JPS61173029A - 電子レンジ用加熱容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子レンジを周込たマイクロ波による加熱の
際に、極力−突沸を防止しながら、内容物を均一かつ効
率的に加熱できる電子レンジ用加熱容器に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

電子レンジには、ガスレンジやオーブンでの使用の際に
要求されるよりはずっと耐熱性の低い容器が使用できる
こと、短時間で加熱できること、内容物がこげないこと
及び使い易いこと等積々の利点があるので、家庭用はも
とより商業用、工業用に、広く加温、調理等積々の用途
に用いられる又電子レンジによる再加熱や調理を前提と
した各種即席食品が販売されるに至っている。

電子レンジで食品を加熱する場合、食品を電子レンジの
金属製のキャビティー内におき、その壁面にある照射口
よりマイクロ波を照射すると、マイクロ波は壁面の金属
によって反射されるので、食品は上下左右からマイクロ
波の照射を受け、全体が加熱される。

ところが実際には、例えば第６図に示すような形状の容
器１に液状の食品２を入れてこれを電子レンジで加熱す
ると、以下のような現象が発生する。

即ち、容器１及び食品２の上面（液面）が接触する部分
３は、上面及び側面の三方からのマイクロ波ａ及びｂの
照射を受けることになるが、容器１内の他の部分では、
食品２は上面或いは側面の何れか一方からしかマイクロ
波（ａ或いはｂ）を受けない。この場合、容器１及び食
品２の接触する部分３のみが過度に加熱され、この部分
で沸騰が起こる。一方、容器１内の他の部分、特に容器
下部の昇温が著しく遅れることになり、その結果食品は
均一に加熱されない。

従来、上記の問題の解決策としては、食品が過度に加熱
される部分の容器の外側にアルミ箔を被覆することが行
なわれている。これは、マイクロ波がアルミ箔に当たる
と反射するので、この部分でマイクロ波の透過を防いで
食品の加熱を緩慢にするためである。さらにこの技術を
利用して種々の改良が行なわれている。例えば、実公昭
５１−２３６７号には、蓋の外面又は内面にマイクロ波
を反射する金属皮膜を設け、かつ容器の底部にマイクロ
波を吸収する抵抗皮膜とを設けた茶わん蒸し器が開示さ
れている。又、実開昭５８−１８９７９５号及び特開昭
５６−３２２６１号には、パッケージの側面にマイクロ
波を遮断する部材を設けた食品パッケージが開示され、
特開昭５４−１２６７４３号には、加熱されやすい食品
の程度に応じて、食品の周囲を金属箔で被覆することが
記載されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記の方法は、全て、容器或いは内容物
の多くの部分にわたってアルミ箔等の金属を密着させて
被覆している。従って、必要以上にマイクロ波が遮断さ
れてエネルギー損失が大きくなり、内容物の昇温が著し
く遅れることとなる。

また、食品が金属を被覆した部分で未加熱となり易く、
このために均一加熱ができない場合がしばしば発生する
。

従って、本発明は、局部的な過熱を防止し、内容物を均
一かつ効率的に加熱できる電子レンジ用加熱容器を提供
することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明者らは研究の結果、内容物を収容する容器本体に
於ける内容物上面が容器本体の側面と接触する部分の近
傍にマイクロ波遮断層を設けることが、内容物の部分的
な過熱及び突沸の防止に最も効果があり、少なくとも上
記の位置に遮断層を設けることによって内容物の突沸を
防止し、エネルギー損失を極小にして内容物を極めて効
率的に加熱できることを見出した。

すなわち、本発明は、マイクロ波遮断層を、内容物を収
容する容器本体に於ける内容物の上面が容器本体の側面
と接触する部分を覆う位置に設けたことを特徴とする電
子レンジ用加熱容器を提供する。

本発明の容器は、スープ、おしるこ、煮物、各種医薬品
等積々のものを収容できるものである。

該内容物を収容する容器本体は、マイクロ波を透過し、
かつ電子レンジの加熱に耐えろる耐熱性材料（１００℃
で溶けないもの）でつくられる。例えば、ポリエチレン
、ポリプロピレン、ポリカポ、＊−）、ｆ−リスルフォ
ン、ポリフェニレンオキサイド、ポリエステル、ナイロ
ン、紙及び前記ポリマーをコーティングした紙などが好
適に使用される。尚、容器本体は、内容物をあらかじめ
充填し、後記する容器の蓋で密封した一体型の容器とす
ることもできるが、容器の蓋をとりはずし可能な形態と
すると、内容物として固型、粒状、粉状及びペースト状
等のものを入れておき調理の際に蓋を開けて水又は湯を
そそいでから調理できるので好ましい。

マイクロ波遮断層は、マイクロ波を透過しないアルミニ
ウム、ニッケル、クロム、鉄、亜鉛、スズやこれらの合
金などの金属材料からなる。上記マイクロ波遮断層は、
適当な手段によって、内容物の上面が容器本体の側面と
接触する部分を覆う位置に設けられる。ここで、内容物
の上面と容器本体の側面との接点とは、内容物を電子レ
ンジで加熱する際の内容物の上面と容器本体の側面とが
接触する箇所の意味である。従って、マイクロ波遮断層
は、前記接点付近を覆うように、例えば、前記接点を間
にはさみその上下方向にマイクロ波遮断層を設けたり、
又はマイクロ波遮断層の上端又は下端が前記の接点に接
するように設けられる。

この際、内容物を収容する容器本体における内容物が容
器本体の側面と接触する部分の下部の少なくとも１８％
、好ましくは３５％を残して、容器本体の側面をマイク
ロ波遮断層で覆うのが、突沸防止、均−加熱及び加熱効
率向上効果を総合的に向上させる点から望ましい。更に
、マイクロ波遮断層を均一の幅とし、容器の側面に同心
円状に設けることによって、前記内容物上面と容器本体
の接点付近の内容物に対するマイクロ波の影響を均一に
して、内容物を均一加熱でき、同時にこの場合は、遮断
層を容器に設けるときに加工し易く、容器を工業生産す
る上で有利である。そして、容器の深さが例えばｌＱ＋
ｎｍ〜１７０胴の場合に、遮断層の幅を３〜５５ｍｍ、
好ましくは５〜４５印とすることによって、高い加熱効
率及び均一加熱を達成しなから突沸を防止する効果が総
合的に更に向上する。尚、容器の深さが浅い場合には上
記の数値範囲内でも小さな数値を用いて、一方、容器の
深さが深い場合には上記の数値範囲内でも大きな数値を
用いて、遮断層の幅を決定することができる。又、容器
の深さが、例えば１０〜５０關程度と浅い場合には、内
容物の上面と容器本体の側面との接点の上下方向を覆う
位置に、マイクロ波遮断層を容器本体側面に設けるのが
、突沸防止、均一加熱、加熱効率を総合的に向上させる
ので好ましい。このマイクロ波遮断層は、容器本体側面
の内側又は外側に設けられるもので、その設置は任意の
方法によることができる。例えば、容器本体構成部材に
上記金属の薄膜を接着、ラミネートしたり、金属蒸着或
いは金属印刷等の手段により設けることができるが、容
器側面のその部分全体を金属材料で構成することもでき
る。

上記のように、本発明においては、容器本体の側面のみ
にマイクロ波遮断層を設けるのが、突沸防止、均−加熱
及び加熱効率の点から好ましいが、加熱効率を一部犠牲
にして、突沸防止、均一加熱の一層の向上を図るために
は、容器本体の上方開放部を覆う蓋にマイクロ波遮断層
を設けることができる。この場合には、蓋の上面の面積
の８５％以下の面積を占めるようにマイクロ波遮断層を
設けるのが好ましく、又容器側面に設けられたマイクロ
波遮断層との間に、電子レンジでの使用時にスパークが
生じないように、間をあけて、例えば７　ｍｍ隔して設
けるのがよい。

本発明においては、さらに内容物を煮沸又は蒸煮する場
合、電子レンジでの加熱による容器内の圧力増加を防止
したり、蓋をすらないようにするために、蓋に開孔部を
設けることもできる。開孔部の構造として、容器内の圧
力が高まった時に剥離する程度の接着剤のついたシート
で該開孔部を覆ったり、蓋の上面又は下面にポリエチレ
ンなどの易破壊性の薄いフィルムを貼り合わせて、開孔
部をふさいだ構造などとすると内部圧力の調整とともに
衛生上等の要求も満たされるので好ましい。

一方、内容物として固型又は粒状のものをあらかじめ充
填しておき、電子レンジで加熱する前に水や湯などを入
れる場合などのために最終液面を示すための印を容器内
に設けておくこともできる。

本発明の容器は円錐形、円筒形、立方体形等積々の形と
することができるが、立方体の様に鋭角な箇所が存在せ
ず、すべて曲面による形態とするのが内容物過熱防止の
点から好ましい。そして、本発明の容器は、真空成形、
圧縮成形、インジェクション成形等公知の成形方法によ
り容易に製造される。

本発明の容器は、基本的に上記の構成を有するものであ
るが、本発明の範囲内で種々の変形を行なうことができ
る。

〔実施例〕

以下図面を参照して、本発明の実施例につき説明する。

第１図は本発明の容器の断面図を示すものであり、直径
３５ｍｍ、高さ７Ｑｍｍの円筒状容器１１の中に６０玉
の深さに内容物１２を収容し、内容物１２の上面が容器
本体１３の側面と接触する箇所１４から、１４を中心と
して上下方向（ｈ１＝’２５ｎ＋ｍ）にマイクロ波遮断
層１５が設けられている。このマイクロ波遮断層１５は
、ステンレススチールで形成されており、容器本体の内
壁に、接点１４を取り囲む形で、つまり同心円状に均一
幅で設けられている。尚、容器本体１３は、マイクロ波
を透過するポリプロピレンで形成されている。

上記のようにマイクロ波遮断層１５を容器本体の内壁に
設けると、電子レンジで加熱した後に容器を取り出す際
熱くなくて好ましい。

第２図は、本発明の容器の別の実施例の断面図を示すも
のであり、縦１４０　ｍｍ、横８Ｑｍｍ、高さ７５ｍｍ
の直方体状の容器本体２３の側面の外側に沿って、アル
ミ箔からなるマイクロ波遮断層２５が幅３Ｑｍｍで、液
上面との接点２４を取り囲むように設けられており、容
器の内面には、最終的な液面を示すための印２６が設け
られている。さらに容器本体２３の上方開放部を覆う蓋
２７が設けられ、この蓋２７には、電子レンジでの加熱
による容器内の圧力の増加を防止するために容器の上面
に開孔部２８が設けられている。

第３図は、第２図Ｃ部の別の態様を示す拡大断面図であ
り、容器の蓋３１の開孔部３０を部材３２でふさぎ、部
材３２が容器内の圧力が高まった時に剥離する程度の接
着力を有する接着剤で蓋に接着されている。

第４図は、本発明の別の実施例を示す斜視図であり、横
断面が楕円形状の容器の外側面及び蓋の一部にアルミ箔
からなるマイクロ波遮断層３５が設けられている。この
マイクロ波遮断層３５は、容器の外側面、蓋において、
容器横断面の長手方向の端部に相当する部分、つまりマ
イクロ波が内容物に集中しやすい部分について、被覆の
幅を増して設けている。このうち、蓋上面のマイクロ波
遮断層３５の占める面積は、上面の３０％であり、側面
におけるマイクロ波遮断層３５の占める割合は３５％で
ある。尚、図中の点線３４は、内部にある溶液の上面を
示すものである。

第４図に示す容器では、楕円の長手方向の端部でマイク
ロ波が内容物に集中し易いため、この部分でマイクロ波
遮断層３５の被覆の幅を増やしているが、例えば容器が
角形等の場合は、側面のかどの部分（二面接合部）でマ
イクロ波が内容物に集中し易いので、この部分のマイク
ロ波遮断層の被覆幅を増やすのがよい。

第５図は、本発明の別の実施例を示す断面図であり、円
錐台状の容器本体４２の側面に均一幅のアルミ箔からな
るマイクロ波遮断層４５が設けられている。容器本体４
２は、口部内径が６５鮒、底面の内径が５８ｍｍ、高さ
７３ｍｍ、厚さＱ、５ｍｍのポリプロピレン製の容器で
ある。この容器に、温度２３℃のポタージュスープ１８
０ｇを入れて、電子レンジ（三菱電機■製、ＲＲ−５０
）で加熱（５００Ｗ）Ｌ、突沸防止、加熱効率及び加熱
の均一性について調べた。尚、図中ポタージュスープの
上面は５３＋ｎｍの高さにある。

Ｏ突沸防止の評価 加熱を開始してから、ポタージュスープの上面に沸騰が
発生するまでの時間を測定した。

○　加熱効率の評価 加熱を開始してから、９０秒後及び１２０秒後に容器を
電子レンジから取り出し内容液を十分攪拌して均一にし
た時の温度を測定した。

Ｏ均一加熱の評価 第５図のＸ、〜Ｘ６の点について、加熱開示後９０秒及
び１２０秒後の温度を測定し、最高温度と最低温度との
差を求めた。図中、Ｘｌ、Ｘ２　、Ｘ、はそれぞれ容器
の中心線上にある５９＋ｎｍ。

３２ｍｍ、５ｍｍの高さの位置を示し、Ｘ４　、ＸＳ　
、Ｘ６　は、それぞれＸ１１Ｘ２、Ｘ３から水平方向に
２６１１１１０．２５ｍｍ、２４ｍｍ移動した位置を示
すものである。

アルミ箔の幅（Ｗ）を種々かえて測定した結果をまとめ
て表−１に示す。尚、アルミ箔を容器に設置する場合、
アルミ箔（Ｗ）が３０ＩＩ］Ｉ１１以下のものについて
は箔の幅の中央にポタージュスープの液上面が位置する
ように、また箔の幅が４Ｑｍ＋Ｉ１以上のものは、容器
の上端から下方に各々容器の側面の外側にアルミ箔を設
けた。

表−１より、明らかに、幅３　ｍｍ以上のアルミ箔を設
けた容器では、アルミ箔を設けていない容器に比べて内
容物の沸騰が発生するまでの時間が長くなっており、沸
騰防止効果が達成される−のがわかる。幅３〜６５ｆｆ
Ｉ［Ｉｌのアルミ箔を設けた容器では、アルミ箔を設け
ていない容器に比べて、９０秒及び１２０秒経過後の内
容物の液温が高く、加熱効率が向上しており、内容物の
部分的な温度差も明らかに小さくなっていて、内容物が
均一に加熱されている。これに対して、７Ｑｍｍ及び７
３ｍｍの幅のアルミ箔を設けた容器では、９０秒及び１
２０秒経過後の内容物の品温が、アルミ箔を設けていな
い容器の場合と同程度か或いはそれよりも低く、加熱効
率の向上効果は達成されておらず、均一加熱も行なわれ
ていない。従って、３〜５５ｍｍ幅のアルミ箔、より好
ましくは５〜４５ｍｍ幅のアルミ箔を設けるのが望まし
いことがわかる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、内容物の局部的な過熱を防止できるの
で、電子レンジで内容物を短時間過熱する場合に効率的
かつ均一な加熱を行なうことができる。又、電子レンジ
で用いるので、簡易な形態の容器とすることができ、容
器中に特に液状やペースト状の、例えばスープ、おしる
こ等を充填した即席食品入り容器として好適に使用され
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は及び第２図は本発明に係る容器の断面図、第３
図は第２図Ｃ部の別の態様を示す拡大断面図を示す。第
４図は本発明に係る別の容器の斜視図、第５図は本発明
の別の容器の断面図、第６図は従来の容器の断面図であ
る。 図　　中　： ２．１２・・・・・・内容物、 １５．２５．３５．４５・・・・・・マイクロ波遮断層
、ａＳｂ・・・・・・マイクロ波の流れ。 鋼１図 第２図 第３図 第４図

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）マイクロ波遮断層を、内容物を収容する容器本体
   に於ける内容物の上面が容器本体の側面と接触する部分
   を覆う位置に設けたことを特徴とする電子レンジ用加熱
   容器。
2. （２）内容物を収容する容器本体における内容物が容器
   本体の側面と接触する部分の下部の少なくとも１８％を
   残して、容器本体の側部がマイクロ波遮断層で被覆され
   る特許請求の範囲第（１）項記載の容器。
3. （３）マイクロ波遮断層が均一の幅で容器本体の側面に
   設置されている特許請求の範囲第（１）項又は第（２）
   項記載の容器。
4. （４）マイクロ波遮断層の幅が３〜６５ｍｍの範囲にあ
   る特許請求の範囲第（３）項記載の容器。
5. （５）マイクロ波遮断層の幅が５〜４５ｍｍの範囲にあ
   る特許請求の範囲第（３）項記載の容器。