JPH0318915B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電子制御ミシンに関し、特に電子制
御ミシンの鏡像模様の作成方法および装置に関す
る。

従来の技術とその問題点 多数の模様に対するステツチ模様情報の記憶と
検索のための精巧な電子技術を用いたミシンは、
近年、商業上の大きな成功を収めている。電子制
御ミシンを使用することの一大利点は、使用者が
認めているように、操作及び制御が簡単な点にあ
る。このようなミシンでは、使用者が一つのボタ
ンを押すだけで多数の模様のうちのどれか一つを
選択することができる。さらに、このようなミシ
ンを使用すれば、使用者は、ミシン中に記憶され
ているステツチ模様テータを変更して、選択した
模様の寸法及び形状を制御することができる。例
えば、使用者は、ステツチ長を変えること、ステ
ツチ幅を変えること、記憶されている模様の長さ
の２倍の長さを有する模様を縫うこと、及びミシ
ンに２本針機能を選択すること等ができる。さら
に、針の横運動方向に、選択した模様の鏡像を縫
うことのできる機能をミシンにもたせることがで
きる。この機能は、従来技術で周知のように中央
針位置に関する針揺動情報（bight information）
を反転することによつて実現できる。

さらに使用者にとつて望ましいことは、送り方
向に模様の鏡像を縫うことが可能になることであ
る。従つて、例えば、送り方向に進行する汽車の
模様がミシン内に記憶されているときは、“鏡像
送り”機能をもたせることによつて、ミシンの操
作者は、汽車の進行方向を反転させることができ
る。これを実現するためには、記憶されているス
テツチ模様データを、反対に読むだけでは不可能
である。それは、ミシン動作を通じて、各ステツ
チ形成サイクルは針の貫通と針揺動とそれに続く
布送りとによつて構成されるからである。もし
も、ステツチの順序と反対にステツチ模様データ
が記憶装置から抽き出して、そのデータの順序で
もつて単純にステツチが形成されるとすると、そ
の結果は、元の縫い模様と認めることができない
程にひずんだものとなつてしまう。

発明の要約 かくして、本発明は従来技術における上述の問
題点を解決することに指向するもので、その主要
な目的は、電子制御ミシン本体内の記憶装置に記
憶されている模様の鏡像を送り方向に縫うための
方法とその方法に従つて動作する装置を具備し
た、斬新にして有用性の豊かな電子制御ジグザグ
ミシンを提供することである。

前記の目的及び他の目的は、送り方向に模様の
鏡像を縫う本発明の原理に従つて以下の論理を用
いることにより達成される。最初の針貫通には、
模様の最初のステツチの針揺動データを使用す
る。送りは、模様の最後のステツチの送りデータ
を使用して実施する。つづく第２の針貫通は、模
様の最後のステツチの針揺動データを使用したの
ち、模様の最後のステツチの次にある送りデータ
によつて送りを実施する。この動作は、第１のス
テツチの送りデータによつて模様が完成するまで
繰返し継続する。

発明の実施例 図面については、同等の素子には、異る図面で
も同一の参照番号が付されている。第１図は、参
照番号１０によつて全体があらわされたミシンを
示す。ミシン１０は、縫製材支持ベツト１２、垂
直支柱１４、ブラケツトアーム１６及びミシン頭
部１８を含む。ミシンのステツチ形成装置には、
縦方向に往復運動ができてジグザグ縫いをするた
めの横方向運動を行なう針２０と、ヘツド１２に
ある針板に形成されたスロツトを介して上方に動
作し、針の貫通と次の針の貫通との間に、縫製材
をベツト１２を横切つて送る縫製材送り歯（図示
せず）とを含む。ミシンの操作者によつて形成さ
れる縫い模様、すなわち各縫い糸の位置座標は、
例えば、ここに参考とする米国特許第3872808号
に開示されているように、記憶装置に記憶されて
いるデータによる影響を受けるようにしてもよ
い。簡潔に言えば、前掲の特許の主題には、ミシ
ンの操作と時間を合せて、ミシンフレーム中の固
定記憶装置（ROM）から抽出した電子縫い模様
データに応答して、針２０の横方向の揺動と縫製
材送り歯の送り運動の方向及び大きさを制御する
装置が含まれている。

ミシンの操作者用の制御装置には、ブラケツト
アーム１６にある、縫い目長さ制御装置２２と縫
い目幅制御装置２４とがある。これらの制御装置
２２及び２４によつて、例えば米国特許第
4016821号に開示されているように、針の横方向
の揺動アクチユエータ及び縫製材送りアクチユエ
ータの動作を、記憶されているデータの指示する
運動と異る運動に変更することができる。さら
に、ブラツケツトアーム１６には、１本針／２本
針（対針）選択スイツチ２６及び選択した鏡像模
様を針揺動方向（bight direction）に縫うため
の鏡像選択スイツチ２８が取付けてある。本発明
の原理に従い、鏡像送り選択スイツチ３０をミシ
ンに設け、操作者はこのスイツチを操作して、選
択した鏡像模様を、その送り方向にミシン１０に
縫わせることができる。これについては後に詳し
く説明する。模様の選択は、例えば、押しボタン
スイツチ３４の配列３２によつて行うが、各押し
ボタンはそれぞれのステツチ模様に対応するもの
で、その模様形成情報は、ミシン１０の静的記憶
装置に記憶されている。各押しボタン３４の表面
には、操作者がそのスイツチを動作させたとき、
ミシンが縫い上げる模様を表わす、小さな略図
を、操作者が見える位置に取付けておく。

第２図は、第１図に示したミシン用の、マイク
ロコンピユータを基礎にした制御装置の全体ブロ
ツク図である。第２図に示すように、マイクロコ
ンピユータ４０は、ミシン操作者が縫いたいと思
う模様を表わす入力信号を、模様選択器３２から
受信する。マイクロコンピユータ４０には、内部
に中央処理装置（CPU）４２及び模様記憶装置
（ROM）４４を含む。中央処理装置４２は、ミ
シン１０の動作と時間を合せて、送りアクチユエ
ータ装置４６と針揺動アクチユエータ装置４８を
制御するデータを、模様ROM４４から受信す
る。送りアクチユエータ装置４６及び針揺動アク
チユエータ装置４８は、類似の構成であつて、コ
ンピユータ４０からのデイジタル符号語を機械的
位置に変換する用ようになつている。この機械的
位置は、通常のステツチ形成装置内のミシン針の
位置を定め、また各針貫通に対して、特定の縫製
材送りを与える。マイクロコンピータ４０には、
例えば、ロツクウエル．インタナシヨナル会社
（Rockwell International Corporation）製の
R6500／１型マイクロコンピユータを使用でき
る。中央処理装置４２は、導線５２によつて模様
ROM４４にアドレスを指定し、導線５４から８
ビツトのバイトデータを受信する。操作者が操作
することのできるスイツチはすべて、適切なイン
タフエース回路を介して、マイクロコンピユータ
４０に結合されているが、簡略化のため、模様選
択器３２と鏡像送り選択器３０だけを第２図に示
してある。

第３図には、鏡像送り機能を動作させて、交互
模様を縫うときの、模様糸の縫い方の一例を示し
てある。ここに例示した模様は汽車の模様であ
る。第１の縫い模様は、通常の方法で縫つた模様
６０である。第２の縫い模様は、鏡像送り選択器
３０を動作させて縫つた模様６２である。第３の
模様は、通常の方法で縫つた模様６４であり、ま
た第４の模様は、鏡像送り選択器３０を動作させ
て縫つた模様６６である。

第４Ａ図および第４Ｂ図は、それぞれ、鏡像送
り機能の実行にマイクロコンピユータ４０を動作
させるためのサブルーチンのフローチヤートであ
る。サブルーチンを説明する前に、ステツチ模様
情報を模様ROM４４に記憶させる方法を簡単に
述べる。各ステツチに対し、５ビツトの針揺動デ
ータと５ビツトの送りデータと２個の制御ビツト
を使用している。模様ROM４４は、８ビツトの
バイトで構成してあるので、模様ROM４４の記
憶装置の３バイトを、２個のステツチに対する情
報を記憶するのに使用する。従つて、各ステツチ
対に対して、第１ステツチの針揺動データと、制
御データと、及び送りデータの第１ビツトとは記
憶装置の第１バイトに記憶され、第１ステツチの
送りデータの残り４ビツトと第２ステツチの揺動
データの４ビツトとは記憶装置の第２バイトに記
憶され、また第２ステツチの揺動データの残りの
ビツト、送りデータ及び制御ビツトは、記憶装置
の第３バイトに記憶される。模様ROM４４に
は、また、各模様の第１ステツチに対するバイト
のアドレスを記憶する模様アドレステーブル
（PATTAB）を含む。さらに模様ROM４４に
は、各模様毎にそのステツチの総数より１だけ小
さい数を記憶する模様長さテーブル
（PATLEN）も含んでいる。これについては、
模様内のステツチの計算は、ゼロを計算して始
め、その模様のステツチ数より１だけ小さい数ま
でを計数して行われることに留意されたい。中央
処理装置４２には、鏡像送り機能が動作している
とき、ゼロでないフラグ（MIRFED）が現れる。
中央処理装置４２にはまた、鏡像送りの間にデー
タを保持するのに使用するデータ保持装置
（MIRTMP）がある。

操作者が、鏡像送り選択スイツチ３０（第１
図）を動作させて、鏡像送りを選択するときは、
ステツチのカウントはゼロにセツトされ、鏡像送
りフラグMIRFEDもセツトされ、また選択した
模様の第１ステツチの針揺動ゲータは、第４Ａ図
に示すように、一時記憶場所MIRTMPに記憶さ
れる。他に、鏡像送り表示の発光ダイオード３１
が点灯する。その後マイクロコンピユータ４０
は、従来技術で周知のような方法で、針揺動同期
パルスを受信するまで、通常実行するすべての機
能を実行する。

第４Ｂ図は、針揺動同期パルスの受信後の動作
を図示している。各針揺動の同期点において、ス
テツチデータは模様ROM４４から得られ、鏡像
送りフラグMIRFEDがセツトされているかどう
かをみるためのチエツクが行わるれる。フラグが
セツトされている場合には、ステツチのカウント
は、模様長さテーブルPATLEN中の適切なエン
トリ値から差引かれる。残りの数が、新しいステ
ツチのカウント値として使用されて、適切なステ
ツチデータを検索するために記憶装置中を索引す
るのに使用される。模様ROM４４から得られた
針揺動データは、一時記憶場所MIRTMPにあら
かじめ記憶しておいた針揺動データと交換され
る。このようにして、針揺動データは所期の通り
送りデータから１ステツチだけ常に遅れることに
なる。次に、ステツチのカウントがゼロかどうか
をしらべるためのチエツクを行う。ステツチのカ
ウントがゼロのときは、模様フラグの終端がセツ
トされる。最後に、ステツチのカウントが、模様
長さ表PATLENの適切なエントリ値から再度差
引かれる。この差引きによつて、ステツチのカウ
ント値をもとの値に戻す。それによつて、ステツ
チのカウントは、他のプログラムのサブルーチン
によつて、通常の方法で処理することができる。
模様ROM４４からステツチデータを得るサブル
ーチンだけが、ミシンの鏡像送り動作モードであ
ることを知るのに必要である。

送り方向に、模様の鏡像を縫うために、本発明
によつて構成する方法と装置とを以上のように開
示した。これまでに説明した実施例は、単に本発
明の原理の応用を示したものであることを理解さ
れたい。特許請求の範囲に示した本発明の精神と
範囲を逸脱しないで、多くの他の実施例が可能で
あることは当業者には容易に理解いただけよう。
例えばプログラムされるマイクロコンピユータを
開示したが、本発明は、また配線によつて定まる
固定的な処理装置でも実施できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に従うミシン例の正面図；第
２図は、第１図のミシン用のマイクロコンピータ
を使用した制御装置の全体ブロツク図；第３図
は、本発明の原理に従つた模様形成図；及び第４
Ａ図及び第４Ｂ図は、本発明の原理に従つて第２
図のマイクロコンピユータを動作するためのサブ
ルーチンのフローチヤートである。 １０……ミシン、２８……鏡像選択スイツチ、
３０……鏡像送り選択スイツチ、４６……送りア
クチユエータ装置、４８……針揺動アクチユエー
タ装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 送り及び針揺動が制御されるステツチの模様
   を作るため、ステツチとステツチの間で所定範囲
   にわたつて位置が制御されるステツチ形成装置
   と、模様内のステツチの順序に応じて命令された
   順序で針揺動及び送り情報を含む模様縫い情報を
   記憶する装置と、前記記憶装置から前記模様縫い
   情報を引き出すためにミシンと時間を合せた関係
   で動作する装置と、前記引き出された模様縫い情
   報に対応する模様縫いを実施するために、前記ス
   テツチ形成装置の送り運動及び針貫通運動に影響
   を与えるために、前記の引き出された模様縫い情
   報に応答して作動するアクチユエータ装置とを具
   備する電子制御ミシンにおいて、前記模様縫い情
   報を引き出して前記模様の鏡像を送り方向に縫う
   ようにする、鏡像模様作成方法であつて： (a) 前記模様の第１ステツチに対する模様縫い情
   報を引き出す段階と、 (b) 引き出した針揺動情報を一時記憶位置に記憶
   させる段階と、 (c) 前記模様の第（Ｔ−Ｎ）番目のステツチに対
   する模様縫い情報を引き出す段階（ここで、Ｔ
   は前記模様の総ステツチ数、でありまたＮ＝
   ０）と、 (d) 段階(c)で引き出された針揺動情報を、一時記
   憶位置にある針揺動情報と交換する段階と、 (e) 段階(d)からの交換された針揺動情報と段階(c)
   からの送り情報によつてステツチを形成する段
   階と、 (f) Ｎの値を１つ増分する段階と、 (g) Ｔ−Ｎ＝０になるまでＮを増分して、段階(c)
   ないし(f)までを繰返し行う段階と、 を含んで成る前記の鏡像模様作成方法。 ２ 送り及び針揺動の制御されたステツチの模様
   を作るためにステツチとステツチの間で所定の範
   囲にわたつて位置が制御されるステツチ形成装
   置；前記模様内のステツチの順序に対応して命令
   された順序で模様縫い情報を記憶する装置；別個
   に識別可能な針揺動情報及び送り情報を含んでい
   る、各ステツチに対する模様縫い情報；送り方向
   に模様の鏡像を縫うことができるように操作者に
   よつて動作される切替え装置；及び前記切替え装
   置の操作に応答して、前記模様縫い情報から逆の
   順序に順序付けし、また鏡像の各ステツチに対
   し、そのステツチの送り情報と、元の順序にした
   がつた次のステツチに対する針揺動情報とを、元
   の順序にしたがつて使用する；を具備する電子制
   御ミシン。 ３ 特許請求の範囲第２項において、鏡像第１の
   ステツチを形成するとき、前記順序付け装置が、
   最初のステツチに対する針揺動情報を、また次の
   ステツチに対する送り情報を利用するようにした
   電子制御ミシン。