JPS6229694Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、マンホール蓋・消火栓蓋・上下水道
用蓋・電力、ガス用蓋等の地下構造物用蓋におけ
る蓋と蓋受枠とを固定する固定ボルトの緩みを防
止する固定ボルト廻り止めキヤツプに関する。

（従来の技術） 従来、内部から水圧や空気圧が加わる場所や、
車両通行量の多い場所、その他不法投棄のおそれ
のある場所等に設置される地下構造物用蓋につい
ては、蓋が容易に開放しないように、蓋と蓋受枠
とが固定ボルトによつて固定されている。そし
て、この固定ボルトの緩みを防止する手段として
は、スプリングワツシヤーを用いることやダブル
ナツトを用いることが知られている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、従来のスプリングワツシヤーを
用いる手段にあつては、固定ボルトの緩み止め効
果が十分ではないため、車両通行による振動等に
より固定ボルトが緩むという問題点があつた。
又、ダブルナツトを用いる手段にあつては、緩み
止め効果が十分でないと共に、ナツトが蓋の上方
に突出するため車両通行のある場所にあつては使
用できず、又、取付作業が困難であるという問題
点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、従来の上述のような問題点を解決す
るためになされたもので、その目的とするところ
は、固定ボルトの緩みを確実に防止すると共に、
ボルト頭への装着抜取りが容易な地下構造物用蓋
固定ボルトの廻り止めキヤツプを提供することに
ある。

そして、この目的達成のために、本考案では、
地下構造物用蓋２に形成されたボルト埋込穴９内
に配置され、同蓋２と蓋受枠３とを固定する固定
ボルト４の緩みを防止する廻り止めキヤツプであ
つて、キヤツプ本体１が軟質合成樹脂や合成ゴム
等の弾性材で形成され、かつ同キヤツプ本体１に
は、前記固定ボルト４のボルト頭５に嵌合するボ
ルト頭廻り止め部１ａと、ボルト埋込穴９の側部
に形成された係合部１０と係合するキヤツプ係止
部１ｂとが形成され、かつ同キヤツプ係止部１ｂ
が素材の弾性を利用して前記係合部１０と係脱自
在に形成した構成を採用した。

（作 用） 従つて、本考案の地下構造物用蓋固定ボルトの
廻り止めキヤツプでは、上述のような手段とした
ので、キヤツプ本体１は前記キヤツプ係止部１ｂ
により回転および上向き離脱が阻止され、従つ
て、このキヤツプ本体１がボルト頭５に嵌合され
た固定ボルト４の緩みを例え車両通行等による振
動がかかつたとしても確実に防止できるものであ
る。

また、本考案のキヤツプは、素材が軟質合成樹
脂や合成ゴム等の弾性材で形成されると共に、キ
ヤツプ係止部１ｂが素材の弾性を利用してボルト
埋込穴９に形成した係合部１０と係脱自在に形成
されているので、ボルト頭５への装着抜取りがき
わめて容易である。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面により詳述する。

まず、実施例の構成を説明する。

この実施例の地下構造物用蓋固定ボルトの廻り
止めキヤツプは、第１図〜第３図に示すように、
軟質合成樹脂を素材としてキヤツプ本体１が形成
され、かつ同本体１には、ボルト頭５の外側形状
と合致する六角形状のボルト頭廻り止め部１ａ
と、地下構造物用蓋２のボルト埋込穴９の側部に
凹設された係合部１０に係合させることでキヤツ
プ本体１の水平回転方向および上向き方向の動き
を阻止する突起状のキヤツプ係止部１ｂが形成さ
れている。キヤツプ係止部１ｂは、キヤツプ本体
１の側面に形成した傾斜部１ｃの下端に連設さ
れ、かつ突起状に形成され、第４図に示すよう
に、傾斜部１ｃを押圧すると内側に折曲して前記
係合部１０から離脱し、また傾斜部１ｃの押圧を
止めると弾性復帰して係合部１０と係合するよう
に形成されている。尚、キヤツプ係止部１ｂを内
側に折曲すると、第４図の仮想線で示すように、
キヤツプ本体１の外径がボルト埋込穴９の内径よ
り小さくなり、その状態でボルト埋込穴９からの
抜取りや挿入ができるように形成されている。
尚、図中２で示すものは地下構造物用蓋、３は蓋
受枠、４は固定ボルト、５はボルト頭、６はナツ
ト、７はワツシヤー、８はナツト落下防止板、９
はボルト埋込穴、１０は係合部である。

次に本実施例の作用を説明する。

この実施例では、上記構成よりなるため、第４
図の仮想線で示すように、傾斜部１ｃを押圧して
キヤツプ係止部１ｂを内側に折曲させボルト埋込
穴９の径より小さくさせてその状態でボルト埋込
穴９に挿入する。そして、ボルト頭廻り止め部１
ａをボルト頭５に嵌合させた後、傾斜部１ｃの押
圧を止めキヤツプ係止部１ｂを弾性復帰させて係
合部１０と係合させる。キヤツプ本体１は、キヤ
ツプ係止部１ｃにより回転および上向き離脱が阻
止され、従つて、ボルト頭５にキヤツプが嵌合さ
れた固定ボルト４の緩みを確実に防止することが
できる。

次に、キヤツプを抜取るときは、傾斜部１ｃを
上方から押圧しキヤツプ係止部１ｂを内側に折曲
させて、そのまま上方に引き上げることにより行
なうことができる。

以上、本考案の実施例を図面により詳述してき
たが、具体的な構成は、この実施例に限られるも
のではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲にお
ける設計変更等があつても本考案に含まれる。

例えば、実施例では、キヤツプ本体１の素材を
軟質合成樹脂としたが、合成ゴム等の他の弾性材
であつてもよい。

また、実施例では、ボルト廻り止め部１ａを六
角形状としたが、これに限られるものではなく、
要はボルト頭５の外側形状と合致する形状であれ
ば四角その他の多角形状であつてもよい。

（考案の効果） 以上説明してきたように、本考案の地下構造物
用蓋固定ボルトの廻り止めキヤツプにあつては、
キヤツプ本体１を軟質合成樹脂や合成ゴム等の弾
性材で形成すると共に、同本体１に、ボルト頭回
り止め部１ａとキヤツプ係止部１ｂとを形成させ
ているので、キヤツプを嵌合された固定ボルト４
の緩みを確実に阻止できる効果を有し、この効果
に伴つて揚圧による汚水や汚物の吹き上りが防止
され、かつ、車両通行による地下構造物用蓋２の
飛び上りやゴミ箱の不法投棄も防止できる。

また、本考案の地下構造物用蓋固定ボルトにあ
つては、キヤツプ係止部１ｂが素材の弾性により
係合部へ係脱自在に形成されているので、キヤツ
プの装着抜取りをきわめて容易に行なうことがで
きるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の地下構造物用蓋固定ボルトの
廻り止めキヤツプの実施例を示す斜視図、第２図
は同キヤツプの縦断面図、第３図は同キヤツプの
平面図、第４図は同キヤツプの使用状態を示す縦
断面図である。 １：キヤツプ本体、１ａ：ボルト頭廻り止め
部、１ｂ：キヤツプ係止部、４：固定ボルト、
５：ボルト頭、９：ボルト埋込穴、１０：係合
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 地下構造物用蓋２に形成されたボルト埋込穴９
   内に配置され、同蓋２と蓋受枠３とを固定する固
   定ボルト４の緩みを防止する廻り止めキヤツプで
   あつて、キヤツプ本体１が軟質合成樹脂や合成ゴ
   ム等の弾性材で形成され、かつ同キヤツプ本体１
   には、前記固定ボルト４のボルト頭５に嵌合する
   ボルト頭廻り止め部１ａと、ボルト埋込穴９の側
   部に形成された係合部１０と係合するキヤツプ係
   止部１ｂとが形成され、かつ同キヤツプ係止部１
   ｂが素材の弾性を利用して前記係合部１０と係脱
   自在に形成されていることを特徴とする地下構造
   物用蓋固定ボルトの廻り止めキヤツプ。