JPS6054858B2 - 短繊維移植型ワツペン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、短繊維転植型のワツペンの製法の改良に関す
るものである。

短繊維転植型ワツペンの一般的構成は次の通りである。

即ち、紙、布等のシート状基材に、短繊維を仮りに植設
するための機能を有する接着剤を塗布して、その接着剤
塗布面に静電吹付等の方法で無数の短繊維を密に植設し
て短繊維板植台紙を作る。そして、この短繊維板植台に
仮植された仮植短繊維群の先端上に、加熱によつて熔融
し、且つ前記仮植短繊維をシヤツ等の生地面に転植させ
る機能を有する熱可塑性合成樹脂接着剤を以て任意の模
様、図柄状に塗布して短繊維転植接着剤層を形成する。
次に、この短繊維転植型ワツペンの用法を説明する。上
記の如く構成された短繊維転植型ワツペンの短繊維転植
接着層とシヤツ等の生地面とを重ね合せて、アイロン等
の加熱押圧具で加熱押圧する。

そして、前記した短繊維転植接着層を形成する熱可塑性
合成樹脂を熔融し、熔融した熱可塑性合成樹脂をシヤツ
等の生地面に融着させて、シヤツ等の生地面と短繊維板
植台紙に植設された短繊維の先端を接着させる。これが
冷却したとき、シヤツ等の生地面と短繊維板植台紙に仮
植された短繊維の先端は固着され’る。

次に、シヤツ等の生地面と短繊維転植型ワツペンの短繊
維板植台紙をひき剥すと、前記短繊維板植台紙に仮植さ
れた短繊維は、仮着接着剤によつて仮植されているだけ
であるから、その根本は短・繊維板植台紙からひきぬか
れてシヤツ等の生地面に転植し、短繊維転植接着剤層が
形成されない部分の短繊維は短繊維板植台紙に仮植され
た状態で短繊維板植台紙とともにシヤツ等の生地面から
ひき剥される。

その結果、シヤツ等の生地面には、短繊維板植台紙の仮
植短繊維の先端上に形成された短繊維転植接着層の図柄
、模様と正反対の図柄、模様が転植短繊維群によつて顕
現されることになる。

この種の短繊維転植型ワツペンに関しては、これまて特
公昭３６−４７６８号、同５３−３５６１９号、特願昭
４８−８６５４１号、実願昭４８−９０８９２号、同４
８一９０８屹号、米国特許４１４２９２鰐、同４２０１
８■号等の発明、考案が公知になつている。これらの発
明、考案は、短繊維転植型ワツペンの短繊維板植台紙に
仮植された短繊維を着色する場合に着色適性をもたせた
短繊維板植台紙を得ること或は転植時に仮植短繊維が容
易に短繊維板植台紙から剥離するような短繊維板植台紙
とすることに関して新たな工夫がなされ、又、短繊維板
植台紙に仮植された短繊維の先端に形成する短繊維転植
接着剤層の形成については、単に熱可塑性合成樹脂接着
剤を塗布して形成するもの。

粉末ホットメルト合成樹脂接着剤を熱可塑性合成樹脂接
着剤中に混合して接着剤としたものを塗布して形成する
。芯地、裏地の製造について古くから用いられていた用
法と同一の方法で、熱可塑性合成樹脂接着剤を短繊維板
植台紙に仮植された短繊維先端に塗布した後、この塗布
面に粉末ホットメルト合成樹脂接着剤を散布してこれを
固着するもの等種々工夫がなされている。本発明は、上
記した短繊維転植接着層の形成について、一層進歩した
形成方法を用いた短繊維転．植型ワツペンの製造方法を
提供するものである。

即ち、本発明の目的は、短繊維板植台紙に仮植された短
繊維のそれぞれの先端を、しつかりと固着すると同時に
、転植時に、これら先端を固着した短繊！維をむらなく
短繊維板植台紙からひきぬきシヤツ等の生地面に短繊維
を転植する層を形成することと、この層をシヤツ等の生
地面に転着する接着層を正確且確実にしかも簡単に上記
層上に形成した短繊維転植型ワツペンを製ることである
。

１以下、本発明の実施例を説明する。紙、布等の
シート状基材１に短繊維を仮植する機能を果たす接着剤
層２を形成し、この接着剤層２に静電吹付等の方法て無
数の短繊維３を植設して成る短繊維板植台紙４の仮植短
繊維３群先端上に熱可塑性合成樹脂接着剤或は粉末ホッ
トメルト合成樹脂接着剤を混入した熱可塑性合成樹脂接
着剤を以て図柄模様層５を形成し、該図柄模様層５上に
、該図柄模様層５を形成した接着剤よりも融点の低い粉
末ホットメルト合成樹脂接着剤に弾性付与剤又は弾性助
剤を混入して水その他の水溶液でペースト状にした接着
剤を塗布し、次でこれを加熱乾燥して、前記ペースト状
接着剤の水分を蒸）発すると同時にペースト状接着剤の
成分である粉末ホットメルト合成樹脂を半熔融状態とし
てこれに含まれる弾性付与剤、弾性助剤を前記層５上に
融着して滲透接着剤層６を形成し、これが冷却固化して
前記図柄模様層５とこの層６が一体となつ門て短繊維転
植接着剤層７を形成した短繊維転植型ワツペン８とする
ものである。

（第１図参照）本発明は、上記の方法で、短繊維転植型
ワツペンを製造するのであるが、短繊維板植台紙に仮植
された短繊維群の先端に熱可塑性合成樹脂接着剤・或は
粉末ホットメルト合成樹脂接着剤を混入した熱可塑性合
成樹脂接着剤を以て図柄模様層を形成するにはシルクス
クリーン印刷等の方法でこれを刷りこんで形成する。次
に、粉末ホットメルト合成樹脂接着剤に弾性付与剤或は
弾性助剤を混入して、水その他の液体状薬品でペースト
状にした接着剤を以て前記した図柄、模様層の面に、前
記図柄模様層通りの図柄模様を形成するには、前記した
図柄模様層を形成するシルクスクリーン版と同型のシル
クスクリーン版を用いて印刷法によつて形成する。

又、前記した、短繊維板植台紙に仮植された短繊維の先
端上に図柄、模様層を形成する熱可塑性合成樹脂接着剤
は、融化点が、これに混入する粉末ホットメルト合成樹
脂接着剤よりも高いものであり、且つこの層上に塗布す
るペースト状接着剤の構成である粉末ホットメルト合成
樹脂接着剤、よりもの融化点よりも高いもので、アクリ
ル系合成樹脂、酢酸ビニール合成樹脂、塩化ビニール合
成樹脂等を挙げることができる。

又、前記図柄、模様層上に塗布するペースト状接着剤の
主成分である粉末ホットメルト合成樹脂接着剤としては
ナイロン合成樹脂、ポリエステル合成樹脂等を挙げるこ
とができ、これに添加される弾性付与剤又は弾性助剤と
しては発泡剤、ラテツクス系樹脂等挙げることができ、
弾性助剤としては増粘剤、界面活性剤、消泡剤等を挙げ
ることができる。

次に、本発明によつて製られた短繊維転植型ワツペンの
用法を説明する。

短繊維転植型ワツペン８の短繊維転植接着剤層７と、転
植する短繊維によつて図柄模様を形成しようとするシヤ
ツ９等の生地面を重ね合せ、アイロン等の加熱押圧器具
で加熱押圧する。

このとき、短繊維板植台紙４に仮植された短繊維３の先
端上に形成された短繊維転植接着剤層７の図柄模様層５
を形成する熱可塑性合成樹脂接着剤は多少融化すると同
時に架橋作用が更に促進される。

そしてこれが冷却したとき短繊維のそれぞれの先端を結
束することになる。一方、前記図柄、模様層５面にペー
スト状接着剤を塗布して形成された滲透接着剤層６の成
分をなす粉末ホットメルト合成樹脂接着剤は熱熔融して
これが、シヤツ等の生地面に接着機能を働かせると同時
に、前記した図柄模様層にも接着機能を−働かせる。

これが冷却したとき、前記した熱可塑性合成樹脂接着剤
て形成された図柄模様層５は短繊維板植台紙４に仮植さ
れた短繊維３の先端をしつかりと固着する層となり、滲
透接着剤層６を形成する粉末ホットメルト合成樹脂接着
剤、弾性付与剤、弾性助剤はシヤツ等９の生地面と前記
図柄模様層をしつかりと接着する。

（第２図参照）更に、前記した図柄模様層を形成する熱
可塑性合成樹脂接着剤中に粉末ホットメルト合成樹脂接
．着剤を混入したときは、この粉末ホットメルト合成樹
脂接着剤が、上記図柄模様層から滲み出て滲透接着剤層
の成分と相剰効果をあられし両層を一層強く接着する。

このような状態となつたとき、シヤツ９等の生地面と短
繊維転植型ワツペン８の短繊維板植台紙４をひきはがす
と、短繊維板植台紙４は、短繊維３の根本を弱く接着し
てあるのて、短繊維板植台紙４に仮植された短繊維３は
、上記短繊維転植接着剤層７を形成した部分をシヤツ９
等の生地面に引抜かれ、他の短繊維３は短繊維板植台紙
４に仮植された状態てシヤツ９等の生地面と分離する。

その結果、シヤツ９等の生地面には短繊維転植接着剤層
７の図柄模様通りの短繊維３による図柄模様が形成され
ることになる。（第３図参照）この短繊維転植型ワツペ
ンの短繊維転植接着層を形成するに当つて、従来は、特
公昭３８−２０４２号、同４６−２０８６９号特許公報
に開示された芯地、裏地を作る方法と同じ方法、即ち、
短繊維板植台紙に仮植された短繊維の先端上に熱可塑性
合成樹脂接着剤を以て図柄層５を作りこの層の面に粉末
ホットメルト合成樹脂接着剤１０を散布してこれを固着
させる方法が用いられていた。（第４図参照）しかし、
この方法では、 １熱可塑性合成樹脂図柄模様層５に均一に粉末ホットメ
ルト合成樹脂接着剤を散布固着させることは非常に困難
であり、不均一に粉末ホットメルト合成樹脂接着剤１０
を熱可塑性合成樹脂接着剤塗布面５に散布固着して短繊
維転植接着層１１を形成してしまつた場合には（第５図
参照）シヤツ等の生地面に転植された短繊維図柄模様中
に短繊維の高底の差ができて不体裁な図柄模様がシヤツ
等の面に形成されてしまうことになる。

（第６図参照）２熱可塑性合成樹脂接着図柄模様層の輪
部に沿つて粉末ホットメルト合成樹脂接着剤を散布する
ことは非常に困難である。熱可塑性合成樹脂接着剤図柄
模様層の輪部に沿つて粉末ホットメルト接着剤を散布固
着できなかつたときは（第７図参照）、シヤツ等の生地
面に転植された短繊維図柄模様の輪部もはつきりしない
ものが形成されてしまうことになる。３熱可塑性合成樹
脂接着図柄模様層の輪部外に粉末ホットメルト合成樹脂
接着剤が散布され固着したときは（第９図参照）、シヤ
ツ等の生地面に所望の短繊維図柄模様の外に余分な短繊
維も転植されてしまうことになる。

（第１０図参照）４ このような不都合を排除するため
、従来は、短繊維転植接着剤層の形成に当つて、熱可塑
性合成樹脂接着図柄模様層並に、それ以外の部分に散布
した粉末ホットメルト合成樹脂接着剤の取除き作業が行
なわれていた。

しかし、その作業は、必要な粉末ホットメルト合成樹脂
接着剤を熱可塑性合成樹脂図柄模様層に残し、余分な粉
末ホットメルト合成樹脂接着剤だけを取除かなければな
らないのでそのためには、熟練した人手を要、且つ、そ
の作業時間が長時間かかること。

未熟者によるこの作業は必要な粉末ホットメルト合成樹
脂接着剤も取除いてしまい、不良品を産出する結果にな
つてしまうこと。

この作業中取除かれた粉末ホットメルト合成樹脂接着剤
、短繊維板植台紙から脱落した短繊維が作業室内に微細
な粉塵として飛散し、作業者の健康に有害な作業となつ
てしまうことという不都合があつた。

本発明は、短繊維板植台紙の仮植短繊維の先端群を集束
固着する機能を果す熱可塑性合成樹脂接着剤による図柄
模様層を、短繊維板植台紙の仮植短繊維先端に形成する
従来法に、先に出願した特願昭５４−８８５２６号、並
に、これに基いて米国、オーストラリヤ、等数ケ国に出
願した発明を合せて、上記した不都合を全く排除して、
短繊維板植台紙に仮植された短繊維の先端に形成された
熱可塑性合成樹脂接着剤図柄模様層に、均一に且つ完全
に合致した滲透接着剤層を形成して短繊維転植接着剤層
となした短繊維転植型ワツペンを能率よく作ることがで
きる有用な発明である。

尚、本発明は上記の如き短繊維転植型ワツペンを製造す
る発明であるから、この短繊維転植型ワツペンを用いて
シヤツ等の生地面に短繊維の転植を行うときは、短繊維
転植型ワツペンに形成された短繊維転植接着剤層の図柄
模様に寸分も異らない正確な短繊維による図柄模様を転
植することができる。

そればかりでなく、本発明にか）る短繊維転植接着層の
滲透接着層には弾性付与剤、弾性助剤が混入されている
ので、これがシヤツ等の生地の伸縮を短繊維転植接着剤
層の熱可塑性合成樹脂接着剤で形成した図柄模様層に無
理なく同調させる機能を果し、シヤツ等に転植された短
繊維による図柄、模様を変形させたり、ひきちぎらせる
という不都合を排除することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を説明する断面図、第２図は本
発明の用法を示す説明断面図、第３図は本発明を用いて
シヤツ等に短繊維転植を行つたときの説明断面図、第４
図は従来の短繊維転植型ワツペンの断面図、第５，７，
９図は従来法による短繊維転植型ワツペンの不良品の断
面図、第６，８，１０図は不良の短繊維転植型ワツペン
を用いて短繊維を転植したときの状態を示す断面図。 １は紙、布等の基材、２は短繊維板植接着剤層、３は短
繊維、４は短繊維板植台紙、５は図柄模様層、６は滲透
接着剤層、７は短繊維転植接着剤層、８は短繊維転植型
ワツペン、９はシヤツ等の生地面、１０は粉末ホットメ
ルト合成樹脂接着剤。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 紙、布等のシート状基材１に、短繊維を仮植する機
   能を果たす接着剤層２を形成し、この接着剤層２に静電
   吹付等の方法で無数の短繊維３を植設して成る短繊維仮
   植台紙４の仮植短繊維３群先端上に熱可塑性合成樹脂接
   着剤或は粉末ホットメルト合成樹脂接着剤を混入した熱
   可塑性合成樹脂接着剤を以て図柄模様層５を形成し、該
   図柄模様層５上に、該図柄模様層５を形成した接着剤よ
   り融点の低い粉末ホットメルト合成樹脂接着剤に弾性付
   与剤又は弾性助剤を混入して水その他の水溶液でペース
   ト状にした接着剤を塗布し、次でこれを加熱乾燥して、
   前記ペースト状接着剤の水分を蒸発すると同時にペース
   ト状接着剤の成分である粉末ホットメルト合成樹脂を半
   熔融状態としてこれに含まれる弾性付与剤、弾性助剤を
   前記層５上に融着して滲透接着層６を形成し、これが冷
   却固化して前記図柄模様層５とこの層６が一体となつて
   短繊維転植接着剤層７を形成したことを特徴とする短繊
   維転植型ワツペン。