JPS6048090B2 - 固体電解コンデンサ用多孔質体及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ用多孔質体及びその製造方法

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JPS6048090B2
JPS6048090B2 JP55043325A JP4332580A JPS6048090B2 JP S6048090 B2 JPS6048090 B2 JP S6048090B2 JP 55043325 A JP55043325 A JP 55043325A JP 4332580 A JP4332580 A JP 4332580A JP S6048090 B2 JPS6048090 B2 JP S6048090B2
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佳実 久保
哲雄 鈴木
誉志 木崎
等 五十嵐
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、固体電解コンデンサ用多孔質体及びその製
造方法に関するものである。
従来より、TaNA1、V、、Zr)Hf、、Ti等
のいわゆる弁作用金属を電解質水熔液中て陽極酸化(化
成)して、表面に誘電体層を形成することにより、コン
デンサとするという手法は、広く知らている。
この際、誘電体層表面上に硝酸マンガンを熱分解してな
る二酸化マンガンを付着させ陰極物質とすることを特徴
とする固体電解コンデンサの製造方法は、Taにおいて
工業的に大幅に採用されている。すでに述べた種々の弁
作用金属のうちで、固体電解コンデンサとして実用に供
されているものは、Ta以外ではAlがあるのみで、他
の金・属については特性上の理由、あるいは価格上の理
由から固体電解コンデンサとして実用化されるには到つ
ていない。TaやAlの焼結型多孔質固体電解コンデン
サあるいは、Alのエッチング型固体電解コンデンサは
、セラミック・コンデンサ、フフイルム・コンデンサ、
マイカ、コンデンサ等々その他のコンデンサと比較して
、単位体積当りの蓄電量いわゆる容量を著しく大きくな
し得るのが最大の特長であり、小型大容量コンデンサと
いう点で他種のコンデンサを圧倒している。また個々に
比較をすると、比較的漏れ電流が小さく、また誘電損失
や容量の温度係数が小さいこと等々の利点があり、しか
もコンデンサ特性としてバランスがとれていて、最近の
エレクトロニクスの小型化志向と相まつて、フィルター
、カップリング等々の広汎な用途において増々その重要
性を増大させている。一方Ta固体電解コンデンサとA
1固体電解コンデンサとを個々に比較してみると、あら
ゆるコンデンサ特性に関してTaがAIの優位に立つて
いる。その中で、単位体積当りの容量については特にT
aが非常な優位にあり、たとえば最も容量の大きいTa
多孔質体では約60000μFVI((という非常に大
きな値が実現しており、全くAIの迫従を許さない状況
にある。この理由としては、単位表面積当りの容量がT
aでは約13μFVIcltであり、にでは、約6μF
■ノdと2倍以上の差があること、またTaと比較して
Nでは、単位体積当りの表面積、即ち比表面積の大きな
構造体が作製できないなどを挙げることができる。この
ことをもう少し詳細に説明すると次のようである。
いま多孔質体を直径Dの均等な球状物質の集合体で近似
すると、その多孔質体の比表面積Sは、次式で表現でき
る。ここでPは空孔度で、P=1−(見掛密度/理論密
度)の関係で定義される量である。
こ比表面積Sに、単位表面積当りの容量αを乗じたもの
が、その多孔質体の体積当りの容量Qとなる。即ち1−
ーーV−\A4ノ1U1ム′ 一般に焼結型多孔質体の空孔度は0.5程度であるから
、Ta多孔質体の容量値を約60000μFVIcTI
tとすると、Taの粒子径Dは約6.5μmとなる。
これと同じ容量を持つ多孔質体をNで構成しよう3とす
ると、P=0.5、α=6μFVIcイとしてD=3.
0μm区いう粒子径の多孔質体を用いれば良いことにな
る。しかしながらこのような微細なAI粉末を用いて、
焼結型の多孔質体を作製することは、著しく4・困難な
ことなのである。
即ち、Nに微粉にしてゆくと、相対的に表面の酸化物量
が増大して、焼結が困難となつてゆくし、そもそもN自
体が融点が低く、焼結を融点直下で行なわなければなら
ず、焼結の進行状況をコントロールすることが困難なの
である。また相対的に酸化物を大量に含んだ、A1多孔
質体は、陽極酸化した場合、漏れ電流、誘電損失とも好
ましい値は得られない。以上述べた理由により、Alを
用いてTaに匹敵する固体電解コンデンサを作製しよう
とするときは、容量という点で越え難い困難な障壁につ
き当るのである。一方、Ta固体電解コンデンサは、そ
の特性のつ優秀さにもかかわらず、その将来性が危ぶま
れる現状にある。
それは、Taの資源的理由によるものである。近年、大
量のTaがコンデンサ材料として消費されるに及び、そ
もそも希有資源であるTa原料鉱石がますます希有にな
りつつあり、そ7れにともなつてTa原料価格が大巾な
値上りを見せ、遠からずTaコンデンサが原料価格の高
騰により、その市場性を失なう気配すら見られるからで
ある。従つてTaを代替する異種材料て構成した固体電
解コンデンサの出現が強く望まれる状況”にある。その
ような固体電解コンデンサ用陽極体材料としては、1原
料価格が安い。
2比表面積の大きな多孔資体が作製可能てある。
3単位面積当りの容量(μF■ノc酌が大きい。
4容量以外の電気特性即ち、誘電損失、漏れ電流に関し
、A1ないしTa固体電解コンデンサ並みの特性を有す
る。
上記諸項目が満足されることが望まれる。
以上のような観点から固体電解コンデンサもしくは、そ
れに応用可能な材料について、過去行われた提案及び公
知の技術に言及し、これらの技術が、Taの代替を可能
とする技術とはなりえないことを具体的に説明する。
まずはじめに昭和5詳日本国公開特許第40605号公
報所載の「キャパシター用多孔質陽極体およびその製造
方法」と称する発明がある。
この発明では、軟質及び硬質という表現の下で硬さの異
なつた弁金属粉の混合物を加圧成形して成るキャパシタ
ー用陽極体及びその製造方法が提案されている。ここで
は軟質金属としてA1を、また硬質金属としてTaを用
いることが提案されている。またこの場合、Nの総量が
30V0I%以下と限定されている。しかし、これらの
事柄からも判るように、この発明はTaを代替くるキャ
パシターを狙うという意図の下になされたものではなく
、Taキャパシター製造工程の改良を意図したものと云
うべきものである。即ちA1粉末をTa粉に混合しCブ
レス成形するとき、ブレス性の改良、ブレス金型の摩耗
の低減、場合によつては、焼成工程の省略等が狙いとさ
れている。しかし、キャパシター特性としての具体例の
提示はされていないので、その効果の程は定かではない
。更に、本公報に記載された特許請求の範囲にいわれて
いるとおりの、Taを70V01%以上、即ち91Wt
%以上含んだTa−A1多孔質体では、Taの含有量が
多すぎて、現在問題となつているTa原料価格の高騰化
に対処するという観点からはほとんど効果がない。がし
かし、若干とはいえ安価なA1が添加されることは事実
てあるから、たとえほんのわずかであつても原料価格は
少くともその分低減されるわけであり、そうした効果は
それなりに実現される可能性が無いとは云えない。しか
しそれも一面から見た机上の可能性に終るもののようて
ある。本発明者等の研究によると、TaにA1を合金化
してゆくにつれて単位表面積当りの容量はTaの13μ
FVノclからA1の6μFVkdへと単調に減少して
ゆき、即ち、Nの添加とともに容量が減少する傾向を示
すと同時に、漏れ電流値は、単調に増大してゆくことが
明らかにされているので、この特開昭53一40605
号公報に記載された発明は、Taキャパシターの本質的
な改良を行なうものではなく、金型の摩耗の低減等のT
aキャパシターの製造プロセス上の問題の改良をかろう
じて満足するにすぎないものになつているのである。次
に挙げられるのは、昭和5詳日本国公告特許第102吟
公報所載の「電解コンデンサ用電極」と称する発明があ
る。
この発明は、70〜80原子%のチタンと20〜30原
子%のアルミニウムからなるチタン−アルミニウム合金
を用いて構成した事を特徴とする電解コンデンサ用電極
に関するものであり、安価で電気特性の良いコンデンサ
が作製できるとして、A1−Ti合金塊の表面を陽極酸
化してなる誘電体層のコンデンサ特性が例示されている
。また、実施例としては示されてはいないが、に−Ti
合金は融点が高いので、A1−Ti合金の粉末を高温て
焼結することにより、容易に機械的強度が大きい多孔質
体が作製可能であると記述している。しかしながら機械
的強度は籾ておき、このようにN−Ti合金の粉末から
出発して作製した焼結体では、Taを代替する電解コン
デンサ用陽極体とはなりえないというのが本発明者等の
指摘である。それは、A1−T1合金の粉末もまた、A
1粉末と同様に微細化されることにより、表面の酸化物
量が増大してゆく。一方、Ta並みの多孔質体を形成し
ようとすれば粒径数ミクロンのオーダーの粉末を取扱わ
ねばならないのであるが、そのような微粉末を用いて得
た多孔質体では表面酸化物が多量に残存する結果、コン
デンサとしての特性の劣化が大きくなつてしまうのであ
る。ちなみにTa単体の場合になせ微粉でもつて多孔質
体を形成しても、良好なコンデンサ特性を維持できるか
というと、そもそもTaは自然酸化の程度の少ない金属
であるが、それよりも、Ta粉末の焼結が、Ta酸化物
の分解温度以上て行なわれることにその最大の理由があ
るのである。この点AlやTlもしくはその合金は、T
aより安定な酸化物を形成し、また、それ等の酸化物は
、真空中ての熱処理により実際的には分解不可能なもの
である。一方、昭和51年日本国公開特許第10165
号公報所載の「アルミニウム・チタニウム合金粉末の製
造方法」と称する発明には、A1−Ti合金の簡便な製
造方法が提案されている。この提案によると30〜85
Wt%のA1粉末と15〜70Wt%のTl粉末との混
合粉末を用いた成形体を一度形成し、その一部が液相と
なる温度に加熱してAIとTiを合金化させ、次にこの
合金化した塊りを再度粉砕すること川こよつて均質に合
金化させたA1−Ti合金粉末が作製し得ることが述べ
られている。この提案の意図するところは、Ti−A1
合金の焼結部品を作製するときの原料粉として、焼結時
に寸法変化の少ない粉末を提供することにある。既に述
べたよう5にこの合金粉末より成る焼結体をコンデンサ
の用途に適用しようとしても、容量の大きい電気特性の
良いコンデンサを作製することは不可能である。以下こ
の提案によるに−Ti合金粉末の製造方法と本発明者等
が意図する、A1−Tl多孔質体θの製造方法との差異
をここで明確にしておきたい。特開昭51−10165
号公報で提案されている方法は、いわゆる液相焼結と呼
ばれる手法であり、Nの液相の出現により、成形体が膨
張し合金化が進むと同時に粉砕が容易な多孔質体となる
。しかしながら、こうした液相焼結法で得られる多孔質
体は、多孔質体内の空孔が外部と通じていない孤立した
空孔となる傾向が大きく、本発明の目的の一つである比
表面積の著しく大きな多孔質体は到底実現できないので
ある。一方、本発明者等の発明したA1の融点以下での
熱処理法を用いて得た多孔質体は、同じ多孔質体という
表現であつても、その実態は全く異るものでありすべて
の空孔が多孔質体の外部に通じているのである。したが
つて比表面積の著しく大きな多孔質体が実現されるので
ある。また特開昭51−10165号公報の提案による
製造方法が粉砕の容易な多孔質体を作ることを通して均
一な合金粉を作製することを目的としているのに対して
、本発明はむしろコンデンサ用多孔質体として充分な強
度を持つ多孔質体を製造することを目的としていること
を明白なちがいとして指適できるのである。さて、コン
デンサ材料としてTi−N合金に注目したのは何も本発
明が最初と云うわけではない。
例えば、米国特許第3599053号公報には「Imp
rOvedTitaniumAllOyCapacit
Or」と称する発明が所載されており、Ti−に合金に
第3の添加元素Zrを加えることで、誘電損失、漏れ電
流のかなりの改善が計れることが示されている。しかし
ながら、この発明は、多孔質性を改良して5Ti−に合
金をTaコンデンサの代替とするというよりも、添加元
素によつて、一部の特性の改良を狙つたもので、単位体
積当りの容量の改良という点では、何んらの展望も拓い
てはいないのである。また、ZrはTa以上の希有資源
であり、Zrを;添加することは、Taコンデンサが直
面している問題、即ち、原料価格が高すぎるということ
と軌を一にするものであり、工業的価値は大きいとはい
えない。以上、種々の従来技術からも明白であるよう3
に、安価でかつ電気特性も良好であり、Ta並みの小型
大容量を実現できる他の材料を用いた固体電解コンデン
サ用多孔質体は、本発明以前にはその例を見ないと云う
べきである。
Ta代替の電解コンデンサを目標とするためには、Ta
並の容4・量/体積値を実現しうること、即ち多孔質体
の改良がまず第一に行われる必要があるからである。本
発明の狙いは、Ta固体電解コンデンサを代替しうる、
小型大容量の固体電解コンデンサ用多孔質体及びその製
造方法を提供することにある。本発明の目的とする多孔
質体用材料には、Ti及びA1を用いる。Ti及びNが
最も安価な弁作用金属であるからである。ここでTi及
びNを用いるというのは、Ti−AI合金粉を用いて従
来公知の焼結法を用いて作られた均質な合金多孔質体を
陽極体にするという意味では全くない。本発明の特許請
求の範囲第1項が規定するのはTi粉末とAI粉末が合
金化し合つているが、必ずしもその混合フ組成と同等の
均質なTi−Al合金ではなく、しかも特殊な微細構造
を有する多孔質体である。このことは、Taに匹敵する
小型大容量のコンデンサ用多孔質体を本発明が狙いとし
た結果生じた本発明に固有な特徴なのである。従来技術
に従つて作・製した、前記(1)式あるいは(2)式で
表現されるような、比表面積もしくは容量を持つ多孔質
体を考える限り、均質なTi−に合金で構成された直径
数ミクロン程度の超微粉を原料としてこれを作製しない
かぎり、Ta代替となし得るような多孔質体は得られな
い。しかし仮にこの困難を克服してそのような微粉化さ
れた均質なTi−AI合金粉末が得られたとしても、こ
のような微粉末は自然酸化量が多すぎて、一応は望みの
比表面積を有する多孔質体が得られても、そのコンデン
サ特性殊に漏れ電流・誘電損失特性が悪くなり過ぎる結
果、コンデンサとしては使用に耐えないものとなつてし
まうことは既に述べたとおりである。一方固体化、即ち
二酸化マンガン陰極形成に際し、従来構造のまま粒径の
みを微細化して得た多孔質体陽極体には、新たな問題が
出現する。
これはTa多孔質体についても言えることであるが、あ
まり微細な構造を有する多孔質陽極体ては、硝酸マンガ
ンの熱分解による二酸化マンガン陰極形成工程がより困
難で複雑になる傾向にあるのである。硝酸マンガン法以
外のそれに匹敵するすぐれた固体陰極形成方法は、いま
のところ知られていない。
従つて、T】−A1合金多孔質陽極体にも、硝酸マンガ
ン熱分解処理に対しての耐性が大きいことが要求される
。陰極形成には、硝酸マンガンの熱分解を複数回(通常
5〜10回)行わなければならない。この硝酸マンガン
の熱分解条件(昇温スピード、雰囲気等)を変えれば、
固体化後の漏れ電流値、誘電損失が大きく変化するとい
う事は、Ta固体電解コンデンサについては良く知られ
ている。通常、それらが最善となるような分解条件を選
択しているわけであるが、これらの経験に照らしてみて
も、分解回数を追うにつれて漏れ電流値は増大する傾向
にあり、Taの場合、劣化箇所.の修複のため再化成処
理を行うのが一般である。また、多孔質体が微細な球で
形成されている従来構造の場合は、球のサイズが小さく
なれば必然的に、空孔構造も微細化し、多孔質体内部へ
液体がしみ込みずらくなつてしまう。その結果、硝酸マ
,ンガンを熱分解してできた二酸化マンガン陰極は、細
い通路をうめて内部から外部へと連絡することになり、
陰極としての直列抵抗分が増大することになる。均質な
TI−に合金を化成して成る化成皮膜は、本発明者等の
検討によると、Taの場合と比較してはるかに硝酸マン
ガン焼付時の劣化が大きい。
この原因は、本質的にTi及びA1が共にTaと比較し
てはるかに化学的活性に富んていることにあると考えら
れる。硝酸マンガン分解時の劣化す−なわち漏れ電流値
の増大を防止するためには、分解回数を少なくすること
が最も有効である。こうした欠点を回避し、陰極の直列
抵抗分を低下させ、損失を小さくし、かつ満足すべきコ
ンデンサ特性を実現するためには、多孔質体内部の空孔
が大きくしかも比表面積もまた大きくなければならない
ことになる。空孔が大きければ、仮に分解回数を少なく
したとしても充分な陰極形成がでかる。空孔が小さいと
、硝酸マンガンをメタノール等でうすめて、多数回分解
をくり返すという衆知の手段で、空孔が形成する液体の
通路が分解切期に、つまつてしまうのを防ぎながら、陰
極を徐々に厚く形成してゆかなければならない。従つて
分解回数は多くならざるを得ないことになるのである。
Ti−A1合金を用いてTaに匹敵する容量(容量/体
積)を得ようとすると、従来のTi−Al合金多孔質体
が持つていた従来形状のまま、単に構造を微細化するだ
けでは、既に述べたように、多孔質体の製法上、また固
体化しときの電気特性上の問題が多過ぎ、Ti−A1と
云う、工業的に低価格の原料でTaを置きかえることが
困難となる。
本発明の一つの目的は、以上の諸問題を解決するために
、従来の多孔質体には、その類形を見ない新しい形態の
多孔質構造体を提供するものである。即ち、多孔質体を
球で近似し得る形状の粒子が相互に一部分で接するよう
に一体化し、更にこの球状体の表面には特に微細な凹凸
が形成してある。いわば2重の凹凸が形成されているわ
けである。この微細な方の凹凸が数ミクロンのオーダー
あるいはそれ以下であれば、球状体の直径が大きくとも
、単位体積当りの比表面積は充分大きいものとなる。ま
た、球状体の直径が表面の凹凸に比べて充分に大きくな
つているために、多孔質体の空孔構造は、粗くなり、陰
極形成時の液体の通路も大きくなる。当然分解回数も少
くてすみ、陰極の直列抵抗分も小さくなる。またこのよ
うな特異な多孔質構造体となした結果、Ti−N合金を
微粉にして従来技術によつて容量の大きなものを得よう
としたときに問題となつた製造技術上の困難をも併せて
回避てきるのである。本発明の多孔質体構造と、従来の
多孔質体構造の差異を模式図として示すと第1図のよう
になる。
これは、多孔質体の任意の断面を見ているものとする。
第1図aは従来の多孔質体で、微小な球状粒子とその間
の空孔とから成り立つている。第1図bは、本発明の多
孔質体の一例で、表面に微細な凹凸を有する。第1図a
に比較すると大きな粒子とその間の空孔とから成り立つ
ており、しかもその表面に微細な凹凸が形成されている
。第1図からも判るように、本発明の多孔質体は、従来
の多孔質体と同程度の比表面積を有しているにもかかわ
らず、空孔は大きく、また平均粒l子径D″も従来のそ
れDとくらべて大きい。このような表面に微細な凹凸の
ある大きな粒子により構成されている本発明のコンデン
サ用多孔質体には、すでに述べたように、次のような新
規な利点がある。7イT1−N合金で問題となる微粉を
製造上取扱わずに済み、しかも容量/体積値は充分に大
きくTa並みの値となし得る。
口 硝酸マンガンの含浸の際の液体通路が大きくとれる
結果、分解回数を低減でき、Ti−A1化成膜の劣化を
防止てきる。
ハ 同じく、陰極の直列抵抗による誘電損失を小さくで
きる。
二 まだこのような多孔質体の持つ一般的な利点として
は、化成時における多孔質体内部での電圧降下が小さく
なり、内部まで短時間に化成、再化成できることや、洗
浄、乾燥等の処理も迅速に行えることがある。
同様な利点として、多孔質体にエッチング処理を行つて
、漏れ電流の改良を計る場合においてもエッチング液に
よる反応生成物等の洗い出しが従来の多孔質体よりも容
易となる。
次に第2の本発明として、以上述べた本発明の多孔質構
造体の従来にない新規な製造方法を提案する。
本発明が提案したような表面に2重の凹凸を有する多孔
質体の製造方法として考えられる手段を列挙すると、イ
通常の方法で多孔質体を製造し、しかる後適当な手段
でエッチング処理を施して表面に微細な凹凸を形成する
口 通常の方法で多孔質体を製造し、その後水素中で加
熱して適度の水素吸蔵を行わせた後、真空中で脱水素し
表面を粗くさせる。
ハ 通常のTi−A1合金粉末に適当な水素中加熱処理
を施して水素を吸蔵させ、その後脱水素して表面を粗く
したのち、ブレス成形焼結して表面に凹凸のある粒子か
ら成る多孔質体とする。
二 カーケンダール効果を用いる方法。以上列挙したよ
うに、特許請求の範囲第1項で規定した特異な形状を有
する多孔質体を形成する手段は種々のものがあり、それ
ぞれに長所短所がある。
しかしそれらを総合的に判断し、工業的に実施すること
が容易で、安価でかつ安定した状態で所望の多孔質体を
製造し得るのは、「二」として示したカーケンダール効
果を利用する方法であろう。特許請求の範囲第2項に規
定した本第2の発明は、カーケンダール効果を本発明の
目的に合致するように上手に利用することを実験的理論
的に充分検討した結果得たものである。Ti及びNの組
合せは、両者の融点が大きく異なる2つの元素の組合せ
であり、また両者を接触させた状態で熱処理すると、A
1原子が圧倒的に速い速度でT1格子中へ拡散し、Ti
−Nの反応層を形成することが知られている。
このTi−A1に・おけるカーケンダール効果は、空格
子点を媒介としてAl原子の拡散が起るわけであるが、
この空格子点が集中して空孔を形成する否かあるいはど
のような条件下で空孔の形成が起るのか等々の詳細な検
討は従来なされていず、本出願によつて初めて公にされ
るものである。本発明者等によれば、Ti粒子とAl粒
子とが機械的に接触した状態の初期の界面を通して行わ
れる各原子の拡散量には圧倒的な大きさの相違があり、
A1原子の拡散が極端に速い。その結果、A1側に多数
の空孔(明確に表現するならば、この個々の空孔に関し
てはカーケンダール空孔とでも称すべきかもしれない。
)を生成する。この過程を模式的に表現しフたのが第2
図aから第2図bへの変化である。本発明に附した種々
の限定理由については後述するが、その典型的な場合を
図示すると第2図aの状態がTi粒子とA1粒子とが機
械的に接触した初期の界面の状態を表現している。すな
わち、粒径の7大きいTilの周囲を粒径の小さいAl
2が取り囲んでいる。巨視的には見れば、このTi.l
!:.A1との粒径の相違が最終的に得ようとする多孔
質体の空孔(カーケンダール空孔ではない)を予約して
いるわけである。そしてT1粒子1とA1粒子2jとが
接する界面を通じて、A1原子がT1格子中へ拡散して
、第2図bに3と示したTl−A1反応層を形成しなが
ら、個々のA1粒子は融合しつつ純N層は失なわれてゆ
き、それにつれてカーケンダール空孔4の群が形成され
る。時間の経過に伴つて第2図bの状態から第2図cの
状態へ移行し、遂には純a1層は消失してT1−A1反
応層となると共に、成長したカーケングール空孔が外に
開口した洞窟状に取り残される。こうして得た第2図c
の状態は、本特許請求の範囲第1項に記載した所望の形
状を全て満足している。Tiの粒径とA1の粒径との相
違が大きく作用する結果、従来構造に比して充分に広い
充分に外に開いた空孔を確保し、しかもその表面にはカ
ーケンダール空孔の変形した微細な凹凸が密に形成でき
るからである。この微細な凹凸が充分に外に開いた広い
空孔表面を覆う結果、表面の拡大率(二表面に形成され
た微細な凹凸自身の表面積を含んて測つた多孔質体の表
面積÷表面に形成された微細な凹凸がないとして測つた
前記充分に外に開いた空孔の表面積の総計としての多孔
質体の表面積)はほぼ3〜5倍程度の値が安定して実現
できるものである。本第2の発明は、かかる現象によつ
て形成されるTi−A1多孔質体が、本第1の発明によ
つて規定された固体電解コンデンサ用多孔質体の必須要
件を備えていることに着目したことに端を発するもので
ある。そして更に、いかなる条件下で処理したものが顕
著な効果を発するかについて実験的理論的に充分検討し
た結果得られたものである。次に特許請求の範囲に附し
た各々の限定理由について簡潔に記述する。特許請求の
範囲第1項に云う0.5μmないし10μmの範囲の微
細な凹凸を有することの必要性について云えば、0.5
μm未満の微細な凹凸では、陽極酸化によつて成長した
酸化膜層によつて凹凸が平坦化されてしまい、容量の増
大を期待できないし、一方10μmを越えた大きな凹凸
では、Taに匹敵するような容量の大きな陽極体にはな
りえないからである。特許請求の範囲第2項に述べられ
ている種々の限定のうち、まず、Ti粉末の平均粒径が
5μmないし30PTL,の範囲になければならない理
由は、5prrt.未満のT1粉末では、自然酸化物量
が多くなりすぎてこれを用いても、良い電気特性をもつ
コンデンサを具体化できないし、特許請求範囲第1項に
記した微細な凹凸を有する構造を失なつてしまう。−ー
方、30μmを越えた粗大なTi粉末では、やはりTa
に匹敵する容量を実現できないことが最大の問題である
。A1粉末の平均粒径がT】粉末の平均粒径より小さい
ことは、多孔質全体にわたつて、広い空孔を形成しかつ
その表面に形成する微細な凹凸を均一に形成し、更にそ
の表面組成の均一さを保障するために必要な条件である
。この粒径比が逆転すると、望みの2重の凹凸構造が失
なわれ、表面組成も不均一となつてゆく。A1粉末とT
j粉末との混合割合に関して、A1が25原子%から8
0原子%の範囲にあり、残部がTiであることの必要性
は、次の理由による。A1が25原子%未満では、A1
の絶対量が不足で、従つてカーケンダール効果による比
表面積の増大が期待できない。一方、A1が80原子%
を越える場合では、いかなる熱処理を施したとしても、
A1単体が残存し、2重の凹凸を残存Nが埋めしてまう
のである。次に熱処理条件の限定理由について述べる。
500℃以上、Nの実効融点未満の温度範囲で5分以上
熱処理を施すことは、安定して2重の凹凸構造を形成す
るために必要ある。
500′C未満の温度による熱処理では、Al(5Ti
の拡散を有意な程度まて引き起きすことができず、熱処
理として無効である。
A1のTi中への拡散は、500てC以上となつてほぼ
有意な程度に達する。たとえば500゜Cであれば5分
程度の熱処理時間でもカーケンダール効果による合金化
がかなり進行するので、工業的に成り立つということで
ある。一方NとTiとの合金化をNの実効融点を越えた
高い温度でいきなり加熱することによつて行わせようと
すると、Nの熔融が先行してしまう結果、多孔質体の異
常な膨張が生じたり、あるいは、液体焼結の一般として
、多孔質ではありながら比表面積は小さくなり、即ち多
孔質体の内部の空孔か外部と通じていない状況が出現す
る、等々のいずれにしろコンデンサ用多孔質体としては
好ましくない状況が生ずる。本発明の特許請求の範囲第
2項で規定するNの実効融点は融点と同義ではない。融
点は固体の融解が無限に緩慢に行なわれるときの温度で
あるが、現実の処理は有限それもかなり短い時間で行な
わざるを得ずこの短い処理時間中に所望の状態変化が起
らねばならないからである。厳密な意味でのA1の融点
は、その純度に左右されることは当然であるが、一気圧
下において660.2′Cとされてる。この660.2
℃は本発明の実効融点を定める有力な指標となり、一気
圧下であれば融点よりも数℃程度は高くなる。しかし真
空中て処理すること及び現実的な処理時間を考慮すると
、意味合いは融点とは異るものの数値としては一応66
0℃程度とするのが現実的てあろう。しかし、以上の説
明からも明らかなようにこの数値は一義的に定まるもの
ではない。ともあれこの実効融点を越えた温度にすると
、前記液相焼結と同じことになノつてしまい不都合なこ
とになるのである。コンデンサ用多孔質体の製造方法し
ては、一定のしかも大きな比表面積を有する多孔質体を
安定して製造することが可能である方法が望まれるわけ
であるが、それと同時に、その多孔質体の機械的強度も
7充分な大きさであることが、コンデンサ化のために必
要とされる。そのために、前記500′C以上A1の実
効融点未満の熱処理によつて所望の多孔質体となした後
に、A1の実効融点以上の温度範囲での再熱処理を再に
付加して施さねばならない。このような2段構えの熱処
理は、前記液相焼結に一見して似ているようてはあるが
、実は全く異つている。なぜならばこの2段構えの処理
をなすときは、第1段て既に実質的なTi−N反応は完
結しており、第2段としてNの実効融点を越えた処理を
施しても前記液相焼結に相当するような現象は生せず、
機械的強度を増大させることができるのである。以下、
具体的な実施例の一例を用いて本発明の詳細な説明につ
いて、更に説明する。
平均粒径が30p7TL(7)Ti粉末と、平均粒径が
15μm(7)A1粉末を50:50の原子%比で充分
に混合し、次に圧縮成形して圧縮成形体をつくり、これ
を10−6顧Hgの真空度の真空炉中で600゜Cで1
紛間加熱したのち、引きつづき1000゜C2時間の熱
処理を施した。
このようにして作られた多孔質体の内部構造を走査型電
子顕微鏡の2次電子像(1800倍)として捕えたもの
の一例が第3図である。暗く見える所が外に開いた広い
空孔であり、数10μm径を有する粗い凹凸の表面には
、2重目の凹凸として明らかにカーケンダール空孔に由
来すると見られる数ミクロンの球状の微細な凹凸が密に
形成されているのがよく判る。この多孔質体を、1%ホ
ウ酸アンモン中で40Vの印加電圧下て陽極酸化したと
ころ、約32000μF−Vldの容量値を示し7た。
一方、単位面積当りの容量は8μF−Vld程度と考え
られるので、この多孔質体の比表面積は、4000c這
1cT1という大きな値を持つていることが明らかとな
つた。この値は、原料粉末の持つものとの比表面積の値
(約103cdIcT1)と比較しても2著しく大きく
、その理由が本発明による2重の凹凸を有する多孔質構
造にあることは明らかである。同様の検討をAl(5T
iとの混合組成比率を変えて行つてみたところ、Nが2
5原子%未満では、3第4図にその走査型電子顕微鏡の
2次電子像(180@)を示したように、表面の凹凸は
ほとんど消失してしまつた。
一方、A1が80原子%を越えたものでは、多孔質体が
異常にふくれると同時に、比表面積も逆に小さなものし
か得られなかつ3た。次に、各々10p7n.、30μ
Ml4OμMl5Oμmの平均粒径を有するT1粉末を
、平均粒径5μmのN粉末と組合せて混合し、圧縮成形
したのち、550′C1時間の熱処理を施し、更に95
0℃1時間の4r再熱処理を施した。
こうして作製した各多孔質体について、その比表面積と
混合組成との関係を、T1の平均粒径をパラメータとし
て記したものが第5図である。この第5図からも判るよ
うに25〜80原子%A1の混合組成領域で著しく大き
な比表面積が出現する。しかしながらTi粒径とともに
その値は減少してゆき、平均粒径が40μmないし50
P7rL程度のTl粉末を用いたときは、その比表面積
は小さくなり過ぎ、格別の効果は認め難くなつてしまつ
た。さて比表面積が大きくかつコンデンサ用陽極体とし
て充分な強度を多孔質体が備えているためには、特許請
求の範囲第2項に示した再熱処理を実行しなければいけ
ない。
次に実験例を用いて、以上のことを明らかにする。各々
20P7TLの平均粒径を有するT1粉末とA1粉末と
を、Nが30、40、50、60、70180原子%で
残部がT1であるように混合し、理論密度の60%の圧
縮成形体を作製した。カーケンタール効果を引き起すた
めにA1の実効融点未満500′C以上でする熱処理を
仮に第1の熱処理、第1の熱処理の完了後更に重ねて実
効融点以上でする再熱処理を仮に第2の熱処理と施する
として、種々の第1、第2熱処理条件のもとで、比表面
積及び圧壊強度を調べてみたところ次表の結果を得た。
たもの、あるいは、第1熱処理を除外したものでは、比
表面積は小さく有用な多孔質体とはなりえなかつた。
また第2熱処理を除外すると圧壊強度が小さくなり、実
用上さしさわりのある多孔質体となつてしまつた。しか
し第1熱処理を500℃〜660℃で行ない、かつ第2
熱処理を実施したものは、比表面積、強度とも充分に満
足な結果を得た。このように熱処理条件を指定すること
により、優れた陽極体用多孔質体が得られるわけである
が、そもそもT】粉末とAl粉末とを混合して圧縮成形
し、熱処理を施こすという簡便な手法で多孔質体を作製
するのであるから、混合組成を指定しただけでは粉末の
粒度、粒径比、混合法等により、多孔質体の出来具合が
変化する余地がある。
一般に粉末が微細になるに従がつて、多孔質体構造も微
細になるわけであるが、望みとする2重の凹凸表面を有
する多孔質体を得るには、Al及びTlの粉末粒径比に
制限が必要となるわけである。A1粉末の平均粒径がT
i粉末の平均粒径と同等もしくはそれ以下であれば、両
者を混合し圧縮成形した状態で、A1粉末がTi粉末粒
子をより均一にとり巻き、熱処理後の多孔質構造が2重
凹凸構造となりうることを著者等は発見した。一方、N
粉末の平均粒径がT1粉末の平均粒径より同等以上に大
きい場合には、2重凹凸構造は不均質になり、多孔質体
の表面組成も不均一となる傾向にあつた。しかし、ここ
でいう同等とは数学的に等しいことは要しない。効果と
して同程度ということであり、場合によつてはに粒子の
平均粒径がTi粒子のそれの1市倍程度のものであれば
同等と称してもよい。このような粒径比に関する比対称
性は、NがもつぱらT1中へと拡散し、Ti(7)A1
中へ拡散がほとんどないという非対称性からくるものと
考えられる。第3図にその走査型電子顕微鏡写真を示し
た2重凹凸構造を有する多孔質体を埋込樹脂で固め、そ
の切断面を観察したものが、第6図A,b,cである。
第6図aは、その切断面を走査型電子顕微鏡による2次
電子像(180@)を示したものであり、第6図b及び
cは、同装置付属のX線分析装置を用いて撮つたTi及
びAlの特性X線強度像である。これ等3枚の写真は同
じ試料の同一の場所について別の観点から直視した結果
であり、表面に存在する微細凹凸は数ミクロンの球状形
をなしA1が相対的に多い組成を持つていること、そし
て多孔質体の骨格を成す1次粒子(上記微細粒子にとり
かこまれている中心部の大きい粒子)は、中心部でA1
が少なくTiが相対的に多くなつていることがよく判る
。また1次粒子間には、その大きさに比例した空孔が存
在することも明らかである。第1図bに模式的に示した
ように、本発明による多孔質体は、比表面積の大きさの
割りには著るしく太い空孔チャンネルが存在し、陰極形
成時に二酸化マンガンによつてそのチャンネルが閉塞す
る可能性が少ない。さらに詳細にX線分析によつて組成
の定量化を行つてみると、表面の微細凹凸を形成してい
る2次粒子の組成は、混合組成の如何にかかわらず、T
iAIないしTiAl3近傍の組成範囲であることが判
明した。別に得たX線回析パターンもそのことを証明し
ていた。既に述べたようにTi(5A1の拡散はAlが
一方的にTi中へと拡散することで進行するのであるが
、その際まず最初に形成されるのは、TiAl3相であ
り、その形成が完了すると、さらにTiAl3相より高
Ti組成の相がA1の拡散によつて形成されてゆく。し
かしながらTiAl3相の形成に比較して、より高T1
組成の相の形成速度は非常に遅く、はじめの混合組成に
応じたすべて均一な組成の多孔質体となるには、概ね1
300℃以上の温度でのかなりの時間の加熱が必要とな
るのである。勿論そのような高温域での熱処理は、せつ
かく形成したところの2重の凹凸構造を拡散により平坦
化してしまい、比表面積の大きい多孔質体を得るノとい
う本発明の目的に反する結果を生じる。逆に言うと2重
の凹凸構造を維持するためには、1300℃以下の熱処
理が適当である。以上第3図及び第6図A,b,cで示
したように、(1)表面に微細な凹凸を有する2重の凹
凸構造で7 あること(2)中心の1次粒子がTiを核
として形成され粒子中心部でTiが多いこと(3)陽極
酸化して該誘導体層を形成するべき、表面近傍の微細粒
子構造の組成が混合組成にかか9 わらずTlAl〜T
iAl3に相当する組成であること(4)Tiを核とし
て形成され1次粒子径に比例した大きさを持つ、著しく
太い空孔のチャンネルがあること等が本発明の製造方法
による多孔質体の一般的特徴である。
混合組成中のA1の量が増加し80原子%に近づくほど
、1次粒子中心部までAI原子が深く拡散していき、そ
の拡散量も多くなつてゆく。
しかしながら1次粒子の中心部の組成が如何なるもので
あれ、N−T】多孔質体を陽極酸化してなるコンデンサ
用陽極体のコンデンサとしての電気特性は、直接には影
響されないのは勿論のことである。陽極酸化してなる表
面の酸化層の厚さは、陽極酸化電圧(=化成電圧)に比
例していて、それは1V当り20A程度である。従つて
化成電圧が100V程度であれば数千オングストローム
の厚さの多孔質体の表面層の組成かつコンデンサの電気
特性を左右することになる。即ち、本発明に従がつて作
製した多孔質体に関して言えば、第3図に見られる微細
凹凸を形成している1次粒子表面の球状粒子の組成が直
接コンデンサの電気特性に関与することになるのである
が、それは混合組成の如何にかかわらすTiAlないし
TiAl3近傍の組成範囲であるわけである。このよう
に、多孔質体の表面の組成が、一定の範囲になるという
ことは、コンデンサの電気特性の安定性を保証しうるも
のなのである。本発明に従つて作製した多孔質陽極体の
電気特性は、非常に優れていた。
更に詳細に述べると、−平均粒径が10pm(7)Tl
粉末と平均粒径が5μmのN粉末を組合せて、これより
Al25〜80原子%の範囲の混合組成の多孔質体を作
製した。圧縮成形体の重量は0.02yて空孔率は約3
0%に統一し、熱処理条件としては、600゜C−1紛
でカーケンダール効果を促す熱処理をした後再び105
0゜C1時間の加熱処理をした。このようにじ(作製し
た多孔質体を1%炭酸アンモニウム水溶液中で40Vで
2時間化成し、その後同化成液中で漏れ電流(8Vで評
価)を測定し、30%硫酸水溶液中で静電容量3及ひ誘
電損失を各々測定した。その結果を第7図A,b,cに
示す。単位体積当りの容量としては、6刈σ〜9×10
1μFVlcrlという値が得られ、Ta多孔質体の最
高水準品(〜6刈σμFVId)と同程度もしくはそれ
以上の優れた多孔質体4であることが立証できた。漏れ
電流値は10〜0.4nAノμFVl誘電損失は1.5
〜4%の範囲にあつた。いずれの特性に関しても、混合
組成が50〜70原子%のA1よりなる陽極体で最も好
ましい値が得られた。陽極酸化してなる誘電体層が、混
合組成の如何に係わらず、ほぼ一定のTiAl〜TiA
l3近傍の組成の酸化物層であることを考えると、コン
デンサ特性のうち漏れ電流、誘電損失等に混合組成依存
性が見られるのは、奇異なことに見える。これは、本来
粉末の混合が理想的に行なわれ、熱処理後の多孔質体表
面組成か完全に均等であれば、あるいは起きないことな
のかもしれない。しかしながらたとえばTiの多い組成
では、Ti粒子フ数が相対的に多くなり、部分的に純T
iに近い表面組成を有する箇所も多孔質体には生するか
もしれない。糾』iに近い組成の陽極酸化は困難であり
、その陽極酸化物層は絶縁被膜として質が悪いことを考
えると、Tj側の混合組成に関して、漏れ電流値が若干
増大していることは、理解できることである。第8図A
,b,cに、上記多孔質体の固体化後の特性を示す。固
体化は、硝酸マンガン6水塩を多孔質体に含浸させ23
0℃で熱分解する工程を2回くり返し、その後グラファ
イト・銀”ペースト付けをすることで行なつた。なお、
硝酸マンガン6水塩を1回熱分解焼付した時点で、二酸
化マンガンによる多孔質体の表面被覆率は95%を越え
ていて、従来の多孔質体構造による場合と比較して、本
発明による多孔質体構造の場合は、二酸化マンガンの焼
付性が非常に良いことが確認された。従来の、たとえば
Ta多孔質陽極体に関して言えば、硝酸マンガン6水塩
をいきなり適用すると空孔のつながりが初回の分解工程
ですでに部分的に閉塞してしまい、2回以降の硝酸マン
ガンの含浸が不足し、結果的に被覆率不足となつてしま
う。またこれを避けて、硝酸マンガン6水塩をアルコー
ル等でうすめて使用し、徐々に多数回にわたつて被覆を
進めると、結果として5〜10回もの熱分解工程を経な
いと被覆率、インピーダンスの満足ゆくものが得られな
い。試みにこれまでの検討に用いた多孔質体に硝酸マン
ガン6の水塩の50%メタノール混合液を用いて熱分解
を5回くり返した後グラファイト・銀ペースト付けを行
ない固体化後の漏れ電流を測定したところ、第8図に示
す値と比較して、1σ〜1CP倍大きな値が得られたこ
のことは、Al−Ti多孔質陽極体の陰極付け工程に対
する耐性の弱さを示すものであるが、同時に本発明によ
る多孔質体構造が、耐性の弱さを補つてくれることを明
らかにするものである。以上、詳細に述べてきたように
、本発明は、Ta固体電解コンデンサを代替する安価な
大容量の固体電解コンデンサ用多孔質体及びその製造方
法を提供するという点において画期的なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図a;従来の多孔質体構造を示す模式図で、Dは粒
径である。 第1図b;本発明の多孔質体構造を示す模式図でD″は
1次粒子の粒径である。第2図;本発明の多孔質体の典
型的な形成過程をA,b,cの順に示す模式図である。
1はTi粒子、2はA1粒子、3はTi−A1反応層、
4はカーケングダール空孔群である。 第3図;本発明の多孔質体内部を走査型電子顕微鏡の2
次電子像(1800倍)としてとらえたもの。 第4図:本発明の外にある混合組成22at%A1の多
孔質体内部を走査型電子顕微鏡の2次電子像(180皓
)としてとらえたもの。第5図;多孔質体の比表面積と
混合組成物およびTl平均粒径の関係を示したデータ。
第6図a;本発明の多孔質体を構成する粒子の一切断面
を見た走査型電子顕微鏡の2次電子像(180Pi)。
第6図b;同切断面のTi分布を示すTi特性X線の面
分析像。第6図c;同切断面のAI分布を示すに特性X
線の面分析像。第7図;本発明の多孔質体の化成Wet
特・性の一例を示すデータ。aは誘電損失特性を、bは
静電容量特性を、cは漏れ電流特性を、それぞれ示す。 第8図:本発明の多孔質体のコンデンサ固体化特性の一
例を示すデータ。 aは誘電損失特性を、bは静電容量特性を、cは漏れ電
流特性を、それぞれ示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 多数のTi−Al合金粒子が、相互に一部分で接し
    ながら一体化して形成されている多孔質体であつて、該
    多孔質体の骨格を形成するTi−Al合金粒子の表面が
    更に、0.5μmないし10μmの範囲の微細な凹凸を
    有することによつて、該多孔質体の表面形状が、前記骨
    格形成粒子による大きな凹凸と、その表面の前記微細な
    凹凸とによる、二重の凹凸状の形状であることを特徴と
    する固体電解コンデンサ用多孔質体。 2 Al粉末とTi粉末とをAlが25原子%ないし8
    0原子%の範囲で、残部がTiであるように混合し、圧
    縮成形したのち、該圧縮成形体を、真空中で500℃以
    上Alの実効融点未満の温度範囲で5分以上熱処理し、
    実効的にAlをTiに充分拡散させたのちに、Alの実
    効融点以上の温度範囲で再熱処理して、固体電解コンデ
    ンサ用多孔質体を製造するに際し、前記Ti粉末の平均
    粒径を5μmないし30μmの範囲に選び、また前記A
    l粉末の平均粒径をTi粉末の粒径と同等もしくはそれ
    以下に選ぶことを特徴とする、Ti−Al合金粒子表面
    に微細な凹凸を有する固体電解コンデンサ用多孔質体の
    製造方法。
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