JP2021091463A - 発熱体およびそれを用いた包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】マイクロ波照射による加熱において、コストをかけずに、容易に、加熱時の好みに合わせた部分加熱をすることができる発熱体を提供することを課題とする。【解決手段】本発明の発熱体は、所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知してその位置への加熱を停止するマイクロ波加熱装置による加熱に対し、その加熱を停止するトリガーとするために、少なくとも、導電性金属層と、導電性金属層の上に積層した基材とからなる積層体より構成され、導電性金属層の厚さが、40Åより厚く70Åより薄い、ことを特徴とする。【選択図】図3
Description
本発明は、マイクロ波の照射により加熱する発熱体およびそれを用いた包装体に関するものである。
電子レンジで食材や食品を温める場合、温度の異なる食材や食品を同時に温めたい場合や、弁当のように加熱すべき食品と加熱すべきでない食品が混在した状態で詰められたものを、加熱すべきでない食品のみを抜いておくなどの手間なくそのまま温めたい場合がある。
電子レンジには、マイクロ波を発生するマイクロ波発生部等を有する。このマイクロ波発生部には、マグネトロンを用いて構成されたもの以外に、半導体素子を用いて構成されたものがある。
マイクロ波発生部にマグネトロンを用いた電子レンジには、食材や食品を均一に加熱するための回転アンテナを用いたものもあるが、均一加熱のみが可能で、食材や食品ごと、あるいは食材や食品の部分ごとに加熱する(以下部分加熱という)ことは出来ない。マイクロ波発生部にマグネトロンを用いた電子レンジで部分加熱を可能とするために、例えば下記の電子レンジ用包装材料を使うことができる。
特許文献1には、基体上にマイクロ波エネルギー反射材料の無穿孔形状のアレイと感受体フィルムとを備え、酷使に耐性がある、電子レンジ用包装材料が記載されている。
マイクロ波発生部にマグネトロンを用いた電子レンジと上記電子レンジ用包装材料を併用することで、均一調理や、予め形成された無穿孔形状に対応した部分加熱が可能となる。
一方、マイクロ波発生部に半導体素子を用いた電子レンジとして、例えば下記の電子レンジがある。
特許文献2には、半導体素子を用いて構成したマイクロ波発生部を有し、色や画像認識処理と連動して加熱を制御する電子レンジと、色が付された容器などを併用することで、指向性の高いマイクロ波の照射により加熱対象物を部分加熱することが可能となる電子レンジが記載されている。
しかし、マイクロ波発生部にマグネトロンを用いた電子レンジに、特許文献1に記載された電子レンジ用包装材料を用いた場合、均一加熱や、予め形成された無穿孔形状に対応した部分加熱は可能だが、加熱する者の好みに応じた部分加熱はできない。また、この電子レンジは、画像認識処理プログラム等のインターフェーズなど制御系が複雑でコストがかかる。
また、特許文献2に記載された半導体を用いた電子レンジでは、予めプログラミングされた位置と加熱条件で機能するが、いざ加熱する時に、加熱条件を変更したり、好みに応じた部分加熱をしたりすることができない。
本発明は、上記のような問題点に鑑み、マイクロ波照射による加熱において、コストをかけずに、容易に、加熱時の好みに合わせた部分加熱をすることができる発熱体を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知して、その位置への加熱を停止するマイクロ波加熱装置による加熱に対し、その加熱を停止するトリガーとするために、少なくとも、導電性金属層と、前記導電性金属層の上に積層した基材とからなる積層体より構成され、前記導電性金属層の厚さが、40Åより厚く70Åより薄い、ことを特徴とする発熱体である。
請求項2に記載の発明は、前記発熱体が発熱して所定温度範囲上限を超える温度上昇が発生する時の温度を調整することが可能な、請求項1に記載の発熱体である。
請求項3に記載の発明は、2秒で200℃以上になる温度上昇速度で発熱することを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の発熱体である。
請求項4に記載の発明は、前記導電性金属層が、少なくとも0.4Ω/平方インチの電気抵抗率を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の発熱体である。
請求項5に記載の発明は、前記発熱体の面積が1mm2以上であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の発熱体である。
請求項6に記載の発明は、所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知して、その位置への加熱を停止するマイクロ波加熱装置による加熱に対し、その加熱を停止するトリガーとするために、少なくとも、酸化金属蒸着薄膜層と金属蒸着薄膜層からなる多層蒸着層と、前記酸化金属蒸着薄膜層と金属蒸着薄膜層からなる多層蒸着層の上に積層した基材とからなる積層体より構成され、前記酸化金属蒸着薄膜層および前記金属蒸着薄膜層の厚さが、それぞれ3nm以上10nm以下である、ことを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の発熱体である。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の発熱体を用いた包装体である。
本発明の発熱体は、所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知して、その位置への加熱を停止するマイクロ波加熱装置による加熱に対し、その加熱を停止するトリガーとするために、少なくとも、導電性金属層と、前記導電性金属層の上に積層した基材とからなる積層体より構成され、前記導電性金属層の厚さが、40Åより厚く70Åより薄いことを特徴とする。
よって、本発明の発熱体は、マイクロ波照射による加熱において、画像認識機能を用いることなく、所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知するセンサーとの連動のみで、コストをかけずに、容易に、加熱時の好みに合わせた部分加熱を可能とする。
以下、必要に応じて図面を参照して、本発明に係る発熱体およびそれを用いた包装体の例について説明する。
(発熱体100、200)
図1は、本発明の第一実施形態に係る発熱体100を構成する積層体の断面模式図である。図1に示す通り、本発明の第一実施形態に係る発明体100は、導電性金属層42と、前記導電性金属層42の上に積層した基材41とからなる積層体より構成される。
図1は、本発明の第一実施形態に係る発熱体100を構成する積層体の断面模式図である。図1に示す通り、本発明の第一実施形態に係る発明体100は、導電性金属層42と、前記導電性金属層42の上に積層した基材41とからなる積層体より構成される。
本発明は、所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知して、その位置への加熱を停止するマイクロ波加熱装置による加熱に対し、その加熱を停止するトリガーとするために、上記の積層体より構成され、前記導電性金属層42の厚さが、40Åより厚く70Åより薄いことを特徴とする。
前記導電性金属層42の厚さが40Å以下では発熱が弱く、70Å以上では抵抗値が下がり発熱が弱い。よって、上記マイクロ波加熱装置による加熱を停止させるトリガーとしての機能を果たせない。前記導電性金属層42の厚さは60Åが最も好ましい。
ここで、「所定温度範囲上限を超える温度上昇」とは、通常、マイクロ波加熱装置にあたって加熱対象物を加熱する時に発生する最高の温度上昇率を超える温度上昇である。その所定温度範囲上限を超える温度上昇が発生した時に、そのマイクロ波加熱装置が、その所定温度範囲上限を超える温度上昇が発生した位置への加熱を停止すべきと判断することができる。
図2は、本発明の第二実施形態に係る発熱体200を構成する積層体の断面模式図である。図2に示す通り、第二実施形態の発熱体200は、最下層が接着層43であり、その接着層43の上に導電性金属層42が積層され、さらに導電性金属層42の、接着層43
の積層されていない側の面に基材41が積層されている。なお、図2では、発熱体に接着層43も設けたが、本発明の発熱体は、図1のように、少なくとも導電性金属層42と、前記導電性金属層42の上に積層した基材41とからなる積層体より構成される。
の積層されていない側の面に基材41が積層されている。なお、図2では、発熱体に接着層43も設けたが、本発明の発熱体は、図1のように、少なくとも導電性金属層42と、前記導電性金属層42の上に積層した基材41とからなる積層体より構成される。
以下に、上記各層について述べる。
(基材41)
この基材41は、マイクロ波加熱装置での加熱に耐えるに充分な熱安定性及び比較的高い絶縁性を有する低密度物質で形成されるのが好ましい。
この基材41は、マイクロ波加熱装置での加熱に耐えるに充分な熱安定性及び比較的高い絶縁性を有する低密度物質で形成されるのが好ましい。
この基材41に用いる材料としては、例えば、プラスチックや紙が挙げられる。
プラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリエーテルイミドなどのフィルムが使用できる。上記ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステルは比較的軽量であり然も密度が小さいため、マイクロ波を効率よく吸収できる。蒸着基材としては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
プラスチックは未延伸でも良いが、マイクロ波加熱装置による加熱時の耐熱性が必要であるため、二軸延伸が好ましい。蒸着基材としては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。また、プラスチックを用いた場合の厚さは、5μmから25μm程度で、より好ましくは12μmである。
基材41の材料として紙を用いた場合、紙単体以外に、例えば、ガラス、プラスチック、磁器を含めた種々の被覆された紙でもよい。紙の中でも、使い捨て用として好ましい物質としては、厚紙カートン、クラフト紙やその他の一般のクラフト紙の組合せが挙げられる。
(導電性金属層42)
導電性金属層42の主たる特徴は、非常に薄いということであり、この導電性金属層42の厚みは、40Åより厚く70Åより薄いことが好ましい。導電性金属層42が充分薄い場合にはこの導電性金属層42がマイクロ波加熱装置の作動を妨げず、照射されるマイクロ波は完全には反射しないのでマイクロ波加熱装置によって非常に効率よく加熱される。
導電性金属層42の主たる特徴は、非常に薄いということであり、この導電性金属層42の厚みは、40Åより厚く70Åより薄いことが好ましい。導電性金属層42が充分薄い場合にはこの導電性金属層42がマイクロ波加熱装置の作動を妨げず、照射されるマイクロ波は完全には反射しないのでマイクロ波加熱装置によって非常に効率よく加熱される。
前記導電性金属層42の厚さが40Å以下では発熱が弱く、70Å以上では抵抗値が下がり発熱が弱い。よって、上記マイクロ波加熱装置による加熱を停止させるトリガーとしての機能を果たせない。前記導電性金属層42の厚さは60Åが最も好ましい。
上記のように充分薄い導電性金属層42としては、例えばアルミニウムが好ましく使用できる。アルミニウムは入手が容易であり、また、アルミニウムを用いることにより、発熱体100、200への製造加工が容易である。上記アルミニウムの他に、銅やスズや鉛や銀や金やニッケルや亜鉛も使用できる。また、これら金属の組み合せまたは合金も使用できる。
導電性金属層42は、導電性金属を真空蒸着などすることで形成され、図2で示す発熱体200の場合は、接着層43を基材41に接着する前に基材41に蒸着されるのが好ましい。
所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知して、その位置への加熱を停止するマイクロ波加熱装置により、前記導電性金属層42を用いた
発熱体100、200にマイクロ波を照射して加熱することで、発熱体100、200を、加熱を停止するトリガーとさせるだけでなく、食品に焦げ目を付けたり、食品にクリスピー感を与えたい場合は、この導電性金属層42の厚さは、少なくとも0.4Ω/平方インチの電気抵抗率を有するように形成するとよい。
発熱体100、200にマイクロ波を照射して加熱することで、発熱体100、200を、加熱を停止するトリガーとさせるだけでなく、食品に焦げ目を付けたり、食品にクリスピー感を与えたい場合は、この導電性金属層42の厚さは、少なくとも0.4Ω/平方インチの電気抵抗率を有するように形成するとよい。
焦げ目やクリスピー感を出すために要する導電性金属層42の正確な厚さは導電性金属層42として用いる金属によって異なるが、いかなる金属でも真空蒸着などによってこの導電性金属層42を構成する場合には最も効率よく使用され、かつ導電性金属層42の表面導電率はどの金属物質でもほぼ同じである。
この焦げ目やクリスピー感を与えるためには、一般的には200°F(93℃)以上で、かつ、その温度を維持することが必要である。
なお、高温におけるスパークを防止するために、導電性金属層42の代わりに、酸化金属蒸着薄膜層と金属蒸着薄膜層からなる多層蒸着層を積層してもよい。この場合、前記酸化金属蒸着薄膜層および前記金属蒸着薄膜層の厚さは、それぞれ3nm以上10nm以下が好ましい。
なお、発熱体100として、基材41としてのポリエステルに、導電性金属層42としてアルミニウムを被覆したものが容易に入手できる。
(接着層43)
接着層43は、加熱する前に、包装体の蓋などに接着して貼付できるようにするためのものである。接着層43を設けずに、発熱体100を単に包装体の蓋などの上に載せてもよいが、予め接着層43を設けた方が、使用者が接着剤を準備してその接着剤を塗布するなどの手間なく、加熱中に動かず固定できるため、より使いやすいものとなる。
接着層43は、加熱する前に、包装体の蓋などに接着して貼付できるようにするためのものである。接着層43を設けずに、発熱体100を単に包装体の蓋などの上に載せてもよいが、予め接着層43を設けた方が、使用者が接着剤を準備してその接着剤を塗布するなどの手間なく、加熱中に動かず固定できるため、より使いやすいものとなる。
この接着層43は、必要な接着強度、臭気が少ない等の条件が満足されるものであれば、種々の材質が採用可能である。例えば、ウレタン系、アクリル系等の粘着剤、感圧性接着剤、ホットメルト接着剤、コ−ルドグル−、ポリオレフィン系の樹脂、ドライラミ用接着剤等が挙げられる。
接着層43の導電性金属層42への積層方法としては、押し出しラミ、熱ラミ、ドライラミ、粘着剤による圧着等いずれの方法も採用可能である。この接着層43の積層範囲は、部分的でも全面でもよい。
上記の通り、発熱体100、200を構成する各層の材料は、調理器具として使われているものであり、食品衛生性については問題なく、安全である。なお、発熱体100、200は、食べ終わった後洗わなくてよいよう使い捨てでき、環境保護観点から好ましいものもよい。
(発熱体100、200の製造方法)
発熱体100は、基材41面に、導電性金属の膜をメタライジング法で付着して導電性金属層42を設けることで製造できる。発熱体200は、その導電性金属層42の基材41と反対側の面に、接着層43をドライラミネートなどの積層方法により設けることで、製造することができる。
発熱体100は、基材41面に、導電性金属の膜をメタライジング法で付着して導電性金属層42を設けることで製造できる。発熱体200は、その導電性金属層42の基材41と反対側の面に、接着層43をドライラミネートなどの積層方法により設けることで、製造することができる。
前記導電性金属層42のメタライジング法としては、真空蒸着やスパッタリングがある。真空蒸着を利用することによって最も効率的に導電性金属が基材41に付着される。この様な技術は、真空室で導電性金属を溶融し、その溶融された導電性金属に接近してこの真空室に基材41を通すことを含む。基材41に付着される導電性金属の量は、真空室を通して基材41を移動する速度によって調整される。
発熱体100、200の形状は、加熱対象物や貼付する包装体などに応じて適したものであれば特に限定されない。発熱体100、200の大きさは、小さいほどかさばらずに使いやすいが、面積が1mm2以上が好ましい。マイクロ波加熱装置による加熱時に発生する磁力線によるうず電流でジュール熱が発生するため、発熱体100、200はある程度の大きさがあった方がよく、面積が1mm2以上が好ましい。
また、発熱体100、200は、発熱して所定温度範囲上限を超える温度上昇が発生する時の温度を調整することが可能であることが好ましい。複数の種類の食材や食品ごとに、あるいは1つの食材や食品の部分ごとに、それぞれ異なる温度で加熱する場合のためである。
発熱体100、200が発熱して所定温度範囲上限を超える温度上昇が発生する時の温度が調整され、好みの温度で発熱することで、例えば、高い温度で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体100、200を貼付した部分は、その高い温度で発熱するまで加熱し続けてくれる。逆に、低い温度で発熱する発熱体100、200を貼付した部分は、その低い温度で発熱した時点で加熱を抑制してくれる。
設定温度の違いを色分けして示しても良い。色分けした発熱体100、200を貼付した蓋を覆った弁当を店頭で販売してもよい。
発熱体100、200の使用者は、一般消費者以外に、コンビニエンスストアなどの店員などもあり得る。上記色分けした発熱体100、200を貼付した蓋を覆った弁当をコンビニエンスストアで販売し、その店員がその弁当の購入者の希望に応じて業務用電子レンジで加熱することも考えられる。コンビニエンスストアなどでの発熱体100、200を用いたこのような加熱方法により、業務用電子レンジにおける省エネにつながる可能性もある。
また、発熱体100、200において、所定の好ましい温度で所定温度範囲上限を超える温度上昇が発生する温度上昇速度を早めれば、加熱対象物がその温度に達した時点で時差なく、その発熱体100、200を貼付した範囲の加熱対象物へのマイクロ波の照射による加熱を停止できる。よって、好ましい温度との温度差なく、好ましい温度により近い温度に加熱できる。この発熱の際の温度上昇速度は、2秒で200℃以上になる温度上昇速度で発熱することが好ましい。
導電性金属層42の表面抵抗率と、マイクロ波を照射した時にその導電性金属層42に対してある温度を得るに要する時間とは、直接関係があると考えられている。導電性金属層42の表面抵抗が大きい程、導電性金属層42はマイクロ波を照射した時に急速に加熱する。
(発熱体100、200を用いた加熱方法)
本発明の発熱体100、200を用いた加熱では、所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知して、その位置への加熱を停止するマイクロ波加熱装置を用いる。
本発明の発熱体100、200を用いた加熱では、所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知して、その位置への加熱を停止するマイクロ波加熱装置を用いる。
ここで、「所定温度範囲上限を超える温度上昇」とは、通常、マイクロ波加熱装置にあたって加熱対象物を加熱する時に発生する最高の温度上昇率を超える温度上昇である。その所定温度範囲上限を超える温度上昇が発生した時に、そのマイクロ波加熱装置が、その
所定温度範囲上限を超える温度上昇が発生した位置への加熱を停止すべきと判断することができる。
所定温度範囲上限を超える温度上昇が発生した位置への加熱を停止すべきと判断することができる。
また、その所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知して、その位置への加熱を停止するマイクロ波加熱装置とは、所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知するセンサーが設けられ、そのセンサーが反応した位置への加熱を停止するマイクロ波加熱装置である。
発熱体100、200は、前記マイクロ波加熱装置による加熱に対し、その加熱を停止するトリガーとなる発熱体である。ここで、「トリガー」とは即ちきっかけとなることを意味し、マイクロ波による加熱に対して敏感に発熱することを利用したもので、前記マイクロ波加熱装置に設けられたセンサーへの反応を促進するものである。
発熱体100、200は、包装体などの任意の場所に貼付することができる。
ここで「加熱」とは、常温からそれ以上の温度に加熱する場合だけでなく、例えば、氷点下の冷凍食品もしくは氷点近傍の温度から常温またはそれ以上の温度に加熱する場合、常温以上の温度から高温に加熱する場合なども含む。
図3は、部分加熱する範囲ごとに本発明の第一実施形態に係る発熱体100を1つずつ用いて食品ごとに部分加熱した状況を示す図である。図3(a)は、部分加熱する範囲ごとに本発明の第一実施形態に係る発熱体100を1つずつ用いて食品を加熱する前の包装体の斜視図であり、図3(b)は、部分加熱する範囲ごとに本発明の第一実施形態に係る発熱体100を1つずつ用いて食品を加熱した後の包装体の斜視図である。
図3は、食品ごとに区分けされて収納された弁当箱を温めるに際して、弁当箱の蓋2の外側(収納された食品と反対側)に、発熱体100を貼付して加熱する前後の状況を示している。
図3に示す弁当箱の本体1には、すべて同じ常温の食品が区分けされて収納されている。具体的には、80℃の温度での加熱を望む、焼き肉、ご飯、と、15℃(常温)での加熱を望む漬物が区分けして収納されている。
そこで、予め上記各食品の加熱すべき温度を確認し、その温度で発熱する発熱体100を準備する。図3(a)に示す通り、80℃の温度で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体21(100)は焼肉とご飯を覆う蓋2の部分の外側に、15℃の温度で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体22(100)は漬物を覆う蓋2の部分の外側に、貼付する。
この発熱体21、22(100、100)を貼付した弁当箱を電子レンジに入れる。加熱時間、加熱対象物の種類、加熱対象物の数量なども設定できる場合は、発熱体100の発熱による加熱の停止も考慮した上で、これらの一部または複数を設定しても良い。
この状態で、電子レンジの加熱開始ボタンを押して加熱を開始させる。すると、まず、漬物の温度が15℃に達した状態で、漬物を覆う蓋2の部分に貼付した発熱体22(100)が発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する。すると、電子レンジの、所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知する部分が、その所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知し、漬物への加熱を停止する。この時点では、まだ焼肉とご飯をそれぞれ覆う蓋2の部分に貼付した発熱体22(100)は発熱していないため、電子レンジはこの焼き肉やご飯へのマイクロ波の照射による加熱を継続する。
次に、焼き肉とご飯の表面温度が80℃に達した状態で、焼き肉とご飯を覆う蓋2のそれぞれの部分に貼付した発熱体21(100)が発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する。すると、電子レンジの、所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知する部分が、その所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知し、焼き肉とご飯への加熱を停止する。
すべての食品の加熱が終わると、図3(b)に示す通り、焼き肉とご飯が比較的高温の80℃の温度で加熱され、漬物は15℃の温度で常温のままとなっている。図3(b)で弁当箱本体1の中で網掛けの掛かった部分30が、比較的高温の80℃で加熱された部分である。このように、食品ごとに、食する者が望む温度で加熱され、食する者は、満足してこれらの食品を食することができる。
なお、発熱体100を貼付しないで加熱した場合、加熱時はすべての食品が同じ常温であり、電子レンジ内で所定温度範囲上限を超える温度上昇は発生しないため、各食品に均等にマイクロ波を照射する結果、加熱後は、高い温度で加熱を望まない漬物も高い温度で加熱されてしまい、食する者が望まないものとなってしまう。
図4は、部分加熱する範囲ごとに第一実施形態に係る発熱体100を複数用いて部分加熱する範囲を指定して、複数の食品を加熱する状況を示す図である。図4(a)は、部分加熱する範囲ごとに第一実施形態に係る発熱体100を複数用いて部分加熱する範囲を指定して、複数の食品を加熱する前の状況を示す斜視図であり、図4(b)は、部分加熱する範囲ごとに第一実施形態に係る発熱体100を複数用いて部分加熱する範囲を指定して、複数の食品を加熱した後の状況を示す斜視図である。
図4は、発熱体100の大きさや配置方法以外は、図3と同じである。なお、発熱体200を用いて弁当箱の蓋2の外側に接着し固定してもよい。
使用する電子レンジが、所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知して、その位置への加熱を停止する機能を有すると共に、例えば、同じ温度の時に発熱する発熱体同士を結ぶ線で囲まれた範囲を感知する赤外線モニターと、その範囲を認識する認識部やその範囲への加熱を制御する加熱制御部などから構成される半導体素子とを有するとする。(本電子レンジを、以下電子レンジAとする。)
上記電子レンジAと本発明の発熱体100を併用することで、比較的小さい発熱体による部分加熱が可能となる。
図4(a)に示すように、望む加熱温度の異なる範囲ごとの輪郭に、その温度の時に発熱する発熱体100を複数配置し、その温度の時に発熱する発熱体100同士を結ぶ線で囲まれた範囲が、そのそれぞれの望む温度で部分加熱すべき範囲となるようにする。図4(a)に示す弁当箱では、部分加熱すべき3つの範囲が、それぞれ多角形状となっているため、その各多角形状の少なくとも角を含めた部分に、同じ種類の発熱体100を配置して貼付した。
このように、電子レンジAを用いることで、比較的小さい発熱体100により部分加熱する範囲を認識させて部分加熱することができる。この場合、発熱体100の面積や形状で、部分加熱する範囲を認識させる必要がなく、面積が小さいことでかさばらず、かつ効果的に加熱を制御できる。
また、マグネトロンを用いた電子レンジなどのマイクロ波加熱装置で部分加熱しようとする場合、本発明の発熱体100を上記の通り小さく使用することで、特許文献1を含む高価なデバイスや電子タグを併用する場合に比べて、コストを抑えられる。
図5は、部分加熱する範囲ごとに本発明の第二実施形態に係る発熱体200を1つずつ用いて1つの食材5を部分加熱した状況を示す図である。図5(a)は、部分加熱する範囲ごとに本発明の第二実施形態に係る発熱体200を1つずつ用いて1つの食材5を加熱する前の状況を示す斜視図であり、図5(b)は、部分加熱する範囲ごとに本発明の第二実施形態に係る発熱体200を1つずつ用いて1つの食材5を加熱した後の状況を示す斜視図である。
図5に示す通り、1つの食材5が、蓋4付きの容器の本体3に収納されている。1つの食材5のみを温めるに際して、食材5を覆う蓋4の部分の外側(食材5と反対側)に、発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する時の温度が異なる2種類の発熱体23、24(100、100)を貼付して加熱する前後の状況を示している。なお、発熱体23(100)は、150℃で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体である。発熱体24(100)は、30℃で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体である。
図5に示す食材5は、加熱前は部分ごとの温度の差はなく、全体的に15℃(常温)となっている。
そこで、予め1つの食材5において部分的に温めたい場所とその加熱温度を確認し、その温度で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体200を準備する。
図5(a)に示す通り、150℃の温度で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体23(200)は、その150℃の温度で加熱したい部分を覆う蓋4の部分の外側に、30℃の温度で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体24(200)は、その30℃の温度で加熱したい部分を覆う蓋4の部分の外側に、それぞれ貼付する。発熱体200は接着層43を設けているため、加熱中に動かず蓋4に固定できる。
この2つの発熱体23、24(200、200)を蓋4に貼付して容器本体3に収容した食材5を電子レンジに入れ、加熱時間、加熱対象物の種類、加熱対象物の数量、料理名なども設定できる場合は、発熱体200の発熱による加熱の停止も考慮した上で、これらの一部または複数を設定しても良い。
この状態で加熱すると、まず、表面温度が30℃に達した状態で、30℃の温度で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体24(200)が発熱する。すると、電子レンジの所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知する部分がその所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知し、30℃の温度で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体24(100)を貼付した範囲の食材5の部分への加熱を停止する。この時点では、まだ150℃の温度で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体23(200)は発熱していないため、電子レンジはこの150℃の温度で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇するする発熱体23(200)を貼付した範囲の食材5の部分へのマイクロ波の照射を継続する。
次に、表面温度が150℃に達した状態で、電子レンジの所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知する部分がその所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知し、150℃の温度で発熱して
所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体23(200)を貼付した範囲の食材5の部分への加熱を停止する。
所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体23(200)を貼付した範囲の食材5の部分への加熱を停止する。
1つの食材5全体の加熱が終わると、図5(b)に示す通り、150℃の温度で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体23(200)を貼付した範囲の食材の部分が高温の150℃で加熱され、30℃の温度で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体24(200)を貼付した範囲の食材の部分は30℃で加熱される。図5(b)で容器本体3の中で網掛けの掛かった部分31が、高温の150℃で加熱された部分である。このように食材5の部分ごとに、食する者やこの食材を利用して調理する者が望む適温で加熱され、食する者や調理する者は、満足して食したり調理したりすることができる。
なお、発熱体100を貼付しないで加熱すると、加熱時はすべて同じ常温であり、電子レンジ内で所定温度範囲上限を超える温度上昇が発生しないため、1つの食材5全体に均等にマイクロ波を照射する結果、加熱後は、食材5全体で同じ温度で加熱されてしまい、食する者や調理する者が望まないものとなってしまう。
上記のように、発熱して所定温度範囲上限の温度上昇が発生する時の温度が異なる発熱体100を用いることで、所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知して、その位置への加熱を停止する機能が付いた電子レンジで、より好ましい加熱制御が可能となる。よって、図3から図5で示した加熱事例以外にも、例えば、アイスクリームを食べごろに解凍したり、海鮮丼のような繊細な加熱を要する食品において、例えばご飯を10℃とし、海鮮具材は3℃くらいに加熱したりすることである。また、半導体素子を用いるなど高性能な電子レンジの中にも、加熱対象物の配置場所によって加熱程度に差が出ることがあり、加熱対象物を端に置くと、うまく加熱されない場合がある。そのような場合に、発熱体100、200を用いることで、端を強めに加熱したりすることも可能となる。
なお、上記の加熱方法の例では、電子レンジを用いたが、マイクロ波加熱装置であれば、電子レンジに限られない。
上記発熱体100、200は、シート状やフィルム状のものに貼付して用いても良い。
このシート状のものの材料は、プラスチック、紙、ガラスなどが挙げられる。シートの形状、厚さ、大きさは、加熱対象物や貼付する包装体などに応じて適したものであれば特に限定されない。
食べ終わった後洗わなくてよいよう使い捨てでき、環境保護観点から好ましいシート状のものもよい。
発熱体100、200を貼付したシート状のものを食品の上などを直接覆ってもよいし、加熱対象物を収納した包装体の蓋の上に置いても良い。
発熱体100、200が加熱対象物の加熱を停止するトリガーとするためには、発熱体が発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する時の温度と、その時の加熱対象物の温度に差がなく同じ温度であることが必要である。よって、発熱体100、200を貼付するシート状のものは、導電性のあるものとする。
発熱体100、200をシート状の内側(食品側)に貼付し、そのシート状のものを食品に直接覆って発熱体100、200が食品に触れるように設けることで、その発熱体1
00、200に触れた食品に焦げ目やクリスピー感を付与することも可能である。なお、上述のように、焦げ目やクリスピー感を付与させるためには、導電性元素金属層の厚さは、少なくとも0.4Ω/平方インチの電気抵抗率を有するように形成する。
00、200に触れた食品に焦げ目やクリスピー感を付与することも可能である。なお、上述のように、焦げ目やクリスピー感を付与させるためには、導電性元素金属層の厚さは、少なくとも0.4Ω/平方インチの電気抵抗率を有するように形成する。
プラスチックを用いたフィルム状のもの、いわゆるラップフィルムに発熱体100、200を貼付して用いてもよい。なお、ラップを用いる場合は、包装体に収納された食品の表面に触れるようにゆったりとかける。包装体の縁までかけると、蒸気がラップ内に充満し、発熱体100、200の温度と食品部分の温度が異なる場合があるからである。
また、発熱体100、200自体をシート状やフィルム状としたり、発熱体100、200自体をシート状やフィルム状を構成する一部として用いても良い。ただし、内容物を加熱せずに、マイクロ波加熱装置による加熱を停止するトリガーとしてのみ機能させたい場合は、発熱体100、200自体をシート状やフィルム状とせずに、発熱体100、200自体をシート状やフィルム状を構成する一部として用い、内容物と反対側の外側に発熱体100、200を設ければよい。
(包装体)
発熱体100、200は、加熱対象物を収納した包装体に貼付して用いても良い。
発熱体100、200は、加熱対象物を収納した包装体に貼付して用いても良い。
発熱体100、200が加熱対象物の加熱を停止するトリガーとするためには、発熱体が発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する時の温度と、その時の加熱対象物の温度に差がなく同じ温度であることが必要である。よって、発熱体100、200を貼付する包装体は、導電性のあるものとする。
包装体としては、例えば、弁当容器の他に、例えば、皿、トレイ、ボウル、どんぶり、箱、瓶、コップ、袋などを挙げることができる。さらに、包装体の材質は、プラスチック(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなど)、ガラス、陶磁器、紙、金属などを含む。なお、スパークの発生や電波で変質する材質は好ましくない。
食べ終わった後洗わなくてよいよう使い捨てでき、環境保護観点から好ましい包装体もよい。
包装体の大きさ、厚さ、材料、形態は、加熱対象物や貼付する包装体などに応じて適したものであれば特に限定されない。
また、発熱体100、200自体を包装材料としたり、発熱体100、200自体を包装材料を構成する一部として用いても良い。ただし、内容物を加熱せずに、マイクロ波加熱装置による加熱を停止するトリガーとしてのみ機能させたい場合は、発熱体100、200自体を包装材料とせずに、発熱体100、200自体を包装材料を構成する一部として用い、内容物と反対側の外側に発熱体100、200を設ければよい。
包装体の本体、蓋、および内部の仕切体により区画された各小区画部に入れられた1、2種以上の食品を収納した包装体もよい。なお、蓋や仕切りはなくてもよい。
図6は、部分加熱する範囲ごとに本発明の第二実施形態に係る発熱体200を1つずつ用いた、第二実施形態に係る包装体の断面模式図である。図6では、第二実施形態の包装体の本体6の中で、150℃で加熱されることを希望する食品8と30℃で加熱されることを希望する食品9が別の位置に配置されている。また、150℃で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体23(200)が前記150℃で加熱されることを希望する食品8を覆う蓋7の部分の外側(食品と反対側)に貼付され、30℃で発熱して所
定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体24(200)が前記30℃で加熱されることを希望する食品9を覆う蓋7の部分の外側に貼付されている。発熱体200は接着層43を設けているため、加熱中に動かず蓋7に固定できる。
定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体24(200)が前記30℃で加熱されることを希望する食品9を覆う蓋7の部分の外側に貼付されている。発熱体200は接着層43を設けているため、加熱中に動かず蓋7に固定できる。
図7は、部分加熱する範囲ごとに本発明の第二実施形態に係る発熱体200を1つずつ用いた、第二実施形態に係る包装体の断面模式図である。図7は、図6で示す第二実施形態に係る包装体と異なり、150℃で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体23(200)が150℃で加熱されることを希望する食品8を覆う蓋11の部分の内側(食品側)に貼付され、包装体の本体10に収納された食品8に触れている。このように、発熱体200を食品8に触れるように設けることで、その発熱体200に触れた食品に焦げ目やクリスピー感を付与することも可能である。なお、上述のように、焦げ目やクリスピー感を付与させるためには、導電性金属層42の厚さは、少なくとも0.4Ω/平方インチの電気抵抗率を有するように形成する。
なお、上記のように、食品が収納され、蓋に発熱体200が貼付された包装体として販売しても良いし、食品が収納されていない、蓋に発熱体200を貼付しただけの包装材として販売しても良い。さらに、発熱する温度の違いを色分けした発熱体200を貼付した包装体や弁当を使用し、それを店頭で販売することもできる。
(加熱対象物)
発熱体100、200を使用して加熱する加熱対象物は、例えば、食品として、スープ、コーヒー、紅茶、清涼飲料、アルコール飲料等の飲み物、おにぎり、パン、菓子、惣菜、麺類、冷凍食品、インスタント食品、レトルト食品などを挙げることができる。食材としては、料理の材料として用いられるもので、例えば、野菜、魚、肉などが挙げられる。
発熱体100、200を使用して加熱する加熱対象物は、例えば、食品として、スープ、コーヒー、紅茶、清涼飲料、アルコール飲料等の飲み物、おにぎり、パン、菓子、惣菜、麺類、冷凍食品、インスタント食品、レトルト食品などを挙げることができる。食材としては、料理の材料として用いられるもので、例えば、野菜、魚、肉などが挙げられる。
また、マイクロ波加熱装置によって加熱する加熱対象物は、食材や食品に限られない。
以上の通り、所定温度範囲上限の温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知してその位置への加熱を停止する機能を有するマイクロ波加熱装置と、本発明の発熱体を併用することで、コストをかけずに、容易に、加熱時の好みに合わせた部分加熱を可能とする。
1・・・弁当箱の本体
2・・・弁当箱の蓋
3・・・容器の本体
4・・・容器の蓋
5・・・1つの食材
6・・・第一実施形態の包装体の本体
7・・・第一実施形態の包装体の蓋
8・・・150℃で加熱されることを希望する食品
9・・・30℃で加熱することを希望する食品
10・・・第二実施形態の包装体の本体
11・・・第二実施形態の包装体の蓋
21・・・80℃で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体100
22・・・15℃で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体100
23・・・150℃で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体100
24・・・30℃で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体100
30・・・80℃で加熱された部分
31・・・150℃で加熱された部分
41・・・基材
42・・・導電性金属層
43・・・接着層
100、200・・・発熱体
2・・・弁当箱の蓋
3・・・容器の本体
4・・・容器の蓋
5・・・1つの食材
6・・・第一実施形態の包装体の本体
7・・・第一実施形態の包装体の蓋
8・・・150℃で加熱されることを希望する食品
9・・・30℃で加熱することを希望する食品
10・・・第二実施形態の包装体の本体
11・・・第二実施形態の包装体の蓋
21・・・80℃で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体100
22・・・15℃で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体100
23・・・150℃で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体100
24・・・30℃で発熱して所定温度範囲上限を超えて温度上昇する発熱体100
30・・・80℃で加熱された部分
31・・・150℃で加熱された部分
41・・・基材
42・・・導電性金属層
43・・・接着層
100、200・・・発熱体
Claims (7)
- 所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知して、その位置への加熱を停止するマイクロ波加熱装置による加熱に対し、
その加熱を停止するトリガーとするために、少なくとも、導電性金属層と、前記導電性金属層の上に積層した基材とからなる積層体より構成され、
前記導電性金属層の厚さが、40Åより厚く70Åより薄い、ことを特徴とする発熱体。 - 前記発熱体が発熱して所定温度範囲上限を超える温度上昇が発生する時の温度を調整することが可能な、請求項1に記載の発熱体。
- 2秒で200℃以上になる温度上昇速度で発熱することを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の発熱体。
- 前記導電性金属層が、少なくとも0.4Ω/平方インチの電気抵抗率を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の発熱体。
- 前記発熱体の面積が1mm2以上であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の発熱体。
- 所定温度範囲上限を超える温度上昇の発生とその温度上昇が発生した位置を検知して、その位置への加熱を停止するマイクロ波加熱装置による加熱に対し、
その加熱を停止するトリガーとするために、少なくとも、酸化金属蒸着薄膜層と金属蒸着薄膜層からなる多層蒸着層と、前記酸化金属蒸着薄膜層と金属蒸着薄膜層からなる多層蒸着層の上に積層した基材とからなる積層体より構成され、
前記酸化金属蒸着薄膜層および前記金属蒸着薄膜層の厚さが、それぞれ3nm以上10nm以下である、ことを特徴とする、
請求項1から5のいずれかに記載の発熱体。 - 請求項1から6のいずれかに記載の発熱体を用いた包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019224398A JP2021091463A (ja) | 2019-12-12 | 2019-12-12 | 発熱体およびそれを用いた包装体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP (1) | JP2021091463A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022255168A1 (ja) | 2021-05-31 | 2022-12-08 | Jfeスチール株式会社 | 固体潤滑被膜形成用の薬剤、油井管、及び油井管ねじ継手 |
-
2019
- 2019-12-12 JP JP2019224398A patent/JP2021091463A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022255168A1 (ja) | 2021-05-31 | 2022-12-08 | Jfeスチール株式会社 | 固体潤滑被膜形成用の薬剤、油井管、及び油井管ねじ継手 |
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