JPS6117903B2 - - Google Patents

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JPS6117903B2
JPS6117903B2 JP53078579A JP7857978A JPS6117903B2 JP S6117903 B2 JPS6117903 B2 JP S6117903B2 JP 53078579 A JP53078579 A JP 53078579A JP 7857978 A JP7857978 A JP 7857978A JP S6117903 B2 JPS6117903 B2 JP S6117903B2
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JP
Japan
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steel
cracking
less
stress corrosion
test
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JP53078579A
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JPS5511102A (en
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Seisaburo Abe
Tadao Ogawa
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Toshiba Corp
Chubu Electric Power Co Inc
Hitachi Ltd
Nippon Steel Corp
Mitsubishi Power Ltd
Tokyo Electric Power Co Holdings Inc
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Toshiba Corp
Tokyo Electric Power Co Inc
Chubu Electric Power Co Inc
Hitachi Ltd
Nippon Steel Corp
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Arc Welding In General (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は高温高圧水環境例えば軽水炉、特に沸
騰水型軽水炉における再循環用配管等に使用され
るオーステナイトステンレス鋼に関するものであ
る。 高温高圧水環境(例えば300℃、98atm)にお
いて使用されるオーステナイトステンレス鋼は従
来より耐応力腐食割れ性の良好なものが要求され
ている。 応力腐食割れは一般に粒界割れ型と粒内割れ型
の2種に大別される。本発明鋼の主要な用途であ
る軽水炉再循環系配管に係わる応力腐食割れ事故
は、報告されている限りでは総べて粒界割れ型で
あり、この意味で特に耐粒界応力腐食割れ性の優
れたステンレス鋼材料の開発が要求されている。 このような用途に使用される鋼の一例として特
公昭47−31206号公報記載の発明が知られてい
る。この発明は鋼中に含まれるP、N、Mo、As
等の挙動が応力腐食割れ感受性に影響があること
に着目し、このうち特にNについてTi、Nbまた
はZrの一種または二種以上を微量添加することに
より鋼中の固溶Nを固定して、固溶Nによる応力
腐食割れ感受性に及ぼす悪影響を除去し、P量が
0.02%まで高くても耐応力腐食割れ感受性の極め
てすぐれたステンレス鋼を得ようとするものであ
る。 また本出願人も、この耐応力腐食割れ感受性の
改善について着目し、すでに特願昭51−112497
号、同52−142608号等の発明をし特許出願を行つ
ている。この特許出願で本発明者が明らかにした
ことはオーステナイトステンレス鋼の溶接熱影響
部のような鋭敏化による粒界応力腐食割れを支配
している材料因子は、Cの粒界炭化物析出に伴う
クロム欠乏層の生成と、Pなどの鋼中不純物元素
の粒界偏析の二要因であることと、その対策とし
てCを0.02%以下に低減するとともにNbのよう
な炭化物生成元素添加により安定化すればよいこ
と、またPなどの不純物に対してはCeまたはY
等の稀土類元素を添加することによりその悪影響
を抑制すればよいということである。 ところが前記のような高温高圧水環境において
使用されるステンレス鋼は耐応力腐食割れ性の他
に高温における所望の強度、溶接性等も必要不可
欠な条件であることは論をまたない。強度の点に
ついては300℃における強度が42Kg/mm2以上である
ことが要求されている。 特に、溶接性の観点からNbを含有する安定化
オーステナイトステンレス鋼は、従来より溶接施
工時に高温割れが起り易いことが問題とされ、急
解決を強く望まれている。すなわち、一般にオー
ステナイトステンレス鋼は溶接部の組織をオース
テナイト単相にすると溶接高温割れを生じやすい
のでこれを防止するために溶接部に5〜10%のフ
エライトを有するように各成分元素が調整されて
いる。しかるにNbを含有するステンレス鋼はNb
を含有しない他のステンレス鋼に比べこの割れ防
止のために必要なフエライト量が多く(10%以
上)、かつそれでも熱影響部(HAZ)における高
温割れすなわち粒界液化割れの防止は満足とはい
えず、しばしば実際の溶接施工において割れが発
生する。 Nb含有オーステナイトステンレス鋼のこのよ
うな高い溶接高温割れ性はNbに起因した低融点
化合物の生成による凝固割れとニオブ炭化物NbC
とγ鉄との共晶反応による粒界液化割れに大別さ
れるが、いずれもこの種の安定化鋼の本質に連な
る問題である。すなわち、フエライト量を多くし
て凝固割れを防止する方法は行き過ぎると(10%
以上)、σ相生成の促進から溶接部の脆化をひき
起すし、また母材HAZおよび多層盛溶接におけ
る後続ビードのHAZにおける粒界液化によるミ
クロ割れは、単にフエライト量を増加しても割れ
停止に結びつかない。そこで、C、Nb、Si、
P、Sをきびしく規制し、かつ鋳造後のフエライ
ト量が2〜8%となるような組成とすることによ
つてNbCその他不純物によるHAZ粒界の液化割
れやNbないし不純物による低融点物質による凝
固割れの起らない耐溶接高温割れ性に非常に優れ
たステンレス鋼を得ようとするものである。 すなわち本発明はこのような実情に基いで発明
されたもので、耐粒界応力腐食割れ性の向上を図
るとともに溶接性および高温における所望の強度
を得ることができるようにしたもので、C0.02%
以下、Si1.0%以下、Mn2.0%以下、Cr17〜20
%、Ni7〜11%、P0.015%以下、S0.005%以下、
N0.025〜0.10%でかつC+N≧0.045%を満し、
Nb0.20〜0.32%、残部Feよりなり、かつ鋳造後
のフエライト量が2〜8%となるように、Ni当
量およびCr当量が第1図における点A,B,
C,D,E,Fを結んだ直線で囲まれた範囲を満
足し、さらに必要に応じREMを0.02〜0.06%ある
いはCaを0.002〜0.02%またはその双方を含み、
かつ鋼中に含まれるCo、Moをそれぞれ0.10%以
下に抑制することを特徴とするものである。 本発明鋼が前述の特公昭47−31206号公報記載
の鋼と特徴的に異なる点は以下の3点である。 第1点は、特公昭47−31206号公報記載の発明
ではCの好ましい成分範囲を0.02〜0.10%と規定
し、Cを有効元素とみなしているのに対し、本発
明鋼ではCを有害元素としてその含有量を0.02%
以下に限定している点である。通常粒界応力腐食
割れ感受性を良好ならしめる観点からのCに関連
した対策としてはCを無害な範囲に低減するか、
Nb等の強力な炭化物形成元素によつてCを固定
する方法がある。前者の場合Cを0.008%以下に
低減する必要があり、現在の精錬技術によれば可
能ではあるが、鋼の製造コストを著しく高めるの
で通常後者の対策が採用される。このような公知
の鋼としてSUS347鋼がある。ところが、この鋼
は次の点において尚不充分である。 SUS347鋼は多量のCとNbを含むので、鋼中に
巨大なNbの炭化物が存在し、これが溶接熱影響
によつて溶解し、その近傍にCの高濃度領域を形
成し、冷却時にその近傍の粒界にCr炭化物を形
成して粒界を鋭敏化させナイフラインアタツク現
象として知られている如く粒界応力腐食割れ感受
性を高める。かかる観点からNbなどの炭化物形
成元素によつてCを固定する場合においても、C
を或る限界以下に限定する必要がある。本発明者
らの研究によつて明らかとなつたCの許容限界量
は0.02%である。 第2点は、特公昭47−31206号公報記載の方法
においてはNを極めて有害な元素として、これを
Nb、Zr、Ti等によつて完全に固定することが必
須要件の一つになつていると理解されるのに対
し、本発明鋼は固溶Nの存在を許容する観点から
合金設計がなされている。後述の実施例において
示す本発明鋼1は0.062%のNと0.26%のNbを含
有するが、0.062%のNをNbNの形で完全に固定
するためには少なくとも0.41%のNbが必要であ
るからNbに固定されないNが存在することは明
らかである。 固溶のNは従来より粒内応力腐食割れ感受性を
高める有害元素として良く知られているが、粒界
応力腐食割れに関しては本発明者らが用いた応力
腐食割れ感受性評価試験(SSRT試験:Slow
Strain Rate Test)によれば、本発明鋼におい
てはNは総量として0.10%まで許容できることが
明らかになつた。またNの粒内応力腐食割れに及
ぼす効果も最低限に抑制されることが明らかにさ
れた。 この理由の詳細は必ずしも明確ではないが次の
ような理由によると推定している。 1 NはCに比較すると固溶限界が高く粒界鋭敏
化作用が弱いので、粒界応力腐食割れ感受性の
観点からの許容限界が高い。 2 Nの有害効果はNが積層欠陥エネルギーを減
じるために交叉辷りが困難となり、応力下で発
生する辷り帯が粗くなり、応力腐食環境下で継
続的に新成面を発生し、腐食と応力集中を助長
することによつて粒内応力腐食割れ感受性を高
める点にあることが知られている。然るに本発
明鋼においては、微細なNbの炭窒化物が均一
に分散析出しており、これが転位の運動の障壁
となるので光叉辷りを助長し、粗い辷り帯の形
成が抑制されている。即ちNの粒内応力腐食割
れに及ぼす有害効果が微細析出物の存在によつ
て相殺されていると考えられる。 第3点は、特公昭47−31206号公報記載の発明
は溶接などの熱サイクルを受けた場合でもデルタ
フエライトの析出のないことが合金設計の基本思
想の一つになつていると理解される。このこと
は、実施例に示された全発明鋼を第1図に示すド
ウ・ロング組織図で判定するといずれも完全オー
ステナイト域にあることから裏付けられる。一
方、本発明鋼は、溶接性の観点、特に溶接割れ性
の点からC、Nb、Si、PおよびSをそれぞれ
0.02、0.32、1.0、0.015および0.005%以下にきび
しく規制し、かつドウ・ロング組織図において2
〜8%のフエライトを含有することを必須の要件
としており、これらの点でも特公昭47−31206号
公報記載の公知鋼と異なる。 以上に詳述した如く、前記公知鋼と本発明鋼が
本質的に異なる鋼であることは明白である。 以下に本発明の化学成分範囲を限定した理由を
説明する。 Cr:Crは耐食性を維持するために必要不可欠
な合金元素であり、15%未満では十分な耐食性が
得られず、また前述のCr欠乏層の生成をNbでC
を安定化することによつて抑制しているので最大
で22%程度添加すれば十分であるが、後述するよ
うに鋳造後のフエライト量を2〜8%とするため
にNiとの関係から17〜20%とした。 Ni:NiはCrとともに耐食性の維持に必要不可
欠な合金元素であるが、後述するような鋳造後の
鋼中のフエライト量を2〜8%とするために前記
Crとの関係から7〜11%とした。 C:Cは粒界応力腐食割れ性に対して最も有害
な元素であり、低い方が望ましいがNbによる安
定化により0.02%まで許容される。しかし0.02%
を超えるとNbによる安定化効果が十分発揮され
ず粒界応力腐食割れを生ずるおそれがあるので
C0.02%を上限とした。また、溶接割れ性の点か
ら安定化元素であるNbと共存する場合Nb炭化物
となるが、溶接熱サイクル時、地のγ鉄と反応し
て比較的低温(〜1300℃)の共晶液を粒界に生じ
粒界液化によるミクロ割れの原因となる。したが
つて、Cはできるだけ低く規制することが重要で
ある。 Si:Siは製鋼上必要な脱酸剤として使用され
る。また耐粒内応力腐食割れ性の向上には著しい
効果がある。しかし、溶接性の面からは溶接凝固
時粒界に低融点のシリケート膜を形成し、収縮歪
などによりこの部分から割れを発生しやすく割れ
性を高める。くわえて、多量のSiが固溶したNb
と共存すると、粒界にFe−Nb−Siの化合物を作
り割れ感受性増加を大きく促進する。したがつ
て、Si量の上限を1.0%とした。 Mn:Mnは脱酸剤として必要である。通常オー
ステナイトステンレス鋼に含有される2%以下の
Mnは耐応力腐食割れ性に殆んど影響しないので
2%を上限とした。 N:Nは300℃の強度を保証するために必須の
元素であり、その上限は耐粒界応力腐食割れに悪
影響を及ぼさない範囲で上限値は0.10%とした。
この添加量はNbを0.20〜0.32%添加しても完全に
窒化物として固定されなく、かなりのN量が鋼中
に固溶されうるが、これも強度上昇に寄与してい
る。また下限値は(C+N)量で300℃の強度を
確保するに必要最低量は0.045%であり(第2図
参照)、従つてN量の下限値は0.025%とした。な
お、溶接割れ性の点から多量のNがNbと共存す
ると窒化物NbNの生成が激しくなり、これがNbC
と同じような機構でミクロ割れ発生の原因になる
ので上記のような規制を加えた。 Pについては、すでに応力腐食割れ感受性に悪
影響があることを述べたが、溶接性の点からもS
と共にきびしく規制することが必要な元素であ
る。特に、これらは溶接凝固時粒界に偏析し、低
融点化合物を作り易く、溶接金属および母材
HAZ部の割れ性を高めたり、靭性の低下を促進
する。したがつて可及的に少ない方が良い。現在
の製鋼技術を考慮してPおよびSの上限値をそれ
ぞれ0.015%および0.005%とした。 Nb:Nbは前記のように炭化物、窒化物安定化
による粒界応力腐食割れ防止のために添加するも
ので、従来は鋼中に含まれるC量の10倍以上を添
加することが必要であるとされていたが、その量
によつては溶接熱影響部の脆化を生ずることがあ
る。ところがNbの添加によりNbNが粒内に生成
されると、これを核としてNbCNとCr23C6が粒内
に均一に分散し、粒界にCr23C6が析出するのを防
止する結果、粒界および粒内腐食割れ性がよくな
る。一方、溶接性の観点からはすでに述べたよう
に、溶接高温割れ感受性を高める作用をするた
め、応力腐食割れ性・強度などを考慮して必要最
小限にとどめる必要がある。第3図はNbを順次
増加して、その時の溶接高温割れ性、特にHAZ
の粒界液化割れ性を示したものである。割れ試験
はバリストレイント試験(実施例に詳細に述べ
る)で、試片サイズは5.0×40×350mmを使用し
た。Nb以外の各部分の目標(wt%)はC:0.018
%、N:0.06%、Si:0.35%、Mn:1.0%、Ni:
9.5%、Cr:18.5%、P:0.012%、S:0.003%で
ある。なお、試験材は小型10Kg大気溶解材であつ
て、板厚5.0mmまで鍛造・圧延して試験加工した
ものである。割れ試験片の溶接金属部はフエライ
ト量が5%付近の値を示しており、割れはほとん
ど発生していないので、HAZ部の割れについて
のみ観察した。図に示されるようにNbが0.35%
までは全くHAZ割れも無いが、それを越えると
割れが発生し、0.6%以上のものには溶接金属割
れも一部発生している。 上記のように耐応力腐食割れ性と耐溶接割れ性
を勘案し、両特性を同時に満足することが必要で
あり、そのためにはC量を低くして、Nbは0.20
〜0.32%が適当である。 更にCe等のREMは脱硫および脱酸作用を有す
る。その結果、鋼中のS、O等の不純物元素が減
少し、P、S、Oなどの粒界偏析を抑制し耐応力
腐食割れ性を向上させる。而してその効果を期待
するためには0.02%以上の含有が必要である。但
し過剰に含有させると鋼中に介在物として残存
し、耐食性を害するので0.06%以下であることが
必要であり、0.05%程度が最適である。 Ca:CaはREMと同様脱硫および脱酸作用を有
するので応力腐食割れ性に効果がある。その範囲
が0.002〜0.02%である。 Mo、Co:Mo、Coは応力腐食割れ性、特に粒
内応力腐食割れ性に悪影響を及ぼすので鋼中に含
有する量を出来るだけ抑制する必要がある。従つ
てこの悪影響を抑制するためには0.10%以下であ
ることが必要である。 本発明における大きな特徴の一つであるフエラ
イト量について説明する。本発明鋼において鋼中
にフエライト相を存在させる理由は熱間加工性に
影響を及ぼさず、しかも溶接性を改善させること
にある。すなわち溶接部にフエライト相を存在さ
せることにより溶接性が向上するのである。但し
フエライト量が多過ぎると前記のように熱間加工
性に悪影響を及ぼすので鋳造後のフエライト量は
2〜8%であることが必要である。なお上記鋳造
後のフエライト量はCrおよびNiの含有量によつ
て定まるが、この量はドウロング(Delong)の
ダイヤグラムによつて定めることができる。第1
図に鋳造後のフエライト量を2〜8%とするべき
各成分の限定範囲を示した。 次に本発明において、Ni当量とCr当量との関
係を第1図A,B,C,D,E,Fで結んだ直線
で囲まれた範囲とした理由について説明する。 第1図において直線EFは、それぞれの点のNi
当量およびCr当量とから一次式 Ni当量=1.37×Cr当量−12.65 で表わされ、また直線BCは同様にそれぞれの点
のNi当量およびCr当量から一次式 Ni当量=1.39×Cr当量−16.12 で表わされる。従つて第1図のハツチング部は不
等式 1.37×Cr当量−12.65≧Ni当量≧1.39Cr当量 −16.12 で示される範囲の一部となる。 またNi当量、Cr当量の上限および下限は、特
許請求の範囲におけるNiおよびCrの上限および
下限から 21.8≧Ni当量≧17.1 15.6≧Cr当量≧8.3 となり、これらから第1図に示す本発明の範囲が
決定される。 次に本発明を実施例によつて説明する。 表1に本発明鋼1〜3、比較鋼1〜7の成分、
SSRT法による応力腐食割れ試験結果及び300℃
における機械的性質および溶接性試験結果を示
す。SSRT試験は鋼板を600℃で24時間鋭敏化処
理したのち36ppmの酸素を含む300℃の純水中で
行つた。本試験法は、特に粒界応力腐食割れを敏
感に示すものとして知られているが、本発明鋼は
いづれも応力腐食割れが発生していない。また
300℃における引張強さも43.6〜44.9Kg/mm2であ
り、要求される強度レベル(300℃で42Kg/mm2
上)を充分に満たす。 これに対し比較鋼1はCおよびPが高いため、
強度は満足するが応力腐食割れが生ずる。比較鋼
2はPが高く、応力腐食割れが発生しており、ま
たNが低いため強度が不足する。比較鋼3は、P
は充分に低いがCが高く、Nbを含まないので応
力腐食割れを生ずる。比較鋼4〜7はNが適正レ
ベルにあり、強度レベルを満足する上Nb含有量
もCに対して充分に含まれるので、応力腐食割れ
も生じない。しかし後述する如く、Nbが高いの
で溶接性が低下する。 次に溶接性すなわち溶接高温割れ性について述
べる。割れ性の評価にはバリストレイント試験
(Varestraint Test、溶接中強制曲げ歪割れ試
験)を用いた。 第4図は試験板および試験方法の概念図を示す
ものであつて、a図は試験前の試験板形状、b図
は試験機にとりつけて試験溶接中の概念図、c図
は試験後の試験板形状を示す。図中、1は試験
板、2は試験溶接予定位置、3はTIG溶接トー
チ、4は曲率Rを有する曲げブロツク、5は溶接
割れを示す。バリストレイント試験に用いた曲げ
ブロツクの曲率半径Rは100mmであり、5mm厚試
験板の表面付加歪量は2.5%となる。溶接はワイ
ヤなしのTIGビード置き溶接で70A−15V−7.5
cm/min、Arシールド15/minを採用した。試験
後双眼式実体顕微鏡により試験片表面の溶接割れ
発生状況を調べ合計割れ長さを算出し表1に示し
た。さらに、割れ性の評価として板厚40mmの突合
せ継手TIG溶接を行ない、この溶接継手部につい
てJIS−Z−3142に準じた側曲げ試験を行ない溶
接部特に母材HAZの観察を行いその結果を表1
に併記した。溶接条件は250A−15V−10cpmで
Arシールド15/minとし、フイラーワイヤは本
発明鋼3と同一成分のものを用いた。 表1の本発明鋼1、2、3は、バリストレイン
ト試験および40mm厚継手部の側曲げ試験いずれで
も割れの発生は全く認められずきわめてすぐれた
溶接性を示すが、比較鋼1〜7にあつては本発明
鋼と同じすぐれた溶接性を示すのは低P、低Sで
かつNb添加なしの比較鋼3のみである。比較鋼
2はP量が、比較鋼7はS量がそれぞれ規制値を
外れており、比較鋼5はSiおよびNb量が共に本
発明範囲外にあることからバリストレイント試験
で割れがやや発出している。比較鋼1はNbとP
量が、比較鋼4はCとNb量がそれぞれ本発明範
囲外であるが、バリストレイント試験のみでな
く、側曲げ試験でも微小割れが観察されている。
比較鋼6は各成分個々には本発明範囲にあるが、
第1図に示す本発明の範囲に含まれていないため
にバリストレイント試験でも側曲げ試験でもかな
り高い割れ性を示している。
【表】
【表】 以上の説明から明らかなように本発明鋼は高温
高圧水環境、就中軽水炉における再循環用配管等
高温高圧水等の過酷な環境において耐応力腐食割
れ感受性、高温強度等に著しく優れており、また
実用上不可欠な溶接性、特に耐高温溶接割れ性に
優れているので、斯種の用途に極めて有用なステ
ンレス鋼である。 また本発明鋼は高温疲労特性および高温クリー
プ特性にも優れているので延性を必要とする高温
構造材としても使用することができるので産業界
に稗益するところが極めて大である。
【図面の簡単な説明】
第1図はドウ・ロングのダイヤフラム、第2図
は本発明鋼の300℃における耐力と引張強さに及
ぼす(C+N)量の効果を示す図、第3図はNb
量とバリストレイント試験HAZの割れ長さ
(mm)との関係を示す図、第4図はバリストレイ
ント試験の試験板および試験方法の概念図を示す
ものである。 1;試験板、2;試験溶接予定位置、3;TIG
溶接トーチ、4;曲げブロツク、5;溶接割れ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 C0.02%以下、Si1.0%以下、Mn2.0%以下、
    Cr17〜20%、Ni7〜11%、P0.015%以下、S0.005
    %以下、N0.025〜0.10%でかつC+N≧0.045%
    を満し、Nb0.20〜0.32%、残部Feよりなりかつ
    Ni当量およびCr当量が第1図における点A,
    B,C,D,E,Fを結んだ直線で囲まれた範囲
    を満足することを特徴とする高温高圧水環境用オ
    ーステナイトステンレス鋼。 2 C0.02%以下、Si1.0%以下、Mn2.0%以下、
    Cr17〜20%、Ni7〜11%、P0.015%以下、S0.005
    %以下、N0.025〜0.10%でかつC+N≧0.045%
    を満し、Nb0.20〜0.32%にさらにREM0.02〜0.06
    %あるいはCa0.002〜0.02%あるいは双方を含
    み、残部FeよりなりかつNi当量およびCr当量が
    第1図における点A,B,C,D,E,Fを結ん
    だ直線で囲まれた範囲を満足することを特徴とす
    る高温高圧水環境用オーステナイトステンレス
    鋼。 3 鋼中に含まれる不純物としてのMoおよびCo
    がそれぞれ0.10%以下である特許請求の範囲第2
    項記載の高温高圧水環境用オーステナイトステン
    レス鋼。
JP7857978A 1978-06-30 1978-06-30 Austenite stainless steel for high temperature and high pressure water environment Granted JPS5511102A (en)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7857978A JPS5511102A (en) 1978-06-30 1978-06-30 Austenite stainless steel for high temperature and high pressure water environment

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JPS5511102A JPS5511102A (en) 1980-01-25
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