JPS61130457A - 圧力容器用Cr−Mo鋼 - Google Patents
圧力容器用Cr−Mo鋼Info
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- JPS61130457A JPS61130457A JP25224384A JP25224384A JPS61130457A JP S61130457 A JPS61130457 A JP S61130457A JP 25224384 A JP25224384 A JP 25224384A JP 25224384 A JP25224384 A JP 25224384A JP S61130457 A JPS61130457 A JP S61130457A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は圧力容器用Cr−Mo鋼に関し、詳しくは高温
高圧の水素環境下に使用される圧力容器用鋼であって、
使用中に鋼中に侵入した水素が引き起こす水素脆化、水
素侵食、更には水素誘起割れに対してすぐれた抵抗力を
有し、例えば化学反応用圧力容器として好適に用いるこ
とができる高強度圧力容器用Cr−Mo系合金鋼に関す
る。
高圧の水素環境下に使用される圧力容器用鋼であって、
使用中に鋼中に侵入した水素が引き起こす水素脆化、水
素侵食、更には水素誘起割れに対してすぐれた抵抗力を
有し、例えば化学反応用圧力容器として好適に用いるこ
とができる高強度圧力容器用Cr−Mo系合金鋼に関す
る。
従来より石油精製装置のように高温高圧の水素環境下に
使用される圧力容器にはCr−Mo鋼が広く使用されて
いるが、近年、石油の重質化が進み、或いは石炭液化の
ように新しいプロセスが出現するに至って、装置の運転
温度及び反応系の水素圧力が上昇する傾向にあり、更に
、容器の大型化が指向されており、これらを背景として
、圧力容器の水素脆化や水素侵食に対する安全性への要
求が一段と厳しさを増しつつある。ここに、水素脆化と
は、鋼が水素を吸収するとき、その延性が約150℃以
下乃至常温に至る温度において劣化する現象をいい、高
温高圧の水素環境下に使用される圧力容器の場合には、
運転中に容器壁に水素が侵入固溶し、運転の中止によっ
て容器壁が冷却された後にも容器壁中に水素が残留し、
延性が低下する。また、水素侵食とは、鋼が高温高圧の
水素環境下におかれたときに生じる損傷、即ち、圧力容
器の場合であれば、運転中に生じる損傷をいい、綱の結
晶粒界上に発生、成長する直径数μm以下の球状乃至楕
円形状の孔、即ち、ボイドによって特徴付けられる。
使用される圧力容器にはCr−Mo鋼が広く使用されて
いるが、近年、石油の重質化が進み、或いは石炭液化の
ように新しいプロセスが出現するに至って、装置の運転
温度及び反応系の水素圧力が上昇する傾向にあり、更に
、容器の大型化が指向されており、これらを背景として
、圧力容器の水素脆化や水素侵食に対する安全性への要
求が一段と厳しさを増しつつある。ここに、水素脆化と
は、鋼が水素を吸収するとき、その延性が約150℃以
下乃至常温に至る温度において劣化する現象をいい、高
温高圧の水素環境下に使用される圧力容器の場合には、
運転中に容器壁に水素が侵入固溶し、運転の中止によっ
て容器壁が冷却された後にも容器壁中に水素が残留し、
延性が低下する。また、水素侵食とは、鋼が高温高圧の
水素環境下におかれたときに生じる損傷、即ち、圧力容
器の場合であれば、運転中に生じる損傷をいい、綱の結
晶粒界上に発生、成長する直径数μm以下の球状乃至楕
円形状の孔、即ち、ボイドによって特徴付けられる。
他方、上記のような反応の高温高圧化及び装置の大型化
に伴う圧力容器の厚肉化を軽減するために、高強度材の
使用が指向されているが、−aに、水素脆化は材料強度
依存性が強く、高強度鋼において現われるため、従来鋼
を熱処理することによって高強度化を図れば、水素脆性
の危険性が増すこととなる。
に伴う圧力容器の厚肉化を軽減するために、高強度材の
使用が指向されているが、−aに、水素脆化は材料強度
依存性が強く、高強度鋼において現われるため、従来鋼
を熱処理することによって高強度化を図れば、水素脆性
の危険性が増すこととなる。
更に、本発明者らは、鋼に高温高圧の水素環境下で水素
を吸収させた後、これを冷却して常温に放置するとき、
従来の圧力容器用Cr−Mo鋼については、水素吸収量
が一定量以上であれば、鋼中に欠陥が発生し、これが経
時的に進展することを見出した。即ち、この欠陥は、外
部応力と無関係に、鋼に固溶した水素によって、鋼中に
おいて割れに至るもので、以下、水素誘起割れと呼ぶこ
ととする。この損傷は、鋼表面からの超音波探傷によっ
て検出することができる。
を吸収させた後、これを冷却して常温に放置するとき、
従来の圧力容器用Cr−Mo鋼については、水素吸収量
が一定量以上であれば、鋼中に欠陥が発生し、これが経
時的に進展することを見出した。即ち、この欠陥は、外
部応力と無関係に、鋼に固溶した水素によって、鋼中に
おいて割れに至るもので、以下、水素誘起割れと呼ぶこ
ととする。この損傷は、鋼表面からの超音波探傷によっ
て検出することができる。
上記した種々の問題のうち、耐水素侵食性については、
これを有する鋼として、Cr−Mo鋼を基本鋼とし、こ
れにV、Nb、Ti及び/又はZrを添加してなる鋼が
既に提案されているが(特公昭59−110765号)
、水素侵食と同時に重要な水素脆化や水素誘起割れにつ
いては何ら考慮されていない。
これを有する鋼として、Cr−Mo鋼を基本鋼とし、こ
れにV、Nb、Ti及び/又はZrを添加してなる鋼が
既に提案されているが(特公昭59−110765号)
、水素侵食と同時に重要な水素脆化や水素誘起割れにつ
いては何ら考慮されていない。
本発明者らはCr−Mo鋼における上記した問題を解決
するために鋭意研究した結果、鋼中のS及びSi量を低
減規制する止共に、狭く限定された範囲の所定量のVを
添加してなる鋼が、すぐれた耐水素脆化性を有すると共
に、水素侵食性及び水素誘起割れ性に対してもすぐれた
抵抗性を有することを見出した。
するために鋭意研究した結果、鋼中のS及びSi量を低
減規制する止共に、狭く限定された範囲の所定量のVを
添加してなる鋼が、すぐれた耐水素脆化性を有すると共
に、水素侵食性及び水素誘起割れ性に対してもすぐれた
抵抗性を有することを見出した。
また、本発明者らは、■と共に所定量のTi及び/又は
Nbを添加することにより、耐水素脆化性と耐水素誘起
割れ性とを損なうことな(、耐水素侵食性を著しく改善
し得ることを見出した。更に、本発明者らによって新た
に見出された前記水素誘起割れは、Ca s Z r及
び/又は希土類元素(REM)を添加することによって
、極めて効果的に抑制されることを見出した。
Nbを添加することにより、耐水素脆化性と耐水素誘起
割れ性とを損なうことな(、耐水素侵食性を著しく改善
し得ることを見出した。更に、本発明者らによって新た
に見出された前記水素誘起割れは、Ca s Z r及
び/又は希土類元素(REM)を添加することによって
、極めて効果的に抑制されることを見出した。
従って、本発明は、鋼中に侵入した水素が引き起こす水
素脆化、水素侵食、更には水素誘起割れに対してすぐれ
た抵抗力を有し、高温高圧の水素環境下に使用される圧
力容器用鋼、例えば化学反応用圧力容器として好適に用
いることができる高強度圧力容器用Cr −Ml o系
合金鋼を提供することを目的とする。
素脆化、水素侵食、更には水素誘起割れに対してすぐれ
た抵抗力を有し、高温高圧の水素環境下に使用される圧
力容器用鋼、例えば化学反応用圧力容器として好適に用
いることができる高強度圧力容器用Cr −Ml o系
合金鋼を提供することを目的とする。
本発明による圧力容器用Cr−Mo鋼は、重量%で
C0.05〜0.18%、
Mn 0.3〜1.0%、
Cr 1.0〜6.0%、
Mo 0.25〜1.5%、
V 0.20〜0.50%
を含有し、
Si0.1%以下、及び
s o、ot%以下
に規制し、
残部鉄及び不可避的不純物よりなることを特徴とする。
先ず、本発明鋼における化学成分の限定理由について説
明する。
明する。
Cは、鋼の強度確保のために少なくとも0.05%の添
加を必要とするが、過多に添加するときは、靭性及び溶
接性を劣化させるため、添加量の上限は0.18%とす
る。
加を必要とするが、過多に添加するときは、靭性及び溶
接性を劣化させるため、添加量の上限は0.18%とす
る。
5iは、脱酸剤として添加することが必要であるが、一
方、水素侵食及び焼戻し脆化を促進する作用を有するほ
か、靭性、溶接性、加工性等に対する有害な影響を考慮
して、添加量の上限を0.10%とする。
方、水素侵食及び焼戻し脆化を促進する作用を有するほ
か、靭性、溶接性、加工性等に対する有害な影響を考慮
して、添加量の上限を0.10%とする。
Mnは、鋼の焼入れ性を確保するために0.3%以上を
添加することが必要であり、また、耐応力除去焼鈍割れ
性(耐SR割れ性)を高める作用を有するが、1.0%
を越えて添加するときは、高温強度を低下させ、また、
焼戻し脆化感受性も高め、更に、溶接性をも劣化させる
ので、上限は1.0%・ とする。
添加することが必要であり、また、耐応力除去焼鈍割れ
性(耐SR割れ性)を高める作用を有するが、1.0%
を越えて添加するときは、高温強度を低下させ、また、
焼戻し脆化感受性も高め、更に、溶接性をも劣化させる
ので、上限は1.0%・ とする。
Sは、0.01%を越えて過多に含有されるときは、水
素脆化及び水素誘起割れを助長するので、本発明鋼にお
いては、含有量の上限を0.01%とする。
素脆化及び水素誘起割れを助長するので、本発明鋼にお
いては、含有量の上限を0.01%とする。
Crは、鋼に耐酸化性及び耐水素侵食性、更には、高温
強度を与えるために少なくとも1.0%添加される。し
かし、添加量が多すぎるときは、溶接性及び加工性を劣
化させるので、その上限を5゜5%とする。
強度を与えるために少なくとも1.0%添加される。し
かし、添加量が多すぎるときは、溶接性及び加工性を劣
化させるので、その上限を5゜5%とする。
Moは、綱の高温強度を高めるのに著しく効果があるほ
か、耐水素侵食性をも改善する元素である0本発明にお
いてはかかる効果を十分に発現させるために、0.25
%以上を添加するが、過多に添加するときは、溶接性を
低下させると共に、コスト上昇を招くので、その上限を
1.5%とする。
か、耐水素侵食性をも改善する元素である0本発明にお
いてはかかる効果を十分に発現させるために、0.25
%以上を添加するが、過多に添加するときは、溶接性を
低下させると共に、コスト上昇を招くので、その上限を
1.5%とする。
■は、鋼の強度を高めると共に、特に、耐水素脆化性を
改善するため・に、本発明鋼において必須の元素であり
、かかる効果を得るためには、少なくとも0.2%を添
加する必要がある。しかし、0゜5%越えて過多に添加
するときは、強度が過度に上昇する結果、再び水素脆化
感受性が急激に増加する。従って、本発明鋼においては
、■は0.2〜0.5%の狭く限定された範囲で添加さ
れる。
改善するため・に、本発明鋼において必須の元素であり
、かかる効果を得るためには、少なくとも0.2%を添
加する必要がある。しかし、0゜5%越えて過多に添加
するときは、強度が過度に上昇する結果、再び水素脆化
感受性が急激に増加する。従って、本発明鋼においては
、■は0.2〜0.5%の狭く限定された範囲で添加さ
れる。
本発明の圧力容器用Cr−Mo1ilにおいては、上記
した元素に加えて、 Ti 0.005〜0.05%及び Nb0.01〜0.1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種を添加すること
ができる。
した元素に加えて、 Ti 0.005〜0.05%及び Nb0.01〜0.1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種を添加すること
ができる。
これら元素は、微量の添加によって鋼の耐水素侵食性を
著しく高めることができ、また、強度をも向上させる。
著しく高めることができ、また、強度をも向上させる。
本発明においては、かかる効果を有効に発揮させるため
に、Tiについては少なくともo、 o o s%、N
bについては少なくとも0.01%を添加することが必
要である。しかし、過多に添加するときは、溶接熱影響
部の強度を過度に増加させて、耐水素脆化性を劣化させ
、■の添加によってもこれを防止することが困難である
ので、本発明鋼においては添加量の上限をTi及びNb
について、それぞれ0.05%及び0.1%とする。
に、Tiについては少なくともo、 o o s%、N
bについては少なくとも0.01%を添加することが必
要である。しかし、過多に添加するときは、溶接熱影響
部の強度を過度に増加させて、耐水素脆化性を劣化させ
、■の添加によってもこれを防止することが困難である
ので、本発明鋼においては添加量の上限をTi及びNb
について、それぞれ0.05%及び0.1%とする。
また、本発明鋼においては、
Ca 0.0O05〜0.02%、Zr 0.
0005〜0.02%及びREMo、01〜0.2% よりなる群から選ばれる少なくとも1種を添加すること
ができる。
0005〜0.02%及びREMo、01〜0.2% よりなる群から選ばれる少なくとも1種を添加すること
ができる。
本発明によれば上記所定の範囲にてCa、Zr及び/又
はREMを添加することによって、耐水素誘起割れ性を
著しく高めることができる。しかし、これらの元素を過
多に添加することは、鋼の清浄度を悪くし、また、靭性
を低下させるので好ましくない。
はREMを添加することによって、耐水素誘起割れ性を
著しく高めることができる。しかし、これらの元素を過
多に添加することは、鋼の清浄度を悪くし、また、靭性
を低下させるので好ましくない。
上記したTi及びNb、並びにCa、Zr及びREMは
それぞれ単独で添加してもよいが、複合添加してもよく
、特に、複合添加することにより、耐水素脆化性、耐水
素侵食性及び耐水素誘起割れ性のいずれにもすぐれた圧
力容器用Cr−Mo鋼を得ることができる。
それぞれ単独で添加してもよいが、複合添加してもよく
、特に、複合添加することにより、耐水素脆化性、耐水
素侵食性及び耐水素誘起割れ性のいずれにもすぐれた圧
力容器用Cr−Mo鋼を得ることができる。
本発明による鋼を製造するには、常法に従って溶製、造
塊し、鍛造し、この後、所要の熱処理を行なえばよい。
塊し、鍛造し、この後、所要の熱処理を行なえばよい。
本発明鋼によれば、以上のように、鋼中のS量及びSt
量を規制すると共に、■ほか所要の元素を添加すること
により、耐水素脆性、耐水素侵食性及び耐水素誘起割れ
性に対する抵抗性を著しく改善することができ、かくし
て、本発明鋼は、水素雰囲気下、高温高圧で使用される
圧力容器用鋼として好適である。
量を規制すると共に、■ほか所要の元素を添加すること
により、耐水素脆性、耐水素侵食性及び耐水素誘起割れ
性に対する抵抗性を著しく改善することができ、かくし
て、本発明鋼は、水素雰囲気下、高温高圧で使用される
圧力容器用鋼として好適である。
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例
第1表に示す化学組成を有する比較鋼及び本発明鋼をそ
れぞれ高周波真空炉で溶製し、鋼塊とした後、鍛造圧延
した。次いで、各鋼を第2表に示すように、950℃又
は1350℃に加熱してオーステナイト化した後、冷却
し、第2表に示す条件にて焼戻した。第2表に各鋼の引
張強さを示す。
れぞれ高周波真空炉で溶製し、鋼塊とした後、鍛造圧延
した。次いで、各鋼を第2表に示すように、950℃又
は1350℃に加熱してオーステナイト化した後、冷却
し、第2表に示す条件にて焼戻した。第2表に各鋼の引
張強さを示す。
また、上記各鋼の水素脆化性、水素侵食性及び水素誘起
割れ性を次のようにして評価した。結果を第2表に示す
。
割れ性を次のようにして評価した。結果を第2表に示す
。
水塞腹囮性
平行部の径が10mである引張試験片をオートクレーブ
中において450℃、150kg/−の水素ガス下にお
き、試験片に約4 ppmの水素を添加した後、これを
常温まで急冷し、引張破断試験を行なって絞り値を測定
した。この水素添加有り材と水素添加無し材の絞り値の
差が水素脆化の程度を示す。
中において450℃、150kg/−の水素ガス下にお
き、試験片に約4 ppmの水素を添加した後、これを
常温まで急冷し、引張破断試験を行なって絞り値を測定
した。この水素添加有り材と水素添加無し材の絞り値の
差が水素脆化の程度を示す。
水皇盪皇箪
試験片を600℃、300kg/−の水素ガス下に約7
00時間保持して、水素侵食を強制的に発生させた後、
試験片を低温で破壊し、発生した粒界上のボイド数を走
査型電子顕微鏡で測定して、粒界面積lμd当りのボイ
ド数密度を水素侵食感受性指標とした。
00時間保持して、水素侵食を強制的に発生させた後、
試験片を低温で破壊し、発生した粒界上のボイド数を走
査型電子顕微鏡で測定して、粒界面積lμd当りのボイ
ド数密度を水素侵食感受性指標とした。
水皇抜起■並血
試験片を450℃、200kg/−の水素ガス下に約2
4時間保持して、水素を試験片に吸収させた後、これを
常温まで急冷し、更にこの後、約96時間放置した。こ
の試験片における欠陥を超音波探傷にて検出し、検出さ
れた欠陥面積の探傷面積に対する面積率を水素誘起割れ
感受性指標とした。尚、第2表における上記水素誘起割
れ面積率は、試験片5個についての最大値である。
4時間保持して、水素を試験片に吸収させた後、これを
常温まで急冷し、更にこの後、約96時間放置した。こ
の試験片における欠陥を超音波探傷にて検出し、検出さ
れた欠陥面積の探傷面積に対する面積率を水素誘起割れ
感受性指標とした。尚、第2表における上記水素誘起割
れ面積率は、試験片5個についての最大値である。
第1図は、以上の結果に基づいて、V s T i又は
Nbの添加量と引張破断絞り減少率との関係を示し、こ
こに引張破断絞り減少率rは、第2表においてφ。を水
太添加無し材の引張破断絞り、φを水素添加有り材の引
張破断絞りとするとき、r= 〔(φ。−φ)/φ。)
xlOOで定義される。尚、図中の番号は第1表に
おける鋼番号を示す。第2図及び第3図においても同様
である。
Nbの添加量と引張破断絞り減少率との関係を示し、こ
こに引張破断絞り減少率rは、第2表においてφ。を水
太添加無し材の引張破断絞り、φを水素添加有り材の引
張破断絞りとするとき、r= 〔(φ。−φ)/φ。)
xlOOで定義される。尚、図中の番号は第1表に
おける鋼番号を示す。第2図及び第3図においても同様
である。
第1図から明らかなように、本発明による第1の鋼18
及び19によれば、引張破断絞り減少率は約10%にす
ぎないが、これに対してVを含有しない比較鋼l及び2
では引張破断絞り減少率は約40%以上にも達する。ま
た、■の含有量が本発明で規定する範囲外にある比較鋼
5〜7も同様である。しかし、■の含有量が本発明で規
定する範囲内にあっても、S量が0.01%を越えると
きは、比較鋼8及び9にみられるように、引張破断絞り
減少率は尚、約30%に達する。また、比較鋼3及び4
は水素誘起割れが著しい。
及び19によれば、引張破断絞り減少率は約10%にす
ぎないが、これに対してVを含有しない比較鋼l及び2
では引張破断絞り減少率は約40%以上にも達する。ま
た、■の含有量が本発明で規定する範囲外にある比較鋼
5〜7も同様である。しかし、■の含有量が本発明で規
定する範囲内にあっても、S量が0.01%を越えると
きは、比較鋼8及び9にみられるように、引張破断絞り
減少率は尚、約30%に達する。また、比較鋼3及び4
は水素誘起割れが著しい。
このように、本発明による第1の発明に従って、S量を
0.01%以下に規制すると共に、鋼に所定量のVを添
加することにより、鋼の耐水素脆化性は著しく改善され
る。また、■の添加が鋼の強度を高めることも明らかで
ある0例えば、■を0.26%含有する本発明鋼18は
、比較鋼1〜4に比べて、常温引張強さが5〜6 kg
f/w+m”増加している。尚、比較鋼10〜13及び
比較鋼14〜17によって明らかなように、Ti及びN
bはVにおけるような耐水素脆化性の改善効果をもたな
い一以上のように、本発明の第1によるCr−M。
0.01%以下に規制すると共に、鋼に所定量のVを添
加することにより、鋼の耐水素脆化性は著しく改善され
る。また、■の添加が鋼の強度を高めることも明らかで
ある0例えば、■を0.26%含有する本発明鋼18は
、比較鋼1〜4に比べて、常温引張強さが5〜6 kg
f/w+m”増加している。尚、比較鋼10〜13及び
比較鋼14〜17によって明らかなように、Ti及びN
bはVにおけるような耐水素脆化性の改善効果をもたな
い一以上のように、本発明の第1によるCr−M。
鋼は、強度が改善されていると共に、水素脆化が従来鋼
の約174に抑制されている。更に、第2表に示す結果
から明らかなように、耐水素侵食性と耐水素誘起割れ性
についても改善されている。
の約174に抑制されている。更に、第2表に示す結果
から明らかなように、耐水素侵食性と耐水素誘起割れ性
についても改善されている。
第2図は、比較鋼及び従来のCr −M o鋼について
のV −、T i又はNbの単独添加量と粒界単位面積
当りのボイド発生数との関係を示し、水素侵食性の改善
効果の観点からは、■もかかる効果を有するが、Nb又
はTiの添加による方が耐水素侵食性を一層顕著に改善
し得ることが明らかである。また、Nb又はTiを添加
した鋼は、そのオーステナイト化温度を高めることによ
って、鋼の常温強度が著しく高められる。■も同様に強
度向上効果を有するので、Nb又はTiを過多に添加す
るときは、溶接熱影響部の過度の強度上昇を引き起こし
て水素脆化感受性を高め、■の水素脆化作用によっても
、これを防止し得なくなる。
のV −、T i又はNbの単独添加量と粒界単位面積
当りのボイド発生数との関係を示し、水素侵食性の改善
効果の観点からは、■もかかる効果を有するが、Nb又
はTiの添加による方が耐水素侵食性を一層顕著に改善
し得ることが明らかである。また、Nb又はTiを添加
した鋼は、そのオーステナイト化温度を高めることによ
って、鋼の常温強度が著しく高められる。■も同様に強
度向上効果を有するので、Nb又はTiを過多に添加す
るときは、溶接熱影響部の過度の強度上昇を引き起こし
て水素脆化感受性を高め、■の水素脆化作用によっても
、これを防止し得なくなる。
これを第3図に基づいて説明する。各鋼を1350℃で
オーステナイト化処理して、溶接を模擬した後、種々の
条件で焼戻しを行なって強度を変え、横軸を常温引張強
さ、縦軸を絞り値として、これらの関係を第3図に示す
、引張強さを約95kgf/−かに調整した鋼19.2
1及び23の焼戻し条件は、690℃で7時間の加熱で
ある。かかる条件は所謂応力除去(S R)熱処理の条
件に近い、一般に、圧力容器は、鋼塊をリング状にした
後、これを溶接にて接続することによって製造している
が、各溶接ごとに例えば上記のような条件での熱処理が
施される。その結果、各リングについてSR処理を受け
る回数の異なる部分が必然的に生じ、かくして、SR処
理を1回のみ受ける部分の溶接熱影響部の強度が最も高
くなる。
オーステナイト化処理して、溶接を模擬した後、種々の
条件で焼戻しを行なって強度を変え、横軸を常温引張強
さ、縦軸を絞り値として、これらの関係を第3図に示す
、引張強さを約95kgf/−かに調整した鋼19.2
1及び23の焼戻し条件は、690℃で7時間の加熱で
ある。かかる条件は所謂応力除去(S R)熱処理の条
件に近い、一般に、圧力容器は、鋼塊をリング状にした
後、これを溶接にて接続することによって製造している
が、各溶接ごとに例えば上記のような条件での熱処理が
施される。その結果、各リングについてSR処理を受け
る回数の異なる部分が必然的に生じ、かくして、SR処
理を1回のみ受ける部分の溶接熱影響部の強度が最も高
くなる。
第3図において、本発明鋼の場合、常温引張強さが約9
5 kgf/ms+”を遷移点として、これより高強度
側において急激に絞り値が低下している。この絞り値の
低下は、■を0.5%を越えて添加しく綱19)、又は
Tiを0.05%を越えて添加しく鋼21)、又はNb
を0.1%を越えて添加すること(鋼23)と対応する
ことが理解される。この点に関し、現用鋼を用いる圧力
容器において、溶接熱影響部の最高硬さを引張強さにし
て約80kgf/wm”とすることが規制されているが
、第3図に示すように、この現用鋼の絞り値は本発明鋼
においてほぼ95 kgf/ms”のそれに対応してい
る。
5 kgf/ms+”を遷移点として、これより高強度
側において急激に絞り値が低下している。この絞り値の
低下は、■を0.5%を越えて添加しく綱19)、又は
Tiを0.05%を越えて添加しく鋼21)、又はNb
を0.1%を越えて添加すること(鋼23)と対応する
ことが理解される。この点に関し、現用鋼を用いる圧力
容器において、溶接熱影響部の最高硬さを引張強さにし
て約80kgf/wm”とすることが規制されているが
、第3図に示すように、この現用鋼の絞り値は本発明鋼
においてほぼ95 kgf/ms”のそれに対応してい
る。
このことからも裏付けられるように、Ti又はNbを過
多に添加することは、水素脆化の点から厳格に避けるべ
きであり、本発明による第2のCr −M o 1ml
は、これら元素の添加量の上限を前述のように規制する
ことによって、耐水素脆化性と耐水素誘起割れ性を損な
うことなく、耐水素侵食性が著しく改善されている。
多に添加することは、水素脆化の点から厳格に避けるべ
きであり、本発明による第2のCr −M o 1ml
は、これら元素の添加量の上限を前述のように規制する
ことによって、耐水素脆化性と耐水素誘起割れ性を損な
うことなく、耐水素侵食性が著しく改善されている。
本発明鋼24〜31は、Ca % Z r及び/又はR
EMを含有し、耐水素誘起割れ性が著しく改善されてい
る。
EMを含有し、耐水素誘起割れ性が著しく改善されてい
る。
以上のように、本発明によれば、所定の元素を所定量添
加することにより水素脆化、水素侵食及び水素誘起割れ
のすべてについてすぐれた抵抗性を有せしめると共に、
高強度化をも達成して、圧力容器用鋼として好適なCr
−Mo鋼を得ることができる。
加することにより水素脆化、水素侵食及び水素誘起割れ
のすべてについてすぐれた抵抗性を有せしめると共に、
高強度化をも達成して、圧力容器用鋼として好適なCr
−Mo鋼を得ることができる。
第1図は、■、Ti又はNb含有量と引張破断絞り減少
率との関係を示すグラフ、第2図は、V、Ti又はNb
含有量と粒界単位面積当りのボイド数との関係を示すグ
ラフ、第3図は、常温引張強さと引張破断絞り減少率と
の関係を示すグラフである。 第1図 y7HxttNら舎鳴1 (皇t%) 第2図
率との関係を示すグラフ、第2図は、V、Ti又はNb
含有量と粒界単位面積当りのボイド数との関係を示すグ
ラフ、第3図は、常温引張強さと引張破断絞り減少率と
の関係を示すグラフである。 第1図 y7HxttNら舎鳴1 (皇t%) 第2図
Claims (4)
- (1)重量%で C 0.05〜0.18%、 Mn 0.3〜1.0%、 Cr 1.0〜6.0%、 Mo 0.25〜1.5%、 V 0.20〜0.50% を含有し、 Si 0.1%以下、及び S 0.01%以下 に規制し、 残部鉄及び不可避的不純物よりなることを特徴とする圧
力容器用Cr−Mo鋼。 - (2)重量%で (a)C 0.05〜0.18%、 Mn 0.3〜1.0%、 Cr 1.0〜6.0%、 Mo 0.25〜1.5%、 V 0.20〜0.50% を含有し、 Si 0.1%以下、及び S 0.01%以下 に規制し、更に、 (b)Ti 0.005〜0.05%及び Nb 0.01〜0.1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種、 残部鉄及び不可避的不純物よりなることを特徴とする圧
力容器用Cr−Mo鋼。 - (3)重量%で (a)C 0.05〜0.18%、 Mn 0.3〜1.0%、 Cr 1.0〜6.0%、 Mo 0.25〜1.5%、 V 0.20〜0.50% を含有し、 Si 0.1%以下、及び S 0.01%以下 に規制し、更に、 (b)Ca 0.0005〜0.02%、 Zr 0.0005〜0.02%、及び REM 0.01〜0.2% よりなる群から選ばれる少なくとも1種、 残部鉄及び不可避的不純物よりなることを特徴とする圧
力容器用Cr−Mo鋼。 - (4)重量%で (a)C 0.05〜0.18%、 Mn 0.3〜1.0%、 Cr 1.0〜6.0%、 Mo 0.25〜1.5%、 V 0.20〜0.50% を含有し、 Si 0.1%以下、及び S 0.01%以下 に規制し、更に、 (b)Ti 0.005〜0.05%及び Nb 0.01〜0.1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、(c)Ca
0.0005〜0.02%、 Zr 0.0005〜0.02%、及び REM 0.01〜0.2% よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、残部鉄及び
不可避的不純物よりなることを特徴とする圧力容器用C
r−Mo鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25224384A JPS61130457A (ja) | 1984-11-28 | 1984-11-28 | 圧力容器用Cr−Mo鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25224384A JPS61130457A (ja) | 1984-11-28 | 1984-11-28 | 圧力容器用Cr−Mo鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61130457A true JPS61130457A (ja) | 1986-06-18 |
Family
ID=17234502
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25224384A Pending JPS61130457A (ja) | 1984-11-28 | 1984-11-28 | 圧力容器用Cr−Mo鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61130457A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5139737A (en) * | 1989-12-06 | 1992-08-18 | Dadio Tokushuko Kabushiki Kaisha | Steel for plastics molds superior in weldability |
JP2010037655A (ja) * | 2008-07-09 | 2010-02-18 | Nippon Steel Corp | 耐水素性に優れた高圧水素ガス貯蔵容器用鋼およびその製造方法 |
EP4050118A4 (en) * | 2019-10-22 | 2024-04-03 | Posco | STEEL PLATE FOR PRESSURE VESSEL HAVING EXCELLENT RESISTANCE TO HIGH-TEMPERATURE POST-WELDING HEAT TREATMENT, AND METHOD FOR MANUFACTURING SAME |
-
1984
- 1984-11-28 JP JP25224384A patent/JPS61130457A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5139737A (en) * | 1989-12-06 | 1992-08-18 | Dadio Tokushuko Kabushiki Kaisha | Steel for plastics molds superior in weldability |
JP2010037655A (ja) * | 2008-07-09 | 2010-02-18 | Nippon Steel Corp | 耐水素性に優れた高圧水素ガス貯蔵容器用鋼およびその製造方法 |
EP4050118A4 (en) * | 2019-10-22 | 2024-04-03 | Posco | STEEL PLATE FOR PRESSURE VESSEL HAVING EXCELLENT RESISTANCE TO HIGH-TEMPERATURE POST-WELDING HEAT TREATMENT, AND METHOD FOR MANUFACTURING SAME |
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