JPS6112132Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は筆ペンのチツプにチツプホルダーを嵌
着して固定する際にチツプホルダー先端開口部よ
りの穂先の突出量を一定にして強固に固定すると
ともにチツプ内のインキの導通を良好にした筆ペ
ンのチツプ固定構造に関するものである。

従来の筆ペンは緩テーパーを有するチツプをチ
ツプホルダーの後端部より挿入し、チツプホルダ
ーの内口縁にチツプの外周テーパー部を当接させ
て嵌装固着していた。従つてチツプとチツプホル
ダーとは両者の接触は線接触に近いため、その固
定が必ずしも強固なものではなく、またチツプが
局部的に外部より押圧されるためにその部分の繊
維束が密になり過ぎてインキの導通が阻害される
という問題点があつた。更にチツプの外径がバラ
ツクとチツプホルダー先端開口部からの穂先の突
出量がバラツクという問題点があつた。とくにチ
ツプは細い繊維体を束ねて成形するために外径を
一定にするのが非常に困難であり、穂先突出量が
大きくバラツいて不良品を多出していた。

本考案は以上の事情のをとに提案されたものの
であり、穂先が露出された状態で繊維束を合成樹
脂製外被にて被装させて成形されたチツプの外周
面にチツプホルダーをその先端開口部より穂先を
突出させて嵌装固定するに際しててチツプホルダ
ー内周面に内方に突出する係止突起を設けるとと
もにチツプ外被に凹陥部を設け、係止突起を凹陥
部に係合させることとによりチツプをチツプホル
ダーに固定することによりチツプホルダーの先端
開口部よりの穂先の突出量を一定にして強固に固
定するとともにチツプ内のインキ導通を良好にす
ることができる。

以下図面により本考案の実施例を説明する。

軸筒１の先端開口にはチツプホルダー２の後端
部が圧入固着されており、軸筒１の内部には極細
繊維を取り揃えて棒状に成形された中綿１１が装
填されている。この中綿１１は極細繊維で成形さ
れているためインキ貯蔵力が非常に大きく、この
中にインキが貯蔵されている。チツプホルダー２
の先端部分は先細のテーパー状に成形されてお
り、先端に穂先８が突出されるための開口部３を
有する。そして内周面４には２個の係止突起５が
対向して内方に突設されている。なお、係止突起
５は２個に限られるものではなく、そしてこれら
を千鳥状に配設してもよい。そして係止突起５の
形状もとくに限定されるものではないが、円柱状
で先端部分が丸みをおびているものが製作も簡単
であり、凹陥部１０への係合を容易に、かつ、確
実に行うことができる。係止突起５の高さは合成
樹脂製外被９の厚さを越えない範囲において出来
るだけ高いのがよい。高さが外被９の厚さを少々
越えるのはさしつかえないがあまり高すぎると固
定して際にチツプの繊維が係止突起５に押圧され
るため局部的に密になりすぎてインキの導通を阻
害するので好ましくない。チツプホルダー２の後
端部には２本の割溝６が縦方向に対して設けられ
ており、チツプ７にチツプホルダー２を嵌合する
際にチツプホルダー２の後端部を少し拡開すれば
係止突起５が設けられていてもチツプ７を容易に
挿入することができる。チツプ７は細い繊維を束
ねて熱収縮合成樹脂の外被９内に装填し、加熱す
ることにより外被９を収縮させて形成されたもの
であり、穂先８は筆記に適する様に先細りとな
り、外被９より露出している。そしてチツプ７は
穂先８が先端開口部３より所定量突出してチツプ
ホルダー２に嵌装されるとともに後端部は中綿１
１に挿入されており、中綿１１内のインキが毛細
管現象により穂先８に供給され筆記に供される。
ここで外被９には凹陥部１０が係止突起５と同数
だけそれぞれ対応する位置に設けられてそれぞれ
係合している。凹陥部１０の断面形状は係止突起
５のそれと同形であることは当然である。そして
凹陥部１０は合成樹脂の外被９に貫通孔をあける
ことにより形成されることが普通であるため、凹
陥部１０の深さは外被９の厚さと同じとなる。こ
の凹陥部１０に係止突起５が係合された際に強固
に固着され、また筆記中に凹陥部１０の開口が拡
大されてがたつかないために外被９は強靭な合成
樹脂が使用されることが望ましい。

本考案は以上の如く係止突起と凹陥部とを係合
させることによりチツプをチツプホルダーに固定
する構成としたので、チツプの繊維部分がチツプ
ホルダーの内周部により局部的に強く押されるこ
とがなく、従つてインキの導通が阻害されること
がないためインキ出が円滑に行われ、筆記中にイ
ンキが切れる恐れがなく、また、チツプとチツプ
ホルダーが線接触でなく凹凸係合のため筆記中に
ゆるむことがなく強固に固定される。更にチツプ
の外径のバラツキのために穂先の突出量がバラツ
ク不具合も解消される効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の実施例を示す断面図、第２図
はチツプホルダーの斜視図である。 ２……チツプホルダー、３……先端開口部、５
……係止突起、７……チツプ、８……穂先、９…
…外被、１０……凹陥部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 穂先が露出した状態で繊維束を合成樹脂製外被
   にて被装させて成形されたチツプの外周面に、チ
   ツプホルダーをその先端開口部より穂先を突出さ
   せて嵌装した筆ぺんにおいて、チツプホルダー内
   周面に内方に突出する係止突起を設けるととも
   に、チツプ外被に凹陥部を設け、前記係止突起を
   凹陥部に係合させることによりチツプホルダーに
   固定したことを特徴とする筆ペンのチツプ固定構
   造。