JP3169285B2 - 脱酸素剤 - Google Patents

脱酸素剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な脱酸素剤に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の環境湿度依存性脱酸素剤は、鉄粉
などの金属粉とハロゲン化金属などの電解質とを混合し
たもの、あるいは更にこれに活性炭が加えたものであっ
た。しかしこれらの脱酸素剤は、使用する電解質の潮解
性が高いため作業性が非常に悪いという欠点のほかに、
高価な設備が必要となる欠点を有していた。また通常使
用する環境湿度依存性脱酸素剤の包装袋では、鉄錆が包
装袋の表面に滲み出て食品等を汚染し、商品価値を下げ
るという重大な欠点があった。電解質の潮解性を改善し
た環境湿度依存性脱酸素剤用電解質含有体を使用し、鉄
錆の滲み出しを改善したものは従来知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】環境湿度依存性脱酸素
剤において使用する電解質、特に塩化ナトリウムや塩化
カルシウム及び塩化マグネシウムといったハロゲン化金
属は潮解性があるため、鉄粉との混合及び包装袋への充
填時にブロッキングを起こし、充填時の計量、包装作業
等に支障を起こす大きな欠点のほか、脱酸素剤製造時に
既にハロゲン化金属の潮解性によって導かれた水分によ
り、鉄粉の表面の酸化劣化が起こるという欠点を有して
いた。一方、電解質と鉄粉との混合物を包装袋に充填し
た脱酸素剤は、水分活性の高い食品に使用した場合、食
品の保存期間中に食品からの脱酸素剤内部への水分の移
行により、脱酸素剤成分が湿潤化あるいはペースト化し
てしまい、脱酸素能力の低下、更には袋の表面に鉄錆が
滲み出て製品に移行し製品価値を著しく損ずる欠点があ
った。また、金属粉の脱酸素反応時に特異的な異臭が発
生し、食品保存用にこの脱酸素剤を用いた場合には、そ
の異臭が食品に移行し食品の風味をたいへん損なうなど
の欠点を有していた。本発明は、電解質の潮解性の防止
と鉄錆の滲み出し防止を兼ねそなえた新規な脱酸素剤、
及び、さらに脱酸素反応時に発生する臭いの防止を兼ね
そなえた新規な脱酸素剤に関するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題を
解決したもので、(a)鉄粉、(b)電解質、及び
(c)珪酸カルシウムよりなる脱酸素剤、及び(a)鉄
粉、(b)電解質(c)珪酸カルシウム、及び(d)活
性炭よりなる脱酸素剤に関する。
【0005】本発明で使用する鉄粉としては電解鉄粉、
還元鉄粉、噴霧鉄粉、搗砕粉等特に限定されないが電解
鉄粉、噴霧鉄粉、還元鉄粉が好ましい。その粒径は10
6μm以下のものが30重量%以上、好ましくは50重
量%以上、更に好ましくは60重量%以上程度のものが
よい。
【0006】電解質としては、鉄粉の酸化を触媒する水
溶性ものであれば特に制限はないが例えば塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム
等のハロゲン化金属が好ましく、特に塩化カルシウムが
好ましい。
【0007】珪酸カルシウムは特に制限されないが、粒
径は60μm未満のものが50重量%以上、好ましくは
80重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上のも
のがよい。また、その形状は花弁状のものがよい。この
花弁状の形状を構成してなる珪酸カルシウムは、例えば
特公昭60−29643号公報に示される珪酸カルシウ
ムがあげられ、商品名フローライト(徳山曹達製)とし
て市販されている。この特公昭60−29643号公報
に示される珪酸カルシウムは、一般式2CaO・3Si
2 ・nSiO2 ・mH2 O(但しn、mは正の数で、
nは0.1−10)で示されるもので、2CaO・3S
iO2 ・2H2 Oで示されるジヤイロライト型珪酸カル
シウムの生成時にnSiO2 ・mH2 Oで示される無定
形2酸化珪素を含有してなるものである。
【0008】本発明においては、(a)鉄粉、(b)電
解質、及び(c)珪酸カルシウムを単に混合するだけで
もよいが、電解質を珪酸カルシウムに含浸させた電解質
含有珪酸カルシウムを鉄粉と混合したほうが電解質の潮
解性の改善、及び均一混合という点で好ましい。この電
解質含有珪酸カルシウムは顆粒状のものでも粉末状のも
のでも使用できるが、粉末状のものが好ましい。その粒
径は2mm以下、好ましくは1mm以下、更に好ましく
は0.5mm以下程度がよい。
【0009】電解質含有珪酸カルシウムは、所定量の電
解質の溶液に珪酸カルシウムを加えて混合し、ペースト
状にしたものを60℃以上、好ましくは80℃以上、さ
らに好ましくは100℃以上で乾燥することにより得ら
れる。電解質含有珪酸カルシウム中の電解質の量は、充
填作業性(粉舞い)及び吸湿性によるペースト化あるい
はブロッキングの傾向から5−90重量%、好ましくは
20−85重量%、更に好ましくは30−80重量%の
範囲である。所定量の電解質の溶液とは、珪酸カルシウ
ムと電解質が均一に混合される条件であれば電解質の濃
度及び水溶液の量には特に制限はない。またこれは水溶
液であればなんら問題はなく、乾燥を早めるためにアル
コール等の親水性溶剤と水の混合溶媒の溶液として添加
してもよい。
【0010】本発明の脱酸素剤には脱酸素反応時に発生
する臭いを防止するため、さらに活性炭を添加してもよ
い。活性炭は、無水のものでも含水のものでも使用で
き、取扱上粉体の飛散を防ぐためには含水のものが好ま
しい。また顆粒状のものでも粉末状のものでも使用でき
るが、粉末状のものが好ましい。粉末状のものを使用す
る場合、その粒径は0.2mm以下、好ましくは0.1
5mm以下のものがよい。また、含水活性炭を使用する
場合、その含水量は10−70重量%、好ましくは20
−65重量%、更に好ましくは30−60重量%の範囲
である。
【0011】本発明において、鉄粉、電解質、及び珪酸
カルシウムの使用割合は鉄粉100重量部に対し電解質
0.01−10重量部、好ましくは0.05−5重量
部、さらに好ましくは0.1−4重量部、珪酸カルシウ
ム0.01−10重量部、好ましくは0.05−5重量
部、さらに好ましくは0.1−4重量部程度である。ま
た、電解質含有珪酸カルシウムを使用する場合、鉄粉1
00重量部に対し電解質含有珪酸カルシウムは0.01
−10重量部、好ましくは0.05−5重量部、さらに
好ましくは0.1−4重量部添加する。活性炭を使用す
る場合、その使用割合は鉄粉100重量部に対し0.0
1−2重量部、好ましくは0.05−1.5重量部、さ
らに好ましくは0.1−1重量部程度が適当である。
【0012】混合方法としては、V型混合機やダブルコ
ーンミキサー等の混合機を用いて混合すればよい。混合
物を粉末自動充填機を使い、通常の脱酸素剤用の包装袋
に充填すれば、本発明の脱酸素剤ができる。
【0013】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を具体的に説明
する。 実施例1 粒径60μm未満のものが98重量%以上の珪酸カルシ
ウム粉末(徳山曹達製フローライトR)1gに10%塩
化カルシウム水溶液20mlを添加し、よく混合後、1
80℃で乾燥した後に粉砕、篩過し粒径0.35mm以
下の電解質含有珪酸カルシウムの粉体を得た。これを粒
径106μm以下のものが60重量%以上の鉄粉100
gとよく混合し、この3gを片面が不織布、片面が酸素
不透過性フィルムよりなる包材に入れ、水3mlを含浸
させた脱脂綿と共に、1000mlの密閉容器内に封
じ、25℃下で容器内の酸素濃度を測定したところ、2
4hr後の酸素濃度は0%であった。また残りの混合物
をビーカーに入れ、大気中に放置し、混合物の外観を経
時的に観察したところ、24hr後には表面が若干酸化
されて赤身を帯びていたが、吸湿によるペースト化やブ
ロッキング化は見られず、流動性に変化は全く見られな
かった。
【0014】実施例2 粒径60μm未満のものが98重量%以上の珪酸カルシ
ウム粉末(試薬特級)1gに10%塩化カルシウム水溶
液20mlを添加し、よく混合後、180℃で乾燥した
後に粉砕、篩過し粒径0.25mm以下の電解質含有珪
酸カルシウムの粉体を得た。これを粒径106μm以下
のものが60重量%以上の鉄粉100gとよく混合し、
この3gを片面が不織布、片面が酸素不透過性フィルム
よりなる包材に入れ、水3mlを含浸させた脱脂綿と共
に、1000mlの密閉容器内に封じ、25℃下で容器
内の酸素濃度を経時的に測定したところ、24hr後の
酸素濃度は0%であった。また残りの混合物をビーカー
に入れ、RH60%、25℃の恒温恒湿槽に放置し、混
合物の外観を経時的に観察したところ、24hr後には
表面が若干酸化されて赤身を帯びていたが、流動性に変
化はなくペースト化も見られなかった。48hr後には
表面に部分的にブロッキング化が見られ、全体に赤身を
帯びて酸化が進んだことが確認されたが、ペースト化は
見られなかった。
【0015】実施例3 塩化カルシウムと珪酸カルシウム粉末(徳山曹達製フロ
ーライトR)の割合が、表1のようになるように塩化カ
ルシウム溶液に粒径60μm未満のものが98重量%以
上の珪酸カルシウムを加えよく混合し、180℃で乾燥
後、粉末になるまで粉砕、篩過し粒径0.25mm以下
の電解質担持珪酸カルシウム粉末を得た。これらを鉄粉
100重量部に対し、塩化カルシウムが1重量部となる
ように粒径106μm以下のものが60重量%以上の鉄
粉に添加混合し、充填機に於ける充填適性をみた。結果
は表1に示した。また、これらの混合物を片面が不織
布、片面が酸素不透過性のフィルムからなる包材(外寸
法50×45mm)に3g封入し、脱酸素剤を得た。得
られた脱酸素剤を水3mlを含浸させた脱脂綿と共に、
空気容量1000mlのガスバリヤー性ナイロンフィル
ムに密封して、25℃下で24時間後のフィルム内の酸
素濃度をそれぞれ測定したところ全て0%であった。
【表1】 表1 珪酸カルシウム と塩化 塩カル担持珪酸 カルシウム の比率 カルシウム の量 ※ 充填適性 2 : 1 3重量部 粉舞いが多いが充填は可能 2 : 2 2 粉舞いはかなり少ない 2 : 3 1.67 充填に適している 2 : 4 1.5 同 上 2 : 5 1.4 同 上 2 : 6 1.33 若干吸湿が見られるが充填は可能 ※ 鉄粉100重量部に対する塩化カルシウム担持珪酸カルシウムの量
【0016】実施例4 粒径106μm以下のものが60重量%以上の還元鉄粉
100gに対し、珪酸カルシウムと塩化カルシウムの比
率が2:3である粒径0.25mm以下の塩化カルシウ
ム含有珪酸カルシウム粉末を1g添加しよく混合し、片
面が不織布、片面が酸素不透過性のフィルムからなる包
材(外寸法50×45mm)に3g封入し、脱酸素剤を
得た。得られた脱酸素剤を水3mlを含浸させた脱脂綿
と共に、空気容量1000mlのガスバリヤー性ナイロ
ンフィルムに密封して、25℃下でフィルム内の酸素濃
度の変化を測定した。結果を表2に示した。また、同じ
ものを用いて湿潤ガーゼの上に、不織布面がガーゼと接
触するように脱酸素剤を置き、不織布表面の錆の染みだ
しの状況を経時観察した結果を表3に示した。
【表2】 表2 経過時間 15hr 20hr 25hr 本発明 5.5% 0.78% 0%
【表3】 表3 日 数 3 日 10日 20日 本発明 0/5 0/5 0/5 注:錆の染みだし個数/サンプル数
【0017】実施例5 粒径106マイクロm以下のものが60重量%以上の還
元鉄粉100gに対し、珪酸カルシウムと塩化カルシウ
ムの比率が2:3である粒径0.25mm以下の塩化カ
ルシウム含有珪酸カルシウム粉末を1g添加した後に、
さらに粒径0.15mm以下の活性炭を添加、混合し脱
酸素反応時に発生する異臭の有無と混合物に於ける活性
炭の分級度について試験した。その結果を表4に示し
た。
【表4】 表4 活性炭の添加量(g) 異臭の有無 活性炭の分級度 1.無水活性炭 0 反応臭有り − 0.1 反応臭やや有り 分級少ない 0.2 反応臭無し 同 上 0.5 同 上 同 上 0.6 同 上 同 上 1.0 同 上 やや分級が多い 2.0 同 上 分級ひどい 2.50%含水活性炭 2.0 反応臭無し 分級少ない 3.0 同 上 分級ひどい
【0018】
【発明の効果】以上で製造された脱酸素剤を使えば、脱
酸素反応後の錆の滲み出しもなく、又活性炭を使用する
と反応時に発する臭気も抑制する。本発明の完成によ
り、食品等への錆の汚染もなく、種々の意義高い効果を
奏するものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)鉄粉及び(b)電解質の量が5〜9
    0重量%である電解質含有珪酸カルシウムよりなる脱酸
    素剤。
  2. 【請求項2】(a)鉄粉、(b)電解質の量が5〜90
    重量%である電解質含有珪酸カルシウム及び(c)活性
    炭よりなる脱酸素剤。
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