JP6461794B2 - アルミニウム電解コンデンサ用電極材及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサ用電極材及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルミニウム電解コンデンサに用いられる電極材、特に低圧用のアルミニウム電解コンデンサに用いられる陽極用電極材及びその製造方法に関する。
アルミニウム電解コンデンサは、安価で高容量を得ることができるため、各種分野で幅広く使用されている。一般に、アルミニウム電解コンデンサ用電極材としては、アルミニウム箔が使用されている。
アルミニウム箔は、エッチング処理を行ってエッチングピットを形成することにより、表面積を増大させることができる。そして、その表面に陽極酸化処理を施すことにより、酸化皮膜が形成され、これが誘電体として機能する。このため、アルミニウム箔をエッチング処理し、その表面に使用電圧に応じた種々の電圧で陽極酸化処理を施すことにより、用途に応じた電解コンデンサ用アルミニウム電極箔(陽極箔)を製造することができる。
アルミニウム箔のエッチング処理では、陽極酸化電圧に応じた最適なエッチングピットが形成されるようにエッチング処理がなされる。具体的には、中高圧用のコンデンサ用途では、厚い酸化皮膜を形成する必要がある。よって、厚い酸化皮膜でエッチングピットが埋まらないように、主に直流エッチングを行うことによりエッチングピット形状をトンネルタイプとし、陽極酸化電圧に応じた太さに処理される。他方、低圧用のコンデンサ用途では、細かいエッチングピットが必要であり、主に交流エッチングによって海綿状のエッチングピットを形成させる。
エッチング処理では、塩酸に硫酸、燐酸、硝酸等を添加した塩酸水溶液が主に使用されている。しかしながら、塩酸は環境面での負荷が大きいため、エッチング処理によらないアルミニウム箔の表面積増大方法の開発が望まれている。
これに関して、特許文献1には、表面に微細なアルミニウム粉末を付着させたアルミニウム箔を用いたアルミニウム電解コンデンサが提案されている。また、特許文献2には、箔厚が15μm以上35μm未満である平滑なアルミニウム箔の片面又は両面に、2μm〜0.01μmの長さ範囲で自己相似となるアルミニウムおよび/又は表面に酸化アルミニウム層を形成したアルミニウムからなる微粒子の凝集物が付着した電極箔を用いた電解コンデンサが開示されている。
しかしながら、これらの文献では、メッキ及び/又は蒸着によりアルミニウム粉末等をアルミニウム箔に付着させているため、少なくとも、中高圧用のコンデンサ用途の太いエッチングピットの代用とするには十分なものとは言えない。
また、特許文献3には、アルミニウム電解コンデンサ用電極材であって、当該電極材がアルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の焼結体からなることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極材が開示されており、従来のエッチング処理によって得られる電極材以上の性能が得られることが確認されている。
しかしながら、特許文献3に開示された電極材は中高圧用のコンデンサ用途では優れた性能を発揮するが、低圧領域で使用した場合には従来のエッチング処理によって得られる電極材以上の性能は発揮できていない。
低圧領域で使用した場合でも従来のエッチング処理によって得られる電極材以上の性能を発揮させるためには、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末を焼結する際に過剰なネッキング(過焼結)をできる限り抑制し、粉末どうしの接触面積をできる限り少なくすることにより有効表面積を確保することが考えられるが、このような課題を解決した電極材は未だ報告されていない。
特開平2−267916号公報 特開2006−108159号公報 特開2008−98279号公報
本発明は、アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末の焼結層を有するアルミニウム電解コンデンサ用電極材であって、低圧用のコンデンサ用途に用いた場合にも優れた静電容量を確保することができる電極材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末を特定の物質とともに焼結することにより焼結層を形成する場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記のアルミニウム電解コンデンサ用電極材及びその製造方法に関する。
1.アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末が電気絶縁性粒子を介して焼結した焼結層を有し、前記粉末のアスペクト比が3〜1000であり、前記電気絶縁性粒子が金属化合物粒子であるアルミニウム電解コンデンサ用電極材であって、
前記粉末と前記電気絶縁性粒子との含有量の重量比が1:2〜200:1であり、
前記電気絶縁性粒子がアルミナ、チタニア、ジルコニア及びシリカからなる群から選択される少なくとも1種である、
ことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
.前記粉末のアスペクト比が100〜1000である、上記項1に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
. 前記粉末の平均粒径が1〜80μmである、上記項1又は2に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
.前記粉末の平均厚みが0.01〜80μmである、上記項1〜のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
.前記電気絶縁性粒子の平均粒径が0.01〜10μmである、上記項1〜のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
.前記焼結層の平均厚みが5〜1000μmである、上記項1〜のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
.前記焼結層を支持する基材を有する、上記項1〜のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
. アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末並びに電気絶縁性粒子を含有するペースト状組成物からなる皮膜を形成する第1工程であって、前記電気絶縁性粒子が金属化合物粒子である第1工程、及び
前記皮膜を400〜660℃の温度で焼結することにより焼結層を形成する第2工程、
を含み、且つ、エッチング工程を含まないアルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法であって、
前記アルミニウム電解コンデンサ用電極材は、アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末が電気絶縁性粒子を介して焼結した焼結層を有し、前記粉末のアスペクト比が3〜1000であり、前記電気絶縁性粒子が金属化合物粒子である、
ことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法
.前記焼結層を陽極酸化処理する第3工程を更に有する、上記項に記載の製造方法。
10.前記粉末と前記電気絶縁性粒子との含有量の重量比が1:2〜200:1であり、
前記電気絶縁性粒子がアルミナ、チタニア、ジルコニア及びシリカからなる群から選択される少なくとも1種である、上記項8又は9に記載の製造方法。
以下、本発明の電極材及びその製造方法について詳細に説明する。
アルミニウム電解コンデンサ用電極材
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電極材は、アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末が電気絶縁性粒子(スペーサーとして作用する)を介して焼結した焼結層を有することを特徴とする。以下、アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末を単に「粉末」とも言う。
上記特徴を有する本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電極材は、アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末を、電気絶縁性粒子を介して焼結することにより焼結層を形成するため、焼結層における前記粉末どうしの過剰なネッキング(過焼結)をできる限り抑制し、粉末どうしの接触面積をできる限り少なくすることにより有効表面積が確保されている。よって、本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電極材は、100V以下の低電圧で使用する低圧用のコンデンサ用途に用いる場合でも、従来のエッチング処理によって得られる電極材以上の性能を発揮することができる。
原料のアルミニウム粉末としては、例えば、アルミニウム純度99.8重量%以上のアルミニウム粉末が好ましい。また、原料のアルミニウム合金粉末としては、例えば、珪素(Si)、鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ガリウム(Ga)、ニッケル(Ni)、ホウ素(B)、ジルコニウム(Zr)等の元素の1種又は2種以上を含む合金が好ましい。アルミニウム合金中のこれらの元素の含有量は、それぞれ100重量ppm以下、特に50重量ppm以下とすることが好ましい。
前記粉末としては、平均粒径が1〜80μmのものが好ましい。特に前記粉末の平均粒径が1〜10μmの場合には、得られる電極材を100V以下の低圧用途のアルミニウム電解コンデンサの電極材として好適に利用することができる。
なお、本明細書における焼結前の前記粉末の平均粒径は、レーザー回折法により粒径とその粒径に該当する粒子の数を求めて得られる粒度分布曲線において全粒子数の50%目に該当する粒子の粒子径である。また、焼結後の前記粉末の平均粒径は、焼結層の断面を、走査型電子顕微鏡によって観察することによって測定する。上記断面観察において、それぞれの前記粉末粒子における最大径(長径)をその粉末の粒径とし、任意の50個の粉末の粒径を測定し、これらの算術平均を焼結後の前記粉末の平均粒径とする。
前記粉末の形状は、特に限定されず、球状、不定形状、鱗片状(フレーク状)、繊維状等のいずれも好適に使用できる。一般に鱗片状の粉末を用いる場合には、過焼結が起こり易く電極材の有効表面積を確保することが困難であるが、本発明では電気絶縁性粒子を介して焼結することにより、鱗片状の粉末を用いる場合でも過焼結を抑制して電極材の有効表面積を確保し易い。
前記粉末は、公知の方法によって製造されるものを使用することができる。例えば、アトマイズ法、メルトスピニング法、回転円盤法、回転電極法、急冷凝固法等が挙げられるが、工業的生産にはアトマイズ法、特にガスアトマイズ法が好ましい。即ち、溶湯をアトマイズすることにより得られる粉末を用いることが望ましい。
前記粉末の平均粒径は、球状粒子である場合には1〜80μmであることが好ましく、特に1〜10μmであることがより好ましい。平均粒径が1μmより小さい場合には、所望の耐電圧が得られないおそれがある。また、平均粒径が80μmより大きい場合には、所望の静電容量が得られないおそれがある。
前記粉末が不定形状、鱗片状(フレーク状)又は繊維状である場合には、アスペクト比(平均粒径/平均厚み)が1〜1000であることが好ましい。アスペクト比が1000より大きい場合には、後述の製造方法の第1工程における皮膜の乾燥不良や脱脂の工程において不良が発生し易くなる。上記アスペクト比の中でも、特に100〜1000である場合には、低圧領域であっても従来のエッチング処理によって得られる電極材より高い静電容量を得ることができるため好ましい。前記粉末の平均厚みは、走査型電子顕微鏡による前記粉末の断面観察によって測定することができる。焼結前の場合、前記粉末を適宜樹脂や溶媒と混合した後に塗膜とし、この塗膜の断面観察を行う。また、焼結後の場合は、焼結層の断面観察を行う。これらの断面観察において、それぞれの粉末の最小径をその粉末の厚みとし、任意の50個の粉末の厚みを測定し、これらの算術平均を前記粉末の平均厚みとする。前記粉末の平均厚みは0.01〜80μmであることが好ましい。粉末の平均厚みが0.01μmより小さい場合には、所望の耐電圧が得られないおそれがある。また、前記粉末の平均厚みが80μmより大きい場合には、所望の静電容量が得られないおそれがある。
前記電気絶縁性粒子としては、前記粉末の焼結時に粉末どうしの間にスペーサーとして介在することにより前記粉末どうしの過焼結を抑制し、電極材の有効表面積及び静電容量を確保できる粒子であればよい。このような電気絶縁性粒子としては、例えば、金属化合物粒子(酸化物、窒化物等)であることが好ましく、具体的には、アルミナ、チタニア、ジルコニア及びシリカから選ばれる少なくとも1種の金属化合物粒子が好ましい。
これらの粒子は電気絶縁性及び高融点(2000℃程度)を有し、それ自身は粉末と焼結することがなく、粉末の焼結時にスペーサーとして介在することができる上、電極材の電気特性に悪影響を与えるおそれがない点で好ましい。
前記電気絶縁性粒子の平均粒径は限定的ではないが、0.01〜10μmであることが好ましく、特に0.1〜1μmであることがより好ましい。前記電気絶縁性粒子の平均粒径は、前記粉末と同様の方法で測定することができる。
焼結層中における前記粉末と前記電気絶縁性粒子との含有量の重量比は限定されないが、例えば、前記粉末:前記電気絶縁性粒子=1:2〜200:1であることが好ましく、2:1〜20:1であることがより好ましく、3:1〜10:1であることが特に好ましい。前記粉末と前記電気絶縁性粒子との含有量の体積比としては、前記粉末:前記電気絶縁性粒子=3:4〜300:1であることが好ましく、3:1〜30:1であることがより好ましく、9:2〜15:1であることが特に好ましい。
含有量の比(重量比、体積比)をかかる範囲内に設定することによって、電極材の有効表面積を確保し易い。なお、前記粉末のアスペクト比が3〜1000の場合には、前記重量比は1:2〜200:1の範囲が好ましく、前記粉末のアスペクト比が3未満(即ち1以上3未満)の場合には、前記重量比は2:1〜200:1の範囲が好ましい。これは、前記粉末のアスペクト比が3以上となることにより、前記電気絶縁性粒子の許容される含有量が増加することが理由であると考えられる。
上記重量比が1:2を超えて電気絶縁性粒子が多くなると、電気絶縁性粒子の割合が多くなりすぎて粉末どうしの焼結が困難となるおそれがある。また、上記重量比が250:1程度まで粉末が多くなると、電気絶縁性粒子が少なくなりすぎて静電容量向上の効果が十分に得られないおそれがある。
前記の通り、従来、鱗片状の粉末(アルミフレーク)を使用した場合には、球状粉末に比べて比表面積が大きいことや、アルミフレークを含むペーストを塗工後のアルミフレークどうしの配向性が面接触になり易いことにより、焼結時に過焼結し易く、有効比表面積を確保することは困難であると考えられている。しかしながら、下記の通り、電気絶縁性粒子を介して焼結することにより、焼結時に過焼結を抑制することができる。
アルミフレークを使用した従来の焼結層(電気絶縁性粒子を含まない)の断面の走査型電子顕微鏡観察像を図1に示す。また、アルミフレーク及び電気絶縁性粒子を使用した本発明の電極材の焼結層の断面の走査型電子顕微鏡観察像を図2に示す。
図1では、アルミフレーク間の隙間が潰れてしまい、アルミフレークの表面積を十分に活かせていない状態となっている。他方、図2では、アルミフレーク間に電気絶縁性粒子が入り込み、フレーク間に適度な空間を保っている様子が確認できる。これにより、アルミフレークの大きな比表面積を効率良く活かせるようになり、低圧用途に用いる場合でも静電容量を飛躍的に向上させることが可能となる。なお、電気絶縁性粒子をスペーサーとして使用して静電容量の向上を可能とする効果は、粉末として鱗片状のものを使用する場合に限らず、種々の形状の粉末を使用した場合にも効果が確認されている。
前記焼結層の形状は特に制限されないが、一般的には平均厚み5〜1000μm、特に5〜50μmの箔状であることが好ましい。平均厚みは、マイクロメーターで測定した10点の測定値の平均である。
本発明の電極材は、焼結層を支持する基材を有していてもよい。基材としては、例えば、アルミニウム箔を好適に用いることができる。
基材としてのアルミニウム箔は、特に限定されず、純アルミニウム又はアルミニウム合金を用いることができる。本発明で用いられるアルミニウム箔は、その組成として、珪素(Si)、鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ガリウム(Ga)、ニッケル(Ni)、ホウ素(B)の少なくとも1種の合金元素を必要範囲内において添加したアルミニウム合金あるいは上記の不可避的不純物元素の含有量を限定したアルミニウムも含む。
アルミニウム箔の厚みは、特に限定されないが、5〜100μm、特に10〜50μmの範囲内とするのが好ましい。
上記のアルミニウム箔は、公知の方法によって製造されるものを使用することができる。例えば、上記の所定の組成を有するアルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯を調製し、これを鋳造して得られた鋳塊を適切に均質化処理する。その後、この鋳塊に熱間圧延と冷間圧延を施すことにより、アルミニウム箔を得ることができる。
なお、上記の冷間圧延工程の途中で、50〜500℃、特に150〜400℃の範囲内で中間焼鈍処理を施しても良い。また、上記の冷間圧延工程の後に、150〜650℃、特に350〜550℃の範囲内で焼鈍処理を施して軟質箔としてもよい。
本発明の電極材は、基材を用いる場合には、焼結層は基材の片面又は両面に形成する。焼結層を基材の両面に形成する場合には、上記平均厚みの焼結層を基材の両面にそれぞれ対称形となるように形成することが好ましい。
本発明の電極材は、100V以下の低電圧で使用する低圧用のコンデンサ用途に用いる場合でも、従来のエッチング処理によって得られる電極材以上の性能を発揮することができるため、低圧用アルミニウム電解コンデンサの用途に好適に利用できる。
本発明の電極材は、アルミニウム電解コンデンサ用電極として使用するに当たり、当該電極材をエッチング処理せずに使用することができる。即ち、本発明の電極材は、エッチング処理することなく、そのまま又は陽極酸化処理することにより電極(電極箔)として使用することができる。
本発明の電極材を用いた陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介在させて積層し、巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子を電解液に含浸させ、電解液を含んだコンデンサ素子を外装ケースに収納し、封口体でケースを封口することによって電解コンデンサが得られる。
アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法は、
アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末並びに電気絶縁性粒子を含有するペースト状組成物からなる皮膜を形成する第1工程、及び
前記皮膜を400〜660℃の温度で焼結することにより焼結層を形成する第2工程、
を含み、且つ、エッチング工程を含まないことを特徴とする。
以下、各工程に分けて説明する。
(第1工程)
第1工程は、アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末並びに電気絶縁性粒子を含有するペースト状組成物からなる皮膜を形成する。
アルミニウム及びアルミニウム合金の組成(成分)としては、前記で掲げたものを用いることができる。前記粉末として、例えば、アルミニウム純度99.8重量%以上の純アルミニウム粉末を用いることが好ましい。また、電気絶縁性粒子としては、前記で掲げたものを用いることができる。更に、皮膜を形成するに際し、基材を用いる場合は、前記で掲げたものを用いることができる。
前記ペースト組成物は、粉末及び電気絶縁性粒子以外に、必要に応じて樹脂バインダー、溶剤、焼結助剤、界面活性剤等が含まれていてもよい。これらはいずれも公知又は市販のものを使用することができる。特に樹脂バインダー及び溶剤の少なくとも1種を含有させてペースト状組成物として用いることが好ましく、これにより効率よく皮膜を形成することができる。
樹脂バインダーは限定的でなく、例えば、カルボキシ変性ポリオレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩酢ビ共重合樹脂、ビニルアルコール樹脂、ブチラール樹脂、フッ化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、アクリロニトリル樹脂、セルロース樹脂、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の合成樹脂又はワックス、タール、にかわ、ウルシ、松脂、ミツロウ等の天然樹脂又はワックスが好適に使用できる。
これらの樹脂バインダーは、分子量、樹脂の種類等により、加熱時に揮発するものと、熱分解によりその残渣がアルミニウム粉末とともに残存するものとがあり、所望の静電特性等に応じて使い分けすることができる。
また、溶媒も公知のものが使用できる。例えば、水のほか、エタノール、トルエン、ケトン類、エステル類等の有機溶剤を使用することができる。
皮膜の形成の際は、ペースト組成物を、例えばローラー、刷毛、スプレー、ディッピング等の塗布方法を用いて皮膜形成できるほか、シルクスクリーン印刷等の公知の印刷方法により形成することもできる。
基材を用いる場合には、皮膜は基材の片面又は両面に形成する。両面に形成する場合には、基材を挟んで皮膜を対称に配置することが好ましい。皮膜の厚さは限定されないが、焼結後に得られる焼結層の平均厚みが5〜1000μm、特に5〜50μmの箔状となるように形成することが好ましい。
皮膜は、必要に応じて、20〜300℃の範囲内の温度で乾燥させてもよい。
(第2工程)
第2工程は、皮膜を400〜660℃の温度で焼結することにより焼結層を形成する。
焼結温度は、400〜660℃とし、好ましくは450〜600℃である。焼結時間は、焼結温度等により異なるが、通常は5〜24時間程度の範囲内で適宜決定できる。
焼結雰囲気は、特に制限されず、例えば真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、酸化性ガス雰囲気(大気)、還元性雰囲気等のいずれであってもよいが、特に真空雰囲気又は還元性雰囲気とすることが好ましい。また、圧力条件は、常圧、減圧又は加圧のいずれでもよい。
なお、第1工程後、第2工程に先立って予め100〜600℃の温度範囲で保持時間が5時間以上の加熱処理(脱脂処理)を行なうことが好ましい。加熱処理雰囲気は特に限定されず、例えば真空雰囲気、不活性ガス雰囲気又は酸化性ガス雰囲気中のいずれでも良い。また、圧力条件も、常圧、減圧又は加圧のいずれでもよい。
(第3工程)
前記の第2工程において、本発明の電極材が得られる。これは、エッチング処理を施すことなく、そのままアルミニウム電解コンデンサ用電極(電極箔)として用いることが可能である。一方、前記電極材は、必要に応じて第3工程として陽極酸化処理を施すことにより誘電体を形成させることができ、これを電極とすることができる。
陽極酸化処理条件は特に限定されないが、通常は濃度0.01モル以上5モル以下、温度30℃以上100℃以下のホウ酸溶液又はアジピン酸アンモニウム水溶液中で、10mA/cm以上400mA/cm程度の電流を5分以上印加すればよい。
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電極材は、アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末を、電気絶縁性粒子を介して焼結することにより焼結層を形成するため、焼結層における前記粉末どうしの過剰なネッキング(過焼結)をできる限り抑制し、粉末どうしの接触面積をできる限り少なくすることにより有効表面積が確保されている。よって、本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電極材は、100V以下の低電圧で使用する低圧用のコンデンサ用途に用いる場合でも、従来のエッチング処理によって得られる電極材以上の性能を発揮することができる。
鱗片状粉末(アルミフレーク)を使用した従来の焼結層(電気絶縁性粒子を含まない)の断面の走査型電子顕微鏡観察像を示す図である。 鱗片状粉末(アルミフレーク)及び電気絶縁性粒子を使用した本発明の焼結層の断面の走査型電子顕微鏡観察像を示す図である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1-1〜1-5及び比較例1-1
平均粒径が3μmのアルミニウム粉末(99.99%以上の高純度アルミニウム粉末、アスペクト比(平均粒径/平均厚み)1)と平均粒径が0.5μmのアルミナ粒子とを下記の比で均一に分散させた塗膜を、20μmのアルミニウム箔基材(99.99%以上の高純度アルミニウム箔)に50μmずつ両面積層した焼結体を作製した。平均粒径の測定は、日機装株式会社製マイクロトラックを用いて行った。
また、アジピン酸アンモニウム水溶液を使い、陽極酸化処理を実施した。陽極酸化処理の条件は、上記水溶液の濃度は0.3モル、温度60℃であり、25mA/cmの電流を10分印加する条件とした。
アルミニウム粉末とアルミナ粒子との比(アルミニウム粉末:アルミナ粒子)
実施例1-1 200:1(重量比)、300:1(体積比)
実施例1-2 20:1(重量比)、 30:1(体積比)
実施例1-3 10:1(重量比)、 15:1(体積比)
実施例1-4 5:1(重量比)、 15:2(体積比)
実施例1-5 2:1(重量比)、 3:1(体積比)
比較例1-1(ブランクテスト:以下「BL」) アルミニウム粉末100%
各電極材の静電容量を下記表1に示す。
Figure 0006461794
アルミニウム粉末:アルミナ粒子の重量比が2:1〜200:1の範囲において、BLと比べて、全ての電圧領域で高い容量を示している。
実施例2-1〜2-5及び比較例2-1
平均粒径が80μmのアルミニウム粉末(99.99%以上の高純度アルミニウム粉末、アスペクト比(平均粒径/平均厚み)1)と平均粒径が5μmのアルミナ粒子とを下記の比で均一に分散させた塗膜を、20μmのアルミニウム箔基材(99.99%以上の高純度アルミニウム箔)に100μmずつ両面積層した焼結体を作製した。
また、アジピン酸アンモニウム水溶液を使い、陽極酸化処理を実施した。陽極酸化処理の条件は、上記水溶液の濃度は0.3モル、温度60℃であり、25mA/cmの電流を10分印加する条件とした。
アルミニウム粉末とアルミナ粒子との比(アルミニウム粉末:アルミナ粒子)
実施例2-1 200:1(重量比)、300:1(体積比)
実施例2-2 20:1(重量比)、30:1(体積比)
実施例2-3 10:1(重量比)、15:1(体積比)
実施例2-4 5:1(重量比)、15:2(体積比)
実施例2-5 2:1(重量比)、3:1(体積比)
比較例2-1(BL) アルミニウム粉末100%
各電極材の静電容量を下記表2に示す。
Figure 0006461794
粒径、積層厚みを変えた焼結体でも、実施例1-1〜1-5と同様の傾向が得られた。
実施例3-1〜3-7及び比較例3-1
平均粒径が5μm、アスペクト比(平均粒径/平均厚み)=5(5μm/1μm)のアルミフレークと、平均粒径が0.5μmのアルミナ粒子とを下記の比で均一に分散させた塗膜を、20μmのアルミニウム箔基材(99.99%以上の高純度アルミニウム箔)に50μmずつ両面積層した焼結体を作製した。
また、アジピン酸アンモニウム水溶液を使い、陽極酸化処理を実施した。陽極酸化処理の条件は、上記水溶液の濃度は0.3モル、温度60℃であり、25mA/cmの電流を10分印加する条件とした。
アルミフレークとアルミナ粒子との比(アルミフレーク:アルミナ粒子)
実施例3-1 200:1(重量比)、300:1(体積比)
実施例3-2 20:1(重量比)、 30:1(体積比)
実施例3-3 10:1(重量比)、 15:1(体積比)
実施例3-4 5:1(重量比)、 15:2(体積比)
実施例3-5 2:1(重量比)、 3:1(体積比)
実施例3-6 1:1(重量比)、 3:2(体積比)
実施例3-7 1:2(重量比)、 3:4(体積比)
比較例3-1(BL) アルミフレーク100%
各電極材の静電容量を下記表3に示す。
Figure 0006461794
アルミフレークを使用した場合はBLから最大で80%程度容量が向上した。鱗片状粉末(アルミフレーク)を用いる場合は、球状粉末を用いる場合よりも電気絶縁性粒子(アルミナ粒子)を併用する効果が大きいことが分かる。
実施例4-1〜4-7及び比較例4-1
平均粒径が5μm、アスペクト比(平均粒径/平均厚み)=100(5μm/0.05μm)のアルミフレークと、平均粒径が0.01μmのアルミナ粒子とを下記の比で均一に分散させた塗膜を、20μmのアルミニウム箔基材(99.99%以上の高純度アルミニウム箔)に50μmずつ両面積層した焼結体を作製した。
また、アジピン酸アンモニウム水溶液を使い、陽極酸化処理を実施した。陽極酸化処理の条件は、上記水溶液の濃度は0.3モル、温度60℃であり、25mA/cmの電流を10分印加する条件とした。
アルミフレークとアルミナ粒子との比(アルミフレーク:アルミナ粒子)
実施例4-1 200:1(重量比)、300:1(体積比)
実施例4-2 20:1(重量比)、30:1(体積比)
実施例4-3 10:1(重量比)、15:1(体積比)
実施例4-4 5:1(重量比)、15:2(体積比)
実施例4-5 2:1(重量比)、3:1(体積比)
実施例4-6 1:1(重量比)、3:2(体積比)
実施例4-7 1:2(重量比)、3:4(体積比)
比較例4-1(BL) アルミフレーク100%
各電極材の静電容量を下記表4に示す。
Figure 0006461794
アスペクト比が極めて大きい(厚みが薄く、比表面積が大きい)アルミフレークはBLの状態では容量が低い。これは焼結層の断面の状態が図1のようになるからである。しかしながら、アルミナ粒子をスペーサーとして分散させることで、低圧容量(5V)は最大で800倍にもなる。
この容量は従来のエッチング処理によるアルミニウム箔(以下、「エッチド箔」)を用いた電極材の最大容量(5V、3600μF/10cm)をはるかに上回っている。
100V容量の値が低いのは、厚みが0.2μmを下回るようなアルミフレークでは、100Vの耐電圧を有する十分な厚みの酸化皮膜を形成することが困難なためであると考えられる。
実施例5-1〜5-7及び比較例5-1
平均粒径が3μm、アスペクト比(平均粒径/平均厚み)=3(3μm/1μm)のアルミフレークと平均粒径が0.5μmのアルミナ粒子とを下記重量比で均一に分散させた塗膜を、20μmのアルミニウム箔基材(99.99%以上の高純度アルミニウム箔)に50μmずつ両面積層した焼結体を作製した。
また、アジピン酸アンモニウム水溶液を使い、陽極酸化処理を実施した。陽極酸化処理の条件は、上記水溶液の濃度は0.3モル、温度60℃であり、25mA/cmの電流を10分印加する条件とした。
アルミフレークとアルミナ粒子との比(アルミフレーク:アルミナ粒子)
実施例5-1 200:1(重量比)、300:1(体積比)
実施例5-2 20:1(重量比)、30:1(体積比)
実施例5-3 10:1(重量比)、15:1(体積比)
実施例5-4 5:1(重量比)、15:2(体積比)
実施例5-5 2:1(重量比)、3:1(体積比)
実施例5-6 1:1(重量比)、3:2(体積比)
実施例5-7 1:2(重量比)、3:4(体積比)
比較例5-1(BL) アルミフレーク100%
Figure 0006461794
実施例3-1〜3-7と比べて平均粒径の小さなアルミフレークを使用しても、同様の傾向が得られた。
実施例6-1〜6-7及び比較例6-1
平均粒径が10μm、アスペクト比(平均粒径/平均厚み)=10(10μm/1μm)のアルミフレークと平均粒径が0.5μmのアルミナ粒子とを下記重量比で均一に分散させた塗膜を、20μmのアルミニウム箔基材(99.99%以上の高純度アルミニウム箔)に50μmずつ両面積層した焼結体を作製した。
また、アジピン酸アンモニウム水溶液を使い、陽極酸化処理を実施した。陽極酸化処理の条件は、上記水溶液の濃度は0.3モル、温度60℃であり、25mA/cmの電流を10分印加する条件とした。
アルミフレークとアルミナ粒子との比(アルミフレーク:アルミナ粒子)
実施例6-1 200:1(重量比)、300:1(体積比)
実施例6-2 20:1(重量比)、30:1(体積比)
実施例6-3 10:1(重量比)、15:1(体積比)
実施例6-4 5:1(重量比)、15:2(体積比)
実施例6-5 2:1(重量比)、3:1(体積比)
実施例6-6 1:1(重量比)、3:2(体積比)
実施例6-7 1:2(重量比)、3:4(体積比)
比較例6-1(BL) アルミフレーク100%
Figure 0006461794
実施例3-1〜3-7と比べて平均粒径の大きなアルミフレークを使用しても、同様の傾向が得られた。
実施例7-1〜7-7及び比較例7-1
平均粒径が5μm、アスペクト比(平均粒径/平均厚み)=5(5μm/1μm)のアルミフレークと、平均粒径0.5μmのチタニア粒子とを下記重量比で均一に分散させた塗膜を、20μmのアルミニウム箔基材(99.99%以上の高純度アルミニウム箔)に50μmずつ両面積層した焼結体を作製した。
また、アジピン酸アンモニウム水溶液を使い、陽極酸化処理を実施した。陽極酸化処理の条件は、上記水溶液の濃度は0.3モル、温度60℃であり、25mA/cmの電流を10分印加する条件とした。
アルミフレークとチタニア粒子との比(アルミフレーク:チタニア粒子)
実施例7-1 200:1(重量比)、300:1(体積比)
実施例7-2 20:1(重量比)、30:1(体積比)
実施例7-3 10:1(重量比)、15:1(体積比)
実施例7-4 5:1(重量比)、15:2(体積比)
実施例7-5 2:1(重量比)、3:1(体積比)
実施例7-6 1:1(重量比)、3:2(体積比)
実施例7-7 1:2(重量比)、3:4(体積比)
比較例7-1(BL) アルミフレーク100%
Figure 0006461794
容量の値は実施例3-1〜3-7とほぼ同等となっている。アルミナ粒子でなくても、同粒径で電気絶縁性を有するものであれば、スペーサーとして機能できることが分かる。
実施例8-1〜8-9及び比較例8-1〜8-2
下記アルミニウム粉末(1)〜(9)と平均粒径が0.01μmのアルミナ粒子とを10:1(重量比)の比率で分散させた塗膜を、20μmのアルミニウム箔基材(99.99%以上の高純度アルミニウム箔)に50μmずつ両面積層した焼結体を作製した。
(1)実施例8-1 平均粒径=3μm アスペクト比1のアルミニウム粉末
(2)実施例8-2 平均粒径=3μm アスペクト比3(3μm/1μm)のアルミフレーク
(3)実施例8-3 平均粒径=3μm アスペクト比25(3μm/0.12μm)のアルミフレーク
(4)実施例8-4 平均粒径=3μm アスペクト比60(3μm/0.05μm)のアルミフレーク
(5)実施例8-5 平均粒径=5μm アスペクト比5(5μm/1μm)のアルミフレーク
(6)実施例8-6 平均粒径=5μm アスペクト比100(5μm/0.05μm)のアルミフレーク
(7)実施例8-7 平均粒径=10μm アスペクト比25(10μm/0.4μm)のアルミフレーク
(8)実施例8-8 平均粒径=10μm アスペクト比200(10μm/0.05μm)のアルミフレーク
(9)実施例8-9 平均粒径=10μm アスペクト比1000 (10μm/0.01μm)のアルミフレーク
比較例8-1 エッチド箔最高レベルの容量
比較例8-2(BL) 平均粒径が3μm アスペクト比1のアルミニウム粉末(アルミニウム粉末のみの従来積層箔)
Figure 0006461794
様々な粒径、アスペクト比のアルミニウム粉末に対して、平均粒径が0.01μmのアルミナ粒子を分散させることで高い容量を得ることができる。またアスペクト比が大きいほど、大きな効果が得られることが分かる。
比較例8-2(BL)ではエッチド箔の最高容量に及ばないが、実施例8-7では100V以下の電圧領域全てでエッチド箔の最高容量を上回っている。実施例8-3、8-4、8-6、8-8では10V以下で優れた容量を持つ。実施例8-9のようにアルミフレークの厚みが0.02μmを下回ると、十分な厚みの耐電圧皮膜が形成されないため、10Vにおいても容量が低くなる。
実施例8-2及び8-5についても100V領域ではエッチド箔を超える値となっている。実施例8-1もBLより容量は向上する傾向にあり、例えば150Vの容量値では51.2μFとなり、エッチド箔の容量(約48μF)を超えることを確認している。
各アルミニウム粉末に適した電圧領域を選択することにより、どの電圧領域でもエッチド箔よりも高容量の電極を得ることができる。なお、アスペクト比1000を超えるアルミフレークは、積層箔の製造工程で塗工の乾燥不良や熱処理での脱脂不良が起こりやすく、安定した製品が得られにくい。
実施例9-1〜9-9及び比較例9-1〜9-2
下記アルミニウム粉末(1)〜(9)と平均粒径が0.5μmのアルミナ粒子とを10:1(重量比)の比率で分散させた塗膜を、20μmのアルミニウム箔基材(99.99%以上の高純度アルミニウム箔)に50μmずつ両面積層した焼結体を作製した。
(1)実施例9-1 平均粒径=3μm アスペクト比1のアルミニウム粉末
(2)実施例9-2 平均粒径=3μm アスペクト比3(3μm/1μm)のアルミフレーク
(3)実施例9-3 平均粒径=3μm アスペクト比25(3μm/0.12μm)のアルミフレーク
(4)実施例9-4 平均粒径=3μm アスペクト比60(3μm/0.05μm)のアルミフレーク
(5)実施例9-5 平均粒径=5μm アスペクト比5(5μm/1μm)のアルミフレーク
(6)実施例9-6 平均粒径=5μm アスペクト比100(5μm/0.05μm)のアルミフレーク
(7)実施例9-7 平均粒径=10μm アスペクト比25(10μm/0.4μm)のアルミフレーク
(8)実施例9-8 平均粒径=10μm アスペクト比200(10μm/0.05μm)のアルミフレーク
(9)実施例9-9 平均粒径=10μm アスペクト比1000 (10μm/0.01μm)のアルミフレーク
比較例9-1 エッチド箔最高レベルの容量
比較例9-2(BL) 平均粒径が3μm、アスペクト比1のアルミニウム粉末(アルミニウム粉末のみの従来積層箔)
Figure 0006461794
平均粒径が0.5μmのアルミナ粒子を用いた場合の結果も実施例8-1〜8-9と同様である。

Claims (10)

  1. アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末が電気絶縁性粒子を介して焼結した焼結層を有し、前記粉末のアスペクト比が3〜1000であり、前記電気絶縁性粒子が金属化合物粒子であるアルミニウム電解コンデンサ用電極材であって、
    前記粉末と前記電気絶縁性粒子との含有量の重量比が1:2〜200:1であり、
    前記電気絶縁性粒子がアルミナ、チタニア、ジルコニア及びシリカからなる群から選択される少なくとも1種である、
    ことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極材
  2. 前記粉末のアスペクト比が100〜1000である、請求項1に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
  3. 前記粉末の平均粒径が1〜80μmである、請求項1又は2に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
  4. 前記粉末の平均厚みが0.01〜80μmである、請求項1〜のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
  5. 前記電気絶縁性粒子の平均粒径が0.01〜10μmである、請求項1〜のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
  6. 前記焼結層の平均厚みが5〜1000μmである、請求項1〜のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
  7. 前記焼結層を支持する基材を有する、請求項1〜のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
  8. アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末並びに電気絶縁性粒子を含有するペースト状組成物からなる皮膜を形成する第1工程であって、前記電気絶縁性粒子が金属化合物粒子である第1工程、及び
    前記皮膜を400〜660℃の温度で焼結することにより焼結層を形成する第2工程、
    を含み、且つ、エッチング工程を含まないアルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法であって、
    前記アルミニウム電解コンデンサ用電極材は、アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末が電気絶縁性粒子を介して焼結した焼結層を有し、前記粉末のアスペクト比が3〜1000であり、前記電気絶縁性粒子が金属化合物粒子である、
    ことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法
  9. 前記焼結層を陽極酸化処理する第3工程を更に有する、請求項に記載の製造方法。
  10. 前記粉末と前記電気絶縁性粒子との含有量の重量比が1:2〜200:1であり、
    前記電気絶縁性粒子がアルミナ、チタニア、ジルコニア及びシリカからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項8又は9に記載の製造方法。
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