JPS6117430Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電子回路部と電気・機械変換器を有
する電子時計の電気的接続に関するものである。
電子時計における電子回路部と電気・機械変換器
（以下変換器と呼ぶ）とは容易に着脱可能で、し
かも確実に電気的接続を行なう必要があり、本考
案は、この電気的接続を、電子回路の回路基板と
変換器のコイルリード基板との間に異方性導電部
材を設けることにより達成しようとしたものであ
る。以下に従来の実施例と本考案の実施例を比較
して詳細に説明する。

第１図は、従来の実施例を示す平面図と断面図
である。第１−Ａ図、第１−Ｂ図において、１は
変換器であるステツプモーターのステーター、２
はコイルコアで、両者はそれぞれ重ねて地板３に
打込まれた固定軸４に案内され、ネジ６によつて
締着される。５はコイルである。回路基板７は、
一面に導体パターン８を有し、導体パターン上に
は、樹脂封止されたIC９を装着している。IC
は、ICチツプ９ａとICリード板１２によつて構
成されている。このICリード板の一端をバネに
し、コイルの端末を接続しているコイルリード基
板１０の導体パターン１１上に押圧することによ
り、電子回路部（IC）からの電気信号をコイル
に伝達し、変換器を駆動する。この実施例によれ
ば、回路基板とコイルリード基板との導通を確
実にするためICリード板の一端をバネにするた
めに、広いスペースが必要となる。ICリード
板とコイルリード基板の対向する導体パターンの
正確な位置管理が必要になる。そのため隣接す
る導体パターン間の隙間が広くなる。等の欠点を
有している。又、他の従来の実施例としては、コ
イルリード基板をフレキシブル基板にして、回路
基板とはネジピンとネジによつて締着接続する方
法もあげられるが、その方法は、回路基板とコ
イルリード基板接続のために、ネジピン２本、ネ
ジ２本を要し、部品点数が増す。ネジ使用のた
めに平面スペースが大きくなる。コイルリード
基板がフレキシブルであるために不安定で、コイ
ル端末部で線切れの不安がある。コイルリード
板がフレキシブルのため、組立時に位置決めが不
安定でネジ締め作業が困難である。というような
欠点を有していた。

本考案は、上述の欠点を除去しようとしたもの
で、第２図によつて説明する。１はステーター、
２はコイル５のコイルコアで、両者は地板３に植
立された固定軸４に回路基板７とともに装着され
る。１０はコイルリード基板でコイルコアに固着
され１部にコイルの端末を有する。コイルリード
基板は上面に導体パターン１１を有する。１３は
異方性導電部材より成るリングで、導体パターン
１１上に載置し、更にその上面に第２−Ｂ図の如
くに延長された回路基板７の導通パターン８に接
続する。回路基板にはIC９（ICチツプ９ａ）の
他、いくつかの回路素子を装着している。異方性
導電部材とは、例えば、シリコンゴムシートの中
に金属繊維を方向性をもつて植え込んだもので、
厚み方向は導通するが平面方向は絶縁されている
というもので、既に周知のとおりである。従つ
て、回路基板の導体パターンとコイルリード基板
の導体パターンのそれぞれ対抗するパターンを平
面的に交差した部分のみが電気的接続される。異
方性導電部材、コイルリード基板、回路基板はネ
ジ６によつてそれぞれ押圧されている。又、異方
性導電部材であるシートの圧縮変形量は、回路基
板７に打込み固定され、固定軸４が接続する中空
部１４ａと、コイルリード基板１０に当接する度
決め部１４ｂを備えたブツシユ１４によつて、決
定されるため、常に一定に保たれている。

本考案は上述のとおりであつて、対向する導
体パターンの一部が平面的に交差させるだけで良
く、パターン設計が容易で、スペースも小さくで
きる。異方性導電部材のベースが弾性体である
ゴムのため、関係部品の寸法のバラツキを吸収で
き、また形状がリング状のため導体パターンとの
接続が平均的に行なわれると共に、ブツシユに嵌
合されているため位置の精度も高められ確実な接
続が得られる。隣接する導体パターンの間隙が
狭くてもシヨートの心配が無い。回路基板に固
定されたブツシユに度決め部を備えて異方性導電
部材の圧縮変形量を決めているために接触圧が安
定する。等の長所を有している。しかも設計、製
造も容易で、本考案の目的を格別の難しさもなく
達成できる。本考案は電子時計の如くの超小型機
器の導通接続には特に効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１−Ａ図は従来の実施例の平面図。第１−Ｂ
図は第１−Ａ図の断面図。第２−Ａ図は本考案の
実施例を示す平面図。第２−Ｂ図は第２−Ａ図の
断面図。 １……ステーター、２……コイルコア、３……
地板、４……固定軸、５……コイル、６……ネ
ジ、７……回路基板、９……IC、１０……コイ
ルリード基板、１２……ICリード板、１３……
異方性導電部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 地板上面にステーター、コイルコア及び回路基
   板を積層すると共に、前記地板に植立した固定軸
   を前記ステーター、コイルコア及び回路基板の
   各々に貫通させネジ固定することにより前記ステ
   ーター、コイルコア及び回路基板を地板に固定し
   てなる電子時計の変換器接続構造において、前記
   回路基板面上に配置された２つの導体パターンに
   各々対向する位置に２つの導体パターンを形成し
   てなりコイルコア上に固着されるコイルリード基
   板、前記回路基板の導体パターンと前記コイルリ
   ード基板の導体パターンの間に配置され厚さ方向
   に導電性を有するリング状異方性導電部材、前記
   回路基板に固定され前記異方性導電部材が嵌合す
   るブツシユとを有し、前記ブツシユは前記固定軸
   が貫通する中空部と、前記コイルリード基板に当
   接して前記異方性導電部材の圧縮変形量を決定す
   る度決め部とを備えたことを特徴とする電子時計
   の変換器接続構造。