JPS608118Y2 - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は内燃機関上として自動二輪車などの小型機種
に用いられる内燃機関の吸気装置に関し、シリンダヘッ
ド上に吸気補給ポンプを設けて吸気行程時における混合
気の吸入量を増加させると共に燃焼効率を高めて機関の
出力を向上させることを目的とし、シリンダに吸気弁と
排気弁を備えた内燃機関に、上記弁の動作カム軸に設け
た作動カム１１により作動される吸気ピストンと所要容
積のケーシングとからなる補給ポンプを配設し、シリン
ダヘッドには、吸気弁の近傍において吸気通路に開口し
燃焼室の周壁に向って傾斜した通孔を設け、該通孔を管
部材を介して補給ポンプに連結したことを特徴としてい
る。

図面参照の上その実施例について説明すれば、第１図に
おいて１は４サイクル内燃機関のシリンダ、２はシリン
ダヘッド、２ａは燃焼室、３および４はシリンダヘッド
２に穿設された吸気通路と排気通路、５はピストンであ
り、周知のように吸気通路３の出口端には吸気弁３ａが
配設されると共に排気通路４の入口端には排気弁４ａが
配設され、これらの弁３ａ、４ａはシリンダヘッド２上
に架設された回動カム６ａ、６ｂによりロッカーアーム
７ａ、７ｂを介してピストン５の上下運動に関連して所
要の時期に吸気通路３および排気通路４を交互に開閉す
るようになされている。

ところで、この考案ではシリンダヘッド２の吸気側の上
部には補給ポンプ８が取付けられており、この補給ポン
プ８は所要容積のケーシング８ａと吸気ピストン８ｂと
からなり、ケーシング８ａはアダプタ９を介してカム軸
ホルダ１０の一側に密封状態に連結され、その内部には
スプリング８ｄが配設されていて吸気ピストン８ｂを後
退するように付勢しており、そのためピストンロッド８
ｃの後端はカム軸７に回動カム７ａ、７ｂとは別に装着
された作動カム１１の表面に圧接されている。

そして、作動カム１１は、吸気行程時に吸気弁３ａが開
くとき吸気ピストン８ｂが前進し、圧縮行程に入って閉
じるとき後退するような形状と角度配置を以ってカム軸
７に取付けられている。

また、シリンダヘッド２の吸気側には、吸気弁３ａの近
傍において吸気通路３に開口し第２図のように燃焼室２
ａの周壁に向って傾斜した通孔１２が穿設されており、
この通孔１２はノズル管１３および接続管１４を介して
補給ポンプ８の前端部に連結されている。

そこで、機関が始動し、吸気弁３ａが第３図イのように
開き、ピストン５が下降して吸気行程に入れば、通常の
ように気化器Ｋから混合気がシリンダ１中に吸入される
が、その際補給ポンプ８の吸気ピストン８ｂはカム軸７
上の作動カム１１の操作によりスプリング８ｄを圧縮し
て前進している。

次の圧縮行程に入り、吸気弁３ａが閉じる際には、補給
ポンプ８の吸気ピストン８ｂは第３図口のようにスプリ
ング８ｄの復元力により後退させられ、そのケーシング
８ａ内の容積が増加するため、吸気弁３ａが閉じた後に
おいても吸気作用が持続し気化器Ｋからの混合気は吸気
通路３に開口している通孔１２．ノズル管１３および接
続管１４を介してケーシング８ａ中に入り、そこに貯留
される。

そして、この貯留状態は引き続く膨張、排気行程中はス
プリング８ｄの伸張作用によって維持される。

一サイクルが終って、次の吸気行程に入り、吸気弁３ａ
が開く際には、補給ポンプ８の吸気ピストン８ｂは第３
図へのように作動カム１１によって前進させられるので
、ケーシング８ａ中に貯留されていた混合気はピストン
８ｂの押し出し作用と吸気負圧によってノズル管１３、
通孔１２を介して吸気通路３に向って流動し、気化器Ｋ
からの混合気に合流してシリンダ１に勢よく噴出する。

そのため、機関のポンプ損失が補われ、体積効率が増加
する。

また、その際にはシリンダヘッド２に設けた通孔１２は
燃焼室２ａの周壁に向って傾いているので、通孔１２か
ら流出した混合気は燃焼室２ａの壁面に沿いつつ旋回腰
渦流を積極的に生皮するため混合気の攪拌が良く行われ
、燃焼を促進することになる。

なお、補給ポンプ８はシリンダヘッド２上にあることが
好ましいが、作動し易いとるであれば他の箇所でよい。

また、第４図は上記の吸気装置を備えた単気筒の内燃機
関を自動二輪車に適用した例を示すものであり、Ｅはそ
の内燃機関、Ｂは排気管、Ｃはミッションを内蔵したク
ランクケース、Ａはエアクリーナ、モしてＦはフレーム
である。

以上のようにこの考案によれば、吸気行程時に吸気弁が
閉じた際には、補給ポンプのピストンの後退作用により
所要量の混合気をポンプケーシング内に貯留することが
でき、そして吸気弁の開弁時には気化器からの混合気に
合せて貯留混合気をシリンダ中に勢よく噴出させること
ができるので、機関のポンプ損失が減少して体積効率が
高まり、また燃焼室においては混合気の攪拌が促進され
て燃焼効率が向上し、機関の出力を増進させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の断面図、第２図はそのＸ−
Ｘ線に沿った平断面図、第３図イ９口。 ハはその作動状態の説明図、第４図は自動二輪車に適用
した例の概略的な側面図。 図中１・・・・・・シリンダ、２・・・・・・シリンダ
ヘッド、２ａ・・・・・・燃焼室、３・・・・・・吸気
通路、３ａ・・・・・・吸気弁、４・・・・・・排気通
路、４ａ・・・・・・排気弁、５・・・・・ピストン、
６ａ、６ｂ・・・・・・回動カム、７・・・・・・カム
軸、８・・・・・・補給ポンプ、８ａ・・・・・・ケー
シング、８ｂ・・・・・・吸気ピストン、８ｄ・・・・
・・スプリング、１１・・・・・・作動カム、１２・・
・・・・通孔、１３・・・・・・ノズル管、１４・・・
・・・接続管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダヘッド２に吸気弁３ａと排気弁４ａを備えた内
   燃機関に、上記弁３ａ、４ａの動作カム軸７に設けた作
   動カム１１により作動される吸気ピストン８ｂと所要容
   積のケーシング８ａとからなる補給ポンプ８を配設し、
   シリンダヘッド２には、吸気弁３ａの近傍において吸気
   通路３に開口し燃焼室２ａの周壁に向って傾斜した通孔
   １２を設け、該通孔１２を管部材を介して補給ポンプ８
   に連結してなる内燃機の吸気装置。