JPS6117463B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、乾燥食品に好適な食品の鮮度保持剤
に関するものである。 鉄族の第一塩、アルカリ性物質、亜硫酸塩およ
び必要な添加剤からなる食品の鮮度保持剤は、そ
の反応により、結晶水を遊離するため、海苔のよ
うな乾燥食品においては、この遊離した結晶水が
乾燥食品に吸収されてしまい、品質を低下してし
まうものであつた。 このため、含水性食品においては、そのまま単
独で用いることができるが、乾燥食品において
は、単独で用いることはできず、乾燥剤を併用し
なければならなかつた。 本発明の目的は、乾燥剤の併用がなくても、単
独で乾燥食品に用いることができる鮮度保持剤を
提供することである。 本発明は、硫酸第一鉄７水塩、水酸化カルシウ
ム等のアルカリ性物質、潮解性物質、亜硫酸塩お
よび必要な添加剤からなる食品の鮮度保持剤であ
る。 本発明で用いる潮解性物質としては、塩化カル
シウム、粗製食塩、塩化マグネシウムが好適であ
る。 なお、潮解性物質の潮解性の度合により、粉砕
または、鮮度保持剤への混合が困難である場合、
混合助剤として無機非反応物質を加えることが可
能である。この場合助剤としては、活性炭、ベン
ドナイト、活性白土、人造ゼオライト等がある。
この混合助剤を同時に粉砕、混合して潮解性物質
の潮解性を低下させ、また粉砕、混合の作業をよ
り容易にすることができる。 本発明の鮮度保持剤の反応は、亜硫酸塩と硫酸
第一鉄７水塩との反応により結晶水を遊離して反
応に必要な水を生成する。例えば亜硫酸ナトリウ
ム７水塩と硫酸第一鉄７水塩との反応は以下の通
りである。 Na₂SO₃・7H₂O＋FeSO₄・H₂O →Na₂SO₄＋FeSO₃＋14H₂O この反応で生成する水を反応開始剤として用うる
ものであるが、この反応開始剤としての水を潮解
性物質が吸着し、水の拡散を防止し、鮮度保持剤
の反応の開始を確実にする。 また本発明でいう必要な添加剤として、鉄粉の
ような金属粉、活性炭のような吸着性物質をい
う。 次に本発明の実施例について説明する。 ＜実施例 １＞ 海苔を精秤し、延伸ポリプロピレンフイルム／
エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物フイルム／
低密度ポリエチレンフイルムからなる袋に充填す
る。次に硫酸第一鉄・７水塩2.95ｇ、水酸化カル
シウム0.79ｇ、亜硫酸ナトリウム・７水塩0.27ｇ
および潮解性物質1.0ｇからなる鮮度保持剤を上
質紙／穴あきポリエチレンからなる通気性袋に充
填し、上記袋に共に充填し密封後、海苔の重量変
化および袋内の酸素濃度を測定した。その結果を
１表に示す。

【表】 表中それぞれの種類の上段は重量増加率
（％）、下段は酸素濃度（％）を示す数値である。 Ａ：潮解性物質がMgCl₂・6H₂Oである鮮度保持
剤 Ｂ： 〃 がCaCl₂・2H₂Oである鮮度保持
剤 Ｃ：潮解性物質が粗製食塩である鮮度保持剤 Ｄ： 〃 のかわりにシリカゲル10ｇを加え
た鮮度保持剤 表１に示されるように、A.B.Cの鮮度保持剤を使
用すれば、重量の増加率は小さく、また酸素濃度
は0.1％以下の良好な結果を示した。 ＜実施例 ２＞ 表２に示される鮮度保持剤を実施例１と同様な
袋に充填し、相対湿度60％の空気200c.c.と共に密
封した。 この時の経時的酸素濃度を測定して、酸素吸収
反応の開始剤として、潮解性物質が効果があるか
どうか試験した。この結果を表３に示す。

【表】 表中の数字はｇ数を示す。また潮解性物質とし
て塩化カルシウム２水塩を用いた。

【表】

【表】 表中の数値は％を示す。 表３に示されるように、潮解性物質も亜硫酸塩
同様、酸素吸収反応の開始剤として使用可能であ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 硫酸第一鉄７水塩、水酸化カルシウム、水酸
   化ナトリウム等のアルカリ性物質、塩化カルシウ
   ム、塩化マグネシウム、粗製食品の中から選ばれ
   た潮解性物質、亜硫酸塩および必要な添加剤から
   なる食品の鮮度保持剤。