JPS6118647Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、畦造成、修復作業等に用いられる整
畦機における畦叩き装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来この種の整畦機における畦叩き装置として
は、特開昭51−141212号公報、実公昭51−47785
号公報、実開昭53−102411号公報等が知られてい
る。

これらの構造にあつては、走行機体の後部に連
結機構により機枠を連結し、機枠に土盛ロータを
設け、走行機体を旧畦に沿つて走行させ、土盛ロ
ータで圃場中の泥土を旧畦上に盛り上げ、この盛
土を固定的な畦塗板で撫で付けるか、若しくは進
行方向前縁を螺着した畦塗板で、その後縁により
押し付けるか、又は、スキ体で旧畦際の泥土を旧
畦上に盛り上げ、この盛土を叩き体のクランク動
作で叩き付けるように構成したものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、これらの従来構造の場合、その
いずれも畦叩体の叩き位置は可変できず、硬軟等
の泥土条件、畦形状等の整畦条件に適合させるこ
とができず、また畦叩体の叩き反力により機枠が
強制振動し、それだけ旧畦内部に存在するザリガ
ニ孔の空洞を確実に埋め込むことはできず、強固
な畦を得ることができないという欠陥があつた。

また、上記従来構造、特に土盛構造、盛土塗付
構造、叩き構造等を個々に各従来構造毎に検討す
ると各従来構造の畦塗装置のいずれもその各構造
の組合わせに一長一短が存在し、この結果最適な
畦を得に難く、実用性に劣るといる不都合な面を
有している。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案はこれらの不都合を解消することを目的
とするもので、その要旨は、走行機体に連結機構
により機枠を連結し、該機枠に旧畦上に土を跳ね
上げる回転ロータを設け、該回転ロータの上方及
び畦上方にカバー部材を設け、回転ロータの進行
方向後方位置に畦上面及び一畦方側面に適合させ
た形状の畦叩体を設け、該畦叩体を往復畦叩動作
させる畦叩機構を設け、前記畦叩体の叩き位置を
可変自在にさせる位置可変機構を上記機枠と該畦
叩体との間に設け、機枠に圃場面に接地する安定
部材を設けて構成したことを特徴とする整畦機に
おける畦叩き装置にある。

〔作用〕

走行機体を畦に沿つて走行すると、回転ロータ
は旧畦上に泥土を盛り上げ、カバー部材は回転ロ
ータ上方及び畦上方への泥土の外方飛散を防止
し、その盛土を畦叩機構による畦叩体の往復畦叩
動作によつて叩き締め固め、畦叩体の叩き反力は
安定部材が受ける。

この畦叩体の叩き位置は位置可変機構によて可
変自在となる。

〔実施例〕

第１，２図は本考案を適用した整畦機における
畦叩き装置の最適な実施例を示すもので、１はト
ラクタたる走行機体であつて、それには連結機構
２によつて機枠３が昇降自在に連結されている。

この連結機構２は油圧アーム４、上部リンク
５、吊上リンク６、下部リンク７で成り、左右の
下部リンク７と上部リンク５の先端の３点で機枠
３を支持し、油圧アーム４の揺動で機枠３を昇降
自在になるようにしたものである。

８は主軸であつて、機枠３に回転自在に横設さ
れ、走行機体１の動力取出軸９により自在継手１
０を介して回転するようにしている。

１１は回転ロータで、それはロータ１２と掻上
刃１３とで成り、回転軸線が畦１４方向となるよ
うに機枠３に横架され、前記主軸８によりスプロ
ケツト１５等、チエーン１７を介して回転するよ
うにしている。

１８はカバー部材であつて、回転ロータ１１の
上方及び畦１４上方に位置して機枠３に設けられ
ている。

１９は畦叩体であつて、それは畦上面を叩く上
板部材１９ａと畦斜面を叩く側板部材１９ｂとを
畦に合わせた縦断面〓形状に形成され、機枠３の
後部に２本の揺動リンク２０を枢着突設し、揺動
リンク２０の先端部を取付アーム２１の中程に枢
着連結し、取付アーム２１の下部に畦叩体１９を
設けている。

２２は畦叩機構であつて、機構３の後部にクラ
ンク体２３を設け、クランク体２３と主軸８と連
結し、クランク体２３と取付アーム２１の上部と
を押動リンク２４で連結して成る。

２５は位置可変機構であつて、それは押動リン
ク２４の両端及び揺動リンク２０の両端にナツト
部２６，２７を形成し、クランク体２３、取付ア
ーム２１の上部及び機構３、取付アーム２１の中
程にボルト部２８，２９を形成し、ナツト部２
６，２７とボルト部２８，２９との螺合作用で、
クランク体２３と取付アーム２１上部との距離及
び取付アーム２１上部と機構３の下部の距離の
各々を調整し、最適可変することで、畦叩体１９
の叩き位置を可変自在にしている。

３０は安定部材であつて、この場合車輪状（ソ
リ状でもよい）になつており、前記機枠３に断面
角パイプ状の保持筒３１を縦設し、保持筒３１内
に断面角パイプ状の支持筒３２を上下スライド自
在に嵌挿し、支持筒３２の下部に安定部材３０を
取付け、支持筒３２の螺子部３３に雄螺子杆３４
の下部を螺着し、雄螺子杆３４の上部に回動レバ
３５を取付け、回転レバー３５の回動により安定
部材３０の上下調節を可能にしている。

本実施例は上記構成であるから、走行機体１を
旧畦に沿つて走行し、主軸８を回転すると、一方
では回転ロータ１１の掻上刃１３は圃場泥土を掻
上げて旧畦上に連続的に跳ね上げ、回転跳ね上げ
作用のため効率的な盛土ができ、カバー部材１８
によつて回転ロータ１１上方及び畦上方への泥土
の外方飛散が防止でき、より盛土効率が向上で
き、それと共に他方ではクランク体２３が回転
し、押動リンク２４を介して畦叩体１９は揺動リ
ンク２０により揺動運動し、前記盛土を叩き締め
固め、畦叩体１９は縦断面〓形状のため畦上面と
畦斜面とを同時に叩き締め、旧畦及び地中と、当
該畦叩体１９で盛土をはさみ込んで締め固め、畦
叩体１９全体が畦に向かつて揺動し、かつ、安定
部材３０は圃場面に接地しているため畦叩体１９
の叩き反力を受け、機枠３の振動を抑制し、この
ため強く盛土を締め固めでき、強固な畦を得るこ
とができる。

この場合、畦叩体１９の叩き位置は位置可変機
構２５によつて可変自在のため、硬軟等の泥土条
件、畦形状等の整畦条件、天候等の作業条件に適
合させることができ、それだけ旧畦内部に存在す
るザリガニ孔等の空洞を確実に埋め込みでき、容
易に倒壊しない強固な畦を得ることができ、さら
には畦叩体１９の叩き反力は安定部材３０が受
け、機枠３の振動を抑制でき、これによつてはじ
めて良好な畦の造成、修復が可能となる。

〔考案の効果〕

本考案は上述の如く、走行機体を旧畦に沿つて
走行すると、一方では回転ロータは圃場泥土を跳
ね上げて旧畦上に連続的に盛り上げ、回転跳ね上
げ作用のため効率的な盛土ができ、カバー部材に
よつて泥土の外方飛散が防止でき、より盛土効率
が向上でき、それと共に他方では畦叩機構が駆動
し、畦叩体は往復畦叩運動し、前記盛土を叩き締
め固め、畦叩体は畦上面及び畦一方側面に適合さ
せた形状のため畦上面と畦斜面とを同時に叩き締
め、旧畦及び地中と、当該畦叩体で盛土をはさみ
込んで締め固め、畦叩体全体が畦に向かつて往復
畦叩動作し、このため強く盛土を締め固めでき、
強固な畦を得ることができ、この場合、畦叩体の
叩き位置は位置可変機構によつて可変自在のた
め、硬軟等の泥土条件、畦形状等の整畦条件、天
候等の作業条件に適合させることができ、それだ
け旧畦内部に存在するザリガニ孔等の空洞を確実
に埋め込みでき、さらには畦叩体の叩き反力は安
定部材が受け、機枠の振動を抑制でき、容易に倒
壊しない強固な畦を得ることができ、これによつ
てはじめて良好な畦の構成、修復が可能となる。

以上、所期の目的を充分達成することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は全体斜視図、第２図は要部の断面図である。 １……走行機体、２……連結機構、３……機
枠、１１……回転ロータ、１４……畦、１８……
カバー部材、１９……畦叩体、２２……畦叩機
構、２５……位置可変機構、３０……安定部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行機体に連結機構により機枠を連結し、該機
   枠に旧畦上に土を跳ね上げる回転ロータを設け、
   該回転ロータの上方及び畦上方にカバー部材を設
   け、回転ロータの進行方向後方位置に畦上面及び
   畦一方側面に適合させた形状の畦叩体を設け、該
   畦叩体を往復畦叩動作させる畦叩機構を設け、前
   記畦叩体の叩き位置を可変自在にさせる位置可変
   機構を上記機枠と該畦叩体との間に設け、機枠に
   圃場面に接地する安定部材を設けて構成したこと
   を特徴とする整畦機における畦叩き装置。