JPS609388Y2 - デイ−ゼル機関のコントロ−ルロツドの噴射量制限装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は燃料噴射ポンプと噴射ノズルとを一体にしたユ
ニットインジェクタを、そのシリンダヘッドに設けたデ
ィーゼル機関コントロールロッドの噴射量制限装置に関
するものである。

ユニットインジェクタを使用した従来のディーゼル機関
においては、そのシリンダヘッド上部の狭い弁腕室にユ
ニットインジェクタを配設することにより吸排気弁腕装
置及びユニットインジェクタ駆動用の燃料弁腕等、吸排
気系及び燃料噴射系の装置が複雑に配置されることにな
る。

一方、そのディーゼル機関の回転に応じてそのユニット
インジェクタの燃料噴射量を調量するコントロールロッ
ド装置を上記のごとく手狭な弁腕室内に設けると共に、
そのコントロールロッドとカム軸端部に設けたガバナ装
置とを接続して機関の回転に応じてこのコントロールロ
ンドラ正確に調整作動させることが必要である。

そこで本考案は、カム軸端に設けたガバナ装置に連動さ
せてユニットインジェクタの燃料噴射量の調量を行なう
コントロールロッドをシリンダヘッド上面よりさらに上
方に設け、そのコントロールロッドの移動量を制限する
噴射量制限装置をシリンダヘッド上に設けた、弁腕室に
取付けることにより、そのコントロールロッド及びガバ
ナ装置の調整を容易に、かつ正確に行なわせることを目
的としてなされたものである。

即ち本考案は、ユニットインジェクタをシリンダヘッド
上部より装着したディーゼルＭにおいて、該ユニットイ
ンジェクタ駆動用のカム軸の端部に設けられたガバナ装
置に連動して移動可能とし、かつ、該ユニットインジェ
クタの燃料噴射量を調量可能とするコントロールロッド
をシリンダヘッド１の上面よりさらに上に配設すると共
に、該コントロールロッドのガバナ装置側端部を押圧す
るように付勢するトルクスプリング等の燃料噴射量制限
装置を弁腕室のボンネット部材に取付けることにより構
成される。

以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。

まず、第１図及び第２図に示す本考案の実施例における
ディーゼル機関では、シリンダヘッド１上の弁腕室２内
にその先端中心がピストン３の中心より僅かに偏心し、
かつ傾斜した状態でユニットインジェクタ４が設けられ
ており、このユニットインジェクタ４の偏心方向の反対
側のユニットインジェクタ４を挾んだ両側の位置に吸気
弁５及び排気弁６を配設している。

次に、ユニットインジェクタ４を駆動する燃料弁腕７と
接触する燃料カム８、吸気弁５及び排気弁６をそれぞれ
リフトする吸気弁腕９ａ及び排気弁腕９ｂと接触する吸
気カム１４（及び図示されていない排気カム）を同軸上
に有するカム軸１０がシリンダヘッド１内のカム軸室１
１に設けられている。

また、第２図に示すカム軸１０は、このディーゼル機関
の主軸により回転されるタイミングベルトプーリ１２に
より駆動されるが、このカム軸１０の反駆動側の端部に
はガバナスリーブ１３ａ１ガバナウエイ）１３ｂ等から
なるガバナ装置が取付けられており、そのガバナ室１５
内にはこのガバナ装置の作用に連動して回動するガバナ
レバー１６がその中間部を回動可能に支持されており、
更に、このガバナレバー１６の回動によりカム軸１０と
平行な方向（矢印Ａで示す方向）に移動可能に設けられ
たコントロールロッド１７がユニットインジェクタ４の
燃料噴射量を調量可能にしている。

このコントロールロッド１７の一端ハ、トルクスプリン
グ１８により押圧されており、コントロールロッド１７
に設けられたピン１９を介してユニットインジェクタ４
の燃料噴射量の調量レバー２０を回動させるようになっ
ている。

上記のごとく、１本のガバナレバー１６の回動に応じて
カム軸１０と平行な矢印Ａ方向に移動可能に設けられた
コントロールロッド１７は、その中間部をシリンダヘッ
ド１に設けられた支え台２２に固設されたサポート２３
により移動可能に支持されている。

そこで本考案では、コントロールロッド１７をガバナレ
バー１６を接続した側の端部を押圧するように付勢する
上記トルクスプリング１８を弁腕室２のボンネット部材
２４に螺着して設けている。

上記の構成からなるディーゼル機関において、そのコン
トロールロッド１７及びガバナスリーブ１３ａ１ガバナ
ウエイト１３ｂ及びガバナレバー１６等からなるガバナ
装置の調整を行なう場合に、トルクスプリング１８はボ
ンネット部材２４と共に取り外されているので、トルク
スプリング１８と関係なしにコントロールロッド１７系
統及びガバナ装置系統の調整ができる。

この時、コントロールロッド１７及びそれに付属するピ
ン１９等はシリンダヘッド１の上面より上方に有り、上
記ボンネット部２４を外す事により最も調整のし易い位
置に来ている。

上記の調整終了後にボンネット部材２４を取付けること
により、トルクスプリング１８もコントロールロッド１
７の端部に取付けられ、機関を実際に回転させて機関の
最大出力、即ち、ユニットインジェクタ４の最大噴射量
の調整をこのトルクスプリング１８の螺子部を回すこと
により行なうことができる。

また、本考案においては第２図に示す位置決めピン３０
がトルクスプリング１８の下部に１本設けられており、
これによりシリンダヘッド１とボンネット部２４が位置
決めされるので、１度トルクスプリング１８を調整した
後吸排気弁スキマ等の調整のためボンネット部２４を外
した後でも再度これを装着した時に同じ位置に来てトル
クスプリング１８の再調整は不要である。

従って、本考案のコントロールロッドの噴射量制限装置
を有するディーゼル機関では、そのコントロールロッド
系統がシリンダヘッド上面より更に上方にありヘッド上
面に配置されたボンネットを外してこれらを調整する場
合最も近づき易い位置にあると同時にトルクスプリング
と無関係に行ない得るので、その調整を容易に、かつ正
確に行なうことができるという利点がある。

また、トルクスプリングによるそのディーゼル機関の最
大出力調整もコントロールロッド系統の調整を行った後
ボンネット部を装着するという当然必要な所作を行うの
みで準備が完了し、容易に、かつ正確に行なうことがで
き、しかもコントロールロッド廻りの構造が簡単になる
という利点もある。

なお、本考案は主としてユニットインジェクタを有する
ディーゼル機関に対して有効に適用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例におけるディーゼル機関のシリ
ンダヘッド要部の正断面図、第２図は第１図の側断面図
である。 １・・・・・・シリンダヘッド、２・・曲弁腕室、４・
・曲ユニットインジェクタ、１ｏ・・・・・・カム軸、
１３ａ・・・・・・ガバナスリーブ、１３ｂ・・・・・
・ガバナウェイト、１６・・・・・・ガバナレバー、１
７・曲・コントロールロッド、１８・−−−−−ｔ−ル
クスプリング、１９・・曲ピン、２０・・・・・・調量
レバー ２２・・曲支え台、２４・・・・・・ボンネッ
ト部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ユニットインジェクタをシリンダヘッド上部より装着し
   たディーゼル機関において、該ユニットインジェクタ駆
   動用のカム軸の端部に設けられたガバナ装置に連動して
   移動可能とし、かつ、該ユニットインジェクタの燃料噴
   射量を調量可能とするコントロールロッドをシリンダヘ
   ッドより上方に配設すると共に、該コントロールロッド
   のガバナ装置側端部を押圧するように付勢する噴射量制
   限装置をシリンダヘッドの上部に設ける弁腕室に取付け
   たことを特徴とするディーゼル機関のコントロールロッ
   ドの噴射量制限装置。