JPS609470Y2

JPS609470Y2 - デイスクブレ−キ

Info

Publication number: JPS609470Y2
Application number: JP17658479U
Authority: JP
Inventors: 康夫烏谷
Original assignee: トキコ株式会社
Priority date: 1979-12-20
Filing date: 1979-12-20
Publication date: 1985-04-03
Also published as: JPS5693528U

Description

【考案の詳細な説明】この考案はディスクブレーキに関する。

従来のディスクブレーキとしては、車輌の非回転部分に
取り付けられたキャリアにキャリパが摺動可能に設けら
れ、このキャリパに設けられたシリンダ内のピストンに
マスクシリンダから圧油が作用すると、前記ピストンに
より一方のパッドがディスクの一側面に圧接させられ、
またこの時生じる反力によってキャリパが移動して他方
のパッドがディスクの他側面に圧接させられ、これによ
り回転するディスクが制動されるようになされたもので
ある。

しかしながら、従来のこのようなディスクブレーキにあ
っては、パッドを所定位置に位置させ、かつがたつかな
いようにするためにパッドスプリングが設けられており
、またパッドがディスクに当接した際に生じるブレーキ
鳴き音を防止するためのシムが設けられており、またパ
ッドがキャリアのパッド受部に錆着くのを防止するため
のステンレス板が設けられており、さらにパッドが所定
量摩耗した際に警報を発するための摩耗警報部材が設け
られているから、部品点数が多くなり、したがって組み
立てに手間がかかり、高価となる欠点があった。

この考案は前記事情に鑑みてなされたもので、シムの左
右端部を折曲してパッドとキャリアのパッド受部との間
に挿入し、前記シムの上下端部を折曲して前記パッドに
係合し、かつ前記シムの上端部のみをキャリパに圧接さ
せることにより、部品点数を少なくして組み立ての手間
を省くことができて安価なディスクブレーキを提供する
ことを目的とする。

以下、この考案の一実施例を第１図乃至第６図に基づい
て説明する。

第１図及び第２図中１はキャリアであり、このキャリア
１にはキャリパ２が第２図において矢印Ａ、Ｂ方向摺
動自在に設けられている。

このキャリパ２の一方の脚部３にはピストン４が第２図
において矢印Ａ、Ｂ方向に移動自在に設けられている
。

このピストン４の作動端には、シム５が当接されている
。

このシム５は図示しない車輪とともに回転するディスク
６の一側に設けられた一方のパッド７の裏金８に取り付
けられている。

また、キャリパ２の他方の脚部９にはシム５が当接させ
られている。

このシム５はディスク６の他側に設けられた他方のパッ
ド７の裏金８に設けられている。

なお、２つのパッド７はそれぞれパッド本体１０と裏金
８とからなっている。

また、パッド７はディスク６に対して接離し得るように
キャリア１のパッド受部１１によって支持されている。

前記シム５はばね鋼板またはステンレス板からなってい
る。

このシム５の左右端部の所定個所は左右方向に延長され
てパッド７側に折曲されて第５図に示すようにパッド７
の側面とキャリア１のパッド受部１１との間に挿入され
、さらに裏金８を挾むように折曲され、その先端部をパ
ッド本体１０の側面に当接させた状態で第５図において
略矢印ＣまたはＤ方向に折曲されている。

このシム５の左右端所定個所の先端部はパッド本体１０
の厚さ方向の所定位置まで延ばされている。

このようにして折曲部１２が形成されている。

また、シム５の上端部の所定２個所は上方に延長されて
パッド７側に折曲されて第６図に示すように裏金８に係
合され、かつその先端近傍部をキャリパ２のブリッジ部
１３の内面に圧接し得るように湾曲状に形成されている
。

このようにして折曲部１４が形成されている。

また、シム５の下端部の所定２個所は下方に延長されて
パッド７側に折曲されて第６図に示すように裏金８に係
合され、かつその先端部をパッド本体１０の厚さ方向の
所定位置まで延ばされている。

このようにして折曲部１５が形成されている。

しかして、ディスク１が回転し、ピストン４に図示しな
いマスクシリンダから圧油が作用すると、ピストン４が
第２図において矢印Ａ方向に移動し、一方のシム５を介
して一方のパッド７をディスク６の一側面に圧接させる
。

また、この時生じる反力によってキャリパ２が第２図に
おいて矢印Ｂ方向に移動して他方のシム５を介して他方
のパッド７をディスク６の他側面に圧接させる。

これにより回転するディスク６が制動されるとともに、
シム５の作用によってパッド７がディスク６に当接した
際に生じるブレーキ鳴き音が緩和される。

また、この際シム５はその折曲部１２，１４．１５によ
ってパッド７に取り付けられて保持された状態で、その
折曲部１４をキャリパ２のブリッジ部１３の内面に圧接
させられる。

これによリシム５を介してパッド７がパッド受部１１に
押し付けられる。

したがって、パッド７ががたつくのを防止することがで
き、これによりシム５はパッドスプリングの機能を果す
ことができる。

また、同時にシム５はその折曲部１２をパッド７とパッ
ド受部１１との間に挿入されているので、これらの部分
の錆の発生によってパッド７がキャリア１に固着するこ
とはない。

加えて折曲部１２のばね力によりパッド７がディスクの
回転方向にがたつくことも防止し得る。

また、シム５はその折曲部１２．１５をパッド本体１０
の厚さ方向の所定位置まで延ばされているので、パッド
７が所定量摩耗すると、折曲部１２．１５の先端部が回
転するディスク６に当接してブレーキ鳴き音その他の雑
音とは異なったパッド摩耗警報音を発し、これにより摩
耗警報部材の機能も果すことができる。

なお、第５図中間隔りはパッド７が全く摩耗していない
状態から、所定量摩耗して交換を要する状態になるまで
の摩耗許容寸法とされている。

またパッド７の裏金８にシム５を接着剤、ねじ等によっ
て一体的に固着させればその取付けを一層確実なものと
することができる。

なお、シム５にテフロンコーティングまたはゴムコーテ
ィングを施すことによってシム５によるブレーキ鳴き音
防止効果を向上させることができる。

また、第７図に示すようにシム２１の一部に凹部２２を
設けて、この凹部２２にグリース２３を充填するとブレ
ーキ鳴き音防止効果をさらに向上させることができる。

以上説明したようにこの考案によれば、シムの左右端部
を折曲してパッドとキャリアのパッド受部との間に挿入
し、前記シムの上下端部を折曲して前記パッドに係合し
かつ前記シムの上端部のみをキャリパに圧接させた構成
であるから、シムをパッドに保持し得て、シムの機能を
果すことはもちろんのこと、シムの上端の折曲部をキャ
リパに圧接させてパッドスプリングの機能を果すことが
でき、かつパッドとパッド受部との間にシムの左右端折
曲部を挿入することにより錆の発生によるパッドとキャ
リアとの固着を防止することができ、加えてこのシムの
左右端折曲部のばね力によりパッド７がディスクの回転
方向にがたつくことも防止することができ、さらにシム
の左右端折曲部及び下端折曲部をパッドの厚さ方向の所
定位置まで延ばせばパッド摩耗警報発生機能を果すこと
ができ、これらによりパッドスプリング、パッド固着防
止部材等を省いて部品点数を少なくすることができ、こ
れにより組立ての手間を省くことができて安価である。

【図面の簡単な説明】

第１図は二の考案の一実施例を示す正面図、第２図は第
１図の■−■線に沿う縦断側面図、第３図及び第４図は
そのパッドにシムを取り付けた状態を示す斜視図、第５
図はその要部の平面図、第６図はそのパッドにシムを取
り付けた状態の縦断面図、第７図はこの考案の他の実施
例におけるパッドにシムを取り付けた状態の縦断面図で
ある。１・・・・・・キャリア、２・・・・・・キャリパ、４
・・・・・ゼストン、５・・・・・・シム、６・・・・
・・ディスク、７・・・・・・パッド、１１・・・・・
・パッド受部、１２・・・・・・折曲部、１４．１５・
・・・・・折曲部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

パッドの上方を通りディスクをまたぐように構成された
キャリパが車輌の非回転部分に取り付けられるキャリア
に設けられ、かつ前記パッドをピストンにより前記ディ
スクに押し付けて前記ディスクの回転を制動するディス
クブレーキにおいて、前記パッドが前記ディスクに押し
付けられた際に生じる鳴き音を防止するためのシムが前
記ピストンと前記パッドとの間に設けられ、前記シムの
左右端部は前記パッド側に折曲されて前記パッドと前記
キャリアのパッド受部との間に挿入され、前記シムの上
下端部は前記パッド側に折曲されて前記パッドに係合さ
れかつ前記シムの上端部のみは前記キャリパに圧接させ
られたことを特徴とするディスクブレーキ。