JP2559230Y2 - エンジン冷却装置 - Google Patents

エンジン冷却装置

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JP2559230Y2
JP2559230Y2 JP7891692U JP7891692U JP2559230Y2 JP 2559230 Y2 JP2559230 Y2 JP 2559230Y2 JP 7891692 U JP7891692 U JP 7891692U JP 7891692 U JP7891692 U JP 7891692U JP 2559230 Y2 JP2559230 Y2 JP 2559230Y2
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thermostat
pipe
water
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temperature
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孝 赤坂
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Komatsu Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】内蔵するサーモスタットの作用に
よって水温を感知し、その高低によって冷却水の通過経
路を変更するエンジン冷却装置における管路構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図3は、一般的なエンジン冷却装置の回
路構成図、図4はサーモスタットの断面図、また、図5
はサーモスタットを内装したハウジング部の断面図であ
る。図3において、水ポンプ1から吐出された冷却水
は、オイルクーラ2を経由してエンジンに入り、シリン
ダブロック3とシリンダヘッド4の管路を通過する間に
エンジンの熱を吸収して、サーモスタット11の部分に
到達する。ここで、冷却水の温度がサーモスタット11
の設定温度よりも低いときは、バイパスの管路6の入口
が開いて、冷却水は直接水ポンプ1へ戻される。また、
サーモスタット11の温度が高くなると、その作用によ
ってバイパス側の管路6の通路が閉じるとともに、ラジ
エータ7側の通路が開き、冷却水は管路8からラジエー
タ7を経由して水ポンプ1へ戻される。図4は、通路の
単純な開閉だけを行う単機能型のワックス式サーモスタ
ットの一例を示すもので、中央部にワックスを内蔵した
感熱部11a及びサポート11bを付設したカバー11
cと、中央部にロッド11dを固着したバルブ11eで
構成されており、ロッド11dはサポート11bの中心
に形設された穴へ滑動自在に嵌合している。なお、カバ
ー11cには穴h1、また、バルブ11eには穴h3が形設
されている。かかる構造のサーモスタット11におい
て、シリンダヘッド4とラジエータ7間の管路に設定し
たハウジング12にカバー11cを固定した状態で感熱
部11aが加熱されると、内部に充填されたワックスが
膨張することによってロッド11dの上面に圧力が加わ
り、バルブ11eが下方へ押し下げられる。また、逆に
温度が低下してワックスが収縮すると、バルブ11eは
上方へ押し上げられる。図5は、サーモスタット11の
作用によるハウジング12の部分の冷却水通路の開閉状
態を示すもので、(a)は低温時、また、(b)は高温
時を示している。冷却水が低温状態では、サーモスタッ
ト11のバルブ11eはカバー11cに押し付けられた
状態にあるため、エンジンに連結する通路Pから流入し
た冷却水は、カバー11cの穴h1,バルブ11eの底面
の穴h3を経由してバイパス通路Rへ流入する。次に冷却
水が高温状態では、カバー11cとバルブ11eの間に
すき間ができるとともに、バルブ11eの下面は通路の
座面A部に密着して穴h3が閉じられた状態となる。この
ため、通路Pから流入した冷却水はカバー11cの穴h1
からカバー11cとバルブ11eのすき間を通ってラジ
エータへ通じる通路Qへ流入するとともに、バイパス管
路に通じる通路Rへの流入が阻止される。
【0003】ここで、特にディーゼルエンジンでは、始
動時の白煙防止のために短時間での水温上昇が必要であ
るとともに、大型高出力エンジンの定常運転時には十分
な冷却水流量が要求される。その始動時におけるエンジ
ン燃焼室回りの冷却水流量を減少する手段として、図6
及び図7のような回路構成が考えられる。すなわち、図
6ではオイルクーラ2とシリンダブロック3の間にサー
モスタット11を追加し、冷却水の温度が低いときに
は、バイパス用の管路14及び管路6を経由して水ポン
プ1へ戻る回路構成になっている。また、図7ではオイ
ルクーラ2の出口からとシリンダヘッド4の出口からの
入力を切り換えることができる特殊なサーモスタット1
3を使用し、低温時にはオイルクーラ2の出口から直接
に水ポンプ1へ戻す作用を行わせるものである。
【0004】
【考案が解決しようする課題】かかる一般的な従来構造
の冷却装置では、シリンダブロックやシリンダヘッド内
を通過する冷却水流量を減少させることができないた
め、始動時におけるエンジンの温度上昇が遅く、白煙発
生の不具合が生じる。また、この改良手段としてシリン
ダブロックやシリンダヘッドを通過する冷却水の流量を
減少させるために、複数のサーモスタット、あるいは特
殊な入力切換え型のサーモスタットを使用する図6及び
図7のような構造では、製造原価が上昇するという問題
があった。本考案は、かかる課題を解決することを目的
としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案では水ポンプから吐出した冷却水をエンジン
のシリンダブロック及びシリンダヘッド内の管路を経由
して管路中のハウジングに内装する1個の単機能型サー
モスタット部分へ導入し、その水温の高低に応じてサー
モスタットを作用させることによって、シリンダヘッド
からの管路をラジエータへ通じる管路又は水ポンプへの
バイパス管路へ連通させるエンジン冷却装置において、
エンジンの手前に配設したオイルクーラ出口の管路から
分岐してサーモスタットを内装するハウジングへバイパ
ス管路を付設し、サーモスタットの作用によって、冷却
水の水温が低いときにはこのバイパス管路とサーモスタ
ット〜水ポンプ間のバイパス管路を連通させ、水温が高
いときにはオイルクーラ出口〜ハウジング間のバイパス
管路の出口通路が閉じるとともに、シリンダヘッド〜サ
ーモスタット間の管路をサーモスタット〜ラジエータ間
の管路へ連通する構造としている。
【0006】
【作用】上記構造によれば、冷却水の温度が低い場合に
は、水ポンプから出た冷却水の大部分は、オイルクーラ
出口〜サーモスタット間の管路を経由し、さらにサーモ
スタット〜水ポンプ間のバイパス管路を通って水ポンプ
へ還流されるため、シリンダブロックやシリンダヘッド
を通過する流量は極く少量となり、水温の上昇が早くな
る。次に、水温が高くなると、サーモスタットの作用に
よって大部分の冷却水はシリンダブロックとシリンダヘ
ッドを経由してラジエータを通過することになるため、
冷却能力が向上する。
【0007】
【実施例】以下に、本考案を図に示す実施例について説
明する。図1は、本考案に係るエンジン冷却装置の回路
構成図、また、図2は、本考案に係るサーモスタットを
内装したハウジング部の断面図である。図1において、
水ポンプ1から吐出した冷却水は、オイルクーラ2を通
過した後、シリンダブロック3及びシリンダヘッド4の
管路を経由してワックス式単機能型のサーモスタット5
の部分に流入する。このサーモスタット5を内装する図
示しないハウジングには、水ポンプ1に直通するバイパ
ス用の管路6と、ラジエータ7を経由して水ポンプ1に
還流する管路8が接続されている。また、オイルクーラ
2の出口から分岐するバイパス用の管路9が、前記のハ
ウジングに接続されている。なお、バイパス用の管路9
の入り口の分岐位置は、エンジンの特性等によっては、
水ポンプ1の直後、あるいはシリンダブロック3のあと
の管路でもよい。次に、サーモスタット5を内装したハ
ウジング10の部分を示す図2によってサーモスタット
5の作用による通路の切換え状況を説明する。このハウ
ジング10には、従来型と異なってオイルクーラ出口か
らバイパスされた管路の出口Sが形設されている。ま
ず、(a)の低温時には、カバー5cをハウジング10
の穴に固装したサーモスタット5の感熱部5aに内蔵す
るワックスが収縮状態にあるため、バルブ5eは上方へ
押し上げられた状態で、カバー5cに密着している。こ
のため、シリンダヘッドからの通路Pは閉じられ、オイ
ルクーラ出口からバイパスされた管路の出口Sは、水ポ
ンプへのバイパス管路の入口Rに連通するため、冷却水
は直接に水ポンプへ戻される。ここで、サーモスタット
5の感熱部5aの部分に常に冷却水の流れが生じて正常
な作用が行なわれるため、バルブ5eの底面には小穴h2
が形設してあり、シリンダヘッドからの通路Pからカバ
ー5cに形設された穴h1及びバルブ5e底面の穴h2を通
って僅かな冷却水がバイパス用の管路の入口Rへ流れる
構造になっている。次に、(b)の中温時には、感熱部
5aに内蔵されたワックスの若干の膨張によってバルブ
5eは中間位置の状態となり、カバー5cとバルブ5e
の上端の間にすき間が生じる。また、バルブ5eの下端
とオイルクーラの出口からバイパスされた管路の出口S
の上端の間にもすき間が生じる。このため、通路Pから
流入した冷却水は、カバー5cに形設した穴h1から通路
Qへ流入するとともに、オイルクーラ出口から流入した
冷却水は、通路Sから通路Rへ流入する。次に、(c)
の高温時には、感熱部5aに内蔵したワックスの膨張に
よってバルブ5eは完全に押し下げられて通路Sを閉
じ、通路Pから流入した冷却水は、カバー5cに形設し
た穴h1を経由して通路Qへ流入する。
【0008】
【考案の効果】かかる構造の冷却装置では、一般的な従
来構造では不可能なエンジン低温時におけるシリンダブ
ロックやシリンダヘッド内を通過する冷却水の流量の制
限を、入力切換えの機能がない単機能型のサーモスタッ
ト1個の作用によって可能にすることができるため、複
数の単機能型サーモスタットや、入力切換え型の特殊な
サーモスタットを使用する場合に比べて安い製造原価で
冷却特性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るエンジン冷却装置の回路構成図で
ある。
【図2】本考案に係るサーモスタットハウジング部の断
面図である。
【図3】従来の一般的なエンジン冷却装置の回路構成図
である。
【図4】ワックス式の単機能型サーモスタットの断面図
である。
【図5】従来構造のサーモスタットを内装したハウジン
グ部分の断面図である。
【図6】オイルクーラとシリンダブロックの間にサーモ
スタットを追加した従来構造の冷却装置の回路構成図で
ある。
【図7】入力切換え型のサーモスタットを装着した従来
構造の冷却装置の回路構成図である。
【符号の説明】
1 水ポンプ 2 オイルクーラ 3 シリンダブロック 4 シリンダヘッド 5,11,13 サーモスタット 6,8,9,14 管路 7 ラジエータ 10,12 ハウジング

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水ポンプから吐出した冷却水をエンジン
    のシリンダブロック及びシリンダヘッド内の管路を経由
    して管路中のハウジングに内装する1個の単機能型サー
    モスタット部分へ導入し、その水温の高低に応じてサー
    モスタットを作用させることによって、シリンダヘッド
    からの管路をラジエータへ通じる管路又は水ポンプへの
    バイパス管路へ連通させるエンジン冷却装置において、
    エンジンの手前に配設したオイルクーラ出口の管路から
    分岐してサーモスタットを内装するハウジングへバイパ
    ス管路を付設し、サーモスタットの作用によって、冷却
    水の水温が低いときにはこのバイパス管路とサーモスタ
    ット〜水ポンプ間のバイパス管路を連通させ、水温が高
    いときにはオイルクーラ出口〜ハウジング間のバイパス
    管路の出口通路を閉じるとともに、シリンダヘッド〜サ
    ーモスタット間の管路をサーモスタット〜ラジエータ間
    の管路へ連通する構造としたことを特徴とするエンジン
    冷却装置。
JP7891692U 1992-10-20 1992-10-20 エンジン冷却装置 Expired - Lifetime JP2559230Y2 (ja)

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