JPS6111158B2 - - Google Patents
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- JPS6111158B2 JPS6111158B2 JP16353481A JP16353481A JPS6111158B2 JP S6111158 B2 JPS6111158 B2 JP S6111158B2 JP 16353481 A JP16353481 A JP 16353481A JP 16353481 A JP16353481 A JP 16353481A JP S6111158 B2 JPS6111158 B2 JP S6111158B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K35/00—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
- B23K35/22—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
- B23K35/24—Selection of soldering or welding materials proper
- B23K35/30—Selection of soldering or welding materials proper with the principal constituent melting at less than 1550 degrees C
- B23K35/3006—Ag as the principal constituent
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Ceramic Products (AREA)
Description
この発明は、低い蒸気圧を有し、かつろう付け
部表面の荒れが少なく、しかもろう付け部に樹枝
状晶間収縮孔(以下単に収縮孔という)の発生も
少ないAg合金ろう材に関するものである。 従来、一般に、不活性ガスなどの特定雰囲気中
や、真空中で、例えば真空管や電子管、さらに集
積回路(LSI)などのろう付けを行なうに際して
は、蒸気圧の高い成分を含有しないAg−28重量
%Cu(以下%は重量%を示す)の共晶組成を有
するAg合金ろう材(JIS・Z3261・BAg−8)が
多用されている。また、このAg合金ろう材はAg
の含有量が高いために工芸品などのろう付けにも
よく使用されている。 しかしながら、上記の従来Ag合金ろう材を用
いてろう付けを行なつた場合、ろう付け部表面の
荒れが著しいばかりでなく、ろう付け部に収縮孔
が発生しやすく、このため、上記従来Ag合金ろ
う材を用いてろう付けを行なつた部品などにメツ
キ処理や酸洗処理などを施すと、前記の収縮孔に
処理液が侵入してしまい、この処理液の完全除去
はきわめて困難であることから、収縮孔に残存し
た処理液により、ろう付け部が変色したり、腐食
したりする場合がしばしばあるものであつた。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、なめらかで、収縮孔のない良好なろう付け部
を形成することのできるろう材を、特に真空中や
特定雰囲気中で良好なろう付けを可能とするため
に蒸気圧の高い成分を含有させないで得べく、か
つ上記の従来Ag合金ろう材に着目し研究を行な
つた結果、 (a) 上記従来Ag合金ろう材を使用してろう付け
した場合、ろう付け部表面に荒れや収縮孔が発
生するのは、前記ろう材中の構成成分がろう付
け時に均一に分布しないために、ろうの凝固時
に不均一な凝固が生ずることに原因するもので
あること。 (b) 一般に、ろう材中の構成成分の分布がろう付
け時に不均一となるのは、ろう材中の構成成分
のうち母材成分となじみの良い成分が母材の近
くに多く集まつて、母材成分と合金層や金属間
化合物を作ろうとするからであり、上記従来
Ag合金ろう材の場合はCu成分が母材の近くに
多く集まり、特に前記ろう材は2元共晶合金で
あるために、ろう付け時のCu成分の不均一分
布は著しく、これが直接不均一凝固につながつ
て、ろう付け部表面が荒れや収縮孔が発生する
ようになるものであること。 (c) しかし、上記のAg−Cu合金からなる従来Ag
合金ろう材にSiを所定量含有させると、Siは
AgやCuよりも母材となるCu系合金やNi系合
金、さらにFe系合金などとなじみ性が良いた
めに、ろう付け時に優先的に母材の表面に集ま
つて合金層や金属層間化合物を作り、このため
にろう材の主成分であるAgやCu成分が直接母
材成分と反応することが抑制されるようにな
り、この結果ろう付け部におけるAgやCiの主
成分の分布が不均一とならずに凝固が均一に起
るようになることから、ろう付け部表面に荒れ
や収縮孔が発生するのが著しく抑制されるよう
になること。 (d) 上記(c)項のAg−Cu−Si合金ろう付材に所定
量のBおよびLiのうちの1種または2種を含有
させると、ろう付けに際してろう付け部表面性
状に何らの悪影響も与えることなく、ぬれ性が
著しく向上するようになること。 (e) 上記(d)項のAg−Cu−Si−B(Li)合金ろう
材に、さらにSn,In,Fe,Ni、およびCoのう
ちの1種または2種以上を所定量含有させる
と、ろう付け部表面性状がより一層改善される
ようになるばかりでなく、SnおよびIn含有の
場合には、融点が低くなると共に、ろう付けに
際してぬれ性が一段と向上し、またFe,Ni、
およびCo含有の場合には、より強度の高いろ
う付け部が得られるようになること。 以上(a)〜(e)に示される知見を得たのである。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、表面荒れや収縮孔の発生がないすぐ
れたろう付け部を形成でき、かつ蒸気圧の高い成
分を含有しないので、真空あるいは特殊雰囲気中
での良好なろう付けが可能なろう材を、Ag:50
〜85%,Si:0.05〜6.0%,BおよびLiのうちの
1種または2種:0.001〜0.8%を含有し、さらに
必要に応じて、SnおよびInのうちの1種または
2種:0.05〜5.0%と、Fe,Ni、およびCoのうち
の1種または2種以上:0.05〜5.0%のいずれ
か、または両方を含有し、残りがCuと不可避不
純物からなる組成を有するAg合金で構成した点
に特徴を有するものである。 つぎに、この発明のろう材において、成分組成
範囲を上記の通りに限定した理由を説明する。 (a) Ag Ag成分は、ろう材の主要構成成分であつて、
CuおよびSi成分と共にろう材の融点を下げ、か
つろう付け時のぬれ性を向上させる作用をもつ
が、その含有量が50%未満では、相対的にCu含
有量が多くなりすぎてSi成分がCu成分中に固溶
するようになるために電気伝導度が低下し、かつ
ろう材の色調が上記の従来Ag合金ろう材と異な
るようになり、一方85%を越えて含有させると、
ろう材の融点が再び上昇するようになると共に、
ぬれ性も劣化するようになることから、その含有
量を50〜85%と定めた。 (b) Si Si成分は、ろう材の蒸気圧を上げるこなく、そ
の融点を下げると共に、ぬれ性を改善し、さらに
ろう付け時に母材成分と良くなじんで合金層や金
属間化合物を作つて、ろう材中の主要構成成分が
母材の近くに集まつて不均一に分布するのを防止
する作用をもつが、その含有量が0.05未満では前
記作用に所望の効果が得られず、一方6.0%を越
えて含有させると、多量のSiがろう材中に不均一
に分布するようになり、再びろう付け部表面に荒
れや収縮孔が発生するようになることから、その
含有量を0.05〜6.0%と定めた。 (c) BおよびLi これらの成分には、ろう付け部表面性状に何ら
悪影響を与えることなく、ろう付けに際して、ろ
うの酸化を防止すると共に、被ろう付け母材のろ
う付け表面に付着する酸化物を強制還元して活性
化し、さらに溶融ろう中へのガスの溶解を著しく
抑制する作用があるが、その含有量が0.001%未
満では前記作用に所望の効果が得らず、一方0.8
%を越えて含有させると、ろう材の冷間加工性が
劣化するようになることから、その含有量を
0.001〜0.8%と定めた。 (d) SnおよびIn これらの成分には、ろう材の融点を一段を下げ
るばかりでなく、ぬれ性を一層改善し、さらにす
ぐれたろう付け部表面性状を確保する作用がある
ので、これらの特性が要求される場合に必要に応
じて含有させるが、その含有量が0.05%未満では
前記作用に所望の向上効果が得られず、一方5%
を越えて含有させると、ろう付け部の表面性状に
劣化が見られるようになることから、その含有量
を0.05〜5.0%と定めた。 (e) Fe,Ni,およびCo これらの成分は、ろう材の延性を劣化させるこ
となく、ろうの強度を向上させると共に、被ろう
付け母材がこれらの成分を含有する場合には、ろ
う付け部の表面性状が一段と改善されるようにな
る作用をもつので、これらの特性が要求される場
合に必要に応じて含有されるが、その含有量が
0.05%未満では前記作用に所望の向上効果が得ら
れず、一方5%を越えて含有させると、ろう材の
冷間加工性が劣化するようになるばかりでなく、
その融点も上昇し、さらにろう付け部の表面性状
も劣化するようになることから、その含有量を
0.05〜5.0%と定めた。 つぎに、この発明のAg合金ろう材を実施例に
より具体的に説明する。 実施例 まず、通常の溶解法および塑性加工法にしたが
つて、それぞれ第1表に示される通りの成分組成
をもつた本発明ろう材1〜21および従来ろう材
(JIS・Z3261・BAg−8)を調製した。 ついで、この結果得られた本発明ろう材1〜21
および従来ろう材について、JIS・Z3191に則
し、ろう材を純Ni板上に載置した状態で、アル
ゴン雰囲気中、温度:830℃に加熱し、ろうの広
がり面積を測定した。また、上記各種のろう材を
温度:850℃に加熱して溶融し、ろう付けに使用
したのと同じ状態とした後の常温における蒸気圧
を測定した。さらに上記のろうの広がり面積測定
後のろうの中央部における表面荒さを表面荒さ計
を用いて測定した。この場合表面荒さ測定
部表面の荒れが少なく、しかもろう付け部に樹枝
状晶間収縮孔(以下単に収縮孔という)の発生も
少ないAg合金ろう材に関するものである。 従来、一般に、不活性ガスなどの特定雰囲気中
や、真空中で、例えば真空管や電子管、さらに集
積回路(LSI)などのろう付けを行なうに際して
は、蒸気圧の高い成分を含有しないAg−28重量
%Cu(以下%は重量%を示す)の共晶組成を有
するAg合金ろう材(JIS・Z3261・BAg−8)が
多用されている。また、このAg合金ろう材はAg
の含有量が高いために工芸品などのろう付けにも
よく使用されている。 しかしながら、上記の従来Ag合金ろう材を用
いてろう付けを行なつた場合、ろう付け部表面の
荒れが著しいばかりでなく、ろう付け部に収縮孔
が発生しやすく、このため、上記従来Ag合金ろ
う材を用いてろう付けを行なつた部品などにメツ
キ処理や酸洗処理などを施すと、前記の収縮孔に
処理液が侵入してしまい、この処理液の完全除去
はきわめて困難であることから、収縮孔に残存し
た処理液により、ろう付け部が変色したり、腐食
したりする場合がしばしばあるものであつた。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、なめらかで、収縮孔のない良好なろう付け部
を形成することのできるろう材を、特に真空中や
特定雰囲気中で良好なろう付けを可能とするため
に蒸気圧の高い成分を含有させないで得べく、か
つ上記の従来Ag合金ろう材に着目し研究を行な
つた結果、 (a) 上記従来Ag合金ろう材を使用してろう付け
した場合、ろう付け部表面に荒れや収縮孔が発
生するのは、前記ろう材中の構成成分がろう付
け時に均一に分布しないために、ろうの凝固時
に不均一な凝固が生ずることに原因するもので
あること。 (b) 一般に、ろう材中の構成成分の分布がろう付
け時に不均一となるのは、ろう材中の構成成分
のうち母材成分となじみの良い成分が母材の近
くに多く集まつて、母材成分と合金層や金属間
化合物を作ろうとするからであり、上記従来
Ag合金ろう材の場合はCu成分が母材の近くに
多く集まり、特に前記ろう材は2元共晶合金で
あるために、ろう付け時のCu成分の不均一分
布は著しく、これが直接不均一凝固につながつ
て、ろう付け部表面が荒れや収縮孔が発生する
ようになるものであること。 (c) しかし、上記のAg−Cu合金からなる従来Ag
合金ろう材にSiを所定量含有させると、Siは
AgやCuよりも母材となるCu系合金やNi系合
金、さらにFe系合金などとなじみ性が良いた
めに、ろう付け時に優先的に母材の表面に集ま
つて合金層や金属層間化合物を作り、このため
にろう材の主成分であるAgやCu成分が直接母
材成分と反応することが抑制されるようにな
り、この結果ろう付け部におけるAgやCiの主
成分の分布が不均一とならずに凝固が均一に起
るようになることから、ろう付け部表面に荒れ
や収縮孔が発生するのが著しく抑制されるよう
になること。 (d) 上記(c)項のAg−Cu−Si合金ろう付材に所定
量のBおよびLiのうちの1種または2種を含有
させると、ろう付けに際してろう付け部表面性
状に何らの悪影響も与えることなく、ぬれ性が
著しく向上するようになること。 (e) 上記(d)項のAg−Cu−Si−B(Li)合金ろう
材に、さらにSn,In,Fe,Ni、およびCoのう
ちの1種または2種以上を所定量含有させる
と、ろう付け部表面性状がより一層改善される
ようになるばかりでなく、SnおよびIn含有の
場合には、融点が低くなると共に、ろう付けに
際してぬれ性が一段と向上し、またFe,Ni、
およびCo含有の場合には、より強度の高いろ
う付け部が得られるようになること。 以上(a)〜(e)に示される知見を得たのである。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、表面荒れや収縮孔の発生がないすぐ
れたろう付け部を形成でき、かつ蒸気圧の高い成
分を含有しないので、真空あるいは特殊雰囲気中
での良好なろう付けが可能なろう材を、Ag:50
〜85%,Si:0.05〜6.0%,BおよびLiのうちの
1種または2種:0.001〜0.8%を含有し、さらに
必要に応じて、SnおよびInのうちの1種または
2種:0.05〜5.0%と、Fe,Ni、およびCoのうち
の1種または2種以上:0.05〜5.0%のいずれ
か、または両方を含有し、残りがCuと不可避不
純物からなる組成を有するAg合金で構成した点
に特徴を有するものである。 つぎに、この発明のろう材において、成分組成
範囲を上記の通りに限定した理由を説明する。 (a) Ag Ag成分は、ろう材の主要構成成分であつて、
CuおよびSi成分と共にろう材の融点を下げ、か
つろう付け時のぬれ性を向上させる作用をもつ
が、その含有量が50%未満では、相対的にCu含
有量が多くなりすぎてSi成分がCu成分中に固溶
するようになるために電気伝導度が低下し、かつ
ろう材の色調が上記の従来Ag合金ろう材と異な
るようになり、一方85%を越えて含有させると、
ろう材の融点が再び上昇するようになると共に、
ぬれ性も劣化するようになることから、その含有
量を50〜85%と定めた。 (b) Si Si成分は、ろう材の蒸気圧を上げるこなく、そ
の融点を下げると共に、ぬれ性を改善し、さらに
ろう付け時に母材成分と良くなじんで合金層や金
属間化合物を作つて、ろう材中の主要構成成分が
母材の近くに集まつて不均一に分布するのを防止
する作用をもつが、その含有量が0.05未満では前
記作用に所望の効果が得られず、一方6.0%を越
えて含有させると、多量のSiがろう材中に不均一
に分布するようになり、再びろう付け部表面に荒
れや収縮孔が発生するようになることから、その
含有量を0.05〜6.0%と定めた。 (c) BおよびLi これらの成分には、ろう付け部表面性状に何ら
悪影響を与えることなく、ろう付けに際して、ろ
うの酸化を防止すると共に、被ろう付け母材のろ
う付け表面に付着する酸化物を強制還元して活性
化し、さらに溶融ろう中へのガスの溶解を著しく
抑制する作用があるが、その含有量が0.001%未
満では前記作用に所望の効果が得らず、一方0.8
%を越えて含有させると、ろう材の冷間加工性が
劣化するようになることから、その含有量を
0.001〜0.8%と定めた。 (d) SnおよびIn これらの成分には、ろう材の融点を一段を下げ
るばかりでなく、ぬれ性を一層改善し、さらにす
ぐれたろう付け部表面性状を確保する作用がある
ので、これらの特性が要求される場合に必要に応
じて含有させるが、その含有量が0.05%未満では
前記作用に所望の向上効果が得られず、一方5%
を越えて含有させると、ろう付け部の表面性状に
劣化が見られるようになることから、その含有量
を0.05〜5.0%と定めた。 (e) Fe,Ni,およびCo これらの成分は、ろう材の延性を劣化させるこ
となく、ろうの強度を向上させると共に、被ろう
付け母材がこれらの成分を含有する場合には、ろ
う付け部の表面性状が一段と改善されるようにな
る作用をもつので、これらの特性が要求される場
合に必要に応じて含有されるが、その含有量が
0.05%未満では前記作用に所望の向上効果が得ら
れず、一方5%を越えて含有させると、ろう材の
冷間加工性が劣化するようになるばかりでなく、
その融点も上昇し、さらにろう付け部の表面性状
も劣化するようになることから、その含有量を
0.05〜5.0%と定めた。 つぎに、この発明のAg合金ろう材を実施例に
より具体的に説明する。 実施例 まず、通常の溶解法および塑性加工法にしたが
つて、それぞれ第1表に示される通りの成分組成
をもつた本発明ろう材1〜21および従来ろう材
(JIS・Z3261・BAg−8)を調製した。 ついで、この結果得られた本発明ろう材1〜21
および従来ろう材について、JIS・Z3191に則
し、ろう材を純Ni板上に載置した状態で、アル
ゴン雰囲気中、温度:830℃に加熱し、ろうの広
がり面積を測定した。また、上記各種のろう材を
温度:850℃に加熱して溶融し、ろう付けに使用
したのと同じ状態とした後の常温における蒸気圧
を測定した。さらに上記のろうの広がり面積測定
後のろうの中央部における表面荒さを表面荒さ計
を用いて測定した。この場合表面荒さ測定
【表】
長さを3mmとし、この測定結果より直径が200
μm以下の鮮明な収縮孔の個数と、最大収縮孔深
さをチエツクした。これらの測定結果を第1表に
合せて示した。 第1表に示される結果から、本発明ろう材1〜
21は、いずれも従来ろう材に比して、すぐれたぬ
れ性を有すると共に、表面荒れや収縮孔の発生が
きわめて少なく、さらに従来ろう材と同等の低い
蒸気圧をもつことが明らかである。 上述のように、この発明のAg合金ろう材は、
収縮孔などの発生が著しく少ない、すぐれたろう
付け部表面性状を示すので、ろう付け部品にメツ
キ処理や酸洗処理を施しても、その処理液がろう
付け部に残存する恐れはないことから、ろう付け
部に変色や腐食が発生することがなくなり、また
低い蒸気圧をもつので、真空中あるいは特定雰囲
気中でのろう付けを行なうことができるばかりで
なく、ろう付け部品をこれらの雰囲気中で使用し
ても何ら支障をきたすこともないなどの工業上有
用な特性を有し、特にこれらの特性が要求される
電子管や真空管、さらにLSIなどのろう付けに使
用するのに最適なものである。
μm以下の鮮明な収縮孔の個数と、最大収縮孔深
さをチエツクした。これらの測定結果を第1表に
合せて示した。 第1表に示される結果から、本発明ろう材1〜
21は、いずれも従来ろう材に比して、すぐれたぬ
れ性を有すると共に、表面荒れや収縮孔の発生が
きわめて少なく、さらに従来ろう材と同等の低い
蒸気圧をもつことが明らかである。 上述のように、この発明のAg合金ろう材は、
収縮孔などの発生が著しく少ない、すぐれたろう
付け部表面性状を示すので、ろう付け部品にメツ
キ処理や酸洗処理を施しても、その処理液がろう
付け部に残存する恐れはないことから、ろう付け
部に変色や腐食が発生することがなくなり、また
低い蒸気圧をもつので、真空中あるいは特定雰囲
気中でのろう付けを行なうことができるばかりで
なく、ろう付け部品をこれらの雰囲気中で使用し
ても何ら支障をきたすこともないなどの工業上有
用な特性を有し、特にこれらの特性が要求される
電子管や真空管、さらにLSIなどのろう付けに使
用するのに最適なものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Ag:50〜85%,Si:0.05〜6.0%,Bおよび
Liのうちの1種または2種:0.001〜0.8%を含有
し、残りがCuと不可避不純物からなる組成(以
上重量%)を有することを特徴とするろう付け部
表面性状のすぐれたAg合金ろう材。 2 Ag:50〜85%,Si0.05〜6.0%,BおよびLi
のうちの1種または2種:0.001〜0.8%を含有
し、さらにSnおよびInのうちの1種または2
種:0.05〜5.0%を含有し、残りがCuと不可避不
純物からなる組成(以上重量%)を有することを
特徴とするろう付け部表面性状のすぐれたAg合
金ろう材。 3 Ag:50〜85%,Si0.05〜6.0%,BおよびLi
のうちの1種または2種:0.001〜0.8%を含有
し、さらにFe,Ni、およびCoのうちの1種また
は2種以上:0.05〜5.0%を含有し、残りがCuと
不可避不純物からなる組成(以上重量%)を有す
ることを特徴とするろう付け部表面性状のすぐれ
たAg合金ろう材。 4 Ag:50〜85%,Si:0.05〜6.0%,Bおよび
Liのうちの1種または2種:0.001〜0.8%を含有
し、さらにSnおよびInのうちの1種または2
種:0.05〜5.0%と、Fe,Ni、およびCoのうちの
1種または2種以上:0.05〜5.0%を含有し、残
りがCuと不可避不純物からなる組成(以上重量
%)を有することを特徴とするろう付け部表面性
状のすぐれたAg合金ろう材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16353481A JPS5865597A (ja) | 1981-10-15 | 1981-10-15 | ろう付け部表面性状のすぐれたAg合金ろう材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16353481A JPS5865597A (ja) | 1981-10-15 | 1981-10-15 | ろう付け部表面性状のすぐれたAg合金ろう材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5865597A JPS5865597A (ja) | 1983-04-19 |
JPS6111158B2 true JPS6111158B2 (ja) | 1986-04-01 |
Family
ID=15775699
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16353481A Granted JPS5865597A (ja) | 1981-10-15 | 1981-10-15 | ろう付け部表面性状のすぐれたAg合金ろう材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5865597A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6199599A (ja) * | 1984-10-19 | 1986-05-17 | Toshiba Corp | 接合方法及びその材料 |
US20060045791A1 (en) * | 2004-08-30 | 2006-03-02 | Haltiner Karl J Jr | Low melting temperature silver braze alloy |
JP5623783B2 (ja) * | 2010-05-13 | 2014-11-12 | 日本発條株式会社 | 大気接合用ろう材、接合体、および、集電材料 |
JP5645307B2 (ja) * | 2010-12-09 | 2014-12-24 | 日本発條株式会社 | 大気接合用ろう材、接合体、および、集電材料 |
CN109175783A (zh) * | 2018-10-31 | 2019-01-11 | 无锡日月合金材料有限公司 | 一种四元合金钎料 |
-
1981
- 1981-10-15 JP JP16353481A patent/JPS5865597A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5865597A (ja) | 1983-04-19 |
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