JPS6041157Y2 - スイングチエア - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は前後方向に揺動可能な椅子本体を有するスイン
グチエアに関する。

周知のロッキングシューにおいては所望曲率の底面を有
して椅子本体に固定されたロッキングシューを備えてお
り、椅子本体の揺動に伴なって床面とロッキングシュー
との相互当接部が前後方向に転動する。

そして、小面積の相互当接部に全荷重が集中するので床
面を損傷し易く、また、シューと床との間に他人の身体
の一部（足先、手など）がはさまれたり、あるいははず
みにより揺動角度が復元限界を超え転倒するなどの危険
性がある。

さらに、シューの展開長は通常の椅子の前後方向脚スパ
ンよりも長いため広いスペースを必要とする。

本考案は上記事情のもとになされたもので、その目的と
するところは、脚体の底部が転動するようなことがなく
、したがって床面を損傷するようなことや人体に危害を
及ぼすようなことのない、安全で快適なスイングチエア
を提供することにある。

以下、本考案を図示の一実施例について説明する。

第１図において椅子本体１は通常のものと同様なもので
あってよく、座部２および背凭部３を備えており、さら
に肘掛部や足台、ないしは背凭部３に対するリクライニ
ング機構などを有するものであってもよい。

椅子本体１は、たとえば座部２の下面に位置して前後方
向および横方向に相互に離間して配設された４つの軸受
部４・・・すなわち連絡部の一例を備えている。

横方向に相対向して各一対をなす軸受部４・・・には同
心をなす透孔５・・・がそれぞれ開設されている。

脚体６は相互に対称をなす左右一対の脚部７゜７を備え
ている。

脚部７は、床面に載置されるほぼ前後方向の下枠部８と
、この下枠部８の前後両端部とそれぞれ連接して横方向
外側に延びるトーションバ一部９，９と、これらトーシ
ョンバ一部９．９と連接して上後方に延在する前枠部１
ｏおよび上前力に延在する後枠部１１と、これら前枠部
１０および後枠部１１と連接してそれぞれ横方向内側に
延在する前側および後側上枠部１２・・・とを一体に備
えている。

脚部７は、たとえば鋼、アルミニウム合金またはその他
の金属材料、あるいは硬質合成樹脂または繊維強化合成
樹脂などのようなばね材料から形成され、所望の断面形
状を有する中空または中実の棒状材が用いられる。

そして、上枠部１２・・・を上記軸受部４・・・の透孔
５・・・に回動自在に挿入することにより、椅子本体１
を支持するように構成されている。

図示例においては上枠部１２・・・の各先端部にねじ部
（図示略）を形設するとともに、相互に同心に対向する
一対の上枠部１２，１２をターンバックル１３によって
連結するようになっているが必ずしもこれに限られるこ
とはなく、上枠部１２・・・が透孔５・・・から抜は出
すのを阻止可能であれば、たとえばナツト、ピン、リン
グまたはその他の任意の手段を設けるようにしてもよい
。

上述のように構成された椅子においては、着座者が重心
を後方に移動すれば第２図に例示するように前枠部１０
および後枠部１１が共に反時方向に回動されるような変
形をなすことにより椅子本体１が後傾し、また、重心を
前方に移動することにより、上述とは逆方向の変形によ
り椅子本体１は第３図に例示するように前傾する。

脚体６の上述のような変形はトーションバ一部９・・・
における捩れを主とし、かつ前枠部１０および後枠部１
１等におけるたわみが加味される。

また、垂直荷重に対しては主として前枠部１０および後
枠部１１のたわみによりクッション性が与えられる。

上記構成によれば、脚体６は下枠部８およびトーション
バ一部９において床面と接するので荷重が分散され、床
面を損傷する恐れが少ない。

また、下枠部８およびトーションバ一部９は常に床面と
当接しているので、椅子本体１の揺動時に他人の身体が
はさまれるようなことがなく、かつ従来のロッキングチ
ェアのような転がり運動ではないからはずみがついて転
倒するようなこともないので、きわめて安全である。

さらに、椅子本体１の揺動に拘らず脚体６は床面に対し
て移動することがないので、所要床面積が少なくてすむ
。

しかも脚体６のたわみによるクッション性が得られる。

なお、本考案は上記実施例のみに限られるものではなく
、たとえば椅子本体１の形状等は任意に設定可能である
。

また脚体６を椅子本体１に対して着脱自在に設けること
により、収納または運搬時における荷姿を小形になし得
るとともに、脚体６を前後反転して取付けたり、あるい
は他の脚体を取付けるなどすることも可能である。

さらに、前側および後側の両方またはいずれか一方に配
された軸受部４・・・の透孔５・・・を、第４図に例示
するように長円形状に形成して上枠部１２の前後方向変
位を許容するようにしてもよい。

また前枠部１０および後枠部１１の長さを第５図に例示
するように相互に異ならしめるなどして、前傾時と後傾
時との特性が異なるように構成してもよい。

また、下枠部８、トーションバ一部９、前枠部１０、お
よび後枠部１１等は必ずしも直線状でなくてもよく、こ
れらの全部または一部を所望の曲線状に形成してもよい
。

したがってトーションバ一部９は床面に当接していなく
てもよい。

さらに、上枠部１２を外向きに設けるようにしても、ま
た、前枠部１０および後枠部１１等を下枠部８よりも内
側に配するようにしともよい。

本考案は、上述したようにほぼ前後方向の下枠部と、横
方向のトーションバ一部と、上後方に延在する前枠部お
よび上前方に延在する後枠部と、横方向に延在する前側
および後側上枠部とを順に連接して棒状ばね材料からそ
れぞれ一体に形成されるとともに相互に対称をなす左右
一対の脚部を、上記前後両側上梓部がそれぞれ回動自在
に支持される連結部を介して椅子本体に取付けるように
したので、上記脚部は椅子本体の揺動に応じてたわみ、
従来のロッキングチェアにおけるように転動することが
ない。

したがってミ床面との相互当接面積を充分大きくなし得
るので荷重が分散され、床面を損傷する恐れが少なく、
かつ他人の身体をはさみ込むようなこともなければ、は
ずみて転倒するようなこともない。

また、椅子の揺動に拘らず脚部は転動ないし移動するよ
うなことがないので所要スペースが少なくてすみ、しか
も脚体がばね性を備えているクッション作用をなし得る
など、実用上、多くの優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２図および
第３図は同側の動作説明図、第４図および第５図はそれ
ぞれ要部の変形例を示す説明図である。 １・・・椅子本体、４・・・軸受部（連結部）、５・・
・透孔、７・・・脚部、８・・・下枠部、９・・・トー
ションバ一部、１０・・・前枠部、１１・・・後枠部、
１２・・・前側および後側上枠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床面に載置されるほぼ前後方向の下枠部と、この下枠部
   の前後両端部とそれぞれ連接するほぼ横方向のトーショ
   ンバ一部と、これらトーションバ一部とそれぞれ連接し
   て上後方に延在する前枠部および上前力に延在する後枠
   部と、これら前枠部および後枠部とそれぞれ連接して横
   方向に延在する前側上梓部および後側上梓部とを有して
   棒状ばね材料からそれぞれ一体に形成されるとともに相
   互に対称をなす左右一対の脚部を、上記前側上枠部およ
   び後側上枠部がそれぞれ回動自在に支持される連結部を
   介して椅子本体に取付けてなるスイングチエア。