JPS6117451B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、コンバインに搭載の脱穀機又は定置
式の脱穀機における脱穀物の揺動選別に際して、
その選別性能を、脱穀機への穀稈の送り込み等の
状況に合せて自動的に調節する装置に関するもの
である。

一般に脱穀機において扱室のクリンプ網から漏
下する脱穀物の量は、脱穀作業が連続的に行なわ
れている定常状態のときが最も多く且つ略一定で
あるため、クリンプ網の下方に位置して該クリン
プ網から脱穀物を稈切れ等を除き穀物のみが流下
するように選別するチヤフシーブは、前記のよう
に脱穀作業が行なわれている定常状態に合せて選
別性能を設定している。しかし、脱穀機に穀稈が
送り込まれて脱穀が始まるときから前記定常状態
に至るまでの間及び、穀稈列の最後尾が扱室を通
してから扱室の脱穀物が完全になくなるまでの間
は、脱穀物の量が少ないばかりか、脱穀物中に可
成り多くの稈切れ等を含んでいるので、選別性能
を前記のように定常状態に合せて設定したチヤフ
シーブでは、前記脱穀開始及び脱穀終りの過度期
において脱穀物が稈切れ等が選別されないまゝこ
れを通過し、穀物への稈切れ等の混入が多くなる
のであつた。

本発明は、クリンプ網の下方に位置するチヤフ
シーブを横桟式とすると共に、該チヤフシーブの
各横桟間の開きを可変に構成し、該各横桟間の開
きを、フイードチエンにその搬送方向に沿つて設
けた２つの穀稈検出センサーによつて、脱穀開始
及び脱穀終りにおいて定常状態よりも自動的に縮
少するように構成して、前記の欠点を解消したも
のである。

次に本発明を自走自脱型のコンバインにおける
脱穀機に適用した場合の実施例図面について説明
するに、図において１は一対の走行クローラ２に
て支受された機体で、その上面にはフイードチエ
ン３を有すする脱穀機４が搭載されている。５は
前記１の前部に油圧シリンダ６にて上下昇降する
ように取付けた穀稈刈取前処理部で、該前処理部
５で刈取られた穀稈は縦搬送装置７に受け継がれ
たのち、前記フイードチエン３に搬送するように
構成され、フイードチエン３の終端は、脱穀機４
の後部に排藁処理部ま延びているが、フイードチ
エン３の終端を脱穀機４の後部までとし、フイー
ドチエン終端と排藁処理部との間に排藁チエンを
設けても良い。

前記脱穀機４において扱胴１０を内蔵した扱室
９の下部には排塵口１１を除いてクリンプ網１２
が張設され、その下方にはリンク３にて支持され
た揺動選別機構１４が設けられている。該選別機
構１４は左右側板１５，１５、その前部間に設け
たフイードパン１６及び後部間に設けた流穀板１
７とからなり、クリンプ網１２の中途部から排塵
口１１にかけての下方には可動チヤフシーブ１８
を、排塵口１１の下方には固定式のチヤフシーブ
１９を、固定チヤフシーブ１９の後部に先端が排
塵フアン２０の方向に延びる篩線２１を、そして
両チヤフシーブ１８，１９の下部には選別網２２
を各々備え、選別機構１４の下方には、選別網２
２に向つて風を吹き出す唐箕フアン２３、流穀樋
２４付き一番スクリユーコンベヤ２５及び流穀樋
２６付き二番スクリユーコンベヤ２７が配設され
ている。

前記可動チヤフシーブ１８は、両側板１５，１
５間の略中心部にその長手方向に沿つて装架した
断面下向きコ字状の梁部材２８と、該梁部材２８
の左右両側面と両側板１５，１５との間に挿入し
た復数本の横桟２９とからなり、各横桟２９の両
端を前記梁部材２８の側面及び両側板１５，１５
内面に固着のブラケツト杆３０，３０に各々回動
自在にピン３１，３１枢着し、各横桟２９の内端
にはピン３２，３２を各々突設し、該各ピン３
２，３２を梁部材２８内にその長手方向に摺動可
能に配設した連動杆３３に回動自在に各々係合
し、連動杆３３の摺動によつて各横桟２９の傾斜
角（θ）を一斉に調節できるように構成する一
方、連動杆３３に連結した操作軸３４を、選別機
構１４の前端部に固着した２つのソレノイド３
５，３６内に挿入し、一方のソレイド３５の励磁
によつて操作軸３４及び連動杆３３が左摺動して
各横桟２９の傾斜角（θ）が一斉に小さくなり、
他方のソレノイド３６の励磁によつて操作軸３４
及び連動杆３３が右摺動して各横桟２９の傾斜角
（θ）が一斉に大きくなるように構成する。

そして、前記フイードチエン３には２つの穀稈
検出用センサー３７，３８を、穀稈の搬送方向に
適宜間隔を隔てて、すなわち一方のセンサー３７
をフイードチエン３の始端部寄りに、他方のセン
サー３８をフイードチエン３の終端部寄りに設
け、一方のセンサー３７における常開スイツチ３
９、他方のセンサー３８における常開スイツチ４
０及び常閉スイツチ４１を、第７図に示すように
前記両ソレノイド３５，３６への回路中に挿入
し、一方のセンサー３７又は他方のセンサー３８
が穀稈を検出しているとき一方のソレノイド３５
が励磁し、両方のセンサー３７，３８が同時に穀
稈を検出したとき、他方のソレノイド３６が励磁
するように構成して成るものである。

この構成において、刈取前処理部５から縦搬送
装置７を経てフイードチエン３に送られた穀稈
は、フイードチエン３によつて扱室９内に扱胴１
０に沿つて順次送られる途次脱穀操作が施され、
扱室９のクリンプ網１２より漏下する脱穀物は、
フイードパン１６及び可動チヤフシーブ１８上に
落下し、フイードパン１６上から揺動運動でチヤ
フシーブ１８上に送られ、チヤフシーブ１８にて
各横桟２９の間から軽るい稈切れ等と穀物とに選
別されつつ穀物が選別網２２に落下し、当該選別
網２２上において唐箕風によつて稈切れ等の塵埃
が排塵フアン２０に吸引されるように風選別さ
れ、流穀樋２４を介して一番スクリユーコンベヤ
２８に至つて機外に送り出される一方、クリンプ
網１２を漏下し得なかつた大きな排塵等は、扱室
９の排塵口１１からその下部の固定チヤフシーブ
１９上に落下し、その揺動運動及び唐箕風にて順
次篩線上に送られる途次、籾の付いた重いものは
二番スクリユーコンベヤ２７に至つて図示しない
還元スワローにて扱室９内に還元され、軽るいも
のは篩線２１の先端部から排塵フアン２０に吸い
込まれたり、或いはそのまゝ機外に排出されるの
である。

そして、コンバインによる刈取り始めに刈取ら
れた穀稈列の最前端がフイードチエン３を経て扱
室９に送り込まれて脱穀作業が開始するときか
ら、定常状態に移るまでの間は、クリンプ網１２
から漏下する脱穀物は少ないと共に、稈切れ等が
多い状態が続くことになり、また、コンバインに
よる刈取り終了時において、穀稈列の最後端が扱
室９を通過した脱穀終りから以降も脱穀物は少な
くなると共に稈切れ等が引続く二番還元によつて
多い状態がしばらく続くことになるが、刈取つた
穀稈列の最前端がフイードチエン３に受け継が
れ、これに設けた一方のセンサー３７に接当して
その常開スイツチ３９をONにし、脱穀されなが
ら搬送されて他方のセンサー３８に接当するまで
の間は、他方のセンサー３８における常閉スイツ
チ４１にて一方のソレノイド３５が励磁状態に保
たれているから、チヤフシーブ１８における各横
桟２９の傾斜角（θ）は小さくなつており、穀稈
列の最前端が他方のセンサー３８に接当すれば、
その常開スイツチ４０のON及び常閉スイツチ４
１のOFFによつて、一方のソレノイド３５に代
つて他方のソレノイド３６が励磁するから、チヤ
フシーブ１８における各横桟２９傾斜角（θ）は
大きくなり、そして、刈取終了時に穀稈列の最後
端が一方のセンサー３７箇所を通り過ぎればその
スイツチ３９のOFFによつて他方のソレノイド
３６に代つて一方のソレノイド３５が励磁するか
らチヤフシーブ１８における各横桟２９の傾斜角
（θ）は小さくなる。

すなわち、本発明においては、穀稈列の最前端
が一方のセンサー３７箇所を通り過ぎ他方のセン
サー３８箇所に至るまでの間及び穀稈列の最後端
が一方のセンサー３７箇所を通過したあとにおい
て、チヤフシーブ１８における各横桟２９の傾斜
角（θ）は小さく、穀稈列が両センサー３７，３
８接当するように連続的に送られているときは、
チヤフシーブ１８における各横桟２９の傾斜角
（θ）は大きくなるというように、脱穀機に送り
込まれる穀稈によつて自動的に調節されるから、
穀稈の搬送方向に沿つて設けた両センサー３７，
３８の間隔を、その間を穀稈が通過する時間内に
脱穀始めから定常の脱穀状態になるように設定す
ることにより、チヤフシーブにおける各横桟は、
脱穀開始及び脱穀終りには、その間隔を挟めて脱
穀物が少なくて稈切れ等の比率が多くなる場合の
選別に適合し、その間の定常の脱穀状態では間隔
を前記脱穀始め及び脱穀終のときよりも広げて多
い脱穀物の選別に適合することになる。

従つて本発明によれば、チヤフシーブの選別性
能を、脱穀始めから終了までの全域について同じ
状態に自動的に調節できるから、稈切れ等を完全
に選別できるのであり、しかも、本発明は脱穀機
への送り込まれる穀稈を２つのセンサーで検出し
て、チヤフシーブにおける各横桟を脱穀状態に合
せて自動的に調節するものであるから、その制御
機構の構造が著しく簡単になると共に、両センサ
ーの取付け位置の移動調節によつて、チヤフシー
ブにおける各横桟の調節時期を任意に且つ至極簡
単に変更設定できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図はコンバ
インの側面図、第２図はその平面図、第３図は脱
穀部の断面図、第４図は第３図の要部拡大図、第
５図は第４図の−視断面図、第６図は第４図
の−視断面図、第７図は回路図である。 ４……脱穀機、３……フイードチエン、９……
扱室、１０……扱胴、１２……クリンプ網、１４
……揺動選別機構、１８……チヤフシーブ、２９
……横桟、３５，３６……ソレノイド、３７，３
８……センサー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 脱穀機における扱室の下部に位置する揺動選
   別機構に、扱室におけるクリンプ網の下方位置に
   傾斜断面の横桟を多数配設してチヤフシープを設
   け、該チヤフシープの各横桟の傾斜角を可変とす
   る一方、脱穀機における穀稈搬列にはその搬送方
   向に適宜間隔を隔てて２つの穀稈検出センサーを
   設け、該両センサーのうちいずれか一方のセンサ
   ーが穀稈を検出しているときのみ前記各横桟の傾
   斜角を小さくすべく構成したことを特徴とする脱
   穀機の選別自動調節装置。