JP4505390B2 - レンジ加熱用容器入り食品及び容器 - Google Patents

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Description

本発明は、レンジ加熱用容器入り食品及びレンジ加熱用容器に関するものである。
電子レンジの普及に伴い、短時間に簡単に加熱できるという電子レンジの利便性に適した調理済みの食品が数多く出回っている。電子レンジによる加熱では、特許文献1でも指摘しているように、一般的には容器の中央が加熱され難く、容器の側壁(周壁)近くが加熱され易いという特性があり、このため、加熱や解凍を均等に行うことができないという問題を有している。
最も典型的な例として、冷凍パウチ食品を電子レンジで解凍するときの問題点を説明すると、電子レンジを動作させた初期段階では、凍って固体状態の食品はマイクロ波を殆ど吸収しないため、パウチの形状によってマイクロ波が集中し易い部分、例えばパウチの四隅だけで液化が進む。マイクロ波の吸収効率の指標となる誘電損失係数は、14.5℃の水が「17」であるのに対して、マイナス12℃の氷は「0.0003」よりも小さく、プラスチック(ポリプロピレン(PP))とほぼ同等(マイクロ波の誘電損失係数「0.0004」)であると言われている。
したがって、溶けた部分はマイクロ波の吸収によって加熱されて沸騰状態なる一方で、凍結状態の部分はマイクロ波が透過するだけでマイクロ波による解凍は実質的に進まない。同一容器内に、沸騰状態の部分と凍結状態の部分とが存在しているため、沸騰部分からの伝熱により、順次、解凍が進み、その部分がマイクロ波の吸収により沸騰状態になるという過程を繰り返して最終的に全体が液体状態になる。
したがって、電子レンジによる加熱初期に液体状態になった部分は過加熱の状態が長期間に亘って続くため、この部分に焦げが発生したり外観及び味に影響が出る可能性が大きい。
特許文献1は、この問題に対して、複層の合成樹脂製耐熱容器に関し、周壁部の複層間に、マイクロ波を遮断できる介在層を設けることを提案しており、介在層に含まれる粉体の典型例としてアルミニウム粉体を例示している。これによれば、電子レンジにより最も加熱が促進される周壁の部分でのレンジ加熱が介在層により抑えられるため、容器内の食品の加熱を均一化することができる。
特許文献2は、容器入りの冷凍食品を電子レンジで加熱すると、容器の側壁近傍の食品が過加熱になり、乾燥したり、変色したり、焦げが発生したりするのを防止するために、冷凍食品の上の周辺部分にマイクロ波減衰体を環状に配置することを提案している。これによれば、電子レンジによる加熱によって解凍が促進される側壁近傍の昇温をマイクロ波減衰体で抑えることで容器内の冷凍食品の解凍ムラを抑えることができる。
特許文献3は、電子レンジの加熱ムラに対処するために、コップのような比較的深い容器に対して、容器の側壁(胴体)の上部をマイクロ波不透過性材料で覆うことで、電子レンジで加熱したとき発生し易い噴きこぼれを防止することを提案している。特許文献3は、また、適用可能な容器の材料として、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの合成樹脂、この合成樹脂のフィルムシートを貼着又はコーティングした板紙、陶器、ガラスなどのマイクロ波透過性材料を例示している。特許文献3は、また、マイクロ波不透過性材料の被覆方法として、アルミニウム箔やアルミニウム蒸着フィルムを貼着、印刷、容器成形時にマイクロ波不透過性材料をインモールド成形するなどを例示しており、マイクロ波によるスパークを防止するために、アルミニウム箔の表面層に紙や合成紙を積層することを提案している。
特許文献4は、電子レンジで加熱する食品と共に液体調味料を収容したパウチを容器に収容したまま電子レンジで加熱しても破袋しない液体調味料用の電子レンジ対応パウチを提案するものであるが、この特許文献4には、プラスチックフィルムを積層した構造のパウチの層間に電磁波シールド金属層を介在させる技術が開示されている。
特開2000−142830号公報 特開2000−270822号公報 特開2002−193350号公報 特開平8−276954号公報
電子レンジで問題となる加熱ムラに対する対処方法として特許文献1〜3は、マイクロ波によって加熱され易い領域をアルミニウムのようなマイクロ波を反射する材料で遮蔽する点で共通している。これによれば、確かに、マイクロ波による局部的な温度上昇や解凍が抑えられるために、容器内の食品の加熱や解凍を均一化することができるものの、加熱や解凍に時間を要し経済的でない。
本発明の目的は、電子レンジによる加熱を均一化すると共に経済的に加熱することのできるレンジ加熱用容器入り食品及びレンジ加熱用容器を提供することにある。
本発明の更なる目的は、局部的な焦げや外観、味への影響を抑えることのできるレンジ加熱用容器入り食品及びレンジ加熱用容器を提供することにある。
本発明の更なる目的は、冷凍食品の解凍時間を短縮して経済的なレンジ加熱を実現することのできるレンジ加熱用容器入り食品及びレンジ加熱用容器を提供することにある。
かかる技術的課題は、本発明によれば、
電子レンジで加熱可能なレンジ加熱用容器入り食品であって、
前記レンジ加熱用容器が、扁平な形状の平面視矩形のパウチであり、
該パウチの壁面のうち、内容物である液状又は凍結した食品と接した状態にある壁面の中央部分に設けられ且つマイクロ波を吸収して発熱する発熱層と、
該パウチの上下の端部に沿って延びる主部と、該主部の長手方向中央から前記発熱層に延びる連結部とを備えたT字状の形状を有するアンテナ層とを有し、
該アンテナ層が、その連結部によって前記発熱層に連結されていることを特徴とするレンジ加熱用容器入り食品を提供することにより達成される。
レンジ加熱用容器は、マイクロ波が透過する特性の既知の材料から作られる。本発明によれば、容器の一部分にマイクロ波を吸収して発熱する発熱層が設けられる。レンジ加熱用容器入り食品を電子レンジで加熱すると、マイクロ波によって内容物の食品が加熱されるだけでなく、発熱層もマイクロ波によって発熱し、この熱が容器の壁面を介して内容物に伝熱される。発熱層を設ける部位として、電子レンジで内容物が加熱され難い部位を選択して、当該部位に発熱層を設け、発熱層からの伝熱を用いることで加熱を均一化することができる。
発熱層を設ける部位は、発熱層の熱が容器の壁面を通じて内容物に伝熱されるように、内容物が接する部位が選択される。具体的には、容器を構成する扁平なパウチの下面に発熱層が設けられる。例えば、扁平なパウチの上面に発熱層を設けた場合、解凍が進むに従ってパウチが膨張してきて上面と内容物が非接触状態になると発熱層の熱が内容物に伝わらず発熱層の部分だけが加熱してパウチを溶かす又は発熱層が焦げてしまう虞がある。
もしパウチの上面、下面に関係なく発熱層を設けるのであれば、発熱層の上にプラスチック等の絶縁層を設けるのがよい。この絶縁層を設けることで、電子レンジ内で発熱層との間でスパークが発生するのを未然に防止することができる。
パウチの下面に発熱層を設ける場合には、偏平なパウチの上面又は下面に、電子レンジで加熱するときに上又は下を指示する注意書きを設けるのが好ましい
本発明は、典型的には冷凍食品に適用される。前述したように、冷凍食品はマイクロ波を吸収しないため中央部分の解凍が進まないという特性を有する。冷凍食品入りのパウチでは、電子レンジで最も解凍が進まない部位に発熱層を設けるのが好ましい。具体的には扁平な形状のパウチの下面のように冷凍食品と常に接している部位に発熱層を設けるのがよい。これによれば、電子レンジにより発熱層が発熱し、この熱が凍結部分に伝わって解凍が促進される。
本発明にあっては、マイクロ波の照射を受けて電圧を発生する例えばアルミニウムや銅を含むアンテナ層が設けられ、該アンテナ層は発熱層に連結される。アンテナ層はマイクロ波の照射を受けて電圧を発生し、この電圧は発熱層の電気抵抗に印加されることによって発熱層が発熱する。したがって、発熱層は、マイクロ波を吸収して発熱するだけでなく電気抵抗によっても発熱することになり、発熱層が内容物を加熱する熱量をアンテナ層によって増大することができる。アンテナ層を設けた部位を上にしてマイクロ波を照射したときには、アンテナ層によってマイクロ波が遮蔽されるため、アンテナ層を設けた部位の過加熱を解消することもできる。したがって平面視矩形のパウチで過加熱し易い角隅部にアンテナ層を設けることで、パウチの角隅部での過加熱を防止しつつ、アンテナ層が発生する電圧により発熱層の発熱を増大することができる。
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
第1試作例(図1、図2)
図1、図2は、第1試作例のレンジ加熱用容器入り食品1を示す。このレンジ加熱用容器入り食品1は、従来から知られているパウチ入りの冷凍カレーである。パウチ2内の冷凍カレー3は、具材を含めて調理済みであり、パウチ2を電子レンジで加熱することで喫食することができる。
パウチ2は、従来と同様に、ナイロン(NY)層とポリプロピレン(PP)層を主体にした積層体、NY層とポリエチレン(PE)層を主体にした積層体、ポリエチレンテレフタレート(PET)層とNY層とPP層を主体にした積層体、PET層とNY層とPE層を主体にした積層体などから構成され、マイクロ波を透過する特性を備えている。パウチ2は偏平な形状を有し、その上面2aと下面2bとを備えている。パウチ2の下面2bには、例えば「こちらを下にしてレンジ加熱して下さい」の注意書き4が印刷又はシール貼着されている。
パウチ2の下面2bの中央部分には、マイクロ波を吸収して熱を発生する材料を含む発熱層5が設けられている。発熱層5は、パウチ2の積層構造の中に組み込んでもよいし、マイクロ波吸収材料をパウチ2の下面2bに塗布してもよく、また、マイクロ波吸収材料を含むシート材料をパウチ2の下面2bの中央部分に貼着するようにしてもよい。
マイクロ波を吸収して熱を発生するマイクロ波吸収材料を例示すれば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸珪素、珪藻土、アルミナ、水酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、フェライト、フェライトシリカ、マグネタイト等の磁性粒子又は焼結体、アルミニウム、ニッケル、コバルト、インジウム-スズ複合酸化物等の金属類の粉体、導電性カーボン(例えばブラックカーボン)、活性炭などを挙げることができる。これらの材料から一種又は複数を組み合わせて使用でき、これら材料が発熱層5に占める分布割合、つまりマイクロ波による加熱の程度は実験より最適値を設定すればよい。
実験例
パウチ2:PET層/NY層/PP層からなる大日本印刷株式会社製のレンジ調理用パウチ(170mm×130mm);
内容物3:具材を含む調理済みのカレー(200g);
発熱層5:ファインケミカルジャパン株式会社が販売するニッケル微粉末含有電磁波シールド塗料(スプレー式)(商品名:「EMCコートスプレーFC-173」);
発熱層5を構成する上記シールド塗料をパウチ2の下面2bの中央に塗布して固化させた後に、発熱層5にプラスチックフィルムを積層することにより形成した。
実験は次の要領で行った。一晩中冷凍庫に入れて内容物のカレー3を凍結させた後、三洋電機株式会社製のEM-A1700型の業務用電子レンジ(出力:1700W、ターンテーブル無し)で加熱し、加熱過程で、パウチ2の上面2aの表面温度をサーモグラフィ(ε=0.97)で測定した。また、比較例(従来例)として、発熱層5を設けていない点を除いて上記実験例と同じパウチ入り冷凍カレーを同様に処理した。
この結果、パウチ2の上面2aの温度は、発熱層5を備えた第1実施例では、レンジ加熱後約35秒で上面2aの全体がほぼ均一に昇温(約60〜85℃)しており、パウチ2の全体で解凍が完了していることが分かった。これに対して、発熱層5無しの比較例では、レンジ加熱後約40秒が経過しても、上面2aの中央部分が10℃よりも低い温度であり、この部分は凍結状態にあることが分かった。そして、比較例では、レンジ加熱後約1分40秒が経過した時点でパウチ2の四隅で焦げが発生し始めることが分かった。
上記の実験結果から、パウチ2の下面2bは、パウチ2を電子レンジに収めたときに内容物と接した状態にある。このパウチ2の下面2bに発熱層5を設けることで、発熱層5がマイクロ波を吸収して発熱し、この熱がパウチ2の下面2bを通じて凍結状態のカレー3に伝わり、カレー3の解凍に寄与していることが分かる。
以上の実験結果からも分かるように、電子レンジを使った解凍及び喫食温度までの加熱が、マイクロ波によるカレー3の加熱だけでなく、発熱層5からの伝熱によってカレー3の全体に対して行われるため、解凍及び喫食温度までの加熱を比較的短時間で完了させることができ、経済的であるだけでなく、局部的な過加熱による焦げなどの発生を防止することができる。
第2試作例(図3、図4)
図3、図4は、第2試作例のレンジ加熱用容器10を示す。この容器10は、図示のように椀形状を有し、周囲壁11の上端フランジにフィルムシール12を接着させることにより内容物Cが密封された状態にある。容器10の材質は、特許文献3に例示のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの合成樹脂、この合成樹脂のフィルムシートを貼着又はコーティングした板紙、陶器、ガラスなど、マイクロ波を透過させる特性を備えていれば特に制限されるものではないが、一般的にはプラスチック成型品である。
椀形容器10の底壁13は、フラットであってもよいが、中央部分13aを容器の内側に陥没させた形状であるのがよく、この中央部分13aに上述した発熱層5が設けられている。発熱層5は、容器10の材料に、マイクロ波を吸収して熱を発生する材料を混合してもよく、また、容器10が積層構造を有するのであれば、マイクロ波を吸収して熱を発生する材料の層を積層構造の中に組み込んでもよい。また、マイクロ波を吸収して熱を発生する材料を中央部分13aに塗布してもよく、また、マイクロ波を吸収して熱を発生する材料を含むシート材料を、例えば電子レンジで加熱する際に、中央部分13aに貼着するようにしてもよい。内容物Cは、電子レンジで加熱することにより喫食される食品であれば、液体、固体を含む液体、又はこれらの冷凍品であってもよい。
容器10の底壁13は、電子レンジで加熱中は、常に内容物Cと接した状態にあり、電子レンジで発熱層5が発熱すると、この熱は底壁13を通じて容器10内の内容物Cの中央部分に伝わる。他方、容器10の周囲壁11の近傍やフィルムシート12の近傍は、従来と同様に、周囲壁11やフィルムシート12を通じて侵入するマイクロ波によって加熱される。したがって、電子レンジを使った容器10の内容物Cの加熱を全体的に均一化することができる。
第3試作例(図5)
図5は、第3試作例のレンジ加熱用容器20を示す。この容器20は、図示のようにコップ形状を有し、周囲壁21の上端フランジにフィルムシール22を接着させることにより内容物Cが密封された状態にある。容器20の材質は、上述した第2実施例の容器10と同様に、特許文献3に例示のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの合成樹脂、この合成樹脂のフィルムシートを貼着又はコーティングした板紙、陶器、ガラスなど、マイクロ波を透過させる特性を備えていれば特に制限されるものではないが、一般的にはプラスチック成型品である。コップ形容器20の底壁23は、フラットであってもよいが、中央部分23aを容器の内側に陥没させた形状であるのがよい。
この第3試作例のコップ形容器20は、周囲壁21の下部及び底壁23に発熱層5が設けられている。この発熱層5は、前述したように容器20にシール貼着してもよいし、容器20が積層構造を有するのであれば、マイクロ波を吸収して熱を発生する材料の層を積層構造の中に組み込んでもよい。勿論、マイクロ波を吸収して熱を発生する材料を塗布してもよい。内容物Cは、電子レンジで加熱することにより喫食される食品であれば、液体、固体を含む液体、又はこれらの冷凍品であってもよい。
コップ形状の容器20の下部は、電子レンジで加熱中は、常に内容物Cと接した状態にあり、電子レンジで発熱層5が発熱すると、この熱が周囲壁21の下部及び底壁13を通じて内容物Cに伝わる。他方、容器20の周囲壁21の上部やフィルムシート22の近傍は、従来と同様に、周囲壁21やフィルムシート22を通じて侵入するマイクロ波によって加熱される。したがって、電子レンジを使った容器20の内容物Cの加熱を全体的に均一化することができる。
実施例(図6〜図9)
施例のレンジ加熱用容器入り食品30は、第1試作例と同様に従来から知られているパウチ入りのカレーであり、第1試作例と同様に冷凍カレーであってもよく、また、冷凍されていないカレーであってもよい。
パウチ31の一方側の面31aには、その中央に第1試作例で説明した発熱層5が設けられている。この発熱層5は、第1試作例と同様に、パウチ31の積層構造の中に組み込んでもよいし、パウチ31の面31aにマイクロ波吸収材料を塗布してもよく、また、マイクロ波吸収材料を含むシート材料をパウチ2の下面2bの中央部分に貼着するようにしてもよい。
パウチ31の上記面31aの上部及び下部には、アンテナ層32が設けられている。このアンテナ層32は電磁界変化を電圧変化に変換する材料からなり、一般的には、例えばアルミニウム箔や銅箔などの誘電率が高く且つ電気抵抗が小さい導体が用いられる。このアンテナ層32は、発熱層5に電圧を印加することのできる構造であればパウチ31の面31aに塗布してもよく、また、アンテナ層32を含むシート材料をパウチ31の上記面31aの上部及び下部に貼着するようにしてもよい。
アンテナ層32は、パウチ31の上辺、下辺に沿って延びる主部32aと、主部32aの長手方向中央分から発熱層5に向けて延びる連結部32bとを備えたT字状の形状を有し、連結部32bの端部は上記発熱層5に直接的に積層されている(図9)。電子レンジでマイクロ波を照射中にスパークが発生するのを防止するのを防止するために、発熱層5及びアンテナ層32の両者をPPやPETなどの絶縁層33で覆うのが好ましい。このように、発熱層5及びアンテナ層32を絶縁層33で覆うことで、この発熱層5などを設けたパウチ31の面31aを上にした状態で電子レンジで調理したとしてもスパークの発生を防止することができる。
上記の実施例によれば、電子レンジでマイクロ波を照射したときに最も過加熱になり易いパウチ31の角隅部P1〜P4がアンテナ層32で覆われているため当該部位P1〜P4に位置する内容部3の過剰な加熱を防止することができる。また、パウチ31の中央部分に設けられた発熱層5がマイクロ波を吸収して発熱し、当該中央部位に位置する内容物3の加熱を促進することができる。更に、アンテナ層32は、マイクロ波の照射によりマイクロ波エネルギを電圧に変換し、このアンテナ層32で発生する電圧が発熱層5に印加された状態となって発熱層5の電気抵抗により発熱することになるため、発熱層5は、マイクロ波の照射を受けることに伴う発熱だけでなく電気抵抗による発熱が加わることになり、パウチ31の中央部分に位置する内容物3の加熱を促進することができ、パウチ31の内容物3を全体的に均一に加熱することができる。
なお、上記の実施例にあっても、冷凍食品に適用するときには、発熱層5及びアンテナ層32を設けた面31aを下にしてレンジ加熱するように注意書きなどをパウチ31に付すのが好ましい。
実験例
パウチ31:PET層/NY層/PP層からなる大日本印刷株式会社製のレンジ調理用パウチ(170mm×130mm);
内容物3:具材を含む調理済みのカレー(200g);
発熱層5:ファインケミカルジャパン株式会社が販売するニッケル微粉末含有電磁波シールド塗料(スプレー式)(商品名:「EMCコートスプレーFC-173」)をPETフィルム(0.1mm厚)に薄く塗布して十分に固化した後に直径60mmの円形に裁断してこれを発熱層5としてパウチ31の中央に接着剤を使って貼着した。;
アンテナ層32:厚み12μmのアルミニウム箔を接着剤を使ってパウチ31に貼着した。;
絶縁層33:絶縁層33を構成する絶縁性プラスチックフィルム(PP、PET等のフィルム)で発熱層5及びアンテナ層32を覆った。
実験は次の要領で行った。一晩中冷凍庫に入れて内容物のカレー3を凍結させた後、電子レンジで加熱して、経時的な品温及び内容物の焦げの有無を対比した。その結果、実施例では40秒後に解凍が完了し、60秒後には調理が完了し、また、内容物に焦げを発見できなかった。これに対して、比較例(従来例)では40秒後では解凍が殆ど進行しておらず、60秒後でも半分程度が解凍した状態であった。調理の完了は120秒後であり、内容物に焦げを発見した。
第1試作例の冷凍食品を入れた扁平形状のパウチの下面を上にした状態で図示した斜視図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 第2試作例の液体又は凍結した食品を収容した椀状の容器を斜め下から見た斜視図である。 図3の容器の縦断面図である。 第3試作例の液体又は凍結した食品を収容したコップ状の容器の縦断面図である。 アンテナ層を設けたパウチの平面図である。 図6のVII−VII線に沿った断面図である。 図6のVIII−VIII線に沿った断面図である。 図6のIX−IX線に沿った断面図である。
符号の説明
1 パウチ入りの冷凍カレー
2 パウチ
2a パウチの上面
2b パウチの下面
3 冷凍カレー
5 発熱層
10 椀状の容器
20 コップ状の容器
32 アンテナ層
32a アンテナ層の主部
32b アンテナ層の連結部
33 絶縁層
C 内容物である液状又は凍結した食品

Claims (3)

  1. 電子レンジで加熱可能なレンジ加熱用容器入り食品であって、
    前記レンジ加熱用容器が、扁平な形状の平面視矩形のパウチであり、
    該パウチの壁面のうち、内容物である液状又は凍結した食品と接した状態にある壁面の中央部分に設けられ且つマイクロ波を吸収して発熱する発熱層と、
    該パウチの上下の端部に沿って延びる主部と、該主部の長手方向中央から前記発熱層に延びる連結部とを備えたT字状の形状を有するアンテナ層とを有し、
    該アンテナ層が、その連結部によって前記発熱層に連結されていることを特徴とするレンジ加熱用容器入り食品。
  2. 前記食品が冷凍食品である、請求項1に記載のレンジ加熱用容器入り食品。
  3. 前記パウチの上面又は下面に、電子レンジで加熱するときに上又は下にすることを指示する注意書きが設けられている、請求項1又は2に記載のレンジ加熱用容器入り食品。
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