JPS6113838B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はミシンのステツチの構成を制御する装
置に関する。機械的に送り調節機構を逆送りの位
置に転換する機械的送り反転装置はミシンの技術
として公知である。このような機械的送り反転装
置は、手動の送り調節量をもち、また送り運動の
伝達のためリンク仕掛、ドグル又は戻りばね等を
含み、構造が複雑であるばかりでなく、慣性及び
機械的特性による制約がある。

ミシンのボタン穴かがり機構のような特殊目的
の装置で、針横振り機構が片側のステツチを縫う
ために設定されると同時に送りが反転されるもの
も公知である。これら公知の特殊目的の装置は複
雑であり、また高価な装置であるため、返し縫い
用の汎用目的には適していない。

本発明はステツチの構成が、電子パターン情報
信号に応答して動作する装飾ステツチパターン装
置によつて影響を受けるミシンに対して、送りの
反転方向における直線縫いのようなあらかじめ定
められたステツチ構成を操作者の指令に基づいて
与えるための装置を提供する。

本発明の目的は、従来における機械的な送り反
転装置及び上述の特殊目的の装置における欠点を
改善し、ミシンの装飾ステツチパターン装置を利
用して容易に生地送りの反転ができるミシンの逆
送り装置を提供することである。この目的は、手
動の反転スイツチの動作に応答して、通常の装飾
ステツチパターンのパターン情報信号を中断し
て、補助メモリ装置から予め記憶されている生地
送りを逆方向に行わせるパターン情報信号を発生
することにより達成される。

本発明の好適実施例においては、送り反転電気
スイツチが閉じることは逆方向に生地送り機構の
動作を指令する電子信号を印加するだけでなく、
また、ミシンの装飾ステツチパターン装置に電子
針横振れ位置情報および生地送りパターン情報信
号の双方が印加されるのを中断または防止する。
さらに、好適実施例においては、前回中断された
ステツチパターンの最初のステツチに対応する電
子パターン情報信号を復帰させるために、送り反
転電気スイツチが再び開くことに効力を生じさせ
る装置が与えれる。

本発明は電子パターン情報信号に応答して動作
する装飾ステツチパターン装置を有するミシンに
応用するのに適している。この種のミシンを記載
したジヨン・ダブリユー・ウルストによる1975年
３月25日付、米国特許第3872808号が以下では参
考として引用される。図面で示した好適実施例に
おいて、本発明は送り反転機構として示されてい
るが他のあらかじめ定められたステツチ構成を利
用することが可能であることが認められる。

第４図に示す論理線図は上記の米国特許第
3872808号の第２図に記載された各素子を含有
し、さらに、本発明の送り反転装置を得るための
別の素子だけでなくより広範囲のパターン選択を
得るための別の素子を含有する。これらの図面を
比較することは、米国特許第3872808号が反転方
向における均一な生地送りを行わせるための手動
装置を記載していないことを考慮するとき、本発
明の理解に対する助けとなろう。

第１図において、１１はベツドにかぶさつてい
るブラケツトアーム１４を支持する支柱１３を立
たせている生地支持ベツド１２を含有するミシン
フレームを示す。ベツド上の針板１５はブラケツ
トアーム内に取り付けらればね力の働いている押
え装置１６を支える。縫われる生地は押え装置１
６によつて針板１５および生地を送る針板内のス
ロツト１８を介して上向きに働く生地の送り歯１
７に対して下向きに押えられる。如何なる種類の
生地送り機構を利用することも可能であるが、米
国特許第3872808号に記載されているものが望ま
しい。

針板１５はまた、ブラケツトアーム内に担持さ
れる針１９の往復運動のための開口をもつてい
る。

ミシンのブラケツトアーム１４は制御部２０を
備え、この制御部２０は複数個のパターン選択ボ
タン３０ないし３７が突出している操作板２０と
これらパターン選択ボタンに関連したマークが読
取れるような透明のはめこみ板３９とを含むこと
が望ましい。別のボタン４０が返し縫いを手動制
御するため操作板２１に突出るようにシフト可能
な状態に設けられている。適当なマーク４１がミ
シンの操作者がこのボタンの目的を識別するため
この送り反転ボタン上の透明はめこみ板に配置さ
れている。

送り反転ボタン４０およびそれに関連する要素
の詳細を示す第２図および第３図を参照すると、
閉鎖部材４２が操作板２１の裏側に固定され、ま
たスイツチ基板４３がこれらの間に締め付けられ
ていることが明らかである。送り反転ボタン４０
と整列して、スイツチ基板４３にはこの基板を通
して延び、皿状の導電弾性体円盤４７でおおわれ
た一対の接点４５および４６を含む電気スイツチ
４４が設置されている。この円盤は基板に当接す
る支持片４８上に取り付けられる。この円盤のふ
ちは常に接点４５と接触しているが、ボタン４０
が押されない時は円盤４７はふくらんだままで接
点４６の中心は第２図に示すように接触していな
い。ボタンが押されるときには、円盤４７が第３
図に示すように閉じた位置関係に入り、接点４
５，４６間を電気的に導通にする。導電性リード
線４９が接地から第４図に示すように接点４５，
４６を接続し、電源５０へ、そしてインバータ５
１へと配置されている。送り反転スイツチ４４が
閉じられると、「低」すなわち「０」信号がイン
バータ５１の入力側（××）に生じ、「高」すな
わち「１」信号がインバータ５１の出力側
（RR）に生じる。

送り反転スイツチ４４が閉じた場合のミシンへ
の影響について第４図を参照して以下に説明す
る。

第４図の論理線図の特徴は米国特許第3872808
号に記載されているものとほぼ同一であるが、ス
イツチ７０の設定およびパターン選択ボタン３０
−３７のどれが押されたかに従つて、パターン選
択装置９０がラツチ６９からの出力線７２，７
３，７４，７５および７６上に、連続的に、選択
されたデイジタルコード信号を発生させまた同時
に単安定マルチバイブレータ６６からの線１３９
に発生するパルスを生じさせる。番地メモリ９１
においては、線７２ないし７６上のデイジタルコ
ード信号がステツチパターンを形成するパターン
ROM９２内の一群の連続したワードアドレスの
開始ワードアドレスを次々と定める線８０ないし
８７上の出力を生じさせる。番地カウンタ９３は
ROM９２へつながる線９５ないし１０３上に生
じる番地を次々と増加させるため線路１０４上の
パルスに応答する。米国特許第3872808号におい
ては、番地カウンタへ向う線１３８上のパルスは
線８０ないし８７上に生じる開始ワードアドレス
に対してカウンタをリセツトするようになつてお
り、これは新しいパターンの選択によつて生じる
線１３９上のパルスかまたはROM９２からの出
力線１１０ないし１１４上の特別のパターン終了
コード語の発生によつてひき起されていた。米国
特許第3872808号においては、本発明における針
横振れ位置情報出力線１１０ないし１１４および
ROM９２からの送り出力線１１５ないし１１９
はそれぞれバイトへおよび送り駆動装置へと直結
しているように図示されている。

第４図を参照すると、本発明においてバイト出
力線１１０ないし１１４がパターンROM９２か
らバイト駆動装置へと直結しておらず、その代
り、補助記憶装置に直結していることがわかる。
補助記憶装置１５０は、たとえば、中心針位置に
対応するステツチバイト情報の１つのパターンを
記憶しており、補助記憶装置１５０へ向う線路１
６６ヘスイツチ４４を閉じることにより生じる信
号が印加されるときはいつもこの情報が駆動装置
へ向う出力線１６０ないし１６４へ印加されるこ
とになる。線１６６上に信号が存在しない場合は
補助記憶装置１５０は線路１１０ないし１１４上
で受信されるステツチパターン情報を線１６０な
いし１６４へ通過させる。

図示されているように、送り反転スイツチ４４
へ接続されているインバータ５１の出力側
（RR）は補助記憶装置１５０への信号線１６６へ
出力を出しているORゲート１５１への入力とし
て接続されている。本装置においては、送り反転
ボタン４０が押される時は常に、針が与えられた
一定の横方向の位置（中心針位置が望ましい）へ
移動することになる。

本発明において、送り出力線１１５ないし１１
９も同様に送り駆動装置に直結されず、その代り
にそれぞれがNANDゲート１７０の形式のオープ
ンコレクタを含んでいる。NANDゲート１７０の
各々の一方の入力は、NORゲート１７５の出力
へ接続され、このゲート１７５の一方の入力は、
インバータ５１の出力側（RR）からの線路１７
６によつて供給される。そして、送り反転スイツ
チ４４が閉じられる時は常にインバータ５１の出
力側（RR）は信号を運ぶので、送りパターン情
報はNANDゲート（オープンコレクタ）１７０に
よつて中断される。線路（RR）からの信号は同
時に、線路１７２を介して、たとえば、反転方向
へ約25mm（１インチ）当り12ステツチというよう
な反転方向へのかなりの送り量に対応する送り量
と方向の情報の１つのパターンを記憶する補助記
憶装置１８０へも供給される。したがつて、送り
反転ボタン４０が押されると常に、ミシンの送り
機構は主ROM９２からの送り制御パターン情報
には応答せず、代つて、送り反転ボタン４０が押
され続けている間は逆送りの状態に対応する生地
送り状態を指示するため補助記憶装置１８０から
の出力線１９５ないし１９９による影響を受ける
ことになる。

第４図に示す通り、番地カウンタ９３は米国特
許第3872808号に記載のものとは次の点で異なつ
ている。本発明においては線１３８上の「高」す
なわち「１」状態はカウンタ９３の計数を許可
し、また、線１３８上の信号の遮断によつて生じ
る「低」すなわち「０」状態は番地メモリ９１か
ら線８０ないし８７によつて、連続的にパターン
番号の始めが印加されるときは常にカウンタ９３
をリセツトする。パターン終了信号および新パタ
ーン選択にそれぞれ応答するANDゲート１３５
およびORゲート１３７は、本発明においては、
番地カウンタ９３のリセツト線１３８へその出力
が接続されているNORゲート１４０への入力を
供給する。

NORゲート１４０への別入力はORゲート１４
１の出力である。ORゲート１４１のどちらの入
力に生じる信号によつてもカウンタ９３はリセツ
トされる。導線１４２は本発明の範囲外の装置に
よる回路からのものである。導線１４３は図示の
通り接続された２つのNORゲート１４５および
１４６で構成されるフリツプフロツプの出力であ
る。このフリツプフロツプの一方の入力は通常の
ステツチにおいては「オフ」すなわち「０」状態
にとどまり、送り板転ボタンが押されている間の
み信号を運ぶインバータ５１の出力上の線路
（RR）へ接続されている。フリツプフロツプの他
の一方の入力はORゲート１４７およびANDゲー
ト１４８を含む回路からのものである。ORゲー
ト１４７の一方の入力は、２入力の一方が、タイ
ミングパルスの間、線路１０４からのもので他の
一方が送り反転スイツチが開いている間のみ信号
を運ぶ線（××）からのものであるANDゲート
１４８の出力である。

したがつて、通常の縫製動作の間で、送り反転
スイツチ４４が開いている場合は、番地カウンタ
９３は、選択されたステツチパターンが関連する
番地の全シーケンスの間、動作を持続し、また、
ANDゲート１３５からのパターン終了信号を受
信した場合、あるいは新しいパターンが選択され
たとき線１３９上で信号を受信した場合にのみリ
セツトされる。線（RR）上に信号が存在しない
場合はフリツプフロツプの出力は「低」状態であ
る。線（RR）上およびフリツプフロツプの線１
９０上に信号が存在しない場合は、通常の縫製作
業間、フリツプフロツプ内の線路１９１内に信号
が発生する。そしてこのためにORゲート１４７
からフリツプフロツプへ向かう信号は効力をもた
ない。しかしながら送り反転スイツチが閉じられ
ると線（RR）内のフリツプフロツプへの入力線
上の信号はフリツプフロツプの出力を変化させ
て、「オン」状態にし、その出力信号が番地カウ
ンタへ向つて番地カウンタがリセツトされるよう
になる。そしこの状態は送り反転スイツチが閉じ
られている間ずつと続く。送り反転スイツチ４４
が開かれると、ORゲート１４７によつて供給さ
れるフリツプフロツプへの入力は効力をもたらす
ことが可能となり、また、ANDゲート１４８へ
供給される線（××）は信号を運ぶので、AND
ゲート１４８上でタイミングパルス信号を次に受
信するとき、フリツプフロツプをトリガして、そ
の出力を再び「オフ」状態に移行して番地カウン
タ９３を通常動作の状態にする。

上記の説明から送り反転スイツチ４４を閉じる
毎にステツチ長と方向が反転送りモードに移行す
るだけでなくミシンが好ましくは中心針位置での
直線縫いに復帰し、さらに、それまで実施されて
いたどのようなステツチパターンも中断されるこ
とが理解されよう。送り反転スイツチが再び開か
れると、中断されていたステツチパターンはステ
ツチパターンの先頭に復帰することになる。

また、上述のミシンの動作モードの変化が通常
のステツチ動作で利用されるものと同一の装置を
利用して達成されており、上記の変化が信号を変
更するステツチパターンの置換によつて引起され
る変化であつて駆動機構や制御機構として複雑な
並列装置を必要とせずにミシンの動作を大きく変
化させるものを実現していることは本発明の利点
として指摘できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の好適実施例を説明するための
本発明を応用したミシンの前面の透視図である。
第２図はミシンの送り反転スイツチを示すため第
１図の線２−２に沿つて横方向に切つた断面を拡
大した図である。第３図は第２図の線３−３に沿
つて送り反転スイツチを示すため長さ方向に切つ
た断面図である。第４図は本発明の送り反転装置
が応用された電子パターン情報信号に応答して動
作する装飾ミシンステツチパターン装置を示すト
ランジスタ−トランジスタ論理線図である。 ２０……制御部、３０……パターン選択ボタ
ン、４０……送り反転ボタン、９０……パターン
選択装置、９１……番地メモリ、９２……
ROM、９３……番地カウンタ、１５０，１８０
……補助記憶装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ステツチ構成に影響を与えるパターン情報信
   号を発生して複数個の異なる装飾ステツチパター
   ンの選択された１つを作らせるためのステツチパ
   ターンメモリ装置９２と、前記ステツチパターン
   メモリ装置に記憶された前記複数個の異なるステ
   ツチパターンの選択された１つを有効にする選択
   スイツチ装置３０−３７と、前記スイツチ装置に
   よりなされたステツチパターン選択の有効性を維
   持するラツチ装置６９と、前記ラツチ装置により
   維持されたステツチパターン選択を解除するラツ
   チ解放装置６６とを有するミシンにおいて、 前記ミシンの操作者の指令時に逆方向に所定の
   生地送りを与える装置であつて、この装置が 前記ミシン上に設けられた手動反転スイツチ４
   ０と、 前記所定の生地送りを逆方向に行わせるパター
   ン情報信号を記憶し発生する補助メモリ装置１５
   ０，１８０と、 前記手動反転スイツチ４０の動作時に、その動
   作時を表わす信号に応答して前記ステツチパター
   ンメモリ装置９２からのパターン情報信号を中断
   する回路１７０を含むとともに中断時にその代り
   に前記補助メモリ装置１５０，１８０からの前記
   パターン情報信号を代用するように前記ラツチ解
   放装置６６に影響を与えることなく、前記補助メ
   モリ装置を制御し、また 前記手動反転スイツチ４０の非動作時にその非
   動作を表わす信号に応答して前記ステツチパター
   ンメモリからの前記中断されたパターン情報の有
   効性を再確立してそのパターン情報に復帰させる
   ため前記補助メモリ装置を制御するとともに前記
   ラツチ装置６９によりその有効性を維持させる回
   路１５１，１７０を含むミシンの逆送り装置。