JPS6145328Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本件考案はデイーゼルエンジンの燃料噴射弁と
燃料噴射ポンプを一体形にしたユニツトインジエ
クターの不均率調整構造に関するものである。

ユニツトインジエクターは多気筒のデイーゼル
エンジンの場合に各気筒毎にロツカーアーム等の
駆動装置と共に設けられており、それぞれのユニ
ツトインジエクターから突出するコントロールレ
バーを１個のガバナー装置から出るリンクで回動
し、回転数調節を行つている。

しかし、各ユニツトインジエクター毎に噴射量
のバラつきがある場合には燃料噴射量が不均一と
なり、それが激しくなると燃費や出力にも影響を
及ぼしてくるのである。ユニツトインジエクター
毎の噴射量を一定にする為に、コントロールレバ
ーが回動を一杯に行ないタペツト１の切欠端１ｃ
に当つた時点で常に同じ噴射量となるように製造
時等に調節しておこうとするものである。

即ちコントロールレバーの回動の始点における
噴射量を全て同じとし、その位置でガバナー装置
のリンクと結合すれば各ユニツトインジエクター
は全て同じ量の燃料を噴射するように調節すべく
切欠端１ｃのあるタペツト１をユニツトインジエ
クターのインジエクターボデイに対して回動プレ
ート２５ａと偏心ピン２５により回動し、調節可
能としたものである。

本件考案の目的は以上の如くであり、添付の図
面に示した実施例の構成に基づいて本件考案の構
成を説明すると。

第１図は本件考案のユニツトインジエクターの
側面断面図、 第２図は平面図である。

本ユニツトインジエクターはインジエクターボ
デイ６を中心に構成されている。インジエクター
ボデイ６の外側に耳部６ｂを突出させ、該耳部６
ｂに締付金具２３を掛合させ、締付金具を長尺ボ
ルト２４にてシリンダーヘツド２２に締め付けて
いる。インジエクターボデイ６を中央にして下か
らと上からと２方向から分解組立可能に構成して
いる。

インジエクターボデイ６の下方からは、ノズル
スプリング１３とノズルスプリングシート１５を
バルブストツプスペーサ２７で蓋をしその下にノ
ズルバルブ１８を嵌入したノズルボデイ１９を配
置し、下からノズルナツト２０でインジエクター
ボデイ６に螺装している。

インジエクターボデイ６の上方からはチエツク
バルブ９、チエツクバルブシート８を配置しスピ
ルデフレクター１０をスプリングピン８で固定し
た後バレル５を置きバレルホルダー７で螺装して
いる。インジエクターボデイの上下の分岐部には
チエツクバルブガイド６ｄが一体的に構成され、
噴射ポンプと、噴射弁部との隔壁の役目とチエツ
クバルブ９のガイドの役目をしている。

バレル５内のシリンダー孔にプランジヤー３を
挿入し該プランジヤー３にタペツト１を貫通さ
せ、タペツト１にてプランジヤースプリング４を
受けさせている。タペツト１の外周に溝１ｄを設
け、該溝１ｄとインジエクターボデイ６の切欠端
面の刻線６ｈが合致する部分がプランジヤー先端
が吸入口５ａを外れて圧縮行程開始時であること
を示している。

プランジヤー４のタペツト１からの突出部に平
行ピン２８にてコントロールレバー２を直結して
いる。

コントロールレバー２へはガバナー装置のアー
ムが係合される。タペツト１は上端で馬蹄形に構
成され切欠端１ｃ，１ｃ部で扇形に開口し、ここ
からコントロールレバー２が突出し回動可能にさ
れている。コントロールレバー２がタペツト１の
切欠き１ｃに接当する部分で全てのシリンダーの
ユニツトインジエクターの噴射量が一定になるよ
うに調節装置が設けられている。

又馬蹄形部分に座ぐり穴１ｂが設けられ、該座
くぐり穴部分にタペツトプレート２１が嵌入され
ている。タペツトプレート２１の上面をカム軸に
連動したロツカーアームが押してプランジヤーを
押し下げる。プランジヤー３の上方への戻りはプ
ランジヤースプリング４の力による。

又タペツト１に縦溝１ａが設けられ、該縦溝１
ａに偏心ピン２５が嵌入している。偏心ピン２５
は長孔付きの回動プレート２５ａと固設されてお
り、該回動プレートをボルト２６を緩めて回動す
ることにより偏心ピン２５を介してタペツト１が
回動し、コントロールレバー２の動きの幅をタペ
ツト１の切欠端１ｃ，１ｃで規制し、多気筒の場
合の各ユニツトインジエクター毎の噴射量の不均
を調節する。即ちコントロールレバー２がタペツ
ト１の切欠端１ｃ，１ｃに接当した場所で、多シ
リンダーの場合の各ユニツトインジエクターの噴
射量が一定となるように組立て時に調節するので
ある。

燃料はシリンダーヘツド内の油路２２ａを通つ
て吸引され、インジエクターボデイの孔から油溜
り６ａに入る。油溜り６ａの吸入孔５ａ対向面に
はスピルによる侵触を防止するスピルデフレクタ
ー１０がスプリングピン１１により固定されてい
る。燃料は続いて吸入口５ａよりバレル内のシリ
ンダーのプランジヤーの上方への後退と共に吸い
込まれる。その際にはチエツクバルブ９は押し出
した圧油が戻らないようにチエツクバルブシート
に吸着して密閉状態となつている。

ロツカーアームによりタペツトプレート２１を
押すとプランジヤー３が下降し、プランジヤー３
の先端が吸入孔５ａの直径から外れる部分より燃
料の圧送を開始し、傾斜状の切欠３ａが吸入孔５
ａの直径に至つた時に圧送が終了する。その後は
プランジヤーを下降としてもシリンダー内の燃料
はプランジヤの貫設油路３ｂから傾斜状の切欠を
経て逃げてしまう。この傾斜状の切欠き３ａと吸
入孔５ａとの出合うタイミングをコントロールレ
バー２でプランジヤー３を回動することにより変
え圧送時間を調節して噴射量の調節を行なう。圧
送された燃料はチエツクバルブ９から油路６ｃを
経て、バルブストツプスペーサー２７を通り、ノ
ズルボデイ１９内に入り、啓開圧以上に達すると
ノズルバルブ１８をノズルスプリング１３に抗し
て押し上げ燃焼室内へ噴射される。

１７はバルブストツプスペーサー２７とインジ
エクターボデイ６との位置を決める為の平行ピ
ン、１６はインジエクターボデイ６とチエツクバ
ルブシート８、バレル５の位置を決める平行ピン
である。１４は圧力調整板１２はＯリングであ
る。

第３図は本考案のユニツトインジエクターの実
施例を示す図面、第４図は同じく平面図、第５図
は偏心ピン２５と回動プレートの側面側面図、第
６図は同じく後面図、第７図は同じく側面図、第
８図はタペツト１の平面図、第９図はタペツトの
前面図、第１０図は同じく前面断面図、第１１図
は同じく側面一部断面図、第１２図はタペツト上
部の斜視図である。

偏心ピン２５と回動プレート２５ａとは溶接に
て固定されており、回動プレート２５ａにはボル
ト２６を螺装して調節後締めつける長孔２５ｂが
開口されている。

偏心ピン２５がタペツト１の縦方向の縦溝１ａ
内に嵌挿されているので、回動プレートをボルト
２６をゆるめて回動すると偏心ピン２５を介して
タペツト１がインジエクターボデイ内で回転す
る。

このタペツト１の回動によりタペツト１の切欠
端が左右へ移動し、コントロールレバー２の回動
範囲が変わる。コントロールレバー２を切欠端１
ｃに接当させた状態の噴射量が均一となるように
製造時に調節しておくことにより、ユニツトイン
ジエクター毎の噴射量の均一化を図ることができ
るのである。タペツト１の外周に溝１ｄが設けて
あり、この溝１ｄがインジエクターボデイの先端
に達した時にプランジヤー圧送行程が始まるとい
う目安にしている。

以上の如く本考案は、ロツカーアームによる押
し込みに対して、プランジヤー３を元の位置に復
帰させるプランジヤースプリング４のバネ受けで
あるタペツト１を、インジエクターボデイ６の孔
内で上下動する逆コツプ形とし、上端中央の穴よ
りプランジヤー３の頭部を貫通突出して、該突出
部にコントロールレバー２を固設して、該コント
ロールレバー２のプランジヤー３を中心とする回
動により、燃料噴射量の調節を可能とした構成に
おいて、タペツト１の上端をコントロールレバー
２の周囲に突出して馬蹄形とし切欠端１ｃ，１ｃ
を設け、ユニツトインジエクターの外部からイン
ジエクターボデイ６とタペツト１の相対位置を調
節可能として、切欠端１ｃ，１ｃの位置を変更す
ることにより、コントロールレバー２の移動範囲
を規制し、コントロールレバー２が一杯に回動を
行いタペツト１の切欠端１ｃに接当した時点で、
常に他のユニツトインジエクターと同じ燃料噴射
量となるように調節可能としたので、次のような
効果を奏するものである。

第１に、従来の技術である実開昭54−27228号
公報記載の技術においては、コントロールレバー
２の回動を規制する為の部材を別に設けて、これ
により規制していたのであるが、本考案において
はプランジヤースプリング４のロツカーアーム側
に必ず必要なバネ受けであるタペツト１に、切欠
端１ｃ，１ｃ構成することにより、コントロール
レバー２の回動規制部を構成したので、部品の兼
用を図り、ユニツトインジエクターを簡単な構成
とすることが出来たのである。

第２に、回動規制部をプランジヤースプリング
４のロツカーアーム側のバネ受けであるタペツト
１に構成したので、従来の如くプランジヤーバレ
ル側のバネ受けに回動規制部に構成した場合に
は、ポンプケースやシリンダーヘツドの内部に調
節部が位置してしまい、運転しながら外側からの
調整が不可能であるとの、不具合いを解消して、
偏心ピン２５や回動プレート２５ａを外部に配置
させることが出来たのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本件考案のユニツトインジエクターの
側面断面図、第２図は同じく平面図、第３図は本
考案のユニツトインジエクターの実施例を示す図
面、第４図は同じく平面図、第５図は偏心ピンと
回動プレートの側面図、第６図は同じく後面図、
第７図は同じく側面図、第８図はタペツト１の平
面図、第９図は同じく前面図、第１０図は同じく
前面断面図、第１１図は同じく側面一部断面図、
第１２図はタペツトの上部斜視図である。 １……タペツト、２……コントロールレバー、
３……プランジヤー、５……バレル、６……イン
ジエクターボデイ、６ｄ……チエツクバルブガイ
ド、７……バレルホルダー、８……チエツクバル
ブシート、９……チエツクバルブ、１０……スピ
ルデフレクター、１３……ノズルスプリング、１
８……ノズルバルブ、１９……ノズルボデイ、２
０……ノズルナツト、２１……タペツトプレー
ト、２３……締付金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロツカーアームによる押し込みに対して、プラ
   ンジヤー３を元の位置に復帰させるプランジヤー
   スプリング４のバネ受けであるタペツト１を、イ
   ンジエクターボデイ６の孔内で上下動する逆コツ
   プ形とし、上端中央の穴よりプランジヤー３の頭
   部を貫通突出して、該突出部にコントロールレバ
   ー２を固設して、該コントロールレバー２のプラ
   ンジヤー３を中心とする回動により、燃料噴射量
   の調節を可能とした構成において、タペツト１の
   上端をコントロールレバー２の周囲に突出して馬
   蹄形とし切欠端１ｃ，１ｃを設け、ユニツトイン
   ジエクターの外部からインジエクターボデイ６と
   タペツト１の相対位置を調節可能として、切欠端
   １ｃ，１ｃの位置を変更することにより、コント
   ロールレバー２の移動範囲を規制し、コントロー
   ルレバー２が一杯に回動を行いタペツト１の切欠
   端１ｃに接当した時点で、常に他のユニツトイン
   ジエクターと同じ燃料噴射量となるように調節可
   能としたことを特徴とする内燃機関のユニツトイ
   ンジエクター。