JPS6042164Y2 - 内燃機関の潤滑油サ−モスタツト取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はオイルフィルタから出た潤滑油を、オイルクー
ラをバイパスさせて機関側へ導くためのサーモスタット
の取付装置に係り、特にオイルフィルタの取付台に直接
サーモスタットを内蔵し、従来必要であったサーモスタ
ットケースやバイパス管等を省略し、コストの低減を図
ったサーモスタットの取付装置に関するものである。

従来のサーモスタット取付装置の一例を第１図を参照し
て説明すると、潤滑油ポンプと連絡したオイルフィルタ
１，１はシリンダブロックに設けたオイルフィルタ取付
台３に取付けられており、潤滑油温度が低い場合にはこ
のオイルフィルタ１．１を通過した潤滑油は実線の矢印
で示すようにオイルフィルタ取付台３中の油道４及びケ
ース２内の油道５を通り、サーモスタットケース６内の
サーモスタット７のバルブ８内を経てサーモスタットケ
ース６内の油道９に入り、図示しない紙面に直角のバイ
パス管を通ってケース２内のメインギヤラリへ流入する
。

潤滑油温度が上昇すると、それに伴ってサーモスタット
７のバルブ８が左方向へ移動し、バルブ８とサーモスタ
ット７を取付けた管路壁１０との間に隙間ができると共
に、バルブ８の出口端１１がサーモスタットケース６の
端部１２に接近し、出口端１１が閉塞される。

従って潤滑油はバルブ８内を通ることができず、上記バ
ルブ８と管路壁１０との間の隙間を通ってオイルクーラ
１３へ流入し、冷却されてメインギヤラリへ至る。

第２図に示した第２の例では、オイルフィルタ１４．１
４を経て油道１５．１６を通った潤滑油はサーモスタッ
ト１７内を経てバイパス管１８に至りメインギヤラリへ
入るが、潤滑油温の上昇に伴いバルブ１９が左方向へ移
動して隙間２０が閉じると共にバルブ１９と管路壁２１
との間に隙間が生じるため、油道１５に入った潤滑油は
油道１６から紙面に直角の油道２６を通ってオイルクー
ラ２２に入り、冷却された後クーラ出口２３から戻り管
２４を通って油道２５に入り、前記バルブ１９と管路壁
２１との間の隙間を通ってバイパス管１８へ流入しメイ
ンギヤラリへ入る。

このように従来の潤滑油冷却装置ではオイルフイルタ取
付台とサーモスタットケースとが別体となっているので
、サーモスタットケース及びバイパス管が別個に必要と
なり、高価となると共に機関全体の寸法が大型化する欠
点があった。

なお、上記従来の潤滑油冷却装置が有していた欠点を克
服すべくシリンダブロックに取付けられるボディの内部
にサーモスタットを内蔵し該ボディの上面にオイルクー
ラおよびオイルフィルタを積み重ね状態で取付けたもの
（実開昭５５−３５３４１号公報参照）や、シリンダブ
ロックに取付けられるケーシングの内部にオイルクーラ
とオイルフィルタとを同軸的に配置して内蔵したもの（
実公昭５５−３４２４丹公報参照）が提案されているが
、これらはいずれもオイルクーラを単独に取外すことが
出来ず、オイルクーラの容量変更やメンテナンスが困難
であるという問題があった。

本考案は以上述べたような従来の潤滑油冷却装置に内在
する欠点を解消すべくなされたもので、シリンダブロッ
クの側面に固着したオイルフィルタ取付台にオイルフィ
ルタおよびオイルクーラを取付け、該オイルフィルタ取
付台に内蔵したサーモスタットにより潤滑油の温度に応
じて前記オイルクーラへ流れる潤滑油の流量を調整する
如くなした内燃機関の潤滑油冷却装置において、前記オ
イルフィルタ取付台の下面に前記オイルフィルタを着脱
可能に取付け、かつ、取付台上面にオイルクーラのオイ
ル出入口を着脱可能に連結せしめた構成を要旨とするも
のである。

次いで第３図に示した実施例によって上記構成を具体的
に説明する。

ここに第３図は本考案の一実施例であるオイルフィルタ
取付装置の側断面図である。

図においてオイルフィルタ３０．３０は接続管３１．３
１によってオイルフィルタ取付台３２に螺着されていて
、該フィルタ取付台３２の中央には横方向の中央油路３
３が設けてあり、該中央油路３３は油路３４，３５によ
って前記オイルフィルタ３０．３０に連通し、且つ油路
３６によってオイルクーラ３７の入口３８に連絡してい
る。

又サーモスタット３９は頭部４０をシリンダブロックＢ
のメインギヤラリに連絡するベンド管４１に連結させた
状態でフィルタ取付台３２中に収納されており、潤滑油
の温度変化に応じて左右に移動する円筒状のバルブ４２
内部は頭部４０の開孔４３を通じて上記ベンド管４１内
と連通し、実線で示した低温時においてはバルブ４２の
上端が頭部フランジ４４に接触していてオイルクーラ３
７の出口４５と連通する油路４６はバルブ４２によって
閉塞されていると共に、その下端４７とフィルタ取付台
中の突出部４８との間には上記中央油路３３と連通する
油路４９と連続した隙間５０が介在しており、上記中央
油路３３とバルブ４２の内部とが連通状態になっている
。

一方潤滑油の温度が上昇するとバルブ４２が点線で示し
た４２′の位置まで移動腰隙間５０が閉塞されると共に
、フランジ４４とバルブ４２の上端との間に隙間が生じ
る。

続いて上記実施例における潤滑油の流れる経路について
説明すると、始動時等の様に潤滑油温度が低い間は、潤
滑油ポンプよりシリンダブロックＢ内に形成した油孔５
１を通ってオイルフィルタ３０．３０を通過し油路３４
，３５から中央油路３３に入った潤滑油は油路４９から
隙間５０を通ってバルブ４２内を通過し、開孔４３から
ベンド管４１に流入するが、オイルクーラ３７の出口４
５はバルブ４２に閉塞されているので潤滑油は全てオイ
ルクーラ３７をバイパスしてベンド管４１へ流入する。

このようにして潤滑油は冷却されないからその温度が徐
々に上昇する。

するとサーモスタット３９の働らきてバルブ４２が左方
向へ移動して、やがて点線で示した４２′の位置まで来
ると隙間５０が閉じると共に、フランジ４４とバルブ４
２の上端との間に隙間が生じるため、中央油路３３内の
潤滑油は油路３６を通ってオイルクーラ３７に入り、冷
却された後油路４６を通ってフランジ４４とバルブ４２
′との間の隙間を経てベンド管４１に流入し、シリンダ
ブロックＢのメインギヤラリへ至る。

このようにして潤滑油のオイルクーラを通る流量を調整
することにより、潤滑油の温度が一定に保たれる。

本考案は以上述べた如くシリンダブロックの側面に固着
したオイルフィルタ取付台の内部にサーモスタットを組
み込み、該オイルフ、イルタ取付台にオイルフィルタお
よびオイルクーラを取付けてなる内燃機関の潤滑油冷却
装置において、前記オイルフィルタ取付台の下面に前記
オイルフィルタを着脱可能に取付け、かつ、オイルフィ
ルタ取付台の上面に前記オイルクーラのオイル出入口を
着脱可能に連結することにより、前記オイルフィルタお
よびオイルクーラを単独に取外し可能となしたものであ
るから、前記オイルフィルタやオイルクーラの取外しを
極めて迅速に行うことが出来、メンテナンス作業を大巾
に簡易化し得ると共に、前記オイルクーラの容量を過給
機等の有無に応じて変更する場合においても、大きさの
異るオイルクーラを前記オイルフィルタ取付台に容易に
連結することが出来るというすぐれた効果を発揮する。

しかも、本考案によればオイルフィルタ取付台にサーモ
スタットを内蔵腰該オイルフィルタ取付台をサーモスタ
ットケースとして兼用化し得ることから、従来別個に設
けていたサーモスタットケースやバイパス管あるいは戻
り管を省略することが出来、機関製造コストの高騰を抑
制し得ると共に、機関全体の小型化を遠戚するという効
果も期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はそれぞれ従来の潤滑油冷却装置の断
面図、第３図は本考案の一実施例であるサーモスタット
取付装置の側断面図である。 また、第４図は本考案に係るサーモスタット取付装置の
分解斜視図である。 ３０・・・・・・オイルフィルタ、３２・・・・・・オ
イルフィルタ取付台、３７・・・・・・オイルクーラ、
３９・・・・・・サーモスタット、３８，４５・・・・
・・オイル出入口、Ｂ・・・・・・シリンダブロック。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダブロックの側面に固着したオイルフィルタ取付
   台にオイルフィルタおよびオイルクーラを取付け、該オ
   イルフィルタ取付台に内蔵したサーモスタットにより潤
   滑油の温度に応じて前記オイルクーラへ流れる潤滑油の
   流量を調整する如くなした内燃機関に潤滑油冷却装置に
   おいて、前記オイルフィルタ取付台の下面に前記オイル
   フィルタを着脱可能に取付け、かつ、取付台上面にオイ
   ルクーラのオイル出入口を着脱可能に連結せしめたこと
   を特徴とする内燃機関の潤滑油サーモスタット取付装置
   。