JPS609479Y2 - シヨツクアブソ−バ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車の懸架装置に使用されるもので、内筒と
外筒との間に高圧ガスを封入した高圧ガス封入式のショ
ックアブソーバに関するものである。

一般にこの種のショックアブソーバとしてはストラット
型のものが良く知られているが、従来からあるストラッ
ト型ショックアブソーバの高圧ガス封入方法では、封入
部品（例えばプラグ、ムシ等）とチェックシールとが分
離独立している構造のものが多く、この為コスト、作業
性の面から不利であるという欠点があった。

本考案の目的は以上の様な欠点に鑑みなされたもので、
ベアリングの外周にＵ字形状のチェックシールを装着し
、このチェックシールの外周側リップ部にガスシール機
能を持たせ、かつ内筒側リップ部に逆止弁機能を持たせ
る様構成し、これによって、構造簡単かつ安価で、作業
性の良いショックアブソーバを提供するにある。

以下、図に示す実施例を用いて本考案の詳細を説明する
。

第１図は本考案に係るショックアブソーバの一実施例を
示す縦断面図、第２図は前図のＡ部の拡大断面図である
。

外筒１内には内筒２が同軸的に配設されていて両者の間
にタンク室３を形成している。

このタンク室３内には所定位置まで油４が充填されてい
ると共に、この油４の上部に位置するガス室３′には外
筒１の上部に設けたガス封入穴１ａを介して高圧ガス５
が封入されている。

ピストン６は、前記内筒２に対して摺動自在に挿入され
、またこのピストン６から上方へ延びるピストンロッド
７は、前記外筒１と内筒２の上端に亘って嵌挿したベア
リング８およびその上部に位置して外筒１にパツキンケ
ース９を介して嵌着したオイルシール１０を貫通して外
部に突出している。

更に、前記ピストン６はその外筒に装着したシール１１
で内筒２内を上下の作動室１２，１３に区画し、かつそ
の作動に当って内部に組込んだ減衰力発生用のバルブ（
図示せず）により減衰抵抗を受ける様構成されている。

また、前記ピストンロッド７の途中にはストッパ１４が
取付けられており、このストッパ１４が最伸長動作時に
ベアリング８の下面に当設してピストン６とベアリング
８間の最少嵌合長を確保している。

なお図中１５は外筒１に取付けたスプリング受である。

そして、これはピストンロッド７の上端を車体側に対し
ゴムブツシュを介して連結すると共に、ナックルスピン
ドル１６に車輪を支架し、かつ、スプリング受１５と車
体との間に懸架スプリング１７を、また、ナックルスピ
ンドル１６と車体間にはリンク部材をそれぞれ介装して
車体側に装架される。

以上は、マツクファーソン式の懸架装置として既に公知
のことである。

ところで、本考案にあってその特徴とするところは前記
ベアリング８の外周にＵ字形状のチェックシール１８を
装着した点にある。

すなわち、このチェックシール１８は、その内筒側リッ
プ部１８１が、前記ベアリング８に穿設したリターンポ
ート８ａ（ベアリング８とオイルシール１０との間に画
成される保油室１９と、前記ガス室３′とを連通ずる穴
）の下部に当接しており、常時このリターンポート８ａ
の下部開口部を閉塞状態に維持し、かつ保油室１９側か
ら送られてくるガス圧、油圧によってのみ開く様構成さ
れる逆止弁機能を有しており、一方外前側すツブ部１８
２は前記外筒１に設けたガス封入穴１ａの内側開口部を
常時閉塞しており、このガス封入穴１ａからガス室３′
内の高圧ガス外部へ漏れるのを防止するガスシール機能
を有している。

これをさらに詳述するに、封入高圧ガスは前記外筒１の
ガス封入穴１ａから外筒側リップ部１８２を押し開けて
ガス室３′の内に充填される。

そして一旦充填されると、外筒１の内壁とチェックシー
ル１８の外面との間には適当な締代があり、しかも外筒
側リップ部１８２はガス圧によって外筒１の内壁に押し
付けられているので、ショックアブソーバの作動中に外
筒１の内壁と外筒側リップ部１８２の外面との間から高
圧ガスが漏れる様なことはない。

また、前記前側リップ部１８１は逆止弁機能を有するの
で、ガス室３′内に充填されている高圧ガスは、ベアリ
ング８に穿っであるリターンポート８ａを通って保油室
１９側へ流れる様なことはないが、内筒２の上部室から
ピストンロッド７、ベアリング８間を通って流れてくる
ガスは、保油室１９、リターンポート８ａから内筒側リ
ップ部１８１を押しあけてガス室３′へ容易に流れる。

なお、このガス室３′内の高圧ガスを抜く場合にあって
は、前記ガス封入穴１ａから棒状のピンの様なもので外
筒側リップ部１８２を押していくことにより、簡単に抜
くことができる。

以上説明した様に本考案によれば、組立時のガス封入が
容易にでき、かつ封入後はチェックシールとして機能す
るＵ字形状のチェックシールを、ベアリング外周に装着
した構成としであるので、構造簡単かつ製作が容易でコ
ストも安く、しかも組立作業性も良いショックアブソー
バを提供できるという効果を有する。

更に、チェックシールはベアリング外周にサブアッセン
ブリする構造なので、基本長に何ら影響することがない
という効果をも有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るショックアブソーバの一実施例を
示す縦断面図、第２図は前回のＡ部の拡大断面図である
。 １・・・・・・外筒、１ａ・・・・・・ガス封入穴、２
・・・・・・内筒、５・・・・・・高圧ガス、８・・・
・・・ベアリング、８ａ・・・・・・リターンポート、
１８・・・・・・チェックシール、１８１・・・・・・
内筒側リップ部、１８２・・曲外筒側リップ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内筒と外筒とを同軸的に配置してその間に高圧気体を封
   入すると共に、内筒と外筒の上端に亘ってベアリングを
   嵌押したショックアブソーバにおいて、前記ベアリング
   の外周にＵ字形状のチェックシールを装着し、このチェ
   ックシールの外筒側リップ部に、外筒に設けた封入穴の
   ガスシール機能を持たせ、かつ内筒側リップ部に、外筒
   側に加圧されるときにのみベアリングのリターンポート
   を開く常時閉止の逆止弁機能を持たせたことを特徴とす
   るショックアブソーバ。