JPS628195B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ミシン、とくに、アドレス可能記憶
装置内に格納された縫目模様データを具備したミ
シンに用いられる縫目模様選択及び表示装置に関
する。

近年、いわゆる“電子”家庭ミシンが人気を博
し、商業的に成功するに至つた。これらの電子ミ
シンは、所望の模様を自動的に作り出すために針
位置決め機構と縫物送り機構との双方を制御する
情報をデイジイタル形式で格納する静的記憶装置
を、通常、含んでいる。格納された情報から発生
した信号は、針並びに縫物送り機構を選択的に位
置決めするために信号応答作動器に加えられる。
この型式のミシンは、本発明と同じ譲受人に譲渡
された米国特許第3872808号に詳しく記述されて
おり、上記特許の公開内容は本発明に参照事項と
して含まれている。

上記参照特許に開示された型式のミシンにおい
ては、操作者にとつて約２ダースの模様の選択が
可能である。もし個々の独立した押しボタンが各
模様を選択するためにボタン間に適当な間隔をと
つてそれによつて操作者が１つのボタンだけを押
すことができるように配備されていたならば、少
くともミシン前面及び頂面上で取ることのできる
間隔全部を利用していなければならないであろ
う。このような表面上の間隔を確保しかつきわめ
て多数の模様を選択できるようにするための構成
は、技術的に成功を収めてきた。たとえば、米国
特許第3913506号は、ミシンのための模様選択方
式を開示しているが、この場合は、限定された数
の一次模様選択部材に加えて、二次選択装置が具
備されていて、これによつて操作者は、一次選択
部材の選択を受けた縫目模様のいくつかの組合せ
または群のうちの１つを表現することができる。
この選択装置では、操作者は使用可能な模様のす
べてを可視的に走査しかつ所望の模様を選択する
ために互に間隔を置いて離れ合つている２つの作
動器を操作しなければならない。

したがつて、本発明の目的は、ミシン表面上で
できるだけ小さい間隔を利用するミシン用縫目模
様選択及び表示装置を提供することである。

本発明の目的はさらに、縫目模様の選択及び表
示を、操作者による作動器の最小の操作で達成で
きるような構成を提供することにある。

第１図は、ミシンの説明図であつて、ここに
は、２つの機構、すなわち、連結する針の刺し目
の相対的座標位置を変化させる役を果す針位置決
め及び縫物送り機構の一部が示されている。第１
図に鎖線で示したように、ミシンのケースは、ベ
ツド１１、このベツド１１から立上るスタンド１
２及びこのベツド１１の上に覆い懸かるブラケツ
トアーム１３を含む。ミシンの駆動機構は、アー
ム軸１４及びスタンド１２内のタイミングベルト
（図には示されていない）によつて相互に連結さ
れたアーム軸１４とベツド軸１５とを含んでお
り、タイミングベルトはミシンの主駆動モータ
（図には示されていない）によつて駆動される。
針棒１７によつて先端を下に向けて往復運動する
ために担持された針１６は、横方向への歩み運動
を行うためにブラケツトアーム１３内のゲート１
８に載持されている。針に往復運動を伝えるため
にアーム軸１４と針棒１７との間に任意の従来型
連結機構（図には示されていない）を使用する。
ゲート１８に２０において回転自在に取り付けら
れた駆動リンク１９は、針１６に横方向歩み運動
を伝えるように働く。駆動リンク１９は、駆動リ
ンク１９の位置したがつて針１６の横方向位置を
制御する線形作動器２０ａに連結されている。

第１図には、また、送り棒２２によつて担持さ
れた送り回し金２１を含む縫物送り機構の一部が
示されている。第１図には、ベツド軸１５により
歯車２４を介して駆動される送り駆動軸２３、送
り駆動軸２３上のカム２５、カム２５を抱えか
つ、スロツトを持つた送り調節案内路２８内のす
べりブロツク２７を往復運動させるようにこれを
連結した連結片２６を含み、送り回し金２１に縫
物移送運動を伝えるための機構が示されている。
案内路２８の傾きに応じて、送り回し金２１の送
り行程の大きさと向きとが決定されるようにリン
ク２９が連結片２６を回転自在に送り棒２２に連
結している。案内路２８の傾きは、リンク３１に
連結した線形作動器３０によつて制御される。リ
ンク３１は、案内路２８に固定された揺れ軸３４
上に担持されている揺れアーム３３に３２におい
て回転自在に取り付けられている。線形作動器３
０の運動は、リンク３１の位置と案内路２８の傾
きとを制御する。

第１図には、また、プリント配線板４０が示さ
れており、この説明の例では、その上に縫明模様
情報を格納した記憶装置とこの格納された情報に
従つて線形作動器２０ａ及び３０を動作させる制
御回路が載持されている。

プリント配線板４０上のこの回路についての説
明は第５図のブロツク線図についての記載に関連
して与えられるから、本発明の原理を理解するた
めには必要な程度以上詳しくは説明しないことに
する。これについてさらに情報を得たい場合は、
上掲の米国特許第3872808号を参照されたい。

この発明の原理に従つて、透明表示窓４５が、
ミシンのブラケツトアーム１３の前面に配備され
ている。この窓４５の背後であつてかつブラケツ
トアーム１３内に、円筒部材４７上に載持された
グラフ模様表示部材４６がある。円筒部材４７
は、従来式の方法でステツプモータ４９の軸４８
上に載持されかつこれと共に回転するように取り
付けられる。ステツプモータ４９は、従来式に
（図に示されていない装置によつて）ブラケツト
アーム１３内に載持されている。円筒部材４７内
には、この説明の例では、ミニアチユア白熱ラン
プ５０を使つた光源が懸架されている。軸位置セ
ンサ及び符号化器５１が軸４８に結合されてい
る。

円筒部材４７は透明であつて、これを通して光
源５０からの光を通過させる。表示部材４６は、
透明なグラフ模様表示装置であつてその面上に複
数個の実算的に寸法の等しい縫目模様画像領域を
有する。この画像領域の各々は、プリント配線板
４０上の記憶装置内に格納されている情報を利用
することによつて形成される模様の１つをグラフ
的に表示したものである。この説明の例では、記
憶装置内に格納されている情報に従つて作り出さ
れることのできる24個の模様がある。そのため、
表示部材４６は24個の画像領域を持ち、その各々
は円筒部材の全円周にわたる360゜のうちの15゜
をそれぞれ領有する。したがつて、ステツプモー
タ４９は、そのステツプごとに15゜回転するもの
であつて、好ましくは低価格の永久磁石型のもの
が選ばれる。永久磁石型ステツプモータは、低価
格であるということに加えて、電力を低減したり
または取り去つた場合でも、回転角位置をそのま
ま維持すると云う、もう１つの利点を持ち合わせ
ている。

第４図に示すように、表示窓４５は、それを通
して、表示部材４６上に画像領域のうちの３つが
見えるような充分な広さのものが選ばれる。

この発明の原理に従つて、操作員の制御可能な
３つの作動器５２，５３、及び５４が配備されて
いる。この説明の例では、これらの作動器は、押
しボタンスイツチである。所望の模様を選択する
ためにミシン１０を操作する好適方法は、操作者
が作動器５３を押すことである。この結果、以下
に詳しく説明する具合に、３つの互に異なつた画
像領域が表示窓４５を通して見えるようにステツ
プモータ４９が円筒部材４７を進める。操作者
は、所望の模様が見えるようになるまで作動器５
３を押し続ける。もし所望の模様が見えている３
つの模様の中央にあるならば、操作者はそれ以上
操作を加える必要はない。所望の模様が、見えて
いる模様の一番左側にあるならば、操作者は作動
器５２を押す。この結果、先に一番左側にあつた
模様が表示窓４５を通して中央に見える模様とな
るようにステツプモータ４９を「左」向きに１ス
テツプだけ運動させる。これと同じように、所望
の模様が、表示窓を通して見えている３つの模様
のうちの一番右の模様であるならば、操作者は右
の作動器５４を押して、この結果、ステツプモー
タ４９を“右”向きに運動させて先に一番右にあ
つた模様を中央に持つてくる。ステツプモータ軸
４８の回転角位置は、軸位置センサ及び符号化器
５１によつて感知されるので、表示窓４５を通し
て見える中央の模様に対応するように設計されて
いる。

第５図を参照すると、ここには、本発明に従う
模様選択及び表示装置に対する制御回路を説明す
る概略ブロツク線図が描かれている。第５図に示
すように、ステツプモータ４９の軸４８は、軸位
置センサ及び符号化器５１に結合されている。こ
の符号化器５１は、従来型の設計のものであつ
て、軸４８の角位置を表示する５ビツトデイジイ
タル符号を出力リード線５５上へ供給する。軸４
８が取ることのできる24個の角位置は、その各々
がミシンの縫目模様の１つに対応する。リード線
５５上の５ビツト符号は、アドレス記憶回路５６
への入力である。アドレス記憶回路５６は、先に
参照した米国特許第3872808号の第２図に示され
たアドレス記憶装置９１に相当するものである。
その特許に開示されているように、アドレス記憶
装置５６の出力は、この選択された模様を表わす
符号語であり、この模様を形成するための針横振
れ（bight）及び縫物送り情報は、次に記憶装置
から検索される。

このように、軸４８の角位置が検出されて、選
択された模様を個々に判定する。

所望の模様を表示し、したがつて、これを選択
するようにステツプモータ４９を制御するため
に、ステツプモータ駆動制御回路５７が具備され
ている。ステツプモータ駆動制御回路５７は、従
来型の設計のものであつて、その「右」入力線５
８上のパルスに応答してその結果ステツプモータ
４９を第１の向きに回転させ、またその「左」リ
ード線５９上のパルスに応答してその結果ステツ
プモータ４９を第２の向きに回転させる。入力リ
ード線５８と５９の１つの上の各パルスに対し
て、ステツプモータ４９は、各向きに、この説明
の例では、15゜だけ回転する。ステツプモータ駆
動制御回路５７に入力信号を供給するために、進
み（ADVANCE）と指定された作動器５３が、
押されたときに接地レベル信号を３パルス発生器
６０に供給するように接続される。３パルス発生
器６０は、従来型の設計のものであつて、その入
力リード線６１上の接地レベル信号に応答してそ
の出力リード線６２上に３つのパルスを供給す
る。リード線６２は、ORゲート６３の１つの入
力端子に結合されており、このORゲートの出力
はリード線５８へ出力される。したがつて、進み
（ADVANCE）作動器５３が押されると、ステツ
プモータ４９を３ステツプ進めさせるように３つ
のパルスがステツプモータ駆動制御回路５７の
「右」入力端子に現われる。このことは、所望の
模様画像が表示窓４５を通して見えるようになる
まで、操作者が可能なすべての画像を、３つずつ
グループにして速かに走査できるように、進み
（ADVANCE）作動器５３が押されるたびに、起
こる。このときに、所望の模様画像が中央にある
ならば、操作者にとつては、縫作業を開始させる
ほかそれ以上行うことはない。なぜならば、５ビ
ツト軸位置センサ及び符号化器５１が、所望の模
様の１つである一番中央にある模様を表示するア
ドレス記憶装置５６に信号を供給するからであ
る。しかしながら、所望の模様が表示窓４５の右
側上にあるならば、操作者は、接地レベル信号を
リード線６４に加える右（RIGHT）作動器５４
を押す。リード線６４上の接地レベル信号は、従
来型の設計のものであつて、リード線６６に単一
パルスを加える単発回路６５の入力である。リー
ド線６６は、ORゲート６３の入力端子に接続さ
れている。したがつて、右（RIGHT）作動器５
４が押されると、単一パルスがステツプモータ駆
動制御回路５７の「右」入力端子５８に現れステ
ツプモータ４９を１ステツプ進ませて表示窓４５
内の先に１番右側にあつた模様画像をその中央位
置にもつてくる。これによつて、５ビツト軸位置
センサ及び符号化器５１の出力を変化させて適正
な新しい模様情報信号をアドレス記憶回路５６に
供給する。同様に、所望の模様画像が表示窓４５
の一番左側位置にあるならば、操作者は、左
（LEFT）作動器５２を押して接地レベル信号を
リード線６８を通して単発回路６７に加える。単
発回路６７はこれに応答して単一パルスをリード
線５９を通してステツプモータ駆動制御回路５７
の「左」入力端子に供給する。これによつて、先
に一番左側にあつた模様画像を表示窓４５の中央
位置にもつてくるようにステツプモータ４９を第
２の向きに１ステツプ移動させる。これが、再
び、５ビツト軸位置センサ及び符号化器５１によ
つてアドレス記憶回路５６に伝送された模様情報
を変化させる。

したがつて、以上で、アドレス記憶回路に格納
された縫目模様データを持つミシン内に使用され
る縫目模様選択及び表示装置を記述したことにな
る。上述した装置は、本発明の原理の応用を単な
る説明であることは理解されるところである。た
とえば、表示窓は、単一の模様画像を表示する広
さを持つていてもよく、この場合、単一の作動器
だけが具備されて、ステツプモータは一時に単一
ステツプだけ進むことになる。また、一番中央の
位置は、所望の模様画像にとつて可能な位置の１
つにすぎず、窓内のその他の場所を選んでも、な
お、本発明の範囲内に留まるものと考えられる。
たとえば、一番左側の位置を所望の模様画像のた
めの位置として選んでもよく、この場合、進み
（ADVANCE）作動器と右（RIGHT）作動器だけ
が必要であろう。代わつて、表示装置を外部源か
らの模様選択に反応させて選択した模様を窓を通
して表示するようにステツプモータを制御するこ
ともできよう。特許請求の範囲によつて明確にさ
れているように、多くの他の構成が本発明の精神
と範囲に反することなく技術における熟練によつ
てくふうされ得ると思われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の模様選択及び表示装置を組
込んだミシンの透視図である。第２図は、第１図
の線２―２に沿う断面図である。第３図は、第１
図の線３―３に沿う断面図である。第４図は、本
発明による模様選択及び表示窓の拡大正面図であ
る。第５図は、本発明による模様選択及び表示装
置のための制御回路の説明用概略ブロツク線図で
ある。 １０…ミシン、１１…ベツド、１２…スタン
ド、１３…ブラケツトアーム、１４…アーム軸、
１５…ベツド軸、１６…針、１７…針棒、１８…
ゲート、１９…駆動リンク、２０ａ…線形作動
器、２２…送り棒、２３…送り駆動軸、２５…カ
ム、２８…送り調節案内路、２９…リンク、３０
…線形駆動器、４０…プリント配線盤、４５…透
明表示窓、４６…グラフ模様表示部材、４７…円
筒部材、４８…ステツプモータの軸、４９…ステ
ツプモータ、５０…ミニアチユア白熱ランプ、５
１…軸位置センサ兼符号化器、５２，５３，５４
…作動器、５６…アドレス記憶回路、５７…ステ
ツプモータ駆動制御回路、６０…３パルス発生
器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 選択的に検索可能な縫目模様情報を格納する
   ための記憶装置を有するミシン内に使用されるも
   のであつて、 複数個の実質的に等しい大きさの縫目模様画像
   領域を表面に有するグラフ模様表示部材と、 上記画像領域の少くとも１つを表示窓を通して
   眺めることができるような充分な広さの該表示窓
   と、 軸を持つたステツプモータと、 上記ステツプモータ軸に上記グラフ模様表示部
   材を載持するための装置と、 上記模様画像領域のうちの操作者が所望した１
   つを上記表示窓を通して所定の位置に見えるよう
   に上記軸を回転させるために上記ステツプモータ
   を制御するものであつて操作者の操作するステツ
   プモータ制御装置と、 上記ステツプモータ軸の回転角位置を感知しか
   つ該位置を示す出力信号を与えるための装置と、 上記出力信号に応答し、上記表示窓の上記所定
   位置内に見えている模様画像領域に対応する模様
   を形成するために上記の記憶装置から格納されて
   いる情報を検索するための装置と を包含することを特徴とした縫目模様選択及び表
   示装置。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の縫目模様選択及
   び表示装置において、上記グラフ模様表示部材を
   載持するための上記装置は上記ステツプモータ軸
   上に同軸に載持された円筒部材を含み、上記グラ
   フ模様表示部材は該円筒部材の外側上に載持され
   ていることを特徴とした上記縫目模様選択及び表
   示装置。 ３ 特許請求の範囲第２項記載の縫目模様選択及
   び表示装置において、上記グラフ模様表示部材の
   上記縫目模様画像領域は上記縫目模様をグラフ的
   に描写する透明画像であり、上記縫目模様選択及
   び表示装置はさらに上記円筒部材内側の光源を包
   含していることを特徴とした上記の装置。 ４ 特許請求の範囲第１項記載の縫目模様選択及
   び表示装置において、上記ステツプモータ制御装
   置は、 第１信号を与えるために操作者から受ける駆動
   に応答する第１装置と、 上記表示窓を通して見える画像領域の数に等し
   いステツプの数だけ上記ステツプモータを第１の
   向きに運動させるように制御するために上記第１
   信号に応答する装置と を包含することを特徴とした上記縫目模様選択及
   び表示装置。 ５ 特許請求の範囲第４項記載の縫目模様選択及
   び表示装置において、少くとも３つの画像領域が
   上記表示窓を通して見え、上記ステツプモータ制
   御装置はさらに、 第２信号を与えるために操作者から受ける駆動
   に応答する第２装置と、 上記ステツプモータを１ステツプ上記第１の向
   きに運動させるように制御するために上記第２信
   号に応答する装置と、 第３信号を与えるために操作者から受ける駆動
   に応答する第３装置と、 上記ステツプモータを上記第１の向きと反対の
   第２の向きに１ステツプ運動させるように制御す
   るために上記第３信号に応答する装置と を含むことを特徴とした上記の縫目模様選択及び
   表示装置。 ６ 特許請求の範囲第１項記載の縫目模様選択及
   び表示装置において、上記縫目模様情報はデイジ
   イタルアドレス符号によつて個々に識別される場
   所内の上記の記憶装置内に格納され、上記感知装
   置は上記表示窓を通して上記所定位置内に見える
   画像領域を持つ縫目模様に対応するデイジイタル
   アドレス符号を上記検索するための装置に与える
   デイジイタル出力軸位置符号化器を含む ことを特徴とした上記の縫目模様選択及び表示装
   置。