JPS6110516Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、一対の表面板間に断熱性心材を充
填した断熱パネルに任意の高さ位置に棚受け部を
調節可能に装着できるようにしたことを特徴とす
る棚受け構造に関するものである。

一般に棚受けを形成する場合、第８図に示すよ
うに、棚板を載置するブラケツトａを直接断熱パ
ネルｂの表面板ｃにねじｄ等で固定する方法が採
用されている。しかし、断熱パネルｂは、一対の
表面板ｃ，ｃ間に例えば発泡ポリウレタン等のよ
うな耐強度性の低い断熱性心材ｅを充填して成る
ため、ねじｄは弛み易くなつて棚板上の物が脱落
するという危険性があり、また、位置の変更を行
うことができないという不都合があり、更にはね
じ取り付け部あるいはねじ穴等から水分が侵入し
て断熱性心材ｅが二次発泡等の変化をきたすなど
の問題があつた。

この考案は、上記問題を解決することを企図し
てなされたもので、その要旨とするところは、断
熱パネルの表面板に断面鳩尾状の凹溝を設けこの
凹溝内に、基板の両側においてこの凹溝の両側面
に当接する傾斜係合片を有する棚受け体を嵌装す
るとともに、棚受け体の基板の長手方向に沿つて
適宜間隔をおいて穿設された多数の係止孔のうち
の任意に、棚受けブラケツトの一端に突設された
係止爪を選択的に係合させるようにしたもので、
断熱パネル自体に棚受け取り付け用のねじ穴等を
設けざに、任意の高さ位置に簡単に棚受けを形成
することができるようにしたことを特徴とする断
熱パネルの棚受け構造を提供しようとするもので
ある。

以下にこの考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図及び第２図はこの考案の棚受け構造の一
例を示す斜視図及び断面図で、図中、１は断熱パ
ネルであつて、一対の表面板２，２間に例えば発
泡ポリウレタン等の断熱性心材３を発泡充填して
成り、かつ、一方の表面板２には互いに平行な少
なくとも２つの断面鳩尾状の凹溝４が設けられ、
この凹溝４内には、比較的長尺に形成された基板
５ａの両側にそれぞれ凹溝４の両側面４ａに当接
する傾斜係合片５ｂ，５ｂを有する棚受け体５が
嵌装され、そして、棚受け体５の基板５ａの長手
方向に沿つて適宜間隔をおいて穿設される多数の
係止孔５ｃ，５ｃ…のうちの任意に、棚受けブラ
ケツト６の一端に穿設された係止爪６ａが選択的
に係合されて、棚受けブラケツト６が任意の高さ
位置に取り付けられ、この棚受けブラケツト６上
に棚板７が載置されるようになつている。この場
合、棚受けブラケツト６は、第３図に示すよう
に、ほぼＬ字状の板材で形成されるブラケツト本
体６ｂの一端の上下部に上方に向つてＬ字状に突
出する係止爪６ａ，６ａを設けて成るが、第４図
に示すように、頂部に幅を有する棚板受け部６ｃ
を有し、その両側における側面部６ｄの一端部に
それぞれ同様にＬ字状に突出する係止爪６ａ，６
ａ…を設けたものであつてもよい。このように形
成すれば、より強固な棚受け部を形成することが
できるのである。

また、前記棚受け体５は、第５図及び第６図に
示すように、凹溝４内に嵌装されて、凹溝４の下
部に嵌装されたスペーサ８によつて保持される
か、あるいは第７図に示すように、棚受け体５の
基板５ａにねじ結合される固定ねじ９の先端を凹
溝４の底面４ｂに押圧することにより、棚受け体
５を任意の位置に固定することもできる。なおこ
の場合、固定ねじ９の先端に例えばゴム等の緩衝
体９ａを施した押圧頭部９ｂを設けておけば、断
熱パネル１を傷めずに棚受け体５を強固に固定す
ることができる。

なお、上記実施例では断熱パネル１の一方の表
面板２に凹溝４を設けて棚受け体５及びブラケツ
ト６を装着するようにした場合について説明して
あるが、勿論両方の表面板２，２に凹溝４を設け
てそれぞれの面に棚受け体５及びブラケツト６を
装着することもでき、特に断熱パネル１を冷凍庫
等の間仕切り材として使用した場合、有益であ
る。

以上に説明したように、この考案の棚受け構造
によれば、断熱パネルの表面板に設けた断面鳩尾
状の凹溝内に、この凹溝の側面に当接する傾斜係
合片を基板の両側に有する棚受け体を嵌装すると
ともに、棚受け体の基板の長手方向に沿つて穿設
された多数の係止孔のうちの任意に、棚受けブラ
ケツトの一端に穿設された係止爪を係合させ、こ
の棚受けブラケツト上に棚板を載置して成るた
め、棚受け部を任意の高さ位置に調節可能に形成
でき、しかも、断熱パネル自体にはねじ穴等の加
工を施さず棚受け体を簡単にかつ強固に固定する
ことができる上、断熱パネルを例えば組立て式小
屋等において繰り返し使用することができるなど
の優れた効果が得られるので、その利用価値は顕
著である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の棚受け構造の一例を示す斜
視図、第２図は第１図の−線に沿う断面図、
第３図及び第４図はそれぞれこの考案における棚
受けブラケツトの別の形態を示す斜視図、第５図
はこの考案における棚受け体の取り付け態様の一
例を示す正面図、第６図は第５図の−線に沿
う断面図、第７図は棚受け体の別の取り付け態様
を示す断面図、第８図は従来の棚受け構造を示す
斜視図である。 図において、１……断熱パネル、２……表面
板、３……断熱性心材、４……凹溝、４ａ……側
面、４ｂ……底面、５……棚受け体、５ａ……基
板、５ｂ……傾斜係合片、５ｃ……係止孔、６…
…棚受けブラケツト、６ａ……係止爪、７……棚
板、８……スペーサ、９……固定ねじ、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対の表面板間に断熱性心材を充填して成る断
   熱パネルの少なくとも一方の表面板に断面鳩尾状
   の凹溝を設け、この凹溝内にはその両側面に当接
   する傾斜係合片を基板の両側に有する棚受け体を
   嵌装し、この棚受け体の基板の長手方向に沿つて
   適宜間隔をおいて穿設される多数の係止孔のうち
   の任意に棚受けブラケツトの一端に突設された係
   止爪を選択的に係合させるように構成して成る断
   熱パネルの棚受け構造。