JPS606375Y2 - 単軌道用運搬車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は単軌道用運搬車に関し、さらに詳しくは、運
搬車の備える車輪の圧着力を均一的にした単軌道用運搬
車に関する。

単軌道用運搬車は地面から若干離れた位置に敷設した単
軌道を上下方向から車輪で挾持し、車輪の中の少なくと
も一つの強制駆動して走行できるように構成されている
。

より詳しく説明すると、第１図に示されているように、
車体１に取付けられた駆動輪２と対向する状態で挟持輪
３が取付けなれており、言換ると、この挟持輪３は揺動
アーム４の先端部に軸支され、この揺動アームの基端部
は車体１に枢支されていて、揺動アーム４の先端部と先
端部とを圧着杆５によって互に連結し、圧縮ばね６の弾
性をダブルナツト７で調節することによって、単軌道８
に対する駆動輪２、挟持輪３とによる圧着力を選択して
いる。

したがって、ダブルナツト７を締め過ぎ気味になりやす
く、運搬車の走行抵抗が必要以上に大きくなってエネル
ギ源である電池の消耗が激しくなったり、また、車輪の
摩耗も大きくなりがちである。

また、全運搬車の圧着力が異っていると、同一単軌道上
を走る運搬車の速度が異なり円滑な走行ができないこと
がある。

さらに、運搬車を単軌道から取外して保守点検を行う場
合に、揺動アームの締着力を緩めなくてはならず、脱着
の毎にスパナなどの工具が必要でかなり面倒である。

そこで、この考案は車輪の圧着力をダブルナツトで調節
せずに、機械的操作で単軌道に対する車輪の一定圧着が
できるように、しかも、その操作に工具類を用いずとも
行い得るようにしようとするもので、そのために、揺動
アームなどの挟持輪の支持部材間にあって、圧縮ばねに
より習性が与えられた車輪圧着杆を係止杆に係止してお
き、係止杆を支える回転部材を回転させて、係止杆の基
端を偏心運動させることにより車輪の一定圧着を行い得
るように構成したことを特徴とするものである。

そこで、この考案の詳細を添付した図面の第２図以下に
沿って説明する。

先ず、符号１０で示す車体には、駆動輪１１，１１が取
付けられていて、車体１０に搭載したモータなどの動力
源で強制駆動されるようになっている。

そして、車体１０には車輪支持部材としての揺動アーム
１２，１３の基端部１２ａ、１３ａが枢支されていて、
この揺動アーム１２の先端部には軸受１２ｂ、１３ｂを
介して挟持輪１４が取付けられている。

一方の揺動アーム１２の先端部にばね受板１５が固定さ
れており、このばね受板１５を貫いて車輪圧着杆１６が
配置されている。

この車輪圧着杆１６には圧縮ばね１７が巻装されており
、この圧縮ばね１７は車輪圧着杆１６の端部に形成した
雄ねじ部１６ａに螺合したナツト１７ａでその弾力が調
節できるようになっている。

さらに、車輪圧着杆１６の他端部には係止ピン１６ｂが
あって、後述する係止杆の端部を係止することができる
ようになっている。

他方の揺動アーム１３の先端部には垂直な回転軸２１ａ
をもつ支持部材２１が固定されていて、この支持部材２
１の回転軸２１ａ）：回転部材２２が取付けられている
。

この回転部材２２の偏心位置、即ち、回転軸２１ａから
揺動アーム１２寄りの位置に係止杆２３の基端部２３ａ
が枢支されていて、この係止杆２３の先端部は前記係止
ピン１６ｂに係止できるフック２３ａを形成している。

さらに、回転部材２２にはてこ杆２４の端部が固定され
ていて、この回転部材２２を前記回転軸２１ａを中心と
して回転させ得るようになっている。

また、回転部材２２にはピン孔２５ａがあって、このピ
ン孔２５ａにストッパになるピン２５で嵌めるようにな
っていて、このピンは鎖２５ｂで揺動アーム１３に繋が
れている。

次に、この考案による単軌道用運搬車のもつ車輪圧着の
作業について説明する。

先ず、単軌道Ｒの上面、および、下面に車体１０を支持
する駆動輪１１、および、挟持輪１４が位置され、これ
らの車輪の挟持力で車体１０を支持するのである。

即ち、揺動アーム１２．１３の距離を短くすることで、
単軌道Ｒに対する圧着力を増すのであって、そのために
、車輪圧着杆１６の係止ピン１６ｂに対して、揺動アー
ム１３の先端部に取付けである回転部材２２の係止杆２
３がもつフック２３ａを係止して、第 図の状態からて
こ杆２４を１８０度回紙回転る。

この回転に伴い、係止杆２３の基端部２３ａは回転軸２
１ａとの偏心量の２倍だけ係止ピン１６ｂ１言換ると、
車輪圧着杆１６を引張ることになる。

この引張りは圧縮ばね１７により与えられている習性に
抵抗して車輪圧着杆１６を引張ることになる（第３図）
。

てこ杆２３の状態を保持するために、ピン２５を回転部
材２２のピン孔２２ａに嵌入して不用意に回転するのを
防止しており、ピン２５は鎖２５ｂによって揺動アーム
１３に繋がれているので、揺動アーム１３と一体的であ
る。

圧縮ばね１７の弾力は最初に設定しておけば、運搬車の
単軌道Ｒに対する脱着でその弾力調節は不要である。

逆に、運搬車を単軌道Ｒから取外す場合を説明する。

第 図の状態からてこ杆２３を前記の状態とは逆に回転
させることにより、回転部材２２を回転させて係止杆２
３の基端部２３ａを揺動アーム１２側に移動させて、挟
持輪１４の間隔を拡げ車輪の圧着力を弱めて、単軌道Ｒ
から取外すのである。

以上の説明から明らかなように、この考案の単軌道用運
搬車は、車体に基端部が枢支された２本の車輪支持部材
としての揺動アームに挟持輪を取付け、一方の揺動アー
ムに車輪圧着杆を設け、他方の揺動アームに回転部材を
取付け、この回転部材の偏心位置に前記車輪圧着杆と係
止関係を保持できる係止杆を設けた構成にしたから、回
転部材の回転運動だけで挟持輪の圧着、あるいは、解放
が可能で、保守点検上きわめて便利であり、圧着力は前
記係止杆の基端部の偏心量で必然的に定められ、どの運
搬車も同一の走行条件で運行させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の単軌道用運搬車の側面図、第２図はこの
考案の単軌道用運搬車の側面図、第３図は同一部の拡大
側面図、第４図は車輪の圧着を解放した状態の平面図、
第５図は同側面図である。 １０・・・・・・車体、１１・・・・・・駆動輪、１２
，１３・・・・・・揺動アーム、１４・・・・・・挟持
輪、１５・・・・・・ばね受板、１６・・・・・・車輪
圧着杆、１７・・・・・・圧縮ばね、２１・・・・・・
支持部材、２２・・・・・・回転部材、２３・・・・・
・係止杆、２３ａ・・・・・・フック、２４・・・・・
・てこ杆、２５・・・・・ゼン、２５ｂ・・・・・・鎖
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくとも、車体に取付けられた駆動輪と、車体に支持
   アームにより揺動できるように取付けられた挟持輪と、
   を備える単軌道用運搬車において、挟持輪の支持部材に
   取付けられ反圧着方向習性が与えられた車輪圧着杆と、
   他の挟持輪の支持部材に取付けられた回転部材と、この
   回転部材の偏心位置に端部が枢支されていて、他端部で
   車輪圧着杆に係止する係止杆と、を備え、前記回転部材
   の回転に伴う係止杆の変位で車輪圧着杆に引張を与えて
   挟持輪と駆動輪とを単軌道面に圧着するように構成した
   ことを特徴とする単軌道用運搬車。