JPS607419Y2 - マンホ−ル蓋の施錠装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、マンホール蓋の施錠装置に関するものである
。

従来のマンホール蓋は、蓋開閉用の工具を引掛けるバー
が蓋表面の凹部に設けられている構造であるため、この
バーを持って蓋を持ち上げれば工具なしで簡単に蓋が開
き、子供が好奇心で蓋を開けたために下水に落ち込み、
怪我をしたり人命を失うなどの事故が多発していた。

特殊なマンホール蓋では、専用の施錠装置を設けたもの
であるが、一般のマンホール蓋においてもそのような施
錠装置を設け、それに適合する特殊な鍵を使用するよう
にすることは汎用性の点で問題がある。

本考案は、このような現状に鑑み、一般的ではないが規
格品であるＬ型の六角レンチを工具として用いることに
より子供などが簡単に蓋を開けることがなく、点検時な
どは作業者が六角レンチで解錠することのできるマンホ
ール蓋の施錠装置を提供することを目的とするものであ
る。

本考案は、マンホール蓋の外周近傍の内底面に、下部外
方にマンホール受枠の内周底部に係合するフック部を、
該フック部の反対側に凸部をそれぞれ形成してなる爪の
上部を、当該爪の自重垂下時には前記フック部がマンホ
ール受枠の内周底部に係合しない状態に枢着し、前記マ
ンホール蓋には、前記爪の凸部を押すことによりフック
部をマンホール受枠の内周底部に係合させるためのキャ
ップスクリューを、その頭部がマンホール蓋の表面から
露出しない状態に緩め締め自在に設け、かつ前記キャッ
プスクリューの締め付は状態では、前記爪の凸部がキャ
ップスクリューのねじ部外周に接触状態となる構成を特
徴とするマンホール蓋の施錠装置に係るものである。

以下、本考案を図面に示す実施例に基いて説明すれば、
第１図は本考案に係るマンホール蓋１及び受枠２の設置
断面図、第２図はその一部切欠平面図、第３図は爪３の
連結部の要部断面図であり、マンホール蓋１の外周近傍
の内底面の対称個所にそれぞれ爪３を揺動自在にピン４
にて取り付ける。

爪３には、下部外方には受枠２の内周底部に係合するフ
ック部３ａが、その反対側には凸部３ｂがそれぞれ形成
されている。

この爪３は、鋳物のようなある程度自重があるものでつ
くられており、ピン４にて自然に吊り下げられた状態で
は爪３のフック部３ａの先端に接する鉛直線が受枠２の
内周端に接する鉛直線よりも内側に位置するように配置
される。

爪３の内側には、キャップスクリュー５が、蓋１の内部
にねじ込まれることにより爪３の凸部３ｂを押してフッ
ク部３ａを受枠２の内周底部に係止させるように取り付
けられている。

このキャップスクリュー５は、水や湿気で錆びないよう
にステンレス鋼製とするが、鋳物で形成される蓋１のめ
ねじとの接触による電蝕が生じないように、Ｍｌにはス
テンレス製のナツト６を鋳込みでインサートしている。

なお、図中７は蓋開閉用の工具を引掛けるバーである。

第１図は施錠した状態を示しており、解錠するには、キ
ャップスクリュー５の頭部にＬ形の六角レンチの先端を
差し込んで回せば、キャップスクリュー５は上方に抜け
て行き、該キャップスクリュー５の先端が爪３の凸部３
ｂをある程度通過すれば、爪３の自重で第１図の１点鎖
線で示すように垂下し、フック部３ａが受枠２の内周底
部から離脱するので、バー７を工具に引掛け、又は手で
持って持ち上げれば蓋１を開けることができる。

なお、キャップスクリュー５が完全に抜けてしまわない
ようにするには、その先端部のねじ山を２〜３ピツチつ
ぶしておけばよい。

作業が終了して蓋１を閉めるときには、受枠２に蓋１を
被せ、突出しているキャップスクリュー５に六角レンチ
を差し込んで締め付ければ、爪３の凸部３ｂがキャップ
スクリュー５の先端部に押され、ピン４を支点として傾
き、フック部３ａが受枠２の内周底部に係合することに
なり、施錠を行うことができる。

キャップスクリュー５を締め付けない場合には蓋１の表
面からキャップスクリュー５が突出したままとなってい
るので、施錠のし忘れかない。

また、キャップスクリューの締め付は状態では、爪の凸
部がキャップスクリューのねじ部外周に接触状態となる
構成として、ある程度キャップスクリューを締め込んだ
状態ではそれ以上キャップスクリューを締め込んでも爪
の係合状態は変わらないため、キャップスクリューの長
さに影響なく締め付けが確実に行われ、キャップスクリ
ューの長さを厳密にしなくてもよい。

上述したように、本考案によれば、六角レンチという規
格品の工具を使用して解錠及び施錠を行うので、特殊な
工具を用いる必要がなく、シかも指などでは操作できな
いため、子供たちが簡単に蓋を開けることを防止でき、
受枠は従来のもの又は既設のものをそのまま使用できる
ので蓋だけ本考案のものと取り替えることにより施錠装
置付の蓋にでき、しかもキャップスクリューが解錠状態
では蓋の表面から突出しているので施錠のし忘れを目視
で確認でき、またキャップスクリューの長さに多少長短
があっても爪を確実に係合状態とすることができるなど
の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す断面図、第２図はその一
部切欠平面図、第３図は要部断面図である。 １：マンホール蓋、２：受枠、３：爪、３ａ：フック部
、３ｂ：凸部、４：ピン、５：キャップスクリュー ６
：ナツト、７：バー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ マンホール蓋の外周近傍の内底面に、下部外方にマ
   ンホール受枠の内周底部に係合するフック部を、該フッ
   ク部の反対側に凸部をそれぞれ形成してなる爪の上部を
   、当該爪の自重垂下時には前記フック部がマンホール受
   枠の内周底部に係合しない状態に枢着し、前記マンホー
   ル蓋には、前記爪の凸部を押すことによりフック部をマ
   ンホール受枠の内周底部に係合させるためのキャップス
   クリューを、その頭部がマンホール蓋の表面から露出し
   ない状態に緩め締め自在に設け、かつ前記キャップスク
   リューの締め付は状態では、前記爪の凸部がキャップス
   クリューのねじ部外周に接触状態となる構成としたこと
   を特徴とするマンホール蓋の施錠装置。 ２ キャップスクリューの材質をステンレス鋼とし、マ
   ンホール蓋における前記キャップスクリューをねじ止め
   する部分をマンホール蓋に鋳込まれたステンレス鋼製の
   ナツトとした実用新案登録請求の範囲第１項記載のマン
   ホール蓋の施錠装置。