JP3233084B2 - 固体電解コンデンサの陽極体の製造方法 - Google Patents
固体電解コンデンサの陽極体の製造方法Info
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-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01G—CAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
- H01G9/00—Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解コンデン
サの陽極体の製造方法に関し、特に、陽極リード線の植
立強度を向上した固体電解コンデンサの陽極体の製造方
法に関するものである。
サの陽極体の製造方法に関し、特に、陽極リード線の植
立強度を向上した固体電解コンデンサの陽極体の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解コンデンサに用いられる陽極体
の製造においては、タンタル、チタン、ニオブ等の弁作
用金属を加圧成形することにより陽極体を形成すること
が必要であり、この際に、この陽極体に陽極側のリード
線を植立した構造を形成することが必要となる。
の製造においては、タンタル、チタン、ニオブ等の弁作
用金属を加圧成形することにより陽極体を形成すること
が必要であり、この際に、この陽極体に陽極側のリード
線を植立した構造を形成することが必要となる。
【0003】図8は、従来の固体電解コンデンサの陽極
体の製造方法を示す工程図である。この従来の方法にお
いては、まず、プレス成形用金型のダイス2とこれに挿
入された下パンチ3とにより囲まれた凹部に、弁作用金
属粉末1を陽極体の設計重量に合わせた量投入し(図8
(a))、次いで、陽極リード5が弁作用金属粉末1に
埋もれた状態で上パンチ6と下パンチ3を接近させるこ
とによりプレス加工を行い(図8(b))、プレス加工
を完了した成形体に対して、高温、高真空における焼結
工程を行うことにより、陽極体が形成される(図8
(c))。このような従来の方法では、1回の加圧で成
形を完了させてしまうため、十分な成形体強度を保証す
るために圧縮比を大きくして成形密度を高くする必要が
あった。一方、成形密度を高くすることは、後の半導体
層の形成工程において成形体内部まで十分な半導体層を
形成することを困難とし、固体電解コンデンサの容量低
下や、半導体層の内部、外部における抵抗の増大につな
がり、電気的特性に悪影響を与える要因となっていた。
体の製造方法を示す工程図である。この従来の方法にお
いては、まず、プレス成形用金型のダイス2とこれに挿
入された下パンチ3とにより囲まれた凹部に、弁作用金
属粉末1を陽極体の設計重量に合わせた量投入し(図8
(a))、次いで、陽極リード5が弁作用金属粉末1に
埋もれた状態で上パンチ6と下パンチ3を接近させるこ
とによりプレス加工を行い(図8(b))、プレス加工
を完了した成形体に対して、高温、高真空における焼結
工程を行うことにより、陽極体が形成される(図8
(c))。このような従来の方法では、1回の加圧で成
形を完了させてしまうため、十分な成形体強度を保証す
るために圧縮比を大きくして成形密度を高くする必要が
あった。一方、成形密度を高くすることは、後の半導体
層の形成工程において成形体内部まで十分な半導体層を
形成することを困難とし、固体電解コンデンサの容量低
下や、半導体層の内部、外部における抵抗の増大につな
がり、電気的特性に悪影響を与える要因となっていた。
【0004】上記のような問題点に対して、特開平4−
167512号公報および特開平4−279020号公
報には、それぞれ図9および図10に示すように、弁作
用金属粉末を多数回に分けて投入し、圧縮比率を変えて
複数回の加圧成形を行うことにより、成形密度が高く成
形体強度の強いリード植立部分と、成形密度が低く半導
体層を形成しやすい部分とを有した陽極体素子を製造す
る固体電解コンデンサの陽極体の製造方法が開示されて
いる。
167512号公報および特開平4−279020号公
報には、それぞれ図9および図10に示すように、弁作
用金属粉末を多数回に分けて投入し、圧縮比率を変えて
複数回の加圧成形を行うことにより、成形密度が高く成
形体強度の強いリード植立部分と、成形密度が低く半導
体層を形成しやすい部分とを有した陽極体素子を製造す
る固体電解コンデンサの陽極体の製造方法が開示されて
いる。
【0005】また、特開平1−181509号公報およ
び特開平6−176985号公報には、それぞれ図11
および図12に示すように、弁作用金属を多数回に分け
て投入し、多数回のプレスにより、順次、陽極体素子を
加圧成形することにより、陽極体素子内の成形密度を均
一化させ、半導体層の形成を容易にする技術が開示され
ている。特に、特開平6−176985号公報では、図
12のようにタンタルからなる陽極リード植立部分を核
として、その回りを取り囲むように層状に、弁作用金属
粉末の成形を順次行い、陽極体素子を形成することによ
り、陽極体素子の植立強度を向上させ、陽極体素子の耐
ストレス性を向上させる技術が開示されている。
び特開平6−176985号公報には、それぞれ図11
および図12に示すように、弁作用金属を多数回に分け
て投入し、多数回のプレスにより、順次、陽極体素子を
加圧成形することにより、陽極体素子内の成形密度を均
一化させ、半導体層の形成を容易にする技術が開示され
ている。特に、特開平6−176985号公報では、図
12のようにタンタルからなる陽極リード植立部分を核
として、その回りを取り囲むように層状に、弁作用金属
粉末の成形を順次行い、陽極体素子を形成することによ
り、陽極体素子の植立強度を向上させ、陽極体素子の耐
ストレス性を向上させる技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
固体電解コンデンサの陽極体の製造方法においては、以
下のような課題があった。
固体電解コンデンサの陽極体の製造方法においては、以
下のような課題があった。
【0007】まず、従来の1回成形の技術においては、
陽極リードの植立部分を特に高密度に成形する手段が用
いられていないため、半導体層の形成工程が容易な低成
形密度部分を設けようとすると、陽極体素子の陽極リー
ドの植立強度が十分に得られないことである。
陽極リードの植立部分を特に高密度に成形する手段が用
いられていないため、半導体層の形成工程が容易な低成
形密度部分を設けようとすると、陽極体素子の陽極リー
ドの植立強度が十分に得られないことである。
【0008】次に、特開平4−167512号公報,特
開平4−279020号公報,特開平1−181509
号公報,および特開平6−176985号公報に見られ
るように、陽極リードの植立強度向上、もしくは陽極体
素子密度の均一化を行おうとすると、多数回のプレス成
形工程を行うことが必要となることである。例えば、陽
極リード植立部分を中心に、プレス寸法・成形密度を変
更したプレス成形を順次行い、その他に陽極体素子全体
のプレス成形を行うなど、極めて複雑な装置および工程
が必要となり、固体電解コンデンサの陽極体の製造時
間、製造コストが大幅に増大する結果となっていた。
開平4−279020号公報,特開平1−181509
号公報,および特開平6−176985号公報に見られ
るように、陽極リードの植立強度向上、もしくは陽極体
素子密度の均一化を行おうとすると、多数回のプレス成
形工程を行うことが必要となることである。例えば、陽
極リード植立部分を中心に、プレス寸法・成形密度を変
更したプレス成形を順次行い、その他に陽極体素子全体
のプレス成形を行うなど、極めて複雑な装置および工程
が必要となり、固体電解コンデンサの陽極体の製造時
間、製造コストが大幅に増大する結果となっていた。
【0009】この発明は上記課題を解決するためのもの
であり、陽極リード植立強度を向上させた固体電解コン
デンサの陽極体の効率的な製造を可能とし、その結果固
体電解コンデンサの電気特性としての漏れ電流値の不良
率もしくは劣化を低減することが可能な、固体電解コン
デンサの陽極体の製造方法を提供することを目的とす
る。
であり、陽極リード植立強度を向上させた固体電解コン
デンサの陽極体の効率的な製造を可能とし、その結果固
体電解コンデンサの電気特性としての漏れ電流値の不良
率もしくは劣化を低減することが可能な、固体電解コン
デンサの陽極体の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の固体電解
コンデンサの陽極体の製造方法は、プレス加工金型に投
入した弁作用金属粉末をプレス加工して陽極体を形成す
る固体電解コンデンサの陽極体の製造方法において、焼
結工程における焼きつぶれ性が異なり、且つ、同一金属
で粒径の異なる弁作用金属粉末を2種類以上、陽極リー
ド植立面付近に焼きつぶれ性が大きく、且つ、粒径の細
かい弁作用金属粉末が配置されるように順次プレス加工
金型に投入し、1回のプレス加工により加圧成形した
後、前記焼結工程を行うことにより陽極体を形成し、前
記陽極リード植立面付近に配置される前記弁作用金属粉
末として、一次粉粒径が10nm以上1μm未満の微粉
を用い、前記焼結工程において、前記陽極リード植立面
付近に配置される前記弁作用金属粉末が十分に焼きつぶ
れることにより成形体強度の高い弁作用金属体を形成し
て陽極リードおよび陽極体の他の部分と強固に固着する
程度に前記焼結工程を行うようにしたものである。
コンデンサの陽極体の製造方法は、プレス加工金型に投
入した弁作用金属粉末をプレス加工して陽極体を形成す
る固体電解コンデンサの陽極体の製造方法において、焼
結工程における焼きつぶれ性が異なり、且つ、同一金属
で粒径の異なる弁作用金属粉末を2種類以上、陽極リー
ド植立面付近に焼きつぶれ性が大きく、且つ、粒径の細
かい弁作用金属粉末が配置されるように順次プレス加工
金型に投入し、1回のプレス加工により加圧成形した
後、前記焼結工程を行うことにより陽極体を形成し、前
記陽極リード植立面付近に配置される前記弁作用金属粉
末として、一次粉粒径が10nm以上1μm未満の微粉
を用い、前記焼結工程において、前記陽極リード植立面
付近に配置される前記弁作用金属粉末が十分に焼きつぶ
れることにより成形体強度の高い弁作用金属体を形成し
て陽極リードおよび陽極体の他の部分と強固に固着する
程度に前記焼結工程を行うようにしたものである。
【0011】請求項2記載の固体電解コンデンサの陽極
体の製造方法は、前記陽極リード植立面付近に配置され
る前記弁作用金属粉末と、一次粉粒径が0.5μm以上
100μm未満の弁作用金属粉末との、合計2種類の弁
作用金属粉末を用いるようにしたものである。
体の製造方法は、前記陽極リード植立面付近に配置され
る前記弁作用金属粉末と、一次粉粒径が0.5μm以上
100μm未満の弁作用金属粉末との、合計2種類の弁
作用金属粉末を用いるようにしたものである。
【0012】請求項3記載の固体電解コンデンサの陽極
体の製造方法は、前記陽極リード植立面付近に配置され
る前記弁作用金属粉末と、一次粉粒径が0.5μm以上
100μm未満の弁作用金属粉末と、両者の中間に配置
される両者の中間の一次粉粒径を有した弁作用金属粉末
との、合計3種類の弁作用金属粉末を用いるようにした
ものである。
体の製造方法は、前記陽極リード植立面付近に配置され
る前記弁作用金属粉末と、一次粉粒径が0.5μm以上
100μm未満の弁作用金属粉末と、両者の中間に配置
される両者の中間の一次粉粒径を有した弁作用金属粉末
との、合計3種類の弁作用金属粉末を用いるようにした
ものである。
【0013】請求項4記載の固体電解コンデンサの陽極
体の製造方法は、前記同一金属として、タンタルを用い
るものである。
体の製造方法は、前記同一金属として、タンタルを用い
るものである。
【0014】請求項5記載の固体電解コンデンサの陽極
体の製造方法は、プレス加工金型に投入した弁作用金属
粉末をプレス加工して陽極体を形成する固体電解コンデ
ンサの陽極体の製造方法において、焼結工程における焼
きつぶれ性の異り、且つ、融点の異なる別の金属の弁作
用金属粉末を2種類以上、陽極リード植立面付近に焼き
つぶれ性が大きく、且つ、融点の低い弁作用金属粉末が
配置されるように順次プレス加工金型に投入し、1回の
プレス加工により加圧形成した後、前記焼結工程を行う
ことにより陽極体を形成するものである。
体の製造方法は、プレス加工金型に投入した弁作用金属
粉末をプレス加工して陽極体を形成する固体電解コンデ
ンサの陽極体の製造方法において、焼結工程における焼
きつぶれ性の異り、且つ、融点の異なる別の金属の弁作
用金属粉末を2種類以上、陽極リード植立面付近に焼き
つぶれ性が大きく、且つ、融点の低い弁作用金属粉末が
配置されるように順次プレス加工金型に投入し、1回の
プレス加工により加圧形成した後、前記焼結工程を行う
ことにより陽極体を形成するものである。
【0015】請求項6記載の固体電解コンデンサの陽極
体の製造方法は、前記陽極リード植立面付近に配置され
る前記弁作用金属粉末としてのニオブ粉末と、タンタル
粉末との、合計2種類の弁作用金属粉末を用いるように
したものである。
体の製造方法は、前記陽極リード植立面付近に配置され
る前記弁作用金属粉末としてのニオブ粉末と、タンタル
粉末との、合計2種類の弁作用金属粉末を用いるように
したものである。
【0016】請求項7記載の固体電解コンデンサの陽極
体の製造方法は、前記陽極リード植立面付近に配置され
る前記弁作用金属粉末としてのチタン粉末と、タンタル
粉末と、両者の中間に配置されるニオブ粉末との、合計
3種類の弁作用金属粉末を用いるようにしたものであ
る。
体の製造方法は、前記陽極リード植立面付近に配置され
る前記弁作用金属粉末としてのチタン粉末と、タンタル
粉末と、両者の中間に配置されるニオブ粉末との、合計
3種類の弁作用金属粉末を用いるようにしたものであ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
て図面を参照して詳細に説明する。
【0018】実施の形態1. 図1は本発明の実施の形態1による固体電解コンデンサ
の陽極体の製造方法を示すフローチャートである。本実
施の形態の陽極体の製造方法においては、第1、第2の
弁作用金属粉末を順次投入(ステップS1、S2)した
後、1回のプレス加工で陽極体のプレス成形を行い(ス
テップS3)、次いで、1300〜2000℃、10-3
Torr以下の高温、高真空で焼結を行う(ステップS
4)ことにより陽極体素子を得る。
の陽極体の製造方法を示すフローチャートである。本実
施の形態の陽極体の製造方法においては、第1、第2の
弁作用金属粉末を順次投入(ステップS1、S2)した
後、1回のプレス加工で陽極体のプレス成形を行い(ス
テップS3)、次いで、1300〜2000℃、10-3
Torr以下の高温、高真空で焼結を行う(ステップS
4)ことにより陽極体素子を得る。
【0019】本実施の形態では、第1、第2の弁作用金
属粉末としてタンタル、ニオブ、チタン等の弁作用金属
粉末のうち1種類の金属の粉末を用い、第2の弁作用金
属粉末の一次粉粒径を、第1の弁作用金属粉末の一次粉
粒径より非常に小さく、数十〜数百nm程度に微粉に選
定することとする。なお、第2の弁作用金属粉末の一次
粉粒径は、好ましくは300nm以下とする。第1の弁
作用金属粉末は、従来の固体電解コンデンサ用陽極体に
用いられているものと同様に、一次粉の粒径が0.5〜
数十μm程度であり、この一次粉が適度に凝集し、数μ
m〜数百μm程度の粒径の二次粉を含んでいるものとす
る。
属粉末としてタンタル、ニオブ、チタン等の弁作用金属
粉末のうち1種類の金属の粉末を用い、第2の弁作用金
属粉末の一次粉粒径を、第1の弁作用金属粉末の一次粉
粒径より非常に小さく、数十〜数百nm程度に微粉に選
定することとする。なお、第2の弁作用金属粉末の一次
粉粒径は、好ましくは300nm以下とする。第1の弁
作用金属粉末は、従来の固体電解コンデンサ用陽極体に
用いられているものと同様に、一次粉の粒径が0.5〜
数十μm程度であり、この一次粉が適度に凝集し、数μ
m〜数百μm程度の粒径の二次粉を含んでいるものとす
る。
【0020】次に本実施の形態の動作について、図2を
参照して詳細に説明する。
参照して詳細に説明する。
【0021】まず、プレス成形用金型のダイス2とこれ
に挿入された下パンチ3とにより囲まれた凹部に、第1
の弁作用金属粉末(A)1を陽極体の設計重量に合わせ
た量投入する(図2(a))。
に挿入された下パンチ3とにより囲まれた凹部に、第1
の弁作用金属粉末(A)1を陽極体の設計重量に合わせ
た量投入する(図2(a))。
【0022】次いで、粒径の細かい第2の弁作用金属粉
末(B)4を弁作用金属粉末(A)1の上にノズル18
等により投入する。なお、この際の弁作用金属粉末
(B)4の投入重量は、弁作用金属粉末(A)1の投入
重量の0.1%〜10%程度でよい(図2(b))。
末(B)4を弁作用金属粉末(A)1の上にノズル18
等により投入する。なお、この際の弁作用金属粉末
(B)4の投入重量は、弁作用金属粉末(A)1の投入
重量の0.1%〜10%程度でよい(図2(b))。
【0023】次いで、陽極リード5が弁作用金属粉末
(A)1に埋もれ、弁作用金属粉末(B)4の層を貫通
するように植立した状態で、上パンチ6と下パンチ3を
接近させることにより、プレス加工を行う(図2
(c))。
(A)1に埋もれ、弁作用金属粉末(B)4の層を貫通
するように植立した状態で、上パンチ6と下パンチ3を
接近させることにより、プレス加工を行う(図2
(c))。
【0024】その後、プレス加工を完了した成形体に対
して、1000〜2000℃の高温、10-3Torr以
下の高真空で数十分加熱する焼結工程を行う。この焼結
工程において、温度、加熱時間等の焼結条件は、弁作用
金属粉末(A)1を適度に焼結させる条件に設定する。
すなわち、固体電解コンデンサの容量は、この焼結工程
により弁作用金属粉末(A)1がある程度焼きつぶれた
際の表面積により決定されるため、弁作用金属粉末
(A)1が所定の容量に対応した焼きつぶれ状態となる
ような条件で焼結を行う。このような焼結工程におい
て、粒径が弁作用金属粉末(A)1より細かな弁作用金
属粉末(B)4は、弁作用金属粉末(A)1と比較し
て、焼きつぶれがより顕著に進行して弁作用金属からな
る板に近い状態となり、陽極リード5の植立面全体を覆
う高成形体強度の焼きつぶれ層8を形成する(図2
(d))。
して、1000〜2000℃の高温、10-3Torr以
下の高真空で数十分加熱する焼結工程を行う。この焼結
工程において、温度、加熱時間等の焼結条件は、弁作用
金属粉末(A)1を適度に焼結させる条件に設定する。
すなわち、固体電解コンデンサの容量は、この焼結工程
により弁作用金属粉末(A)1がある程度焼きつぶれた
際の表面積により決定されるため、弁作用金属粉末
(A)1が所定の容量に対応した焼きつぶれ状態となる
ような条件で焼結を行う。このような焼結工程におい
て、粒径が弁作用金属粉末(A)1より細かな弁作用金
属粉末(B)4は、弁作用金属粉末(A)1と比較し
て、焼きつぶれがより顕著に進行して弁作用金属からな
る板に近い状態となり、陽極リード5の植立面全体を覆
う高成形体強度の焼きつぶれ層8を形成する(図2
(d))。
【0025】この焼きつぶれ層8は、その顕著な焼きつ
ぶれにより陽極リード5と強く固着し、また、弁作用金
属粉末(A)1が焼結されてできた通常焼結部分7とも
強く固着した状態となるため、陽極リード5の植立強度
が大幅に向上する。また、陽極リード5に力が加えられ
た場合にも、陽極リード5と焼きつぶれ層8との境界部
分に漏れ電流の発生原因となる損傷が起こりにくく、か
つ、この力は強固な固着部分を介して高成形体強度の焼
きつぶれ層8全体に広く伝えられることとなり、陽極リ
ード5と通常焼結部分7の間の境界部分にストレスが集
中することも避けられ、陽極リード5との境界部分の損
傷に起因した漏れ電流の発生が防止される。さらに、高
成形体強度の焼きつぶれ層8が通常焼結部分7の上部全
体を覆った構成に陽極体が形成されるため、後の工程に
おいてパッケージ用の外装樹脂等からストレスが加えら
れた場合においても、通常焼結部分7の損傷による漏れ
電流等の特性劣化を防止することができる。
ぶれにより陽極リード5と強く固着し、また、弁作用金
属粉末(A)1が焼結されてできた通常焼結部分7とも
強く固着した状態となるため、陽極リード5の植立強度
が大幅に向上する。また、陽極リード5に力が加えられ
た場合にも、陽極リード5と焼きつぶれ層8との境界部
分に漏れ電流の発生原因となる損傷が起こりにくく、か
つ、この力は強固な固着部分を介して高成形体強度の焼
きつぶれ層8全体に広く伝えられることとなり、陽極リ
ード5と通常焼結部分7の間の境界部分にストレスが集
中することも避けられ、陽極リード5との境界部分の損
傷に起因した漏れ電流の発生が防止される。さらに、高
成形体強度の焼きつぶれ層8が通常焼結部分7の上部全
体を覆った構成に陽極体が形成されるため、後の工程に
おいてパッケージ用の外装樹脂等からストレスが加えら
れた場合においても、通常焼結部分7の損傷による漏れ
電流等の特性劣化を防止することができる。
【0026】なお、上記のように、本発明の製造方法に
おいては、従来例の各公報におけるように複数回のプレ
ス成形工程を行うことを必要とせずに、陽極リード5の
植立強度の向上を実現することができる。陽極リード植
立面付近の弁作用金属の顕著な焼きつぶれにより上記効
果を得ているため、陽極リード植立面付近に配置される
弁作用金属の量が比較的少量でも1回のプレス成形によ
り十分な効果を得ることができるからである。
おいては、従来例の各公報におけるように複数回のプレ
ス成形工程を行うことを必要とせずに、陽極リード5の
植立強度の向上を実現することができる。陽極リード植
立面付近の弁作用金属の顕著な焼きつぶれにより上記効
果を得ているため、陽極リード植立面付近に配置される
弁作用金属の量が比較的少量でも1回のプレス成形によ
り十分な効果を得ることができるからである。
【0027】次に、実施の形態1の実施例について、再
び図2を参照して詳細に説明する。
び図2を参照して詳細に説明する。
【0028】1.0×2.0mmの長方形の開口を有し
たダイス2に、第1の弁作用金属粉末(A)1として、
一次粒子の平均粒径が約1.0μmのTa粉末を投入す
る。この際、投入重量は約250mgとした。次いで、
0.8mmφの穴径を持つノズル18を通じて、第2の
弁作用金属粉末(B)4として、一次粒子の平均粒径約
50nmのTa微粉を、弁作用金属粉末(A)1の上に
吹き付ける。この際のTa微粉量は25mgとし、弁作
用金属粉末(A)1の上を弁作用金属粉末(B)4が均
一に覆うように吹き出し時にノズル18に細かな振動を
与えた。
たダイス2に、第1の弁作用金属粉末(A)1として、
一次粒子の平均粒径が約1.0μmのTa粉末を投入す
る。この際、投入重量は約250mgとした。次いで、
0.8mmφの穴径を持つノズル18を通じて、第2の
弁作用金属粉末(B)4として、一次粒子の平均粒径約
50nmのTa微粉を、弁作用金属粉末(A)1の上に
吹き付ける。この際のTa微粉量は25mgとし、弁作
用金属粉末(A)1の上を弁作用金属粉末(B)4が均
一に覆うように吹き出し時にノズル18に細かな振動を
与えた。
【0029】Ta微粉を吹き出した後、ノズル18を適
度な位置まで後退させ、陽極リード5として、0.2m
mφのTaワイヤーを中央に保持した上パンチ6をダイ
ス2に貫入させ、同時に下パンチ3も上へ動かし、プレ
ス加工を実施した。
度な位置まで後退させ、陽極リード5として、0.2m
mφのTaワイヤーを中央に保持した上パンチ6をダイ
ス2に貫入させ、同時に下パンチ3も上へ動かし、プレ
ス加工を実施した。
【0030】プレス加工後の成形体は、陽極リード5を
適当な長さで切断した後、プレス加工機より取り出さ
れ、次工程である焼結工程が行われる。ここで、焼結条
件として、弁作用金属粉末(A)1を通常焼結するため
に用いる焼結条件を設定した。今回は、1500℃、1
0-4Torr、30分という焼結条件を用いた。この焼
結工程の間に、第2の弁作用金属粉末(B)4であるT
a微粉は著しく焼きつぶれ、厚さ0.1mm程度のTa
板状の焼きつぶれ層8が形成された。焼きつぶれ層8
は、陽極リード5および弁作用金属粉末(A)1が焼結
した通常焼結部分7と強固に溶着しており、例えば陽極
リード5をリード軸と垂直方向に動かしても、上述のよ
うに陽極リード5と焼きつぶれ層8の間に損傷が生じず
ストレスの通常焼結部分7への伝達もほとんどない。こ
のため、図3に示す通り、製品完成時の漏れ電流値を大
きく低減することができた。
適当な長さで切断した後、プレス加工機より取り出さ
れ、次工程である焼結工程が行われる。ここで、焼結条
件として、弁作用金属粉末(A)1を通常焼結するため
に用いる焼結条件を設定した。今回は、1500℃、1
0-4Torr、30分という焼結条件を用いた。この焼
結工程の間に、第2の弁作用金属粉末(B)4であるT
a微粉は著しく焼きつぶれ、厚さ0.1mm程度のTa
板状の焼きつぶれ層8が形成された。焼きつぶれ層8
は、陽極リード5および弁作用金属粉末(A)1が焼結
した通常焼結部分7と強固に溶着しており、例えば陽極
リード5をリード軸と垂直方向に動かしても、上述のよ
うに陽極リード5と焼きつぶれ層8の間に損傷が生じず
ストレスの通常焼結部分7への伝達もほとんどない。こ
のため、図3に示す通り、製品完成時の漏れ電流値を大
きく低減することができた。
【0031】図2(d)に示したように、この実施例の
固体電解コンデンサ用陽極体は、陽極リード5の植立面
に焼きつぶれ層8を有している。本実施例では、弁作用
金属粉末(A)1に一次粒子の粒径約1.0μmのTa
粉末、弁作用金属粉末(B)4に一次粒子の粒径約50
nmのTa微粉を用いているが、この焼きつぶれ層8
は、弁作用金属粉末(B)4であるTa微粉が焼結工程
において焼きつぶれを起こしてTa板状になり、かつ、
陽極リード5および通常焼結部分7と強く溶着した状態
にあるものである。このように、通常焼結部分7の上面
全体を覆う焼きつぶれ層8が形成されることにより、陽
極リード5の植立強度向上、および外部ストレスに起因
した固体電解コンデンサの特性劣化の防止が達成され
る。
固体電解コンデンサ用陽極体は、陽極リード5の植立面
に焼きつぶれ層8を有している。本実施例では、弁作用
金属粉末(A)1に一次粒子の粒径約1.0μmのTa
粉末、弁作用金属粉末(B)4に一次粒子の粒径約50
nmのTa微粉を用いているが、この焼きつぶれ層8
は、弁作用金属粉末(B)4であるTa微粉が焼結工程
において焼きつぶれを起こしてTa板状になり、かつ、
陽極リード5および通常焼結部分7と強く溶着した状態
にあるものである。このように、通常焼結部分7の上面
全体を覆う焼きつぶれ層8が形成されることにより、陽
極リード5の植立強度向上、および外部ストレスに起因
した固体電解コンデンサの特性劣化の防止が達成され
る。
【0032】実施の形態2. 図4は、本発明の実施の形態2による固体電解コンデン
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。
【0033】この実施の形態2では、実施の形態1にお
ける弁作用金属粉末(A)1と弁作用金属粉末(B)4
の間に、弁作用金属粉末(C)9の層を設けることによ
り、焼きつぶれ層8と通常焼結部分7との固着強度をさ
らに向上させる。この際、弁作用金属粉末(C)9の粒
径は、弁作用金属粉末(A)1と弁作用金属粉末(B)
4のそれぞれの一次粉末粒径の中間の値を取ることとす
る。例えば、弁作用金属粉末(C)9として、粒径20
0〜400nm程度の粉末を選定すれば効果的である。
ける弁作用金属粉末(A)1と弁作用金属粉末(B)4
の間に、弁作用金属粉末(C)9の層を設けることによ
り、焼きつぶれ層8と通常焼結部分7との固着強度をさ
らに向上させる。この際、弁作用金属粉末(C)9の粒
径は、弁作用金属粉末(A)1と弁作用金属粉末(B)
4のそれぞれの一次粉末粒径の中間の値を取ることとす
る。例えば、弁作用金属粉末(C)9として、粒径20
0〜400nm程度の粉末を選定すれば効果的である。
【0034】次に実施の形態2の動作について、図4を
参照して詳細に説明する。
参照して詳細に説明する。
【0035】まず、プレス成形用金型のダイス2とこれ
に挿入された下パンチ3とにより囲まれた凹部に、第1
の弁作用金属粉末(A)1を陽極体の設計重量に合わせ
た量投入する(図4(a))。
に挿入された下パンチ3とにより囲まれた凹部に、第1
の弁作用金属粉末(A)1を陽極体の設計重量に合わせ
た量投入する(図4(a))。
【0036】次いで、中間の粒径の第2の弁作用金属粉
末(C)9を弁作用金属粉末(A)1の上にノズル18
等により投入する。弁作用金属粉末(C)9の投入重量
は、弁作用金属粉末(A)1の投入重量の0.1%〜1
0%程度でよい(図4(b))。
末(C)9を弁作用金属粉末(A)1の上にノズル18
等により投入する。弁作用金属粉末(C)9の投入重量
は、弁作用金属粉末(A)1の投入重量の0.1%〜1
0%程度でよい(図4(b))。
【0037】次いで、粒径の細かい第3の弁作用金属粉
末(B)4を弁作用金属粉末(C)9の上にノズル18
等により投入する。弁作用金属粉末(B)4の投入重量
も、弁作用金属粉末(A)1の投入重量の0.1%〜1
0%程度でよい(図4(c))。
末(B)4を弁作用金属粉末(C)9の上にノズル18
等により投入する。弁作用金属粉末(B)4の投入重量
も、弁作用金属粉末(A)1の投入重量の0.1%〜1
0%程度でよい(図4(c))。
【0038】次いで、陽極リード5が弁作用金属粉末
(A)1に埋もれ、弁作用金属粉末(C)9および弁作
用金属粉末(B)4の層を貫通するように植立した状態
で、上パンチ6と下パンチ3を接近させることにより、
プレス加工を行う(図4(d))。
(A)1に埋もれ、弁作用金属粉末(C)9および弁作
用金属粉末(B)4の層を貫通するように植立した状態
で、上パンチ6と下パンチ3を接近させることにより、
プレス加工を行う(図4(d))。
【0039】その後、プレス加工を完了した成形体に対
して、1000〜2000℃の高温、10-3Torr以
下の高真空で数十分加熱する焼結工程を行う。この焼結
工程において、温度、加熱時間等の焼結条件は、弁作用
金属粉末(A)1が固体電解コンデンサに設定される容
量に対応した表面積を持った適度な焼きつぶれ状態まで
焼結するような条件に設定する。このため、粒径が弁作
用金属粉末(A)1より細かな弁作用金属粉末(B)4
は、この焼結工程により焼きつぶれがより顕著に進行し
て弁作用金属からなる板に近い状態となり、陽極リード
5の植立面全体を覆う高成形体強度の焼きつぶれ層8を
形成する。また、中間の粒径を有した弁作用金属粉末
(C)9も弁作用金属粉末(A)1と弁作用金属粉末
(B)4の中間の程度に焼きつぶれて、通常焼結部分7
と焼きつぶれ層8の間で焼きつぶれ層10を形成する
(図4(e))。
して、1000〜2000℃の高温、10-3Torr以
下の高真空で数十分加熱する焼結工程を行う。この焼結
工程において、温度、加熱時間等の焼結条件は、弁作用
金属粉末(A)1が固体電解コンデンサに設定される容
量に対応した表面積を持った適度な焼きつぶれ状態まで
焼結するような条件に設定する。このため、粒径が弁作
用金属粉末(A)1より細かな弁作用金属粉末(B)4
は、この焼結工程により焼きつぶれがより顕著に進行し
て弁作用金属からなる板に近い状態となり、陽極リード
5の植立面全体を覆う高成形体強度の焼きつぶれ層8を
形成する。また、中間の粒径を有した弁作用金属粉末
(C)9も弁作用金属粉末(A)1と弁作用金属粉末
(B)4の中間の程度に焼きつぶれて、通常焼結部分7
と焼きつぶれ層8の間で焼きつぶれ層10を形成する
(図4(e))。
【0040】この実施の形態2によれば、高成形体強度
の焼きつぶれ層8の形成により、前記実施の形態1と同
様に、陽極リード5の植立強度向上、および漏れ電流の
原因となる陽極体の損傷の防止を図ることができるほ
か、弁作用金属粉末(A)1と弁作用金属粉末(B)4
の中間に弁作用金属粉末(C)9を配置することによ
り、弁作用金属粉末(A)1と弁作用金属粉末(B)4
の間で焼結工程における焼きつぶれ程度の差が極めて大
きい場合に、両者の間にストレスが発生して両者の間が
剥離したり、クラックが発生したりする事態を防止する
ことが可能となる。
の焼きつぶれ層8の形成により、前記実施の形態1と同
様に、陽極リード5の植立強度向上、および漏れ電流の
原因となる陽極体の損傷の防止を図ることができるほ
か、弁作用金属粉末(A)1と弁作用金属粉末(B)4
の中間に弁作用金属粉末(C)9を配置することによ
り、弁作用金属粉末(A)1と弁作用金属粉末(B)4
の間で焼結工程における焼きつぶれ程度の差が極めて大
きい場合に、両者の間にストレスが発生して両者の間が
剥離したり、クラックが発生したりする事態を防止する
ことが可能となる。
【0041】実施の形態3. 図5は、本発明の実施の形態3による固体電解コンデン
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。前記実施の
形態1において、同一金属で粒径の異なる2種類の弁作
用金属粉末を用いることにより陽極リード植立面付近の
焼きつぶれ性を特に高め、陽極リード植立面付近の成形
体強度を高くしたのに対し、本実施の形態においては、
融点の異なる2種類の弁作用金属粉末を用いることによ
り、陽極リード植立面付近の焼きつぶれ性を高くし、陽
極リード植立面付近の成形体強度を高める。
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。前記実施の
形態1において、同一金属で粒径の異なる2種類の弁作
用金属粉末を用いることにより陽極リード植立面付近の
焼きつぶれ性を特に高め、陽極リード植立面付近の成形
体強度を高くしたのに対し、本実施の形態においては、
融点の異なる2種類の弁作用金属粉末を用いることによ
り、陽極リード植立面付近の焼きつぶれ性を高くし、陽
極リード植立面付近の成形体強度を高める。
【0042】まず、プレス成形用金型のダイス2とこれ
に挿入された下パンチ3とにより囲まれた凹部に、一次
粉粒径が0.5〜数十μm程度、例えば約1.0μmの
Ta粉末11(融点2990℃)を陽極体の設計重量に
合わせた量投入する(図5(a))。
に挿入された下パンチ3とにより囲まれた凹部に、一次
粉粒径が0.5〜数十μm程度、例えば約1.0μmの
Ta粉末11(融点2990℃)を陽極体の設計重量に
合わせた量投入する(図5(a))。
【0043】次いで、一次粉粒径が0.5〜数十μm程
度、例えば約1.0μmのNb粉末12(融点2470
℃)をTa粉末11の上にノズル18等により投入す
る。なお、この際のNb粉末12の投入重量は、Ta粉
末11の投入重量の0.1%〜10%程度でよい(図5
(b))。
度、例えば約1.0μmのNb粉末12(融点2470
℃)をTa粉末11の上にノズル18等により投入す
る。なお、この際のNb粉末12の投入重量は、Ta粉
末11の投入重量の0.1%〜10%程度でよい(図5
(b))。
【0044】次いで、タンタルによりなる陽極リード5
がTa粉末11に埋もれ、Nb粉末12の層を貫通する
ように植立した状態で、上パンチ6と下パンチ3を接近
させることにより、プレス加工を行う(図5(c))。
がTa粉末11に埋もれ、Nb粉末12の層を貫通する
ように植立した状態で、上パンチ6と下パンチ3を接近
させることにより、プレス加工を行う(図5(c))。
【0045】その後、プレス加工を完了した成形体に対
して、1000〜2000℃の高温、10-3Torr以
下の高真空で数十分加熱する焼結工程を行う。この焼結
工程において、温度、加熱時間等の焼結条件は、Ta粉
末11が固体電解コンデンサに設定される容量に対応し
た表面積を持った適度な焼きつぶれ状態まで焼結するよ
うな条件に設定する。
して、1000〜2000℃の高温、10-3Torr以
下の高真空で数十分加熱する焼結工程を行う。この焼結
工程において、温度、加熱時間等の焼結条件は、Ta粉
末11が固体電解コンデンサに設定される容量に対応し
た表面積を持った適度な焼きつぶれ状態まで焼結するよ
うな条件に設定する。
【0046】このような焼結工程において、Ta粉末1
1より低い融点のNb粉末12は、Ta粉末11と比較
して、焼きつぶれがより顕著に進行してニオブからなる
板に近い状態となり、陽極リード5の植立面全体を覆う
高成形体強度の焼きつぶれ層8を形成する(図5
(d))。
1より低い融点のNb粉末12は、Ta粉末11と比較
して、焼きつぶれがより顕著に進行してニオブからなる
板に近い状態となり、陽極リード5の植立面全体を覆う
高成形体強度の焼きつぶれ層8を形成する(図5
(d))。
【0047】この焼きつぶれ層8は、その顕著な焼きつ
ぶれにより陽極リード5と強く固着し、また、Ta粉末
11が焼結されてできた通常焼結部分7とも強く固着し
た状態となるため、前記実施の形態1と同様に、陽極リ
ード5の植立強度向上、および漏れ電流等の特性劣化の
防止を図ることができる。
ぶれにより陽極リード5と強く固着し、また、Ta粉末
11が焼結されてできた通常焼結部分7とも強く固着し
た状態となるため、前記実施の形態1と同様に、陽極リ
ード5の植立強度向上、および漏れ電流等の特性劣化の
防止を図ることができる。
【0048】実施の形態4. 図6は、本発明の実施の形態4による固体電解コンデン
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。本実施の形
態においては、前記実施の形態2と同様に弁作用金属粉
末の3層構造を用いるが、同種金属ではなく、それぞれ
融点の異なるTa粉末11(融点2990℃)、Nb粉
末12(融点2470℃)、Ti粉末13(融点166
0℃)を用いる。なお、各粉末は、一次粉粒径が0.5
〜数十μm程度、例えば約1.0μmの同等のものを用
いることができるが、Ti粉末13の融点が特に低いこ
とを考慮してTi粉末13のみ一次粉粒径の大きなもの
を用いることもできる。このような方法を用いても、実
施の形態2と同様に、陽極リード植立面付近のNb粉末
12の顕著な焼きつぶれ性による陽極リード植立強度向
上と漏れ電流等の特性劣化防止、および、上下層の焼き
つぶれ程度の差が極めて大きい場合のストレスによる剥
離、クラックの発生等の防止を図ることができる。
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。本実施の形
態においては、前記実施の形態2と同様に弁作用金属粉
末の3層構造を用いるが、同種金属ではなく、それぞれ
融点の異なるTa粉末11(融点2990℃)、Nb粉
末12(融点2470℃)、Ti粉末13(融点166
0℃)を用いる。なお、各粉末は、一次粉粒径が0.5
〜数十μm程度、例えば約1.0μmの同等のものを用
いることができるが、Ti粉末13の融点が特に低いこ
とを考慮してTi粉末13のみ一次粉粒径の大きなもの
を用いることもできる。このような方法を用いても、実
施の形態2と同様に、陽極リード植立面付近のNb粉末
12の顕著な焼きつぶれ性による陽極リード植立強度向
上と漏れ電流等の特性劣化防止、および、上下層の焼き
つぶれ程度の差が極めて大きい場合のストレスによる剥
離、クラックの発生等の防止を図ることができる。
【0049】実施の形態5. 図7は、本発明の実施の形態5による固体電解コンデン
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。本実施の形
態においては、前記実施の形態2および前記実施の形態
4と同様に弁作用金属粉末の3層構造を用いるが、Ta
粉末11(融点2990℃)、Nb粉末12(融点24
70℃)、Nb微粉14(融点2470℃)を用いる。
図7(c)において、陽極リード植立面に向かって、T
a粉末11,Nb粉末12,Nb微粉14の順に、焼結
工程における焼きつぶれ性が高くなる配置となってい
る。このような方法を用いても、実施の形態2および実
施の形態4と同様に、陽極リード植立面付近のNb微粉
14の顕著な焼きつぶれ性による陽極リード植立強度向
上と漏れ電流等の特性劣化防止、および、上下層の焼き
つぶれ程度の差が極めて大きい場合のストレスによる剥
離、クラックの発生等の防止を図ることができる。
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。本実施の形
態においては、前記実施の形態2および前記実施の形態
4と同様に弁作用金属粉末の3層構造を用いるが、Ta
粉末11(融点2990℃)、Nb粉末12(融点24
70℃)、Nb微粉14(融点2470℃)を用いる。
図7(c)において、陽極リード植立面に向かって、T
a粉末11,Nb粉末12,Nb微粉14の順に、焼結
工程における焼きつぶれ性が高くなる配置となってい
る。このような方法を用いても、実施の形態2および実
施の形態4と同様に、陽極リード植立面付近のNb微粉
14の顕著な焼きつぶれ性による陽極リード植立強度向
上と漏れ電流等の特性劣化防止、および、上下層の焼き
つぶれ程度の差が極めて大きい場合のストレスによる剥
離、クラックの発生等の防止を図ることができる。
【0050】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の固体電解
コンデンサの陽極体の製造方法によれば、焼結工程にお
ける焼きつぶれ性の異なる弁作用金属粉末を2種類以
上、陽極リード植立面付近に焼きつぶれ性の大きな弁作
用金属粉末が配置されるように順次プレス加工金型に投
入し、1回のプレス加工により加圧成形した後、前記焼
結工程を行うことにより陽極体を形成するようにしたた
め、焼結工程における陽極リード植立面付近部分の顕著
な焼きつぶれによる高成形体強度部分の形成と、この部
分の陽極リードおよび周囲との強固な固着により、陽極
体における陽極リードの植立強度を大幅に向上すること
が可能となるとともに、外部ストレスに起因した漏れ電
流等の固体電解コンデンサの特性劣化を防止することが
できる。また、複数回のプレス加工を必要とせず効率的
に陽極体の製造を行うことが可能であるため、固体電解
コンデンサの陽極体の製造時間および製造コストを大幅
に削減することが可能となる。
コンデンサの陽極体の製造方法によれば、焼結工程にお
ける焼きつぶれ性の異なる弁作用金属粉末を2種類以
上、陽極リード植立面付近に焼きつぶれ性の大きな弁作
用金属粉末が配置されるように順次プレス加工金型に投
入し、1回のプレス加工により加圧成形した後、前記焼
結工程を行うことにより陽極体を形成するようにしたた
め、焼結工程における陽極リード植立面付近部分の顕著
な焼きつぶれによる高成形体強度部分の形成と、この部
分の陽極リードおよび周囲との強固な固着により、陽極
体における陽極リードの植立強度を大幅に向上すること
が可能となるとともに、外部ストレスに起因した漏れ電
流等の固体電解コンデンサの特性劣化を防止することが
できる。また、複数回のプレス加工を必要とせず効率的
に陽極体の製造を行うことが可能であるため、固体電解
コンデンサの陽極体の製造時間および製造コストを大幅
に削減することが可能となる。
【0051】更に、請求項1記載の固体電解コンデンサ
の陽極体の製造方法によれば、弁作用金属粉末を前記プ
レス加工金型に投入してプレス加工する際に、同一金属
で粒径の異なる弁作用金属粉末を2種類以上、前記陽極
リード植立面付近に粒径の細かい弁作用金属粉末が配置
されるように順次プレス加工金型に投入してプレス加工
を行うようにしたため、粒径の細かい弁作用金属粉末が
焼結工程において顕著な焼きつぶれ性を示すことによ
り、陽極体における陽極リードの植立強度を大幅に向上
することが可能となるとともに、外部ストレスに起因し
た漏れ電流等の固体電解コンデンサの特性劣化を防止す
ることができる。
の陽極体の製造方法によれば、弁作用金属粉末を前記プ
レス加工金型に投入してプレス加工する際に、同一金属
で粒径の異なる弁作用金属粉末を2種類以上、前記陽極
リード植立面付近に粒径の細かい弁作用金属粉末が配置
されるように順次プレス加工金型に投入してプレス加工
を行うようにしたため、粒径の細かい弁作用金属粉末が
焼結工程において顕著な焼きつぶれ性を示すことによ
り、陽極体における陽極リードの植立強度を大幅に向上
することが可能となるとともに、外部ストレスに起因し
た漏れ電流等の固体電解コンデンサの特性劣化を防止す
ることができる。
【0052】更に、請求項1記載の固体電解コンデンサ
の陽極体の製造方法によれば、前記陽極リード植立面付
近に配置される前記弁作用金属粉末として、一次粉粒径
が10nm以上1μm未満の微粉を用い、前記焼結工程
において、前記陽極リード植立面付近に配置される前記
弁作用金属粉末が十分に焼きつぶれることにより成形体
強度の高い弁作用金属体を形成して陽極リードおよび陽
極体の他の部分と強固に固着する程度に前記焼結工程を
行うようにしたため、前記微粉の焼結工程における顕著
な焼きつぶれ性により、陽極体における陽極リードの植
立強度を大幅に向上することが可能となるとともに、外
部ストレスに起因した漏れ電流等の固体電解コンデンサ
の特性劣化を防止することができる。
の陽極体の製造方法によれば、前記陽極リード植立面付
近に配置される前記弁作用金属粉末として、一次粉粒径
が10nm以上1μm未満の微粉を用い、前記焼結工程
において、前記陽極リード植立面付近に配置される前記
弁作用金属粉末が十分に焼きつぶれることにより成形体
強度の高い弁作用金属体を形成して陽極リードおよび陽
極体の他の部分と強固に固着する程度に前記焼結工程を
行うようにしたため、前記微粉の焼結工程における顕著
な焼きつぶれ性により、陽極体における陽極リードの植
立強度を大幅に向上することが可能となるとともに、外
部ストレスに起因した漏れ電流等の固体電解コンデンサ
の特性劣化を防止することができる。
【0053】請求項2記載の固体電解コンデンサの陽極
体の製造方法によれば、前記陽極リード植立面付近に配
置される前記弁作用金属粉末と、一次粉粒径が0.5μ
m以上100μm未満の弁作用金属粉末との、合計2種
類の弁作用金属粉末を用いるようにしたため、最小限の
工程および構成により、陽極リードの植立強度向上と漏
れ電流等の特性劣化防止を達成することができる。
体の製造方法によれば、前記陽極リード植立面付近に配
置される前記弁作用金属粉末と、一次粉粒径が0.5μ
m以上100μm未満の弁作用金属粉末との、合計2種
類の弁作用金属粉末を用いるようにしたため、最小限の
工程および構成により、陽極リードの植立強度向上と漏
れ電流等の特性劣化防止を達成することができる。
【0054】請求項3記載の固体電解コンデンサの陽極
体の製造方法によれば、前記陽極リード植立面付近に配
置される前記弁作用金属粉末と、一次粉粒径が0.5μ
m以上100μm未満の弁作用金属粉末と、両者の中間
に配置される両者の中間の一次粉粒径を有した弁作用金
属粉末との、合計3種類の弁作用金属粉末を用いるよう
にしたため、中間の一次粉粒径の弁作用金属粉末を介在
させることにより、一次粉粒径が0.5μm以上100
μm未満の弁作用金属粉末と陽極リード植立面付近に配
置される前記弁作用金属粉末の間で焼結工程における焼
きつぶれ程度の差が極めて大きい場合に、両者の間にス
トレスが発生して両者の間が剥離したり、クラックが発
生したりする事態を防止することが可能となる。
体の製造方法によれば、前記陽極リード植立面付近に配
置される前記弁作用金属粉末と、一次粉粒径が0.5μ
m以上100μm未満の弁作用金属粉末と、両者の中間
に配置される両者の中間の一次粉粒径を有した弁作用金
属粉末との、合計3種類の弁作用金属粉末を用いるよう
にしたため、中間の一次粉粒径の弁作用金属粉末を介在
させることにより、一次粉粒径が0.5μm以上100
μm未満の弁作用金属粉末と陽極リード植立面付近に配
置される前記弁作用金属粉末の間で焼結工程における焼
きつぶれ程度の差が極めて大きい場合に、両者の間にス
トレスが発生して両者の間が剥離したり、クラックが発
生したりする事態を防止することが可能となる。
【0055】請求項4記載の固体電解コンデンサの陽極
体の製造方法によれば、前記同一金属として、タンタル
を用いるようにしたため、現在一般的に使用されている
弁作用金属粉末であるタンタルを用いて、前記各項の効
果を得ることができる。
体の製造方法によれば、前記同一金属として、タンタル
を用いるようにしたため、現在一般的に使用されている
弁作用金属粉末であるタンタルを用いて、前記各項の効
果を得ることができる。
【0056】請求項5記載の固体電解コンデンサの陽極
体の製造方法によれば、プレス加工金型に投入した弁作
用金属粉末をプレス加工して陽極体を形成する固体電解
コンデンサの陽極体の製造方法において、焼結工程にお
ける焼きつぶれ性の異り、且 つ、融点の異なる別の金属
の弁作用金属粉末を2種類以上、陽極リード植立面付近
に焼きつぶれ性が大きく、且つ、融点の低い弁作用金属
粉末が配置されるように順次プレス加工金型に投入し、
1回のプレス加工により加圧形成した後、前記焼結工程
を行うことにより陽極体を形成するようにしたため、焼
結工程における陽極リード植立面付近部分の顕著な焼き
つぶれによる高成形体強度部分の形成と、この部分の陽
極リードおよび周囲との強固な固着により、陽極体にお
ける陽極リードの植立強度を大幅に向上することが可能
となるとともに、外部ストレスに起因した漏れ電流等の
固体電解コンデンサの特性劣化を防止することができ、
また、複数回のプレス加工を必要とせず効率的に陽極体
の製造を行うことが可能であるため、固体電解コンデン
サの陽極体の製造時間および製造コストを大幅に削減す
ることが可能となり、更に、融点の低い弁作用金属粉末
が焼結工程において顕著な焼きつぶれを示すことによ
り、陽極体における陽極リードの植立強度を大幅に向上
することが可能となるとともに、外部ストレスに起因し
た漏れ電流等の固体電解コンデンサの特性劣化を防止す
ることができる。
体の製造方法によれば、プレス加工金型に投入した弁作
用金属粉末をプレス加工して陽極体を形成する固体電解
コンデンサの陽極体の製造方法において、焼結工程にお
ける焼きつぶれ性の異り、且 つ、融点の異なる別の金属
の弁作用金属粉末を2種類以上、陽極リード植立面付近
に焼きつぶれ性が大きく、且つ、融点の低い弁作用金属
粉末が配置されるように順次プレス加工金型に投入し、
1回のプレス加工により加圧形成した後、前記焼結工程
を行うことにより陽極体を形成するようにしたため、焼
結工程における陽極リード植立面付近部分の顕著な焼き
つぶれによる高成形体強度部分の形成と、この部分の陽
極リードおよび周囲との強固な固着により、陽極体にお
ける陽極リードの植立強度を大幅に向上することが可能
となるとともに、外部ストレスに起因した漏れ電流等の
固体電解コンデンサの特性劣化を防止することができ、
また、複数回のプレス加工を必要とせず効率的に陽極体
の製造を行うことが可能であるため、固体電解コンデン
サの陽極体の製造時間および製造コストを大幅に削減す
ることが可能となり、更に、融点の低い弁作用金属粉末
が焼結工程において顕著な焼きつぶれを示すことによ
り、陽極体における陽極リードの植立強度を大幅に向上
することが可能となるとともに、外部ストレスに起因し
た漏れ電流等の固体電解コンデンサの特性劣化を防止す
ることができる。
【0057】請求項6記載の固体電解コンデンサの陽極
体の製造方法によれば、前記陽極リード植立面付近に配
置される前記弁作用金属粉末としてのニオブ粉末と、タ
ンタル粉末との、合計2種類の弁作用金属粉末を用いる
ようにしたため、融点の低いニオブ粉末が示す顕著な焼
きつぶれ性により、最小限の工程および構成で、陽極体
における陽極リードの植立強度向上と漏れ電流防止を達
成することができる。
体の製造方法によれば、前記陽極リード植立面付近に配
置される前記弁作用金属粉末としてのニオブ粉末と、タ
ンタル粉末との、合計2種類の弁作用金属粉末を用いる
ようにしたため、融点の低いニオブ粉末が示す顕著な焼
きつぶれ性により、最小限の工程および構成で、陽極体
における陽極リードの植立強度向上と漏れ電流防止を達
成することができる。
【0058】請求項7記載の固体電解コンデンサの陽極
体の製造方法によれば、前記陽極リード植立面付近に配
置される前記弁作用金属粉末としてのチタン粉末と、タ
ンタル粉末と、両者の中間に配置されるニオブ粉末と
の、合計3種類の弁作用金属粉末を用いるようにしたた
め、陽極体における陽極リードの植立強度向上と漏れ電
流防止を達成することができるとともに、タンタル粉末
とチタン粉末の間に両者の中間の融点を有するニオブ粉
末を介在させることにより、タンタル粉末とチタン粉末
の間で焼結工程における焼きつぶれ程度の差が極めて大
きい場合に、両者の間にストレスが発生して両者の間が
剥離したり、クラックが発生したりする事態を防止する
ことが可能となる。
体の製造方法によれば、前記陽極リード植立面付近に配
置される前記弁作用金属粉末としてのチタン粉末と、タ
ンタル粉末と、両者の中間に配置されるニオブ粉末と
の、合計3種類の弁作用金属粉末を用いるようにしたた
め、陽極体における陽極リードの植立強度向上と漏れ電
流防止を達成することができるとともに、タンタル粉末
とチタン粉末の間に両者の中間の融点を有するニオブ粉
末を介在させることにより、タンタル粉末とチタン粉末
の間で焼結工程における焼きつぶれ程度の差が極めて大
きい場合に、両者の間にストレスが発生して両者の間が
剥離したり、クラックが発生したりする事態を防止する
ことが可能となる。
【図1】本発明の実施の形態1による固体電解コンデン
サの陽極体の製造方法を示すフローチャートである。
サの陽極体の製造方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施の形態1による固体電解コンデン
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。
【図3】本発明の固体電解コンデンサの陽極体の製造方
法による固体電解コンデンサの漏れ電流の低減を示すグ
ラフである。
法による固体電解コンデンサの漏れ電流の低減を示すグ
ラフである。
【図4】本発明の実施の形態2による固体電解コンデン
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。
【図5】本発明の実施の形態3による固体電解コンデン
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。
【図6】本発明の実施の形態4による固体電解コンデン
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。
【図7】本発明の実施の形態5による固体電解コンデン
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。
サの陽極体の製造方法を示す工程図である。
【図8】従来の1回成形による固体電解コンデンサの陽
極体の製造方法を示す工程図である。
極体の製造方法を示す工程図である。
【図9】特開平4−167512号公報に示された従来
の固体電解コンデンサの陽極体の製造方法を示す概略図
である。
の固体電解コンデンサの陽極体の製造方法を示す概略図
である。
【図10】特開平4−279020号公報に示された従
来の固体電解コンデンサの陽極体の製造方法を示す工程
図である。
来の固体電解コンデンサの陽極体の製造方法を示す工程
図である。
【図11】特開平1−181509号公報に示された従
来の固体電解コンデンサの陽極体の製造方法を示す工程
図である。
来の固体電解コンデンサの陽極体の製造方法を示す工程
図である。
【図12】特開平6−176985号公報に示された従
来の固体電解コンデンサの陽極体の製造方法を示す概略
図である。
来の固体電解コンデンサの陽極体の製造方法を示す概略
図である。
1 弁作用金属粉末(A) 2 ダイス 3 下パンチ 4 弁作用金属粉末(B) 5 陽極リード 6 上パンチ 7 通常焼結部分 8 焼きつぶれ層 9 弁作用金属粉末(C) 10 焼きつぶれ層 11 Ta粉末 12 Nb粉末 13 Ti粉末 14 Nb微粉
Claims (7)
- 【請求項1】 プレス加工金型に投入した弁作用金属粉
末をプレス加工して陽極体を形成する固体電解コンデン
サの陽極体の製造方法において、 焼結工程における焼きつぶれ性が異なり、且つ、同一金
属で粒径の異なる弁作用金属粉末を2種類以上、陽極リ
ード植立面付近に焼きつぶれ性が大きく、且つ、粒径の
細かい弁作用金属粉末が配置されるように順次プレス加
工金型に投入し、1回のプレス加工により加圧成形した
後、前記焼結工程を行うことにより陽極体を形成し、 前記陽極リード植立面付近に配置される前記弁作用金属
粉末として、一次粉粒径が10nm以上1μm未満の微
粉を用い、前記焼結工程において、前記陽極リード植立
面付近に配置される前記弁作用金属粉末が十分に焼きつ
ぶれることにより成形体強度の高い弁作用金属体を形成
して陽極リードおよび陽極体の他の部分と強固に固着す
る程度に前記焼結工程を行うこと を特徴とする固体電解
コンデンサの陽極体の製造方法。 - 【請求項2】 前記陽極リード植立面付近に配置される
前記弁作用金属粉末と、一次粉粒径が0.5μm以上1
00μm未満の弁作用金属粉末との、合計2種類の弁作
用金属粉末を用いることを特徴とする請求項1記載の固
体電解コンデンサの陽極体の製造方法。 - 【請求項3】 前記陽極リード植立面付近に配置される
前記弁作用金属粉末と、一次粉粒径が0.5μm以上1
00μm未満の弁作用金属粉末と、両者の中間に配置さ
れる両者の中間の一次粉粒径を有した弁作用金属粉末と
の、合計3種類の弁作用金属粉末を用いることを特徴と
する請求項1記載の固体電解コンデンサの陽極体の製造
方法。 - 【請求項4】 前記同一金属として、タンタルを用いる
ことを特徴とする請求項1から請求項3うちの何れか1
項記載の固体電解コンデンサの陽極体の製造方法。 - 【請求項5】 プレス加工金型に投入した弁作用金属粉
末をプレス加工して 陽極体を形成する固体電解コンデン
サの陽極体の製造方法において、焼結工程における焼き
つぶれ性の異り、且つ、融点の異なる別の金属の弁作用
金属粉末を2種類以上、陽極リード植立面付近に焼きつ
ぶれ性が大きく、且つ、融点の低い弁作用金属粉末が配
置されるように順次プレス加工金型に投入し、1回のプ
レス加工により加圧形成した後、前記焼結工程を行うこ
とにより陽極体を形成することを特徴とする固体電解コ
ンデンサの陽極体の製造方法。 - 【請求項6】 前記陽極リード植立面付近に配置される
前記弁作用金属粉末としてのニオブ粉末と、タンタル粉
末との、合計2種類の弁作用金属粉末を用いることを特
徴とする請求項5記載の固体電解コンデンサの陽極体の
製造方法。 - 【請求項7】 前記陽極リード植立面付近に配置される
前記弁作用金属粉末としてのチタン粉末と、タンタル粉
末と、両者の中間に配置されるニオブ粉末との、合計3
種類の弁作用金属粉末を用いることを特徴とする請求項
5記載の固体電解コンデンサの陽極体の製造方法。
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---|---|---|---|
JP30407297A JP3233084B2 (ja) | 1997-11-06 | 1997-11-06 | 固体電解コンデンサの陽極体の製造方法 |
US09/182,094 US6139593A (en) | 1997-11-06 | 1998-10-29 | Manufacturing method of anode body of solid electrolytic capacitor |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30407297A JP3233084B2 (ja) | 1997-11-06 | 1997-11-06 | 固体電解コンデンサの陽極体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11145008A JPH11145008A (ja) | 1999-05-28 |
JP3233084B2 true JP3233084B2 (ja) | 2001-11-26 |
Family
ID=17928700
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30407297A Expired - Fee Related JP3233084B2 (ja) | 1997-11-06 | 1997-11-06 | 固体電解コンデンサの陽極体の製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
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US6960237B2 (en) | 1999-07-15 | 2005-11-01 | Showa Denko Kabushiki Kaisha | Niobium powder, sintered body thereof and capacitor using the same |
DE19941094A1 (de) * | 1999-08-30 | 2003-07-10 | Epcos Ag | Kondensator und Verfahren zum Herstellen eines Anodenkörpers und eines Anodenableiters hierfür |
DE19953946A1 (de) * | 1999-11-09 | 2001-05-10 | Starck H C Gmbh Co Kg | Kondensatorpulver |
JP2002217070A (ja) * | 2001-01-22 | 2002-08-02 | Kawatetsu Mining Co Ltd | ニオブ粉末及び固体電解コンデンサ用アノード |
DE10131236B4 (de) * | 2001-06-28 | 2006-03-30 | Epcos Ag | Kondensator |
JP4015602B2 (ja) * | 2003-09-02 | 2007-11-28 | ローム株式会社 | 固体電解コンデンサの製造方法、および製造装置 |
JP4015603B2 (ja) * | 2003-09-10 | 2007-11-28 | ローム株式会社 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
JP2007180075A (ja) * | 2005-12-27 | 2007-07-12 | Nichicon Corp | 固体電解コンデンサおよびその製造方法 |
US8257463B2 (en) * | 2006-01-23 | 2012-09-04 | Avx Corporation | Capacitor anode formed from flake powder |
JP2009141044A (ja) * | 2007-12-05 | 2009-06-25 | Nichicon Corp | 固体電解コンデンサ素子およびその製造方法 |
US20090279233A1 (en) * | 2008-05-12 | 2009-11-12 | Yuri Freeman | High volumetric efficiency anodes for electrolytic capacitors |
US20100085685A1 (en) * | 2008-10-06 | 2010-04-08 | Avx Corporation | Capacitor Anode Formed From a Powder Containing Coarse Agglomerates and Fine Agglomerates |
JP5294900B2 (ja) * | 2009-01-23 | 2013-09-18 | 三洋電機株式会社 | 固体電解コンデンサ |
US9786440B2 (en) | 2014-12-17 | 2017-10-10 | Avx Corporation | Anode for use in a high voltage electrolytic capacitor |
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JPS6048090B2 (ja) * | 1980-04-02 | 1985-10-25 | 日本電気株式会社 | 固体電解コンデンサ用多孔質体及びその製造方法 |
JPS592316A (ja) * | 1982-06-28 | 1984-01-07 | 日本電気株式会社 | 電解コンデンサ用多孔質体の製造方法 |
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- 1997-11-06 JP JP30407297A patent/JP3233084B2/ja not_active Expired - Fee Related
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1998
- 1998-10-29 US US09/182,094 patent/US6139593A/en not_active Expired - Fee Related
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