JP2555550Y2 - V型エンジン - Google Patents

V型エンジン

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JP2555550Y2
JP2555550Y2 JP1991072688U JP7268891U JP2555550Y2 JP 2555550 Y2 JP2555550 Y2 JP 2555550Y2 JP 1991072688 U JP1991072688 U JP 1991072688U JP 7268891 U JP7268891 U JP 7268891U JP 2555550 Y2 JP2555550 Y2 JP 2555550Y2
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幾朗 原
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、水冷式V型エンジンの
シリンダブロックにおけるウォータギャラリとブリーザ
通路の配置及び水ポンプの配置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のエンジンにおいて、左右のバン
ク間の谷を中間板と上面板で上下二つの通路に仕切り、
上部をブリーザ通路とし、下部をウォータギャラリとし
たものは従来知られている(例えば特開昭60−182
81号)。
【0003】しかし、ウォータギャラリをこのように下
部に配置すると、一体鋳造による場合は、ウォータギャ
ラリのバリ取りが困難で流通抵抗が大になり易く、また
横幅を大きくすることができないため、流路の断面積を
大きくすることができず、水ポンプからの流入路を設け
ることもむずかしくなる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、ウォータギ
ャラリの流路の断面積を大きく形成することができ、且
つ鋳造後のバリ取りを容易にして流通抵抗を小さくする
こと、及び水ポンプがシリンダブロックの端面から突出
する長さを小さくすると共に、水ポンプからウォータギ
ャラリへの流入口を容易に形成できるようにすることを
課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案における前記課題
の解決手段は、左右のバンクの谷部にウォータギャラ
リ、ブリーザ通路等の複数の通路を設けたV型エンジ
おいて、該谷部を横方向の隔壁で上下に区画して最上
部をウォータギャラリとすると共にその下部をブリーザ
通路とし、左右のバンクの上端を結んでウォータギャラ
リの蓋体を取付け、シリンダブロックの一端に一方のバ
ンク側に偏寄した水ポンプ取付座を設けて水ポンプの軸
心を左右のバンク間の谷部内に臨ませて配置し、該水ポ
ンプの出口に当接する取付座延長部を他方のバンク寄り
に設け、その内側の流入口をウォータギャラリに連通さ
せたことを特徴とする。
【0006】
【作用】前記のように、ウォータギャラリを上部に設け
てその上面を開放し、溝形に形成したので、鋳造時にで
きたバリを容易に取ることができる。また、ウォータギ
ャラリの流路は、ブリーザ通路との間の隔壁と左右のバ
ンクの上端を結ぶ蓋体の下面との間に形成され、断面積
が大きいから流路抵抗が少ない。そして該ウォータギャ
ラリは、谷部の最上部にあるため横幅が大きく、冷却水
ポンプは、その軸心を左右のバンクの谷部内に臨ませて
シリンダブロックの端面の取付座に取付けるから、水ポ
ンプをシリンダブロックからあまり突出させることなく
取付けることができると共に、ポンプとの連通路を設け
るためのスペースを確保できる。
【0007】
【実施例】以下、図面に従って本考案の実施例を説明す
る。図1において1はシリンダブロック、2、3は左右
のバンク、4、5はシリンダ、6、7は冷却用の水室で
ある。左右のバンク2、3はバンク角が60°でその谷
部に下方からオイルギャラリ8、ブリーザ通路9が設け
られ、隔壁10上にウォータギャラリ11が形成され、
上端には蓋体12が取付けられる。
【0008】そして、左バンク2の上端からブリーザ通
路9に至るガス通路13が隔壁10を貫いて図2に示す
ように1個以上設けられ、またウォータギャラリ11か
ら左右の水室6、7に至る分水路14、15が各シリン
ダごとに設けられる。
【0009】このシリンダブロック1の一端には、図2
に示すようにシリンダブロック1の上部から端面16に
至る円弧状の吸水路17が設けられ、端面16側に水ポ
ンプ18が取付けられ、ロータ18aの回転により、吸
水路17から吸水した水をケーシング18bから前記ウ
ォータギャラリ11に送るようになっている。図中19
は吸水管17の入口側の接続部17aに連結された接続
管で後記の図7に示される構成を備える。20はサーモ
ケースで内部に給水量を制御するサーモスタットを内蔵
する。
【0010】シリンダブロック1の一端面16には、図
3に示すように水ポンプ18の円形の取付座21が設け
られ、該取付座21の側部に略台形の取付座延長部21
aが連設されており、その内側の流入口21bは前記ウ
ォータギャラリ11に連通している。そして水ポンプ1
8を取付座21に固定するとき、取付座延長部21aに
は、水ポンプ18のケーシング18bに設けた水出口が
接続される。
【0011】したがって、図4に示すように、水ポンプ
18で付勢された冷却水は、流入口21bからウォータ
ギャラリ11に入り、左右のバンク2、3の各シリンダ
ごとの分水路14、15から水室6、7に入り、各シリ
ンダ4、5を一斉に冷却したのち、図外の帰還路からラ
ジエターに戻る。
【0012】なお、図中23、24は盲栓で、ブリーザ
通路9用の中子及びウォータギャラリ11用の中子を支
持するための脚部で形成された穴を閉じるためのもので
ある。図5において25はブリーザ通路9用の中子、2
6はウォータギャラリ11用の中子で、それぞれに脚部
25a、26aを備えて鋳造時に定位置に保持される。
また、中子25から上方に伸びる突部27と中子26の
側面に設けた凹部28によって形成されるコ字形空間2
9は、前記ガス通路13を形成するための鋳造空間であ
る。
【0013】次に、他の実施例を図6、図7により説明
する。この実施例は、シリンダブロック1とラジエター
30と水ポンプ18の間に設ける配管とサーモケースを
一体にして複合管体31を形成し、シリンダブロック1
への組付けを簡単にしたものである。
【0014】該複合管体31は、両バンク2、3の冷却
水出口32、33に接続される連絡管34、該連絡管3
4からラジエター30に向けて分岐する戻し管35、該
戻し管35と並列のサーモケース36を備える。該サー
モケース36には、車内暖房器からの戻り管37の接続
口、オイルクーラからの戻り管38の接続口が突設され
ると共に、水ポンプ18への接続口39が突設されてお
り、サーモケース36の内部にはサーモスタット40が
挿入されて固定され、該サーモスタット40で連通管3
4からの流入口41の開度を調節する。
【0015】サーモケース36の前記接続口39は、図
7に示すように接続管19によって円弧状の吸水路17
に接続され、シリンダブロック1の端面に固定した水ポ
ンプ18に連通されている。該水ポンプ18の出口は、
前記実施例の如く両バンク間のウォータギャラリに連通
している。図7中42はシール用のOリング、図6中4
3、44はラジエター30と連絡するアッパホース及び
ロアホースである。
【0016】この実施例においては、シリンダブロック
1内の水室とラジエター30、サーモケース36、水ポ
ンプ18に連通する水路を、一つの複合管体31で構成
し、水ポンプ18の給水路17との接続には、単に挿込
むだけで済む接続管19を用いたから、シリンダブロッ
ク1に対する固定個所は、連絡管34の両端だけであ
り、組付けが極めて簡単である。
【0017】
【考案の効果】以上のように本考案は、V型エンジンの
シリンダブロックの左右のバンクの間の谷部の最上部に
ウォータギャラリを設け、その下部にブリーザ通路を設
けたから、鋳造後にウォータギャラリのバリ取りをする
のが容易であり、また左右のバンクの上端を結ぶ蓋体内
面を上端とする大面積のウォータギャラリが形成される
ので、冷却水の流通抵抗を減少できる利点がある。
【0018】また、ウォータギャラリが谷部の最上部に
あるため、該ウォータギャラリの横幅を広くすることが
でき、シリンダブロックの端面に水ポンプを直接固定す
る構造として、該水ポンプの側部に水ポンプからウォー
タギャラリに至る流入口を形成することができ、別個の
配管をする必要がなく、構造及び組付けが簡単になる利
点を有する。更に、水ポンプの軸心を左右のバンク間
谷部に臨ませて配置したので、水ポンプをシリンダブロ
ック端面からあまり突出させることなく設置でき、エン
ジンの小型化に役立つ利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の実施例の軸直角縦断面図
【図2】 同上軸方向縦断面図
【図3】 同上端面図
【図4】 同上作用説明図
【図5】 同上鋳造用中子の斜面図
【図6】 他の実施例の配置図
【図7】 同上部分断面図
【符号の説明】
1 シリンダブロック 2、3 バンク 6、7 水室 9 ブリーザ通路 11 ウォータギャラリ 17 吸水路 18 水ポンプ 21 水ポンプ取付座 21a 取付座延長部 21b 流入口

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右のバンクの谷部にウォータギャラ
    リ、ブリーザ通路等の複数の通路を設けたV型エンジ
    おいて、該谷部を横方向の隔壁で上下に区画して最
    部をウォータギャラリとすると共にその下部をブリーザ
    通路とし、左右のバンクの上端を結んでウォータギャラ
    リの蓋体を取付け、シリンダブロックの一端に一方のバ
    ンク側に偏寄した水ポンプ取付座を設けて水ポンプの軸
    心を左右のバンク間の谷部内に臨ませて配置し、該水ポ
    ンプの出口に当接する取付座延長部を他方のバンク寄り
    に設け、その内側の流入口をウォータギャラリに連通さ
    せたことを特徴とするV型エンジン
JP1991072688U 1991-09-10 1991-09-10 V型エンジン Expired - Fee Related JP2555550Y2 (ja)

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JPS5985349U (ja) * 1982-12-01 1984-06-09 日産自動車株式会社 V型内燃機関の冷却装置
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