JPS608087B2 - 多条刈りコンバインの搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、機体横幅方向に複数の引起し径路が形成され
るように、機体前部に複数の引起し径路装置を並設する
とともに、その引起し装置と、機体後方側の横一側部に
配設したフィードチェーンに向けて刈取り穀樺を後方側
へ搬送する縦搬送装置との間に、引起し途中の穀樟を後
方送りした後に機体横幅方向に搬送して前記搬送装置の
始端部に受けつがせるための中間搬送装置を設けてある
多条刈りコンバインの搬送装置に関する。

上記コンバインにおける中間搬送装置としては、刈取り
後の穀樺を単に機体横幅方向で搬送する横搬送装置のみ
から構成されるもの（例えば実公昭４５一８１１４号参
照）、あるいは、刈取り前に穀樺を掻き寄せて刈取った
後に機体後方側へ向けて後方送りする補助搬送装置と、
その後方送りされた穀樺を受けついで機体横幅方向に横
送りする横搬送装置との二種の別々の搬送装置から構成
されるもの（例えば特公昭４８一７０４３号参照）とが
ある。

前者の中間搬送装置では、穀樟引起し作用時に穀樺株元
側の姿勢を安定維持する手段を備えていないので、引起
し刈取り作用を充分良好に行ない難い欠点があり、後者
の中間搬送装置では、補助搬送装置と横搬送装置とが別
々の搬送帯によって構成され、夫々が前後方向、あるい
は、横幅方向の何れか一方向のみ毅禅を移送しようとす
るものであるから、両搬送装置の受けつぎ箇所で穀梶に
円滑な送り作用を与え難いという欠点がある。そこで、
第３図に示すように、横搬送装置部分の一部が補助搬送
装置部分の一部を兼ねるように、中間搬送装置２，２を
平面視Ｖ字状に配設して、前後方向送り状態を維持した
まま穣送り状態に移れるように構成することも考えられ
たが、この場合には、Ｖ字の角度を充分に鋭角にしない
とスムーズな前後方向送りが行なえないことから、中間
搬送装置全体の前後方向長さが長くなり、機体全長が長
くなるという不都合がある。本発明が解決しようとする
技術的課題は、引起し刈取り作業が良好に行えるように
補助搬送装置部分を備えた中間搬送装置を設けるにあた
り、補助搬送装置部分から横搬送装置部分への受けつぎ
を円滑に行え、しかも機体全体の長さが長くなり過ぎな
いように中間搬送装置の構成を工夫することである。

上記課題を解決するために講じた本発明の技術手段は、
機体横幅方向に複数の引起し径路が形成されるように、
機体前部に複数の引起し装置を並設するとともに、その
引起し装置と、機体後方側の横一側部に配設したフィー
ドチェーンに向けて刈取り殻樟を後方側へ搬送する縦搬
送装置との間に、引起し途中の穀樟を後方送りした後に
機体横幅方向に搬送して前記縦搬送装置の始端部に受け
つがせるための中間搬送装置を設けてある多条刈りコン
バインにおいて、前記中間搬送装置を、穀樟搬送方向で
の上手側位置に設けた第１中間搬送装置と、その第１中
間搬送装置よりも毅樟搬送方向での下手側に位置させた
第２中間搬送装置とで構成し、さらに、前記第１中間搬
送装置を、フィードチェーンに近い側の機体横一側位置
の引起し径路に沿って刈刃の前方位置から縦搬送装置の
女台端部にわたる直線的な前後方向搬送径路を構成する
搬送面を有した未刈側中間搬送装置と、前記引起し径路
よりもフィードチェーンから遠ざかる側の引起し径路に
沿い、かつ、刈刃の前方位置から刈刃よりも後方側に至
る前後方向搬送径路を構成する搬送面と、前記前後方向
搬送径路に引続いて機体横幅方向に沿い、かつ、前記縦
搬送装置の始端部に向う横送り搬送径路を構成する搬送
面とを一連の搬送帯で形成した既刈側中間搬送装置から
構成し、前記第２中間搬送装置は、前記積送り搬送径路
に沿う搬送面と、縦搬送装置の搬送径路に沿う搬送面と
を一連の搬送帯で形成したことであり、上記技術手段を
講じたことによる作用効果は次の通りである。

すなわち、第１中間搬送装置が前後方向搬送径路に沿う
搬送面を有しているので、引起しならびに刈取り作業中
の穀樟姿勢を正しく維持し、良好な引起し刈取り作業を
行えるものであるとともに、第２中間搬送装置に刈取り
穀樟を受けつがせる第１中間搬送装置は、前記前後方向
搬送径路に引続く横送り搬送径路にも沿った搬送面を備
え、しかも、その搬送面が前後方向搬送径路に沿う搬送
面と一連の搬送帯によって構成されているので、前後方
向送りから横送りへの受けつぎ箇所においても連続して
一つの搬送帯が送り作用を与えつづけながら受けつがせ
るので、前後方向搬送径路から積送り搬送径路への穀樟
の移行が、きわめてスムーズに停滞なく行なえる利点が
ある。

また、第２中間搬送装置においても、横送り搬送径路か
らの縦搬送装置の搬送経路への穀樺の移行が、両搬送径
路に沿う搬送面を一連の搬送帯によって構成しているこ
とから、前記第１中間搬送装置の場合と同様にスムーズ
に行えるものである。さらにまた、第１中間搬送装置と
第２中間搬送装置とは、前述従来例の場合のように平面
視Ｖ字状の搬送径路を構成するものではなく、前後方向
搬送径路と積送り搬送径路とを構成するものであるから
、前記従来例構造のものに比べて、中間搬送装置全体の
前後方向長さを必要以上に長く形成する要はなく、機体
前後方向長さを必要以上に長く構成する不都合がない点
で有利である。

以下に、本発明の実施例を図面の記載に基いて説明する
。

１は多条刈りコンバインで、機体前部に、引起し爪５・
・・・・・を起伏自在に装着してなる二組の引起し装置
３，３を、機体後方斜上方に向けて斜設し、この引起し
装置３，３の背部での地面近傍に刈刃４を設けると共に
、刈刃４の上方ならびにその後方位置に中間搬送装置２
を配置し、その中間搬送装置２の下方位置に刈取穀樺の
株元近くを後方送りする株元送り装置７を設け、さらに
、前記中間搬送装置２から機体後部の脱穀装置１６の一
側部に設けられたフィードチェーン１６の始端部に向け
て縦搬送装置１７を設けてある。

前記中間搬送装置２は、穀梶長さの中間部または穂先側
部分に作用し、かつ、その縦搬送始端を前記引起しケー
スーの上端と刈刃４とを結ぶ線Ｅよりも前方に突入せし
めて、刈取穀樟を引起しケース１・・・・・・から後方
に向けて引抜くべく構成された第１中間搬送装置８，８
′と、刈敬後の穀樺を機体横幅方向に積送りして縦搬送
装置１７に受け渡す第２中間搬送装置１４とから構成さ
れている。

前記第１中間搬送装置８，８′は、フィードチヱーン１
６に最も近い未刈側の引起し径路Ａに沿った直線的な前
後方向搬送径路Ｂを刈刃４の前方位置から縦搬送装置１
７の始端部にまでわたって形成するように、前記前後方
向搬送径路Ｂに沿う搬送面８ａを有した搬送帯８Ａによ
って構成された未刈側中間搬送装置８と、前記フィード
チェーン１６から遠い側の引起し径路Ａに沿った前後方
向搬送径路Ｂを、刈刃４の前方位置から刈刃４よりも後
方位置にわたって形成するように、前記前後方向搬送径
路Ｂに沿う搬送面８′ａを有し、かつ、前記前後方向搬
送径路Ｂに引続く横送り搬送径路Ｆに沿って機体横幅方
向に毅樟を搬送するように、横送り搬送径路Ｆに沿う搬
送面８′ｂを有し、しかも、その両搬送面８′ａ，８′
ｂが一連の搬送帯８′Ａによって構成されている既刈側
中間搬送装置８′とから構成されている。また、前記第
２中間搬送装置１４は、前記第１中間搬送装置８，８′
のうちの既刈側中間搬送装置８′の積送り搬送径路Ｆに
沿う搬送面８′ｂと協動して刈取穀梓を横送りするよう
に、積送り搬送径路Ｆ‘こ沿い、かつ、縦搬送装置１７
の女台端部近くに設定された合流点Ｇに至る搬送面１４
ｂと、前記合流点Ｇから縦搬送装置１７の搬送径路印こ
沿う搬送面１４ｃとを、一連の搬送帯１４ａで構成した
ものである。

前記縦搬送装置１７は、株元挟持搬送装置と穂先係止搬
送装置との上下二段の搬送装置から構成され、搬送始端
部で穀樺を略立姿勢で受けとり、搬送終端部で穀樟を横
倒伏姿勢に姿勢変更してフィードチヱーン１６の始端部
に受けつがせるように構成してある。

上記構成によれば、機体の進行に伴なつて楯立穀樟は引
起し装置３，３によって引起され、引起し完了前に穀樺
は第１中間搬送装置８，８′によって後方送りされると
共に、株元側も刈刃４に切断され、後方送りの終端から
第１および第２中間搬送装置８′，１４によって縦搬送
装置１７の始端側に積送りされると共に、横送り終端か
ら第２中間搬送装置１４および縦搬送装置１７でそのま
ま後方に送られ、その送り終端近〈で横倒れに姿勢変更
され、フィードチェーン１６に狭持搬送されながら脱穀
部１５で脱穀処理されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の実施例を示し、第１図は
全体側面図、第２図は概略全体側面図、第３図は従来例
の概略平面図である。 ２・・・・・・中間搬送装置、３・・・・・・引起し装
置、４・・・・・・刈刃、８，８′・・・・・・第１中
間搬送装置、８′Ａ・・・・・・搬送帯、８ａ，８′ａ
，８′ｂ・・・・・・搬送面、１４・・・・・・第２中
間搬送装置、１４ａ・・・・・・搬送帯、１４ｂ，１４
ｃ・・・・・・搬送面、１６・・・・・・フィードチェ
ーン、１７・・・・・・縦搬送装置、Ａ・・・・・・引
起し径路、Ｂ…・・・前後方向搬送径路、Ｆ・・・・・
・横送り搬送径路、日・…・・搬送径路。 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 機体横幅方向に複数の引起し径路Ａ……が形成され
   るように、機体前部に複数の引起し装置３……を並設す
   るとともに、その引起し装置３……と、機体後方側の横
   一側部に配設したフイードチエーン１６に向けて刈取り
   穀桿を後方側へ搬送する縦搬送装置１７との間に、引起
   し途中の穀桿を後方送りした後に機体横幅方向に搬送し
   て前記縦搬送装置１７の始端部に受けつがせるための中
   間搬送装置２を設けてある多条刈りコンバインにおいて
   、前記中間搬送装置２を、穀桿搬送方向での上手側位置
   に設けた第１中間搬送装置８，８′と、その第１中間搬
   送装置８，８′よりも穀桿搬送方向での下手側に位置さ
   せた第２中間搬送装置１４とで構成し、さらに、記記第
   １中間搬送装置８，８′を、フイードチエーン１６に近
   い側の機体横一側位置の引起し径路Ａに沿って刈刃４の
   前方位置から縦搬送装置１７の始端部にわたる直線的な
   前後方向搬送径路Ｂを構成する搬送面８ａを有した未刈
   側中間搬送装置と、前記引起し径路Ａよりもフイードチ
   エーン１６から遠ざかる側の引起し径路Ａに沿い、かつ
   、刈刃４の前方位置から刈刃４よりも後方側に至る前後
   方向搬送径路Ｂを構成する搬送面８′ａと、前記前後方
   向搬送径路Ｂに引続いて機体横幅方向に沿い、かつ、前
   記縦搬送装置１７の始端部に向う横送り搬送径路Ｆを構
   成する搬送面８′ｂとを一連の搬送帯８′Ａで形成した
   既刈側中間搬送装置とから構成し、前記第２中間搬送装
   置１４は、前記横送り搬送径路Ｆに沿う搬送面１４ｂと
   、縦搬送装置１７の搬送径路Ｈに沿う搬送面１４ｃとを
   一連の搬送帯１４ａで形成してあることを特徴とする多
   条刈りコンバインの搬送装置。