JPS6112367Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、各種巻状物包装体に関するもので
ある。

〔従来の技術及びその問題点〕

フイルムや金属箔などを巻いて製品とした巻状
物は、例えば合成樹脂製の収納容器で包装して販
売されている。

上記のような巻状物の包装に用いられる包装ケ
ースとしては、半円状凹部の周囲にフランジを設
けた二枚のシートを折曲部を介して一体に形成
し、シートを二つ折りにして両半円状凹部内に巻
状物を収納し、重なり合うフランジを固定する構
造のものが知られている。

このような収納ケースは、成型の状態により、
巻状物の端部がぴつたりとはまり合わず、端部が
押圧されて、変形するという欠点があり、また、
このような収納ケースは、比較的コスト高になる
という問題がある。

また、従来、実公昭54−9587号公報に示されて
いるように、中心部に透孔を有する皿状キヤツプ
を巻状物の両端に嵌着するようにしたものもある
が、このものは、巻状物の端面を内外両面からは
さむ構造になつていないので、巻状物の端面を十
分に保護できないという問題がある。

さらに、従来、実公昭47−13584号公報又は実
開昭53−20240号公報に示されているように、円
筒管の両端に端板を有する収納容器内に巻状物を
収納して巻状物を保護するようにした包装形態も
あるが、このような包装状態は包装コストが極め
て高いという問題がある。

そこで、この考案は、低コストで、しかも巻状
物の端縁部を確実に保護できる包装体を提供する
ことを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、上記の問題点を解決するために、
巻状物包装体を次のように構成したのである。

即ち、巻状物と、この巻状物の両端に直接装着
される保護キヤツプと、巻状物の外周を覆つて前
記保護キヤツプをその位置に保持せしめる外装体
から成り、前記保護キヤツプを、巻状物の端部内
に小径側から挿入するテーパ筒体と、このテーパ
筒体の大径側端部外周に設けた端面受け部とによ
つて形成し、この端面受け部を、テーパ筒体の大
径側端部外周から径方向に突設された巻状物の端
面に重なる端壁と、この端壁の外周縁からテーパ
筒体の小径端部側に延び、巻状物の端部外周を覆
う被い部とによつて形成したのである。

〔作 用〕

上記の構成によれば、保護キヤツプが、巻状物
の端縁部を内外両面からはさみ込んで確実に保護
する。また、外装体は、保護キヤツプを巻状物の
端部に保持するだけのものでよいから、包装コス
トを極めて低減させることができる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

図示のように、巻状物包装体１は、巻状物２
と、この巻状物２の両端にかぶせる保護キヤツプ
３と、巻状物２の外周を覆う外装体４で構成され
ている。

上記巻状物２は、フイルムや金属箔をコイル状
に巻回した製品であり、図示のようにコアを有し
ないものでも、また、コアの外周に巻回したもの
であつてもよく、さらに、ロール状でも角巻状で
あつてもよい。

前記保護キヤツプ３は、巻状物２の端部に予め
直接装着するものであつて、巻状物２の端部内に
小径側から挿入するテーパ筒体５と、この筒体５
の小径側端部を閉塞する端壁６と、テーパ筒体５
の大径端部に設けた端面受け部７によつて形成さ
れている。

上記の保護キヤツプ３は、塩化ビニル樹脂、ポ
リプロピレン、ポリエチレン等の樹脂を用い、テ
ーパ筒体５の大径側端部が巻状物２の内径に丁度
嵌り合う直径に形成されている。

前記端面受け部７は、巻状物２の端面に重なる
よう、テーパ筒体５の外周から径方向に突出する
端壁８で形成され、この端壁８は、外周からテー
パ筒体５の小径端部側に延び、巻状物２の端部外
周を覆う被い部９を備えており、巻状物２の端部
を内外両面からはさみ込んで確実に保護するよう
になつている。

上記保護キヤツプ３は、テーパ筒体５を端面受
け部７から延びる被い部９の形状を種々変化させ
ることができる。

第１図及び第２図に示す第１の例は、端面受け
部７の被い部９を、テーパ筒体５よりも短かく、
しかも逆方向のテーパに形成したものである。

第３図に示す第２の例は、被い部９をテーパ筒
体５と等しい長さにし、第４図に示す第３の例
は、テーパ筒体５を短かくし、逆に被い部９を長
く形成したものである。

何れの例も、被い部９はテーパ筒体５と逆方向
のテーパにしたが、ストレートに形成してもよ
い。

前記巻状物２の外装体４は、第１図に示す例の
場合、熱収縮性の合成樹脂チユーブが用いられて
いる。上記のようなチユーブは、予じめ加熱面に
両端部が溶着部１０によつて密閉され、一方の端
部に吊下用のフツク１１が固着されている。

このフツク１１は図示の場合、一体に設けた折
曲片１２とで外装体４の端部を挾み、外装体４を
貫通する突起１３とこれに嵌合する小孔１４によ
つて、挾み込んだ部分を固定化するようにしたも
のである。

上記外装体４は熱収縮性の合成樹脂チユーブば
かりでなく、紙等で巻状物２の全体又は一部を巻
回したり、容器で包装するようにしてもよく、要
は巻状物２の端部に予め装着したキヤツプ３が外
れないよう、その位置に保持できるようになつて
いる。

この考案の巻状物包装体は上記のような構成で
あり、次に巻状物の包装方法について説明する。

先ず、巻状物２の両端に保護キヤツプ３を挿入
し、次にこの巻状物２を外装体４内に入れる。

この状態で外装体４を全体的に加熱すれば、第
１図のように、外装体４は収縮して巻状物２の外
周面及び両端の保護キヤツプ３を密着して包み込
み、保護キヤツプ３の端面受け部７が巻状物２の
端部を保護して包装が完予する。

〔効 果〕

以上のように、この考案によると、テーパ筒体
の大径側端部に巻状物の端面受け部を設けた保護
キヤツプを、巻状物の端部にかぶせ、巻状物の外
面を外装体で覆つたので、巻状物の端部を外圧か
ら保護し、端部が押しつぶされるのを確実に防止
することができる。

また、巻状物の端部を確実に保護できるので、
外装は、熱収縮フイルムや紙などを用いて行なつ
ても充分であり、外装容器の簡略化がはかれるば
かりでなく、巻状物の巻き戻りの防止にも役立
つ。

さらに、巻状物の端部は、被い部の内面とテー
パ筒体の外面とによつて内外両面からはさまれる
ので、巻芯がない場合であつても、巻状物をしつ
かり固定できるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る巻状物包装体の一部縦
断正面図、第２図と第３図及び第４図の各々は、
同上に使用する保護キヤツプの異なつた例を示す
縦断面図である。 １……巻状物包装体、２……巻状物、３……保
護キヤツプ、４……外装体、５……テーパ筒体、
７……端面受け部、８……端壁、９……被い部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 巻状物と、この巻状物の両端に直接装着される
   保護キヤツプと、巻状物の外周を覆つて前記保護
   キヤツプをその位置に保持せしめる外装体から成
   り、前記保護キヤツプを、巻状物の端部内に小径
   側から挿入するテーパ筒体と、このテーパ筒体の
   大径側端部外周に設けた端面受け部とによつて形
   成し、この端面受け部を、テーパ筒体の大径側端
   部外周から径方向に突設された巻状物の端面に重
   なる端壁と、この端壁の外周縁からテーパ筒体の
   小径端部側に延び、巻状物の端部外周を覆う被い
   部とによつて形成したことを特徴とする巻状物包
   装体。