には雌ねじ１０ｃ
が設けられている。

ノズル１２はバルブ１０の雌ねじ１０ｃに螺合
される雄ねじ１２ａをもつ大径部１２ｂと、これ
から一体的に上方に向かつて延設された小径部１
２ｃとがあり、小径部１２ｃの先端のノズル口は
鋭角１２ｄに形成されている。そしてノズル１２
の下端には本体から内方に向かつて突出形成され
た開口栓受け用のエツジ１２ｅがある。

１３はCPP（無延伸ポリプロピレン）／Al
（アルミニウム）／CPPの積層体からなる密封膜
であつてた、高周波で誘導発熱する材料でもよ
く、これは予めノズル１２の下面に溶着するか、
又はノズル１２をバルブ１０に螺合した状態でそ
の間に圧着されるようにする。

なお、第５図において１４は正立状態倒立状態
共にノズル口１２のエツジ１２ｅに受止される開
口栓であり、１５はノズル１２の小径部１２ｃに
被嵌されるキヤツプである。

以上のようなバルブ１０にノズル１２を螺着し
て形成される注出口をバルブインボツクスに取付
けるには、先ずカートンブランク１６が展開状態
にある時、内袋１１がそのバルブ取付孔をカート
ンブランクの開口部と合致せしめてカートンに貼
合される。

そして、内袋フイルム素材はOPP（延伸ポリ
プロピレン）／KON（ビニリデンコートの延伸
ナイロン）／PE（ポリエチレン）からなる積層
素材が用いられ、前記貼合せの前に外側結合部材
１７と内側結合部材１８とが予め第６図に示すよ
うに内袋１１に溶着されている。

外側結合部材１７は内袋１１外面が溶着適性の
良くない場合において、内袋１１外面に取付けら
れて注出口のバルブ１０が溶着し易いようにされ
るので、CPPなる素材が用いられる。内袋１１外
面が溶着適性の良い場合は外側結合部材１７は用
いられない。

次に内側結合部材１８は二層からなり、一方は
内袋１１内面と同材料或いは溶着可能な材料が用
いられ、他の一方は内袋１１内面とは溶着不可能
な材料が用いられるもので、PET（ポリエステ
ル）／PEの積層材が用いられる。

以上のように内袋１１とカートンブランク１６
とを貼合せた後、バルブ１０のフランジ１０ａが
内袋１１表面へ溶着される。

この具体的な製造方法は本考案者が先に提案し
た特願昭54−133990合に述べられている。

次に第７図、第８図のようにカートンブランク
１６を起こして組立て、しかる後第８図に示すよ
うに内袋１１を膨らませ、次にバルブ１０より第
９図に示すように内容物を充填する。

充填後、第５，１０図に示すようにバルブ１０
とノズル１２との間に密封膜１３を挾んだ状態で
ノズル１２を螺着固定する。

そして前述したように密封膜１３は予めノズル
１２下面に溶着するか、ノズル１２とバルブ１０
とによつて圧着した状態で固定するか、何れかの
方法をとる。

次いで、開口栓１４をノズル１２に嵌装してか
らキヤツプ１５をノズル１２に被嵌する。

以上のような構成とする内容物を充填する際は
バルブ１０の口径は大きくて便利であり、注出口
として使用する場合はノズル１２の口径は小さい
ので注ぎ易く、開口栓１４で密封膜１３を破つて
注ぐ際に、ノズル１２先端は鋭角１２ｄとなつて
いるので、後だれを防止することができる。

（考案の効果） 本考案は、バルブを内装に溶着セツトした後
で、ノズルをバルブに固定するものであるから、
１つの工程でセツトする第１図及び第２図のもの
に比べて、ノズルのバルブより突出している高さ
分だけカートンブランクの厚みが増加せず、した
がつてバルブをセツテイングした後、充填までの
資材の保管スペースに多くを取らないという利点
がある。

又、内容物の充填後の密封状態は破壊されるこ
となく、注出に際しては開口栓を倒立状態にして
押挿すれば容易に開封することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は開口栓を具えたバルブインボ
ツクス注出口のそれぞれ異なつた使用状態を示す
切断面図、第３図は本考案注出口ノズルの半部を
切断して示す正面図、第４図は本考案注出口バル
ブの半部を切断して示す正面図、第５図は本考案
注出口の組立て状態を示す半部切断の正面図、第
６図乃至第１０図は本考案注出口の使用方法を示
す切断面図である。 １０……バルブ、１０ａ……フランジ、１０ｂ
……ノズル受け用のエツジ、１０ｃ……雌ねじ、
１１……内袋、１２……ノズル、１２ａ……雄ね
じ、１２ｂ……大径部、１２ｃ……小径部、１２
ｅ……開口栓受け用エツジ、１３……密封膜、１
６……カートンブランク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バツグインボツクスの注出口に対し、開口栓が
   正立、倒立の何れの状態でも係止されるものにお
   いて、外面にフランジを、内周面に雌ねじを、内
   側下底面にエツジをそれぞれ有するバルブを、そ
   のフランジをもつて内袋の外面に溶着すると共
   に、このバルブに対し、注出筒の小径部に続く大
   形部の外面に雄ねじを、内側下底面に開口栓の係
   止用エツジをそれぞれ有するノズルを、バルブの
   エツジとノズル大径部と間に密封膜を介在させ
   て、ノズルの雄ねじをもつてバルブの雌ねじに螺
   着できるように構成したバツグインボツクスの注
   出口。